JP3044903B2 - 車両用自動変速機のクリープ防止制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機のクリープ防止制御装置

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JP3044903B2
JP3044903B2 JP4058173A JP5817392A JP3044903B2 JP 3044903 B2 JP3044903 B2 JP 3044903B2 JP 4058173 A JP4058173 A JP 4058173A JP 5817392 A JP5817392 A JP 5817392A JP 3044903 B2 JP3044903 B2 JP 3044903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機のク
リープ防止制御装置に係り、特に、シフトレンジが前進
走行レンジとされているときであっても、所定の条件が
成立したときには、フォワードクラッチ(前進走行を達
成するために係合されるクラッチ)を解放(油圧低減に
よる実質的解放を含む)することによりニュートラル状
態を形成してクリープの発生を防止する車両用自動変速
機のクリープ防止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用自動変速機においては、シ
フトレンジがドライブレンジ(Dレンジ)のような前進
走行レンジに設定されていると、車速が実質的に零の場
合であっても、自動変速機の歯車変速装置はニュートラ
ルの状態にはならず、第1速段(又は第2速段)に設定
されるようになっている。従って、内燃機関の出力はト
ルクコンバータ、歯車変速装置のフォワードクラッチを
経て常に出力軸に伝達されるため、いわゆるクリープが
生じ、その結果、車両を停止状態のまま維持させるため
にはブレーキペダルを踏み込んだ状態に維持する必要が
あった。又、このときのトルクコンバータの引摺りによ
って燃料消費効率が悪化し、更には該トルクコンバータ
の作動油の温度が上昇するというような問題が発生する
ことがあった。
【0003】このような点に鑑み、フォワードクラッチ
の油圧を制御するためのコントロールバルブを新たに設
け、アクセルペダルが解放され、且つ車両が実質的に停
止しているときには、シフトレンジがたとえドライブレ
ンジのような前進走行レンジにあったとしても、フォワ
ードクラッチを前記コントロールバルブを介して解放又
は減圧し、自動的にニュートラルの状態を形成してクリ
ープの発生を防止すると共に、燃料消費効率を向上さ
せ、併せてトルクコンバータの作動油の温度上昇を抑え
るようにした技術(以下、この制御を「クリープ低減制
御」あるいは「ニュ−トラル制御」と呼ぶ)が知られて
いる(例えば特開昭61−278651号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ニュートラル制御を行う自動変速機においては、ニュー
トラル制御を実施中に、フォワードクラッチの係合圧を
制御する油圧系にフェイルが発生した場合、そのまま同
制御を継続すると更に不都合な事態、例えば前進走行が
できなくなるというような事態を招くおそれがある。
【0005】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、フォワードクラッチの係合圧を
制御する油圧系にフェイルが発生した場合に早期に適正
な措置を執り、より不都合な事態に至ることを未然に防
止するようにしたクリープ防止制御装置を提供すること
により上記課題を解決せんとしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、自動変速機のシフトレンジが前進走行レンジとさ
れているときであっても、所定の条件が成立したときに
は、フォワードクラッチの係合圧を低減させることによ
りニュートラル状態を形成してクリープの発生を防止す
る車両用自動変速機のクリープ防止制御装置において、
前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
ン回転速度を演算する手段と、前記流体式トルクコンバ
ータの実タービン回転速度を検出する手段と、前記目標
タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差を算出す
る手段と、該手段の算出した偏差が所定値以上のとき
に、前記フォワードクラッチを制御する油圧系がフェイ
ルしたと判断して、該フォワードクラッチの係合圧の低
減制御を中止する手段と、を備えたことにより、上記課
題を解決したものである。
【0007】又、請求項2の発明は、図2に示すよう
に、自動変速機のシフトレンジが前進走行レンジとされ
ているときであっても、所定の条件が成立したときに
は、フォワードクラッチの係合圧を低減させることによ
りニュートラル状態を形成してクリープの発生を防止す
る車両用自動変速機のクリープ防止制御装置において、
前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
ン回転速度を演算する手段と、前記流体式トルクコンバ
ータの実タービン回転速度を検出する手段と、前記目標
タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差を求める
手段と、前記フォワードクラッチの係合圧の低減制御が
開始されてから、目標タービン回転速度と実タービン回
転速度の偏差が所定値以下となるまでの時間を計測する
手段と、該手段の計測した時間が所定値以上の場合に、
前記フォワードクラッチの係合圧を制御する油圧系がフ
ェイルしたと判断して、該フォワードクラッチの低減制
御を中止する手段と、を備えたことにより上記課題を解
