JP3045264B2 - 合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法

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JP3045264B2
JP3045264B2 JP4234646A JP23464692A JP3045264B2 JP 3045264 B2 JP3045264 B2 JP 3045264B2 JP 4234646 A JP4234646 A JP 4234646A JP 23464692 A JP23464692 A JP 23464692A JP 3045264 B2 JP3045264 B2 JP 3045264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、品質特性のすぐれた合
金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法に関し、詳しくは、
Ti及びPを複合添加した鋼板について、合金化不足や
合金化過度なしに、合金化溶融亜鉛めつきを行なつて、
塗装後の耐食性やめつきの密着性等、品質特性にすぐれ
る合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の防錆強化策として、種々
の表面処理鋼板の使用が急増しているが、なかでも、塗
装後の耐食性や溶接性がすぐれる合金溶融亜鉛めつき鋼
板(以下、GAという。)が大量に用いられている。近
年、自動車の軽量化を背景として、成形性のすぐれる高
強度GAの開発が強く要望されており、めつき原板にT
i、Nb、P等の元素を単独にて、又は複合して添加し
たGAが用いられ始めている。しかしながら、このよう
な元素を添加したGAの製造に際しては、合金化めつき
層の表面に亜鉛が残存する合金化不足が生じたり、或い
は合金化が進行しすぎて、脆いΓ相(Fe3 Zn10)が
厚く成長する合金化過度の現象があらわれやすくなり、
塗装後の耐食性、溶接性の低下、或いはめつき密着性の
劣化を招くこととなる。このような現象は、上述したよ
うな元素が鉄と亜鉛の合金化速度を大きく変化させるた
めに生じるものである。従来、Tiは合金化を促進し、
Pは合金化を遅延させるといわれており、これらの元素
が複合添加されるときは、両者の影響が複雑に絡みあう
ので、良好な合金化度を有するめつき層を得ることは、
一層、困難である。
【0003】従来、このように、TiとPとを複合添加
したGAの製造においては、合金化不足又は合金化過度
を起こさない最適の操業条件を迅速且つ的確に把握する
ことは困難であるので、著しい歩留り低下を余儀なくさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の合金
化溶融亜鉛めつき鋼板の製造における上記した問題を解
決するためになされたものであつて、TiとPとを複合
添加したGAの製造において、鋼中のTiとP濃度に対
応して、最適のめつき条件下にめつきを行なつて、合金
化不足や合金化過度を防止し、かくして、めつき密着
性、塗装後の耐食性、溶接性等、品質特性のすぐれた合
金化溶融亜鉛めつき鋼板を製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による合金化溶融
亜鉛めつき鋼板の製造方法は、Ti0.005〜0.10重
量%及びP0.03〜0.15重量%を含有する鋼板を式 0.2Y<浴中有効Al濃度<1.2Y Y=−(1/12)×〔P〕+(1/5)×〔Ti〕+
0.100 (式中、〔P〕及び〔Ti〕は鋼中のP及びTiの含有
量(重量%)を示す。)で与えられる浴中有効Al濃度
(重量%)に調整した溶融亜鉛めつき浴に2秒を越える
時間、浸漬し、次いで、合金化熱処理を施すことを特徴
とする。
【0006】一般に、Fe−Znの合金化は、めつき浴
中に添加されたAlと素地Feの反応によつてめつき時
に生成するFe−Al合金層を素地FeとめつきZnの
相互拡散によつて破壊して開始される。ここに、鋼中の
Tiは合金化を促進し、Pは合金化を遅延させる。その
理由は必ずしも明らかではないが、TiとPはFe−A
l合金層の性状に影響を及ぼしていると推察されるが、
このFe−Al合金層の性状に浴中Al濃度も強い影響
を及ぼす。
【0007】尚、めつき浴中のAlは、浴に溶解してい
るAlと浴中Feと結び付いてドロスとなつているAl
とに分けることができ、Fe−Al合金層の性状に影響
を及ぼすのは前者のAlであり、このようなAlは、一
般に、有効Alと呼ばれている。後者のAlは、重量%
にてFeと1:1にて結び付いているため、有効Al濃
度は、浴中Al濃度から浴中Fe濃度を差し引いた値で
ある。有効Al濃度が高くなるほど、Fe−Al合金層
によるバリヤー効果が大きくなり、合金化速度は遅くな
る。
【0008】本発明は、この有効Alに注目し、鋼中の
Tiによる合金化促進とPによる合金化遅延の相互作用
を有効Al濃度にて調整し、一定の合金化速度を得るよ
うにしたものであるが、本発明者らは、鋭意研究した結
果、めつき浴への浸漬時間が合金化速度の安定性に大き
く影響を与えていることを見出した。即ち、めつき浴へ
の浸漬時間は、めつき時に鋼板の表面に形成されるFe
−Al合金層の組成、厚さ等の性状を支配し、浸漬時間
が2秒以下の短時間では、一定の性状を得ることが困難
となり、浸漬時間の変化によつて、合金化速度に大きい
変動を生じることとなる。浸漬時間が2秒を越えるとき
は、合金層は安定した状態となり、バリヤー効果が一定
レベルを維持することとなつて、合金化速度は安定する
