JP3045273U - パネルヒータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠赤外線の放射を阻害せず、発熱体を人体か
ら隔離すると共に、人体がガードに触れたとしても火傷
を生じる恐れのないガ−ドを有する遠赤外線放射パネル
ヒータを提供する。 【解決手段】 遠赤外線放射パネルヒータ１０の全面
に、耐熱性の高いアラミド繊維などでつくった蜂の巣
状、あるいは連続円筒状のハニカム板体２０を配設す
る。ハニカムコア２５の内面、あるいは連続円筒内面に
金属を蒸着させて、パネルヒ−タが放射する遠赤外線を
ハニカムコアの金属面３０で反射させ、ハニカム板体、
連続円筒板体が吸収して加熱する遠赤外線の吸収を阻止
し、ハニカム板２０の加熱を防止し、遠赤外線の照射効
率を向上させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、暖房用の遠赤外線放射パネルヒータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、各種類の暖房用パネルヒータが開発され実用に供されているが、ヒ ータの製造コストおよびランニングコストを制御するため、発熱体の温度を高温 にすることにより発熱面積を抑えて、所要の発熱量を得ていた。これらのヒ−タ −は発熱面に金網、ワイヤーなどのガードを配設して、人体が直接触れないよう に防護措置を施していた。 最近では、暖房の快適性が追及され、パネルからの遠赤外線を放射する輻射暖 房が増えてきている。 遠赤外線暖房パネルは、一般的に電熱式であるが、パネル温度を１００℃〜１ ５０℃として、人体に灼熱感を与える短い波長の遠赤外線、あるいは赤外線のパ ネルからの放射を抑えている。 しかしこの温度であっても、人体が直接パネルに触れると火傷の恐れがあるの で、保護のためのガードの配設が必須であり、強度の過熱の問題から、金属製ガ ードが多く使用されている。

【０００３】 上記構成のパネルヒ−タ−は金属製ガードに人体の素肌が触れた場合、火傷を 生じさせる可能性が高く、金属に替わるガードの材料および接触しても火傷しな い構造が研究されているが、他の材料では遠赤外線を吸収して加熱してしまう、 あるいは折角の遠赤外線の放射がガ−ド材料に吸収されることで阻害される、こ となどの難点から、金属製ガードが主流を占めている現状にある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案における解決しようとする課題は、遠赤外線の放射を阻害せ ず、発熱体を人体から隔離すると共に、人体がガードに触れたとしても火傷を生 じる恐れのないガ−ドを有する遠赤外線放射パネルヒータを提供することである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

課題を解決するための手段として、本考案では、遠赤外線放射パネルヒータの 全面に、耐熱性の高いアラミド繊維などでつくった蜂の巣状、あるいは連続円筒 状のハニカム板体を配設している。 さらに、ハニカム内面、あるいは連続円筒内面に金属を蒸着させて、パネルヒ −タが放射する遠赤外線をハニカムコアの金属面で反射させ、ハニカム板体、連 続円筒板体が吸収して加熱する遠赤外線の吸収を阻止する構成を具備する。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面により説明する。 図１はパネルヒ−タの一部の斜視図、図２はその断面図、図３はハニカム板の 一部分の斜視図である。 パネルヒ−タは発熱体１０と、発熱体１０の表面を被覆するカバ−体２０とよ りなる。 発熱体１０は電熱式であって、電気抵抗体を配設した発熱シ−トに通電するこ とにより発熱を実行する。 発熱体１０は、例えば、図４に示すような、対向する帯状の電極１１０，１２ ０と、両端が電極１１０，１２０に連結される発熱シ−ト１３０を有している。 発熱シ−ト１３０は導電性を有する炭素繊維１３４と絶縁性であるガラス繊維 １３２を交互にＸ方向、Ｙ方向に並べたものである。Ｘ方向の炭素繊維１３４に 電流を流すと、抵抗発熱して遠赤外線を放射する。隣接するＸ方向の炭素繊維１ ３２に電流差が生ずると、Ｙ方向に配列した炭素繊維１３２に電流が流れ、電位 差を解消し、発熱シ−ト１３０全面から良好な波長をもつ遠赤外線が放射される 構成と成っている。