決したものである。
【0008】又、請求項3の発明は、図3に示すよう
に、自動変速機のシフトレンジが前進走行レンジとされ
ているときであっても、所定の条件が成立したときに
は、フォワードクラッチの係合圧を低減させることによ
りニュートラル状態を形成してクリープの発生を防止す
る車両用自動変速機のクリープ防止制御装置において、
前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
ン回転速度を演算する手段と、前記流体式トルクコンバ
ータの実タービン回転速度を検出する手段と、前記目標
タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差を求める
手段と、入力される制御信号に応じて前記フォワードク
ラッチの係合圧を低減制御するクラッチ係合圧制御手段
と、前記目標タービン回転速度と実タービン回転速度の
偏差が小さくなるように前記制御信号を演算して前記ク
ラッチ係合圧制御手段に供給するフィードバック信号出
力手段と、該フィードバック信号出力手段の出力する制
御信号が所定範囲外の場合、前記フォワードクラッチ
を制御する油圧系がフェイルしたと判断して、該フォワ
ードクラッチの係合圧の低減制御を中止する手段と、を
備えたことにより上記課題を解決したものである。
【0009】
【作用】本発明のクリープ防止制御装置では、目標ター
ビン回転速度になるようにフォワードクラッチの係合圧
を制御しているのに、実際のタービン回転速度がそれに
近付かない、つまり、目標タービン回転速度と実タービ
ン回転速度の偏差が縮まらないときには、フォワードク
ラッチの係合圧を制御する油圧系になんらかのフェイル
が発生したと判断する。そして、それ以上続けていると
更に不都合な事態を招くおそれがあるから、クリープ低
減制御はそこで中止する(請求項1)。
【0010】又、車両停止の状態でクリープ低減制御を
開始した場合、それまではトルクコンバータの滑りでク
リープを発生させていたわけであるから、最初は実ター
ビン回転速度と目標タービン回転速度とが大きく離れて
いる。そして、クリープ低減制御開始後の時間の経過に
従いフォワードクラッチの係合圧が抜かれてフォワード
クラッチが滑るようになり、その結果、正常ならば、あ
る程度の時間で実タービン回転速度が目標タービン回転
速度に収束する。
【0011】請求項2に係るクリープ防止制御装置は、
この点に着目してなされたもので、実タービン回転速度
が目標タービン回転速度に収束するまでの時間が非常に
かかるときには、フォワードクラッチの係合圧を制御す
る油圧系になんらかのフェイルが発生したと判断し、ク
リープ低減制御をそこで中止する。
【0012】又、請求項3のクリープ防止制御装置で
は、フォワードクラッチの係合圧を目標タービン回転速
度と実タービン回転速度の偏差に基づいてフィードバッ
ク制御しているときの、係合圧を制御する信号の大きさ
に着目してフェイル判断を行っている。例えば、フォワ
ードクラッチの係合圧を制御する場合、係合圧を制御す
るコントロールバルブをソレノイドバルブの出力で制御
し、該ソレノイドバルブの出力をソレノイドバルブに入
力するデューティ信号(制御信号)で制御している。簡
単に言えば、デューティ比により係合圧を制御してお
り、該デューティ比を目標タービン回転速度と実タービ
ン回転速度の偏差に応じて決定している。
【0013】請求項3の発明のクリープ防止制御装置で
は、例えばそのデューティ比が、正常にフィードバック
制御が行われているときに取り得る所定範囲外にある場
合、フォワードクラッチの係合圧を制御する油圧系にな
んらかのフェイルが発生したと判断し、クリープ低減制
御をそこで中止する。
【0014】一般にクリープ低減制御を中止しても、そ
のために特に不都合が発生することはなく、むしろ運転
者に油圧制御系のフェイルを速やかに伝えることもでき
るようになるという利点も得られる。
【0015】これに対して、フォワードクラッチに関係
したフェイルは、最悪の場合前進走行不能を引き起す恐
れがあり、従って、なんらかのフェイルが発生したこと
を早期に発見し、当該フェイルの状態がそれ以上悪化し
ないように対処するのは「最悪の事態には至らないよう
にする」という点で意義があるものである。
【0016】なお、フェイル判断した場合は、必要に応
じてその旨を表示あるいは警告するのが望ましい。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0018】図4は、自動車用電子燃料噴射エンジンと
組み合わされた自動変速機の全体概要図である。
【0019】この自動変速機は、トルクコンバータ部2
0と、オーバードライブ機構部40と、前進3段後進1
段のアンダードライブ機構部60とを備える。
【0020】前記トルクコンバータ部20は、ポンプ2
1、タービン22、ステータ23、及びロックアップク
ラッチ24を備えた周知のものであり、エンジン1のク
ランクシャフト10の出力をオーバードライブ機構部4
0に伝達する。
【0021】前記オーバードライブ機構部40は、サン
ギヤ43、リングギヤ44、プラネタリピニオン42、
及びキャリヤ41からなる1組の遊星歯車装置を備え、
この遊星歯車装置の回転状態をクラッチC0 、ブレーキ
B0 、一方向クラッチF0 によって制御している。
【0022】前記アンダードライブ機構部60は、共通
のサンギヤ61、リングギヤ62、63、プラネタリピ
ニオン64、65及びキャリヤ66、67からなる2組
の遊星歯車装置を備え、この2組の遊星歯車装置の回転
状態、及び前記オーバードライブ機構部40との連結状
態を、クラッチC1 、C2 、ブレーキB1 〜B3 及び一
方向クラッチF1 、F2 によって制御している。
【0023】自動変速機を制御するコンピュータ84に
は、エンジン1の負荷を反映させるためのスロットル開
