JP3044793B2 - アクリルアミド水溶液の精製方法 - Google Patents

アクリルアミド水溶液の精製方法

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JP3044793B2 JP2416202A JP41620290A JP3044793B2 JP 3044793 B2 JP3044793 B2 JP 3044793B2 JP 2416202 A JP2416202 A JP 2416202A JP 41620290 A JP41620290 A JP 41620290A JP 3044793 B2 JP3044793 B2 JP 3044793B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリロニトリルの接触
水和法により得られるアクリルアミド水溶液を精製する
際の脱銅方法に関するものである。アクリルアミド(A
Mと略称する)は紙力増強剤、凝集剤などに利用される
アクリルアミド系ポリマーの製造に用いられる他、多方
面の用途に向けられる産業上、有用なモノマーである。
【0002】
【従来の技術】金属銅系触媒の存在下に、アクリロニト
リルを接触水和してAMを製造する方法はすでに良く知
られている。ところが、銅系触媒を使用した場合、得ら
れたAM含有反応液中に微量の銅が溶出してくるのを避
けることができない。この溶出銅は該反応液から得られ
るAM水溶液を原料としてポリマーを製造しようとする
場合、重合反応を阻害するため、AM水溶液の商品価値
を著しく低下させる原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、該AM反
応液から得られるAM水溶液をポリマー原料として使用
するためには、溶出銅を除去する必要がある。しかしな
がら、得られたAMは反応性に富むため、その重合など
の損失を伴うことなく工業的にAM反応液中の溶存銅を
除去することは極めて難しい。たとえば、金属イオンの
除去に通常使用される強酸性陽イオン交換樹脂を使用し
た場合、それらが遊離酸型(H型と略称する)であって
も、ナトリウム塩型(Na型と省略する)であっても実
用化は困難である。H型で処理するとAMが重合した
り、アクリル酸を副生したりする。またNa型で処理し
た場合は、銅の除去程度が充分でない。
【0004】そのため、通常の陽イオン交換樹脂の代わ
りにイミノジ酢酸型のキレート樹脂を使用したり(特開
昭49−80016号公報)、また陽イオン交換樹脂を
使用する場合にはそれをアンモニウム型で使用するとか
(特開昭48−62715号公報)、架橋度5%以下の
多孔性強酸性陽イオン交換樹脂を使用する(特開昭50
−62929号公報)などの方法をとる必要があるなど
の問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リルの接触水和法により得られるアクリルアミド水溶液
のpHを4〜6、好ましくは4.5〜5.5とした後、
ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂により処理するこ
とを特徴とするアクリルアミド水溶液の精製方法であ
る。以下、本発明の詳細について順次説明する。
【0006】本発明に用いられるアクリルアミド水溶液
はアクリロニトリルの接触水和法により得られる。すな
わち、アクリロニトリルを水とともに通常は耐圧の反応
器に仕込み、金属銅触媒の存在下、70〜150℃の温
度で1〜3時間反応させる。得られた反応液には未反応
のアクリロニトリルが残存するので、これを除去する。
このようにして得られるAM水溶液中には通常10〜5
0 ppmの銅が含有されている。
【0007】このようにして得られるAM水溶液のpH
を4〜6とする方法としては、H型弱酸性陽イオン交
換樹脂とAM水溶液とを接触させる、炭酸ガスとAM
水溶液とを接触させる、AM水溶液に酸を添加するな
どの各種の手段が可能である。
【0008】本発明でAM水溶液のpHを4〜6とする
ために使用するH型弱酸性陽イオン交換樹脂としては、
アクリル酸系陽イオン交換樹脂(例えば、アンバーライ
トIRC−76、ダイヤイオンWK−10、WK−1
1、WK−20など)を使用することができる。これら
の樹脂は市販品では通常、H型であるのでそのまま用い
ることができる。
【0009】本発明でAM水溶液のpHを4〜6とする
ために炭酸ガスとAM水溶液とを接触させる方法は特に
限定されるものではなく、AM水溶液に炭酸ガスを常圧
下あるいは加圧下で吹き込むことによって行ってもよ
い。炭酸ガスの使用量はAM水溶液のpHを4〜6とす
るため、更に好ましくはpHを4.5〜5.5とするた
めに充分な量である。AM水溶液のpHが6以上となる
ような炭酸ガスの使用量では銅を充分に除去することが
できない。炭酸ガスの使用量が多すぎても問題はない
が、炭酸ガスが無駄であり経済的でない。通常は多量の
炭酸ガスが溶け込んでもAM水溶液のpHは4.5以下
に下がることはなく、従ってAMの重合が起こる危険は
なく、極めて安全に操作を行うことができる。また、A
Mの重合を防止し、更に安全性を高めるために酸素、ま
たは酸素含有ガスを炭酸ガスと同時に用いてもよい。
【0010】本発明でAM水溶液のpHを4〜6とする
ために添加する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸な
どの無機酸、酢酸、蟻酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、
アクリル酸などの有機酸が使用できる。これらの酸はそ
のままでも使用できるが、そのまま使用した場合には、
濃度が高いため添加局部においてAM水溶液のpHが低
下し、AMの重合を招く恐れがあるため、予め希釈した
酸を用いてもよい。この場合、希釈の程度は特に制限は
ないが、希釈し過ぎると取り扱う酸の量が増すため不経
済である。希釈の程度は好ましくは5〜30%が適当で
ある。使用する酸の量はAM水溶液のpHを6〜4とす
るために、好ましくはpHを4.5〜5.5とするため
に必要な量である。pHが4以下になるとAMが重合し
易くなり、安全運転ができにくくなるので好ましくな
い。
【0011】本発明においては、AM水溶液のpHを4
