JP3044715U - 管切断面のバリ取りおよび差し込み代マーキング治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】持ち運び性に優れ、かつ、内外面両者のバリ取
りを簡単かつ確実に行うことができ、さらに、差し込み
代のマーキングを行い得ようにする。 【解決手段】プレート１の縁部に、対象の管の切断面の
内周縁および外周縁が嵌まり込む、奥窄まりの側面を有
する切欠部２が、対象の管径に応じて複数形成され、各
サイズの管における管中心を挟む両端壁部が、いずれか
の前記切欠部２に嵌まり込み可能となる位置に形成さ
れ、プレート１に、管の端面に当てがう突起部３が形成
され、さらに、突起部３を基準位置として管接続時の差
し込み代に対応した離間位置に透孔４が形成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、管、特に塩化ビニル管の切断面のバリ取り工具および管の差し込み 代マーキング治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

たとえば、塩化ビニル管により配水路を形成する場合、現場にて塩化ビニル管 をディスクカッターにより所定長に切断し、ソケットなどを用いながら続く他の 塩化ビニル管と接続することが行われる。

【０００３】 この場合、切断面にはバリが発生するが、このバリをそのままにしてあるいは 除去が不十分なまま接続を行うと、接続個所からの漏水が発生したり、バリに汚 物が引っ掛かり排水不良が生じたり、また、差し込み代が不十分のために接続個 所が抜けてしまい漏水が発生するなどの事態を招くことが多々ある。

【０００４】 したがって、接続前において切断面のバリ取りが必要となる。従来、このバリ 取り作業は、一般的にヤスリを用いることが多い。

【０００５】 また、図１に示す内面用バリ取り工具も知られている。すなわち、この内面用 バリ取り工具５０は、外径が７０mm、長さが７０mm程度の管状のホルダー５１内 に、鋼製の十字刃５２を固定したものであり、使用に際しては、管Ｐの端部に内 面用バリ取り工具５０を被せながら押し当てた状態で、ホルダー５１を軸心周り に回転させて、十字刃５２にてバリＸを切除するものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ヤスリによりバリＸを除去する場合、その除去作業に多大な手間がか かるとともに、不均一な除去となりがちである。

【０００７】 一方、前述の内面用バリ取り工具５０によりバリＸを除去する場合、外面のバ リについては除去できないので、改めてヤスリを用いることが必要となるばかり でなく、円筒形状でありかつ嵩張るために持ち運びに不便であり、また対象の管 サイズは５０Ａ程度であり制限がある。

【０００８】 他方、塩化ビニル管の配管においては、所定長の差し込み代が必要となるとこ ろ、従来はその差し込み代をスケールにて計測して差し込み代端をマーキングす る作業を要していた。この差し込み代は管のサイズに応じて多種に決められてお り、全ての差し込み代の記憶が困難であることから、通常はその差し込み代を一 覧表に基づいて確認しながら寸法取りを行っており、きわめて不便である。

【０００９】 したがって、本考案の主たる課題は、持ち運び性に優れ、かつ、内外面両者の バリ取りを簡単かつ確実に行うことができ、さらに、差し込み代のマーキングが 簡易となる管切断面のバリ取りおよび差し込み代マーキング治具を提供すること にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決した本考案の請求項１記載の考案は、複数サイズの管の切断面 のバリ取りを行うものであって、 プレートの縁部に、対象の管の切断面の内周縁および外周縁が嵌まり込む、奥 窄まりの側面を有する切欠部が、対象の管径に応じて複数形成され、 かつ、前記各サイズの管における管中心を挟む両端壁部が、いずれかの前記切 欠部に嵌まり込み可能となる位置に形成され、 前記プレートに、管の端面に当てがう突起部が形成され、さらに、前記突起部 を基準位置として管接続時の差し込み代に対応した離間位置に透孔が形成されて いる、 ことを特徴とする管切断面のバリ取りおよび差し込み代マーキング治具である 。

【００１１】 請求項２記載の考案は、前記管が塩化ビニル管であり、前記透孔は複数形成さ れている請求項１記載の管切断面のバリ取りおよび差し込み代マーキング治具で ある。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下本考案を図面に示す実施の形態を参照しながらさらに詳説する。