度θを検出するスロットルセンサ80、車速N0 を検出
する車速センサ(出力軸70の回転速度センサ)82、
クラッチC0 の回転速度Nc0を検出するNc0センサ
99、シフトポジション信号を出力するシフトポジショ
ンスイッチ5、フットブレーキが踏まれている際に信号
を出すブレーキスイッチ6、エンジン回転速度Neを検
出するNeセンサ7、アイドル接点の状態を出力するア
イドルスイッチ8、エンジンの冷却水温度Tを検出する
水温スイッチ9等の各種制御のための信号が入力されて
いる。
【0024】なお、クラッチC0の回転速度Nc0は、
第1速段から第3速段までは、トルクコンバータ部20
のタービン回転速度nc0と同一であるため、この実施
例ではタービン回転速度の検出手段としてこのNc0セ
ンサ99を利用している。
【0025】コンピュータ84は、各センサ、スイッチ
等からの入力信号をパラメータとして、予め設定された
スロットル開度−車速の変速点マップに従って、後述す
る油圧制御回路106内のソレノイドバルブS1、S
2、S3、S4等を駆動・制御し、図5に示されるよう
な各クラッチ、ブレーキ等の係合の組合せを行って変速
制御を行う。
【0026】ここで、クラッチC1 がクリープ低減制御
の際に解放されるフォワードクラッチに相当し、ブレー
キB1 がクリープ低減制御の際に車両の後退を防止する
ヒルホールド用のブレーキに相当している。
【0027】シフトレンジが前進走行レンジにあるとき
には、フォワードクラッチC1 が係合状態にあり、前進
走行が可能な状態とされる。又、シフトレンジが前進走
行レンジであっても、スロットル開度θが零(あるいは
アイドル接点がON)で、且つ車速が零(実質的に零を
含む)の場合は、このクラッチC1 の係合圧が低減され
ることによって自動変速機をニュートラルの状態に移行
させる(クリープ低減制御)と共に、ヒルホールド機能
を作用させるべくブレーキB1 の係合が行われる(ヒル
ホールド制御)。
【0028】次に、クリープ低減制御及びヒルホールド
制御を実行するための油圧制御装置の例を図6を用いて
説明する。
【0029】図において、符号110はマニュアルシフ
トバルブを示している。このマニュアルシフトバルブ1
10は油圧入力ポート114を有する。油圧入力ポート
114にはオイルポンプ120により吸い上げられてプ
ライマリーレギュレータバルブ124によって調圧され
たライン圧PLが油路126を介して供給される。この
マニュアルシフトバルブ110は、図示せぬマニュアル
シフトレバーによって駆動されるスプール112を有
し、マニュアルシフトレンジがDレンジであるときには
油圧入力ポート114をDレンジポート116に接続す
る。又、マニュアルシフトレンジがSレンジ(2レン
ジ)であるときには油圧入力ポート114をSレンジポ
ート118に接続する。
【0030】Dレンジポート116は油路300、30
2を経て2−3シフトバルブ140のポート146に接
続され、Sレンジポート118は油路304によって2
−3シフトバルブ140のポート148に接続されてい
る。
【0031】2−3シフトバルブ140は、スプール1
42を有する。スプール142は、ポート144に油圧
が供給されていないときには図の右半分に示される上昇
位置にあってポート146をポート150に連通させ、
且つポート148をポート152に連通させる。これに
対し、ポート144に油圧が供給されているときには図
の左半分に示される下降位置にあり、ポート146とポ
ート150との連通を遮断すると共に、ポート148と
ポート152との連通を遮断し、ポート152をドレン
ポート154に連通する。
【0032】ポート144に対する制御油圧の供給は、
ソレノイドバルブS1により周知の態様で行われ、第3
速段あるいはオーバードライブ段(第4速段)を達成す
るときにのみ、ポート144に油圧が供給されるように
なっている。従って、スプール142は、第1速段ある
いは第2速段の達成時には前記上昇位置にあり、第3速
段あるいはオーバードライブ段の達成時には前記下降位
置にあることになる。
【0033】なお、ソレノイドバルブS1はノーマルク
ローズ型のもので、「ON」のときポート144に圧が
供給され、OFFのとき圧が無くなる。よって、第1速
段あるいは第2速段の達成時にはソレノイドバルブS1
を「ON」にして圧を抜き、第3速段あるいはオーバー
ドライブ段の達成時にはソレノイドバルブS1を「OF
F」にして圧を供給する。
【0034】ポート150は油路306によって、後述
するヒルホールド制御用のB1 コントロールバルブ18
0のポート186に連通されている。ポート152は、
油路308、セカンドコーストモジュレータバルブ16
0、油路310を経てチェックバルブ170のポート1
72に連通されている。
【0035】チェックバルブ170は、入口ポート17
2以外にもう1つの入口ポート174と1つの出口ポー
ト176とを有しており、チェックボール178の作用
によって入口ポート172に油圧が供給されているとき
には入口ポート174を閉じ、又、入口ポート174に
油圧が供給されているときには入口ポート172を閉じ
るようになっている。入口ポート174は油路312に
よってB1 コントロールバルブ180のポート188に
接続され、出口ポート176は油路314によって1−
2シフトバルブ130のポート136に接続されてい
る。
【0036】1−2シフトバルブ130はスプール13
2を有する。スプール132はポート134に油圧が供
給されていないときには図の左半分に示される上昇位置
にありポート136と138とを連通させ、これに対し
ポート134に油圧が供給されているときには図の右半
分に示される下降位置にあってポート136と138と
を遮断してポート138をドレンポート139に連通す
るようになっている。
【0037】なお、ポート138は油路316によって