こととなる。他方、浸漬時間が10秒を越えるときは、
ライン速度が大幅に低下し、生産性が著しく阻害される
ので、浸漬時間の上限は、通常、10秒程度であり、好
ましくは5秒程度である。
【0009】本発明者らは、種々のTi及びP濃度を有
する鋼板に種々の有効Al濃度に調整しためつき浴を用
いて、2秒を越える浸漬時間にてめつきを施した後、直
ちに合金化加熱処理を行なつて、このときの合金化速度
を調べた結果、有効Al濃度が鋼中のTi及びP濃度に
基づいて、次式に従つて算出される値Yをとるときに、
合金化速度がほぼ一定となることを見出した。
【0010】Y=−(1/12)×〔P〕+(1/5)
×〔Ti〕+0.100 (式中、〔P〕及び〔Ti〕は鋼中のP及びTiの含有
量(重量%)を示す。)即ち、鋼中のTi及びP濃度の
変化に対応して、上式より得られる値Yに有効Al濃度
を調整することによつて、極めて的確な合金化操業を迅
速に行なうことができる。この際、有効Al濃度を上記
Y値に一致させることが最適であるが、しかし、本発明
に従つて、有効Al濃度を次式で示す一定の範囲に調整
することによつて、合金化不足又は合金化過度にならな
い操業を行なうことができる。
【0011】0.2Y<浴中有効Al濃度<1.2Y 浴中有効Al濃度が0.2Y以下、又は1.2Y以上の場合
には、合金化過度によるめつき密着性の劣化、又は合金
化不足による塗装後の耐食性や溶接性の低下を招く。次
に、鋼中のTi及びP濃度について述べる。本発明にお
いて、鋼中のTi量は、0.005〜0.10重量%の範囲
であり、P量は、0.03〜0.15重量%の範囲である。
Ti濃度が0.005%未満では、GAの成形性向上効果
が小さく、他方、0.10重量%を越えても、成形性の改
善効果が飽和する。一方、P濃度が0.03%未満である
ときは、GAの強度向上効果が小さく、他方、0.15重
量%を越えても、上記効果が飽和する。
【0012】更に、本発明においては、成形性を左右す
る面内方向性の改善のために、鋼中にNbを0.004%
以上添加してもよい。Nbは、合金化速度には大きい影
響を与えないが、しかし、再結晶温度を著しく高めるの
で、その添加量を0.050%以下に抑える必要がある。
また、C、Mn、S、Al、N、その他の元素の濃度に
ついては、本発明では特に限定されるものではなく、そ
れらは、強度、成形性等の各種レベルに合わせて、任意
に選択できるものである。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。表1は、Ti及びP(及びNb)を含有する鋼板を
種々の有効Al濃度にて浸漬時間2.5秒にてめつきし、
次いで、合金化して得られたGA材の品質特性を示す。
【0014】塗装後耐食性及びめつき密着性は、次のよ
うにして評価した。塗装後耐食性 リン酸塩処理した後、自動車用3コート塗装し、クロス
カツトを入れて、塩水噴霧試験を1000時間行なつ
た。クロスカツト部からの塗膜のふくれ幅を測定し、3
段階にて評価した。◎は非常によい、○はよい、×は悪
い、を示す。めつき密着性 角度60°のV字型曲げ試験を行なつて、圧縮側をテー
プ試験し、めつき剥離程度を3段階にて評価した。◎は
非常によい、○はよい、×は悪い、を示す。本発明に従
つて、有効Al濃度をY値と一致させることによつて、
塗装後の耐食性及びめつき密着性が格段にすぐれる合金
化溶融亜鉛めつき鋼板を得ることができ、また、有効A
l濃度を0.2×Yと1.2×Yとの間にすることによつ
て、塗装後の耐食性及びめつき密着性が実用上、満足し
得る合金化溶融亜鉛めつき鋼板を得ることができる。
【0015】しかし、有効Al濃度が0.2×Yよりも少
ないときは、合金化過度となつて、めつき密着性が低下
し、他方、有効Al濃度が1.2×Yよりも多いときは、
合金化不足となつて、塗装後の耐食性が低下し、いすれ
も、実用上、満足できる品質をもたない。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明による合金化溶融
亜鉛めつき鋼板の製造方法は、鋼板中のTi及びP量に
対応する最適のめつき条件下にめつきを行なうので、合
金化不足や合金化過度のいずれもなく、塗装後の耐食
性、めつき密着性等、品質特性にすぐれる合金化溶融亜
鉛めつき鋼板を容易に安定して得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−271354(JP,A) 特開 平3−191047(JP,A) 特開 平3−138344(JP,A) 特開 平3−104850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ti0.005〜0.10重量%及びP0.03
    〜0.15重量%を含有する鋼板を式 0.2Y<浴中有効Al濃度<1.2Y Y=−(1/12)×〔P〕+(1/5)×〔Ti〕+
    0.100 (式中、〔P〕及び〔Ti〕は鋼中のP及びTiの含有
    量(重量%)を示す。)で与えられる浴中有効Al濃度
    (重量%)に調整した溶融亜鉛めつき浴に2秒を越える
    時間、浸漬し、次いで、合金化熱処理を施すことを特徴
    とする合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】鋼板がNb0.004〜0.050重量%を含
    有することを特徴とする請求項1記載の合金化溶融亜鉛
    めつき鋼板の製造方法。
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