【００１３】 図２〜図６に示すように、本考案の管切断面のバリ取りおよび差し込み代マー キング治具（以下単にバリ取り治具ともいう）１０は、塩化ビニル管Ｐの切断面 のバリ取りに対して好適に適用されるものであり、ほぼ長方形のプレート１の縁 部に、対象の管Ｐの切断面の内周縁および外周縁が嵌まり込む、Ｖ字状などの奥 窄まりの側面を有する切欠部２が、対象の管径に応じて複数形成され、かつ、各 サイズの管Ｐにおける管中心を挟む両端壁部が、いずれかの切欠部２に嵌まり込 み可能となる位置に形成されている。

【００１４】 図２に示された切欠部２の形状はＶ字状であるが、本考案では奥窄まりであれ ばよく、たとえば図７に示すテーパ側面を有する切欠部２Ａでもよい。

【００１５】 各切欠部２，２…に対応した位置に、管Ｐの呼び径が表示されている。また、 プレート１に、図５および図６に示す態様で管Ｐの端面に当てがう突起部３が形 成され、さらに、この突起部３を基準位置として管接続時の差し込み代Ｌに対応 した離間位置に透孔４，４…が形成され、かつ呼び径が表示されている。実施の 態様における、塩化ビニル管の呼び径と、バリ取り時に使用する切欠部２の位置 との関係を、表１および表２に、差し込み代Ｌのマーキング時に使用する透孔４ の位置との関係を表３および表４に示す。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】

【表３】

【００１９】

【表４】

【００２０】 バリ取り治具１０の使用に際しては、対象の管Ｐに対して、その管Ｐの呼び径 表示された切欠部２に管の一方の壁部を嵌め込む。このとき、バリ取り治具１０ を管Ｐの軸心を通る線上に一致させれば、いずれか他の切欠部２が他方の壁部に 嵌まり込むようになる。

【００２１】 図３に示すように、両壁部に切欠部２，２を嵌め込んだ状態で、バリ取り治具 １０を管Ｐの軸心周りに１８０度程度回転を繰り返すと、切欠部２，２のエッジ がバリを削り取り、管切断面の内外のバリＸを簡単に取り除くことができる。

【００２２】 また、差し込み代Ｌのマーキング治具として使用するときは、図５および図６ に示すように、突起部３を管Ｐの端面に当てがい、バリ取り治具１０を片手で保 持しながら、他方の片手で当該管Ｐの呼び径が表示された透孔４を通して適宜の 筆記具５によりマーキングする。

【００２３】 本考案のバリ取り治具４の材質としてはたとえばステンレスが好適に用いられ 、寸法例としては横150mm 、縦70mm、厚さ1.5mm であり、持ち運び性に優れる。

【００２４】 本考案のマーキング治具４は塩化ビニル管用として好適に用いられるが、他の 素材の管にも適用できる。

【００２５】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、持ち運び性に優れ、かつ、内外面両者のバリ 取りを簡単かつ確実に行うことができ、さらに、差し込み代のマーキングを簡易 に行うことができるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来用いられていた管内面用バリ取り工具の説
明図である。

【図２】本考案の管切断面のバリ取りおよび差し込み代
マーキング治具の正面図である。

【図３】その左側面図である。

【図４】バリ取り状態斜視図である。

【図５】マーキング状態斜視図である。

【図６】マーキング状態側面図である。

【図７】切欠部の他の例の要部正面図である。

【符号の説明】

１…プレート、２…切欠部、３…突起部、４…透孔、５
…筆記具、Ｐ…管、Ｘ…バリ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数サイズの管の切断面のバリ取りを行う
   ものであって、 プレートの縁部に、対象の管の切断面の内周縁および外
   周縁が嵌まり込む、奥窄まりの側面を有する切欠部が、
   対象の管径に応じて複数形成され、 かつ、前記各サイズの管における管中心を挟む両端壁部
   が、いずれかの前記切欠部に嵌まり込み可能となる位置
   に形成され、 前記プレートに、管の端面に当てがう突起部が形成さ
   れ、さらに、前記突起部を基準位置として管接続時の差
   し込み代に対応した離間位置に透孔が形成されている、 ことを特徴とする管切断面のバリ取りおよび差し込み代
   マーキング治具。
2. 【請求項２】前記管が塩化ビニル管であり、前記透孔は
   複数形成されている請求項１記載の管切断面のバリ取り
   および差し込み代マーキング治具。