ブレーキB1 に接続されている。
【0038】ポート134には、ソレノイドバルブS2
の作用により第1速段達成時にのみ油圧が供給され、こ
れによりスプール132は、第2速段、第3速段、ある
いはオーバードライブ段の達成時には前記上昇位置とさ
れ、第1速段達成時にのみ前記下降位置とされることに
なる。
【0039】なお、このソレノイドバルブS2もノーマ
ルクローズ型のもので、「ON」のときポート134に
圧が供給され、「OFF」のとき圧が無くなる。
【0040】ソレノイドバルブS1、S2への操作信号
と変速段の関係は、表で示すと次の通りである。
【0041】
【0042】ヒルホールド制御用に設けられたB1 コン
トロールバルブ180は、スプール182とプラグ18
4とを有する。スプール182は図の右半分に示される
上昇位置にあるときにはポート186と188とを連通
させ、且つポート190と192とを遮断してポート1
92をドレンポート198に連通させる。これに対して
図の左半分に示されている下降位置にあるときにはポー
ト186を閉じてポート188をドレンポート187に
連通させ、且つポート190と192とを連通させるよ
うになっている。
【0043】ポート190は油路314及び油路300
によってマニュアルシフトバルブ110のDレンジポー
ト116に接続され、ポート192は油路316によっ
て、ニュートラル制御用(クリープ低減制御用)に設け
られたC1 コントロールバルブ200のポート208に
接続されている。
【0044】B1 コントロールバルブ180のスプール
182はポート194及び196に与えられる油圧によ
って駆動され、ポート194と196の少なくとも一方
に所定値Psset以上の信号油圧Ps が供給されていると
きには、前記左半分位置、即ちヒルホールド制御解除位
置に位置する。又、ポート194と196のいずれにも
所定値Psset以上の信号油圧Ps が供給されていないと
きには前記右半分の位置、即ちヒルホールド制御位置に
位置するようになっている。ポート194は油路318
によって油路320に連通接続されて油路320の信号
油圧Ps を供給されるようになっている。
【0045】ニュートラル制御用のC1コントロールバ
ルブ200及びヒルホールド制御用のB1コントロール
バルブ180の、主たる制御手段として設けられたソレ
ノイドバルブS3は、その電磁コイルに与えられるパル
ス信号のデューティ比Dに応じて、油路320に該デュ
ーティ比Dに応じた信号圧Ps が生じさせるようになっ
ている。ソレノイドバルブS3はいわゆるノーマルクロ
ーズ型のソレノイドバルブにより構成されており、これ
により油路320の信号油圧Ps は電磁コイルに与えら
れるデューティ比Dの増大に応じて低下する。油路32
0は絞り280、油路322、モジュレータバルブ25
0、油路324を経て油路126に接続され、これによ
り油路322にはモジュレータバルブ250によって所
定の一定圧に調圧されたモジュレート油圧Pm が供給さ
れる。
【0046】油路320は油路318によってB1 コン
トロールバルブ180のポート194に接続されている
と共に、油路326、絞り282を経てC1 コントロー
ルバルブ200のポート210に連通接続されている。
【0047】C1 コントロールバルブ200は、スプー
ル202と2つのプラグ204及び206とを有する。
スプール202は、油路328、314によって油路3
00に接続され、ライン圧PLを供給されるポート21
2のドレンポート216に対する連通度合を制御するこ
とによって出口ポート214の油圧を調圧するようにな
っている。この調圧値は圧縮コイルばね218がスプー
ル202に与える付勢力とプラグ204及び206によ
ってスプール202に直接的に与えられる押圧力の増大
に応じて増大するようになっている。出口ポート214
は、C1コントロールバルブ200のフェイルセーフの
ために設けたC1 リレーバルブ270を介してクラッチ
C1に接続されている。
【0048】即ち、C1 コントロールバルブ200のポ
ート214とクラッチC1との間には、C1 リレーバル
ブ270が配置されている。そして、C1 コントロール
バルブ200のポート214とC1 リレーバルブ270
のポート272とが、油路330により連結されてい
る。又、クラッチC1とC1 リレーバルブ270のポー
ト276とが、油路340によって接続されている。更
に、C1 リレーバルブ270のポート274には、油路
336によって、マニュアルバルブ110のDレンジポ
ート116において発生するDレンジライン圧PLが導
かれるようになっている。
【0049】なお、油路340の途中には、絞り284
が設けられている。又、油路340と油路300とは、
チェックバルブ260を介して接続されている。このチ
ェックバルブ260は、油路340より油路300への
オイルの流れ、即ちオイルのドレン流れのみを許すよう
に構成されている。
【0050】又、本実施例の油圧制御装置には、更にも
う一つ別のソレノイドバルブS4が設けられている。こ
のソレノイドバルブS4は、ON/OFF操作されるこ
とにより、油路410の油圧を高圧又は低圧に制御する
ものである。油路410は、絞り411、油路412を
介して、プライマリレギュレータバルブ124によりラ
イン圧PLに調節される油路126に接続されている。
【0051】前記C1リレーバルブ270は、自身のス
プール位置を同方向に切換制御するための2つの制御信
号入力用(パイロット用)ポート277、278を有し
ており、少なくともどちらか一方のポート277、27
8にセット圧より高圧の油圧が導入されたとき、図6の
右半分位置に位置し、それによりポート276を274
に連通させる。又、両方のポート277、278の圧力
が共にセット圧よりも低圧になったとき、図6の左半分
位置に位置し、それによりポート276を272に連通