〜6とした後、ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂に
より処理する。この処理順序を逆にすると、脱銅処理後
のAM水溶液のpHが低下し、AM水溶液の安定性が低
下するので好ましくない。AM水溶液を処理するのに使
用する上記ナトリウム型強酸性陽イオン交換樹脂として
は、通常のスチレン系陽イオン交換樹脂(例えば、アン
バーライトIR−120B、IR−124、ダイヤイオ
ンSK−1B、SK−110など)を使用することがで
きる。これらの樹脂は通常Na型になっているので、そ
のまま使用することができる。
【0012】
【実施例】更に、実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の要旨を逸脱しない限り、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0013】[実施例1]実用ラネー銅触媒であるK社
製品(改良型CDT−60)を用いて、アクリロニトリ
ルの接触水和によるAM水溶液の合成反応を行った。反
応器として容量20リットルのステンレス製の反応槽を
使用した。上記触媒2.2Kgをあらかじめ、反応槽に仕
込んでおき、これにアクリロニトリルと水をそれぞれ
2.8Kg/Hr、6.5Kg/Hrの速度で供給し、攪拌下1
20℃、滞留時間2時間で反応を行った。なお、反応の
促進安定剤として硝酸銅をフィード水中の銅イオン濃度
が5 ppmとなるように添加した。
【0014】反応生成液は焼結金属フィルターを通して
抜き出した後、減圧下で未反応のアクリロニトリルを留
去し、AMの25%水溶液を得た。この液中には銅イオ
ンが30 ppm溶存しており、そのpHは6.5であっ
た。
【0015】当該水溶液の安定性を増すために、酸素の
吹き込みを行った。このようにして得られた液を、H型
イオン交換樹脂IRC−76 1.0L にSV 10/Hr、
LV 10m/Hrで通液しpH5.0とし、ひきつづきNa
型イオン交換樹脂 アンバーライトIR−120B 1.
0LにSV 4.0/Hr、LV 3.0 m/Hr、温度40℃で通液
した。10日間の運転期間中、極めて安定に運転でき、
得られた液中の銅濃度は10 ppb以下であった。
【0016】[実施例2]実施例1で得られたAM25
%水溶液(溶存銅イオン濃度=30 ppm、pH=6.
5)に、常温下で炭酸ガス及び酸素ガスを、それぞれ5
0 L/Hr、150 L/Hrで吹き込んだ。得られたAM水
溶液はpH5.2、溶存酸素20mg/L であった。この
ようにして得られた液を、Na型イオン交換樹脂 アン
バーライトIR−120B 1.0LにSV 4.0/Hr、LV
3.0 m/Hr、温度40℃で通液した。10日間の運転期
間中、極めて安定に運転でき、得られた液中の銅濃度は
10 ppb以下であった。
【0017】[実施例3]実施例1で得られたAM25
%水溶液(溶存銅イオン濃度=30 ppm、pH=6.
5)に、常温下で硫酸を加えpH調整をした。使用した
硫酸の濃度は5%とした。また、当該AM水溶液の安定
性を増すために、酸素の吹き込みを行った。得られたA
M水溶液はpH5.0、溶存酸素20mg/L であった。
このようにして得られた液を、Na型イオン交換樹脂
アンバーライトIR−120B 1.0LにSV 4.0/Hr、
LV 3.0 m/Hr、温度40℃で通液した。10日間の運
転期間中、極めて安定に運転でき、得られた液中の銅濃
度は10 ppb以下であった。
【0018】[比較例1]実施例1で得られたAM25
%水溶液(溶存銅イオン濃度=30 ppm、pH=6.
5)を酸素と接触させた後、Na型イオン交換樹脂 ア
ンバーライトIR−120B 1.0LにSV 4.0/Hr、L
V 3.0 m/Hr、温度40℃で通液した。得られた液中の
銅濃度は500 ppbであった。
【0019】[比較例2]実施例1で得られたAM25
%水溶液(溶存銅イオン濃度=30 ppm、pH=6.
5)を酸素と接触させた後、H型イオン交換樹脂 アン
バーライトIR−76 1.0LにSV 4.0/Hr、LV 3.0
m/Hr、温度40℃で通液した。得られた液中の銅濃度
は15 ppmであり、液のpHは4.5であった。
【0020】[比較例3]実施例1で得られたAM25
%水溶液(溶存銅イオン濃度=30 ppm、pH=6.
5)を酸素と接触させた後、Na型イオン交換樹脂 ア
ンバーライトIR−120BをH型にしたもの1.0LにS
V 4.0/Hr、LV 3.0 m/Hr、温度40℃で通液した。
得られた液中の銅濃度は10 ppb以下であったが、運転
開始後、20時間でAMの重合が見られた。
【0021】
【発明の効果】本発明によって、アクリロニトリルの接
触水和反応によりAM水溶液から長期、安定的に微量の
銅を除去することが可能になり、このことはAMの工業
的生産にとって、極めて大きな利益を与えるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中安一雄 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2−3 昭 和電工株式会社川崎工場内 (56)参考文献 特開 昭57−4952(JP,A) 特開 昭52−116410(JP,A) 特開 昭48−62715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/24 C07C 233/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルの接触水和法により得
    られるアクリルアミド水溶液のpHを4〜6とした後、
    ナトリウム型陽イオン交換樹脂により処理することを特
    徴とするアクリルアミド水溶液の精製方法。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリルの接触水和法により得
    られるアクリルアミド水溶液のpHを4〜6とした後、
    ナトリウム型陽イオン交換樹脂により処理して銅濃度を
    10ppb以下としたアクリルアミド水溶液を得ること
    を特徴とするアクリルアミド水溶液の精製方法。
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