【０００７】 発熱体１０の一面全面に、ハニカム状の板体（カバ−体）２０を接着等の固着 手段により配設する。 ハニカム状の板体２０は、断面を蜂の巣（６角形）状とした筒体（コア）２５ を連続形成した板体であって、一方の開口面を発熱体１０面に固着して配設され ている。ハニカム状の板体２０はアラミド繊維にフェノ−ル樹脂を含浸させて固 化し、６角形状の筒体２５を連続形成して板状としたものである。 ハニカム状の板体２０の各ハニカムコア２５の壁面には金属を蒸着させた金属 面３０を形成している。

【０００８】 このように発熱体１０にハニカム板２０を積層して構成されるパネルヒ−タは 発熱体１０を電源１４０に接続して発熱シ−ト１３０を発熱させる。発熱体１０ の表面からは遠赤外線を発散する。発散する遠赤外線は、ハニカム状の板体２０ のハニカムコア２５に案内されて進み、空気中に放散される。 このとき、ハニカムコア２５の内壁面は金属面３０となっているので、フェノ −ル樹脂を含浸させたアラミド繊維で形成されているコア２５面に遠赤外線が吸 収されることがない。 このように、発熱体が放射する遠赤外線はカバ−体であるハニカム板２０に吸 収されないので、放射する遠赤外線はすべて方向性をもって効率良く外気に放射 される。さらに、カバ−体であるハニカム板２０に遠赤外線が吸収されないので ハニカム板２０が加熱されることなく、人間がハニカム板２０に接触しても火傷 等の損傷を負うことがない。

【０００９】 なお、以上の説明のパネルヒ−タのガ−ド体は断面６角形状のハニカム板を用 いているが、ハニカム板のコアの形状は断面多角形状、断面円形状、断面テイア ドロップ形状等としても同様の効果を有する。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によるパネルヒ−タは遠赤外線の放射を阻害することなく発熱体を人体 から隔離することができ、人体がガードに触れたとしても火傷を生じる恐れがな い。 通常、アラミド繊維などで構成するハニカム構造（蜂の巣構造）は、固化させ るためにフェノール樹脂を含浸させることが一般的であり、フェノール樹脂は遠 赤外線を吸収して加熱し、高温になるが、本考案のパネルヒ−タはハニカム板を 耐熱性のアラミド繊維で構成し、さらに遠赤外線が通過する壁面を金属蒸着面と して、遠赤外線を反射させる構造とすることにより、遠赤外線の吸収、加熱を阻 止し、接触による火傷等の危険性を完全に防止している。

【図面の簡単な説明】

【図１】パネルヒ−タの斜視図。

【図２】パネルヒ−タの断面図。

【図３】ハニカム板の斜視図。

【図４】発熱体の斜視図。

【符号の説明】

１０ 発熱体 １１０，１２０ 電極 １３０ 発熱シ−ト １４０ 電源 ２０ ハニカム板 ２５ ハニカムコア ３０ 金属面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 通電により発熱する発熱体と、発熱体の
   発熱面の全面に配設するハニカム板を有し、 発熱体は発熱して遠赤外線を放射すると共に、ハニカム
   板は耐熱性のアラミド繊維を樹脂で固化した板状体で構
   成され、発熱面から放射される遠赤外線は耐熱繊維製の
   ハニカム板を介して放出されるパネルヒータ。
2. 【請求項２】 耐熱繊維製のハニカム板はハニカムコア
   の内面に金属を蒸着させた金属面を形成し、通過する遠
   赤外線を金属面で反射させて放射効率を高めてなるパネ
   ルヒータ。