させるようになっている。
【0052】前記一方の制御信号入力用ポート277
は、油路334を介して油路320に接続され、ポート
277に、ソレノイドバルブS3によって調節されたC
1コントロールバルブ制御用の圧力Psが導入されるよ
うになっている。又、他方の制御信号入力用ポート27
8は、油路413を介して油路410に接続され、ポー
ト278に、ソレノイドバルブS4によって制御された
油圧が導入されるようになっている。
【0053】又、B1コントロールバルブ180の制御
信号入力用のポート196は、ソレノイドバルブS4に
よって圧力制御される油路410に、油路414を介し
て接続されている。
【0054】更に本装置では、C1コントロールバルブ
200の調圧用のドレンポート216が、B1コントロ
ールバルブ180のポート192に接続されており、B
1コントロールバルブ180がブレーキ解放位置(図6
の左半分位置)にあるとき、Dレンジライン圧PLが、
C1コントロールバルブ200の制御用ポート208と
共にドレンポート216に導入されるようになってい
る。
【0055】次に、上記構成の油圧制御装置の作用を説
明する。
【0056】マニュアルシフトレンジが「Dレンジ」に
設定されていて、ソレノイドバルブS2が「OFF」、
ソレノイドバルブS1が「ON」されることにより、第
1速段が成立しているときには、1−2シフトバルブ1
30のスプール132は下降位置にあり、2−3シフト
バルブ140のスプール142は上昇位置にある。
【0057】クリープ低減制御及びヒルホールド制御が
未だ開始されておらず、ソレノイドバルブS3にOFF
信号が与えられている間は、油路320の信号油圧Ps
はモジュレータバルブ250の出力油圧Pm と同じ油圧
に設定され、この油圧がB1コントロールバルブ180
のポート194と、C1 コントロールバルブ200のポ
ート210とに供給される。従って、このときには、B
1 コントロールバルブ180のスプール180は左側位
置、即ちヒルホールド制御解除位置に位置し、これによ
りポート186が閉じられて、ヒルホールド制御出力用
のポート188がドレンポート187に連通される。
【0058】又、ポート190がポート192に連通す
ることにより、油路300、314よりのライン圧PL
が油路316を経てC1 コントロールバルブ200のポ
ート208に入り、これよりC1 コントロールバルブ2
00はポート210に与えられている信号油圧Ps に加
えてポート208に供給されたライン圧PLの作用によ
って左側位置、即ち通常モード位置に位置する。
【0059】その結果、ドレンポート216は完全に閉
じられることによってポート212に与えられたライン
圧PLが減圧されることなく、そのままポート214よ
り油路330を経てクラッチC1 に導入される。このた
め、このときにはクラッチC1 は完全係合して第1速段
が達成される。
【0060】又、B1 コントロールバルブ180のポー
ト186が閉じられているためポート188がドレン接
続され、しかも1−2シフトバルブ130のポート13
6も閉じられてポート138がドレン接続されるため、
ブレーキB1 には何の油圧も供給されず、ブレーキB1
は解放状態に維持される。
【0061】次に、マニュアルシフトレンジが「Dレン
ジ」に設定されている状態下において、エンジン1のス
ロットル開度がアイドル開度位置にまで戻され(アイド
ル接点ON)、しかも車速が零に近い所定値以下になる
と、クリープ低減制御及びヒルホールド制御を実行する
べく、各ソレノイドバルブS1〜S4にそれぞれ制御指
令が出される。
【0062】即ち、ソレノイドバルブS3にはパルス信
号が与えられ、そのデューティ比Dを時間の経過と共に
増大することが行われる。このデューティ比Dの増大に
応じて、油路320の信号油圧Ps は時間の経過と共に
徐々に減少し、その信号油圧Ps が所定値Pssetにまで
低下すると、B1 コントロールバルブ180のスプール
182が図6の右側位置(ヒルホールド制御側)に切換
わり、ポート188の連通ポートがドレンポート187
からポート186に切換わる。又、ポート192の連通
ポートがポート190からドレンポート198に切換わ
る。
【0063】従って、ポート208にライン圧PLが供
給されなくなるため、C1 コントロールバルブ200の
調圧値、即ちクラッチC1 の係合圧はポート210に与
えられる信号油圧Ps により設定され、該信号油圧Ps
の減少に伴いドレンポート216が開かれるようにな
る。その結果、ポート214よりクラッチC1 に供給さ
れる係合圧が低下し、これによりクラッチC1 が滑りを
生じるようになる。これによって自動変速機はニュート
ラル時と同様の状態となり、アイドル振動の低減と同時
にクリープの発生が防止される。即ち、クリープ低減制
御が実行される。
【0064】又、このとき同時に、第2速段状態を達成
するべく、ソレノイドバルブS1、S2が共に「ON」
操作される。このときには、前述したようにB1 コント
ロールバルブ180のポート186と188とが連通す
るため、ソレノイドバルブS1が「ON」されることに
よって2−3シフトバルブ140のスプール142が上
昇位置、即ち第1速段あるいは第2速段を達成する切換
位置に操作されることで、マニュアルシフトバルブ11
0のDレンジポート116のライン圧PLが、油路30
0、302、2−3シフトバルブ140のポート146
及び150、油路306、B1 コントロールバルブ18
0のポート186及び188、油路312、チェックバ
ルブ170、油路314を経て1−2シフトバルブ13
0のポート136にまで達する。
【0065】そして、ソレノイドバルブS2が「ON」
されることによって1−2シフトバルブ130のスプー
ル132が上昇位置、即ち第2速、第3速、あるいはオ
ーバードライブ段(4速)を達成する切換位置に操作さ
れることで、ポート136にまで達したライン圧PL
が、ポート138より油路316を経てブレーキB1 に
供給され、ブレーキB1 が係合し、サンギヤ61(図6
参照)が固定されるようになる。そのため、サンギヤ6
1の固定、及び一方向クラッチF2 の作用によってキャ
リア67が逆転阻止されていることにより、プラネタリ
ピニオン65が逆転阻止され、それによりリングギヤ6
3の逆転が阻止されて、出力軸70が車両後退方向へ回
転するのが阻止され、いわゆるヒルホールド制御が実行
される。
【0066】つまり、マニュアルシフトレンジが「Dレ
ンジ」となっている場合にも、ブレーキB1が係合する
ことにより、「Sレンジ」の第2速段と同一の変速段が
達成されることで、車両の後退が防止される。
【0067】ところで、以上の説明は、上記油圧制御装
置が全て正常に機能した場合のものであったが、これら
の要素にフェイルが発生した場合には、各種の不都合な
事態が起こる可能性がある。
【0068】そこで、本実施例の装置においては、この
ような事態が生じる可能性がある場合に、フェイルの判
断を下し、その判断に基づいてニュートラル制御を中止
する機能が組込まれている。なお、この機能の中に、エ
ンジン回転速度に基づいて目標タービン回転速度を演算
することが含まれている。
【0069】以下、その機能について、図7〜図11の
フローチャートを参照しながら詳細に説明する。なお、
フローチャートの内容の説明に先立って、各フローチャ
ートにて用いている符号やフラグの意味を述べておく。
各符号、フラグは次の意味で用いている。
【0070】Nc0T=目標タービン回転速度 nc0 =実タービン回転速度 F1 =ニュートラル制御開始〜復帰によりクラッチ
が完全係合するまでの状態にあることを示すフラグ F2 =ヒルホールド制御を行うため2速段状態を達
成すべくソレノイドバルブS2をON状態にしているこ
とを示すフラグ F3 =フェイルが発生している状態を示すフラグ=
ニュートラル制御中止のためのフラグ F4 =ニュートラル制御においてフィードバック制
御を行っている状態を示すフラグ F5 =ニュートラル制御を開始し、フィードバック
制御に入る前のスイープモード状態(クラッチ油圧を徐
々に減少するモード)にあることを示すフラグ
【0071】図7は、クリープ低減(=防止)制御の内
容を示す。このルーチンは周期的に繰返し実行されるも
ので、このルーチンが開始されると、ステップ600〜
606でクリープ防止制御の成立条件が判断される。こ
の条件としては次のものがある。
【0072】 シフトレンジがドライブレンジ(ステップ600) アイドル接点信号がオン(ステップ601) フェイルフラグF3が「0」(ステップ602) フットブレーキ信号がオン(ステップ603) 車速Vが零に近い所定値V0以下(ステップ604) エンジン回転速度Neが所定値Ne0以下(ステップ
605) エンジン冷却水温が所定値T1以上(ステップ60
6)そして、これら全ての条件が成立したときにクリー
プ防止制御が実行される。
【0073】ここで、、、、の条件が、クリー
プ防止制御の実質的成立条件に相当し、、の条件
は、フェイルセーフの観点から確認のために検出される
条件に相当する。又、の条件は、フェイルセーフの有
無を示す条件である。
【0074】この条件が全て成立すると、ステップ60
7に進んでニュートラル制御を実行する。そしてステッ
プ608でニュートラル制御を開始したことを示すフラ
グF1を立て、ステップ609でヒルホールド用ブレー
キを係合させるためにソレノイドバルブS2にON信号
を出力し、ステップ610でヒルホールド中であること
を示すフラグF2を立てる。
【0075】一方、ステップ600〜606の一つでも
条件不成立が判定された場合にはクリープ防止制御が中
止される。この場合、ステップ600〜606のうちい
ずれの条件が不成立となったかによって解除の仕方が異
なる。
【0076】ステップ601の条件、即ちアイドル接点
がオフ(アクセルペダルの踏み込み)とされることによ
ってクリープ防止制御が解除されるときは、ステップ6
11に進んでヒルホールド中であることを示すフラグF
2が立っているか否かをチェックする。フラグF2が立
っている場合は、ステップ612で車速が所定値V1以
下か否かを判断し、車速がV1以下であれば、ステップ
613にてソレノイドバルブS2への信号をOFFと
し、ヒルホールド制御を停止する。ついで、ステップ6
14でフラグF2をリセットし、ステップ615でフォ
ワードクラッチを完全係合させ、ステップ616でニュ
ートラル制御状態を示すフラグF1をリセットする。
【0077】又、ステップ611でフラグF2がセット
されていないと判断した場合(NOの場合)、ステップ
612で車速が所定値V1以下ではないと判断したとき
は、ステップ613をジャンプしてステップ614に進
む。
【0078】又、クリープ防止制御がステップ602の
条件不成立によって中止される場合、即ち油圧制御装置
に何等かのフェイルが発生したことを示すフラグF3が
セットされている場合は、ステップ611に進み、以降
の処理においてニュートラル制御を中止しクラッチC1
を完全係合させる。
【0079】一方、クリープ防止制御がステップ603
〜606のいずれかが不成立となることによって解除さ
れるときは、まずステップ618に進んでフラグF1の
状態を判断する。フラグF1がセットされていない場合
はステップ619に進んでフラグF2の状態を判断す
る。フラグF2がセットされていない場合は、ステップ
614に進む。フラグF2がセットされている場合はス
テップ620で車速が所定値V1以下か否かを判断し、
NOの場合はステップ614に進み、YESの場合はス
テップ615に進む。
【0080】又、フラグF1がセットされている場合
は、ステップ618の判断がYESとなってステップ6
21にてクラッチが完全係合しているか否かを判断し、
YESの場合はステップ620に進み、NOの場合はス
テップ622に進んでクラッチを徐々に係合させる。
【0081】なお、シフトレンジがドライブレンジでな
いと判断されたときには、ステップ617あるいはステ
ップ623へと進む。シフトレンジがドライブレンジで
ないときには、クリープ防止制御は実行されない。した
がって、2レンジかLレンジのときはステップ618に
進む。
【0082】一方、シフトレンジがドライブレンジでも
2レンジでもLレンジでもないと判定されたときには、
ステップ624に進んでクラッチを全開にし、ステップ
625でフラグF1をリセット、ステップ626でフラ
グF2をリセットする。
【0083】次に、前述したステップ607のニュート
ラル制御の内容を詳細に説明する。このニュートラル制
御にはフェイル判定が含まれている。ここでは、図8〜
図11に示す4つの例について説明する。
【0084】まず、図8の例について説明する。
【0085】この制御においては、まずステップ700
で、目標タービン回転速度Nc0Tと実タービン回転速
度nc0の偏差ΔNc0を求める。次いで、ステップ7
01にてフィードバックモード状態を示すフラグF4の
状態を判断し、フィードバックモードでない場合は、ス
テップ702でスイープモード状態を示すフラグF5の
状態を判断し、スイープモード状態でない場合は、ステ
ップ703でデューティ比duを初期値du1とすると
共に、タイマtを「0」からスタートさせる。ニュート
ラル制御に入って初回目の処理は、このフローとなる。
【0086】次いで、ステップ705でフラグF4を
「0」とし、スイープモード状態に入ったことを示すフ
ラグF5を「1」とし、ステップ706にて目標タービ
ン回転速度Nc0Tと実タービン回転速度nc0の偏差
ΔNc0が所定値N1より大きいか否かを判断する。こ
のステップ706は、スイープモードからフィードバッ
クモードに切換わる条件判断のステップである。
【0087】偏差ΔNc0が所定値N1より大きい場合
には、ステップ800でタイマの値をチェックする。タ
イマのカウント値tが所定値t1内にあるうちは、特に
問題視せずステップ801でフェイルフラグF3をリセ
ット状態にする。
【0088】スイープモード状態を継続し、偏差ΔNc
0が所定値N1以下に縮まった場合は、ステップ706
からステップ707に進み、フィードバックモードに入
ったことを示すフラグF4をセットし、反対にスイープ
モード状態を示すフラグF5をリセットする。そして、
ステップ708でデューティ比duをPID演算により
求めて係合圧を偏差ΔNc0に基づいてフィードバック
制御する。そして、ステップ801に進んでフラグF3
をリセットする。
【0089】又、偏差ΔNc0が所定時間t1経過して
も縮まらない場合は、油圧制御系に何等かの異常が発生
していると判断することができるので、ステップ802
で実タービン回転速度nc0が所定値N2より小さいか
否かを確認した上で、小さい場合はフェイルと判断して
ステップ803でフェイルフラグF3を立てる。そし
て、フェイルフラグF3が立っているときには、先に述
べたようにニュートラル制御を中止するので、事後の不
都合な事態を招かずに済み、フェイルセーフを実現する
ことができる。なお、実タービン回転速度nc0が所定
値N2以上ある場合はフェイルではないものとして、ス
テップ801に進む。
【0090】次に、図9の例を説明する。
【0091】この制御においては、図8の例とステップ
800の内容が異なる。この制御のステップ800で
は、タイマのカウント値tが所定値t2以上か否かを判
断し、所定値以上の場合は即フェイルと判断してステッ
プ803でフェイルフラグF3をセットする。図8のス
テップ802の処理は省略されている。タイマカウント
値tが所定値以内の場合はステップ801にてフェイル
フラグF3をリセット状態にする。
【0092】次に、図10の例を説明する。
【0093】ステップ700〜708、800〜803
の内容は図8の例と全く同様であるので、異なる点のみ
説明する。スイープモード状態を経過して偏差ΔNc0
が小さくなり、フィードバックモードに入ると、ステッ
プ708でフィードバック制御を実行した後に、ステッ
プ825で偏差ΔNc0の絶対値が所定値N3より大き
いか否かを判断する。ここで偏差ΔNc0の絶対値が大
きいと判断された場合は、その回数をカウントし、その
回数が所定回数n4以上になった場合は、最終的にフェ
イル発生と判定し(ステップ826、827、828、
829)、ステップ803にてフェイルフラグF3をセ
ットする。なお、フラグF6はフェイル回数をカウント
している状態を示すフラグであり、ステップ800とス
テップ801の間にこのフラグF6のリセットのステッ
プ821がある。
【0094】次に、図11の例を説明する。
【0095】ステップ700〜708、800〜803
の内容は図8の例と全く同様であるので、異なる点のみ
説明する。スイープモード状態を経過して偏差ΔNc0
が小さくなり、フィードバックモードに入ると、ステッ
プ708でフィードバック制御を実行した後に、ステッ
プ830、831でデューティ比duが、所定値du2
以上で所定値du3以下の範囲に入っているか否かを判
断する。フィードバック制御している状態ではデューテ
ィ比duの値はある範囲内にあるべきであるが、その範
囲外に出ている場合には、フィードバック制御系統にフ
ェイルが発生していると判断してステップ803に進ん
でフェイルフラグF3をセットする。
【0096】以上のように、目標タービン回転速度Nc
0Tと実タービン回転速度nc0の偏差ΔNc0が縮ま
らない場合や、デューティ比duが通常設定範囲を外れ
る場合、フォワードクラッチの係合圧を制御する油圧
にフェイルが発生したものとしてニュートラル制御を中
止するので、事後のより不都合な事態を回避することが
できるようになる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクリープ
防止制御装置によれば、目標タービン回転速度と実ター
ビン回転速度の偏差や、フォワードクラッチの係合圧を
制御する信号の大きさによって、フォワードクラッチの
係合圧を制御する油圧系のフェイルを判断し、その判断
結果に従ってクリープ低減制御を中止するので、簡単確
実なフェイル判断に基づいて確実なフェイルセーフが行
われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】請求項2の発明の要旨を示すブロック図
【図3】請求項3の発明の要旨を示すブロック図
【図4】本発明の一実施例が適用された自動変速機を含
むシステム全体の概略構成図
【図5】前記自動変速機における各変速段での摩擦係合
装置の係合、解除状態を示す図
【図6】前記実施例の自動変速機の油圧制御装置の構造
を示す図
【図7】前記実施例における一部制御内容を示すフロー
チャート
【図8】図7のフローチャートにおけるステップ607
の内容の第1の例を示すフローチャート
【図9】図7のフローチャートにおけるステップ607
の内容の第2の例を示すフローチャート
【図10】図7のフローチャートにおけるステップ60
7の内容の第3の例を示すフローチャート
【図11】図7のフローチャートにおけるステップ60
7の内容の第4の例を示すフローチャート
【符号の説明】
C1…フォワードクラッチ、 S1、S2、S3…ソレノイドバルブ、 20…トルクコンバータ、 22…タービン、 200…C1コントロールバルブ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−252947(JP,A) 特開 平1−172660(JP,A) 実開 昭63−42963(JP,U) 特公 昭62−7430(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機のシフトレンジが前進走行レン
    ジとされているときであっても、所定の条件が成立した
    ときには、フォワードクラッチの係合圧を低減させるこ
    とによりニュートラル状態を形成してクリープの発生を
    防止する車両用自動変速機のクリープ防止制御装置にお
    いて、 前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
    ン回転速度を演算する手段と、 前記流体式トルクコンバータの実タービン回転速度を検
    出する手段と、 前記目標タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差
    を算出する手段と、 該手段の算出した偏差が所定値以上のときに、前記フォ
    ワードクラッチを制御する油圧系がフェイルしたと判断
    して、該フォワードクラッチの係合圧の低減制御を中止
    する手段と、 を備えたことを特徴とする車両用自動変速機のクリープ
    防止制御装置。
  2. 【請求項2】自動変速機のシフトレンジが前進走行レン
    ジとされているときであっても、所定の条件が成立した
    ときには、フォワードクラッチの係合圧を低減させるこ
    とによりニュートラル状態を形成してクリープの発生を
    防止する車両用自動変速機のクリープ防止制御装置にお
    いて、 前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
    ン回転速度を演算する手段と、 前記流体式トルクコンバータの実タービン回転速度を検
    出する手段と、 前記目標タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差
    を求める手段と、 前記フォワードクラッチの係合圧の低減制御が開始され
    てから、目標タービン回転速度と実タービン回転速度の
    偏差が所定値以下となるまでの時間を計測する手段と、 該手段の計測した時間が所定値以上の場合に、前記フォ
    ワードクラッチの係合圧を制御する油圧系がフェイルし
    たと判断して、該フォワードクラッチの低減制御を中止
    する手段と、 を備えたことを特徴とする車両用自動変速機のクリープ
    防止制御装置。
  3. 【請求項3】自動変速機のシフトレンジが前進走行レン
    ジとされているときであっても、所定の条件が成立した
    ときには、フォワードクラッチの係合圧を低減させるこ
    とによりニュートラル状態を形成してクリープの発生を
    防止する車両用自動変速機のクリープ防止制御装置にお
    いて、 前記自動変速機の流体式トルクコンバータの目標タービ
    ン回転速度を演算する手段と、 前記流体式トルクコンバータの実タービン回転速度を検
    出する手段と、 前記目標タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差
    を求める手段と、 入力される制御信号に応じて前記フォワードクラッチの
    係合圧を低減制御するクラッチ係合圧制御手段と、 前記目標タービン回転速度と実タービン回転速度の偏差
    が小さくなるように前記制御信号を演算して前記クラッ
    チ係合圧制御手段に供給するフィードバック信号出力手
    段と、 該フィードバック信号出力手段の出力する制御信号が所
    定範囲外の場合、前記フォワードクラッチを制御する
    油圧系がフェイルしたと判断して、該フォワードクラッ
    の係合圧の低減制御を中止する手段と、 を備えたことを特徴とする車両用自動変速機のクリープ
    防止制御装置。
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