JP3044327U

JP3044327U - 電磁波シールド袋

Info

Publication number: JP3044327U
Application number: JP1997004993U
Authority: JP
Inventors: 浩川合; 実今野
Original assignee: Sun Aluminium Ind Ltd
Current assignee: Sun Aluminium Ind Ltd
Priority date: 1997-06-12
Filing date: 1997-06-12
Publication date: 1997-12-22
Anticipated expiration: 2003-06-12

Abstract

(57)【要約】【課題】電磁波のシールド効果が高いと共に、製造コ
ストが低い電磁波シールド袋を提供する。【解決手段】ＰＥＴからなる基材４と、この基材４の
上に蒸着されたＡｌ蒸着膜５と、Ａｌ蒸着膜５の上に塗
布されたＰＥ膜６と、このＰＥ膜６上に配置された発泡
ＰＥからなる内装材７と、この内装材７の上に被着され
たＰＥ膜８とから、袋素材３が構成されている。そし
て、この袋素材３を発泡ＰＥ内装材７及びＰＥ膜８が内
側になるように、２つ折りし、縁部を加圧し加熱するこ
とにより接合して、袋を製造する。このようにして得ら
れた電磁波シールド袋は電磁波を遮断し、内部に収納し
た携帯電話機に着信することが防止される。これによ
り、着信による携帯電話機からの電磁波の放出が防止さ
れ、航空機等の計器に誤作動を生じさせることが防止さ
れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は携帯電話及び可搬形コンピュータ等を収納し、それらを外界から電磁波シールドする電磁波シールド袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、携帯電話の普及に伴い、至る所で携帯電話機による通話がなされている。そして、不用意な場所で携帯電話機に着信することがある。

【０００３】この携帯電話機は、着信時に強い電磁波を放出する。この電磁波は、航空機の離着陸時にその計器を誤作動させたり、病院の種々の治療機器を誤作動させたりする虞がある。

【０００４】このため、従来、電磁波をシールドするための種々の部材が販売されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のこの種の電磁波シールド部材は、電磁波のシールド効果が低いか、又は製造コストが高く、実用的ではないという難点がある。特に、空港において、航空機に搭乗した乗客が携帯電話機の電源を切ることを忘れ、電源を入れたままにしているときに、不用意に着信することがある。このような事態が生じると、離陸時の航空機の安全にも支障を及ぼす虞があり、空港内において、特に搭乗後は携帯電話機に着信しないようにすることが肝要である。このためには、電磁波シールド袋を乗客に配り、この中に、携帯電話等の電磁波を放出する器具を収納してもらうことが考えられるが、このような電磁波シールド袋は全ての乗客に使用してもらうためには無償で配布する必要があり、このため、低コストであることが必要である。

【０００６】本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、電磁波のシールド効果が高いと共に、製造コストが低い電磁波シールド袋を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る電磁波シールド袋は、袋状をなし強度を担う基材と、この基材の内面及び／又は外面に蒸着された金属蒸着層とを有することを特徴とする。

【０００８】また、本考案に係る他の電磁波シールド袋は、袋状をなし強度を担う基材と、この基材の内面及び／又は外面に接着された金属箔とを有することを特徴とする。

【０００９】更に、本考案に係る他の電磁波シールド袋は、繊維状の基材と、この基材の上に蒸着された金属蒸着層と、を有し、この金属蒸着層が被着された基材を織り込むことにより袋素材が構成されていることを特徴とする。

【００１０】前記金属蒸着層は、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛及び銀並びにその合金からなる群から選択された１種の素材からなる蒸着層である。

【００１１】また、前記金属箔は、例えば、アルミニウム、鉄及び銅並びにその合金からなる群から選択された１種の素材からなる箔である。

【００１２】本考案においては、金属蒸着層又は金属箔により、電磁波がシールドされるので、そのシールド効果は極めて優れており、しかも蒸着又は箔の接着により製造できるので、その製造コストが低い。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。図１は、本考案の実施例に係る電磁波シールド袋１を示す正面図、図２はこの電磁波シールド袋１の素材３の断面図である。ＰＥＴ（ポリエステル）からなる基材４の上にアルミニウムを蒸着することによりＡｌ蒸着膜５が形成されており、このＡｌ蒸着膜５の上に、発泡ＰＥ（ポリエチレン）からなる内装材７が、ＰＥ膜６により接着されている。更に、発泡ＰＥからなる内装材７の上には、ＰＥ膜８が被着されている。ＰＥ膜６はＡｌ蒸着膜５の上にノズルから溶融ＰＥを押出し、これをロールで薄く伸ばすことによりＡｌ蒸着膜５上に塗布される。発泡ＰＥからなる内装材７と最表面のＰＥ膜８は、両者を重ね、圧力をかけた状態で加熱することにより積層される。そして、内装材７とＰＥ膜８の積層体は、内装材７とＰＥ膜６とを重ねて基材４上に重ねられ、同様に圧力をかけた状態で加熱することによりＰＥ膜６と内装材７とが接合される。ＰＥ膜６はＡｌ蒸着膜５と発泡ＰＥからなる内装材７とを強固に接合する接着剤として機能する。

【００１４】なお、例えば、ＰＥＴ基材４の厚さは１０乃至２０μｍ、Ａｌ蒸着膜５の厚さは２００乃至８００Å、発泡ＰＥ内装材７の厚さは５０μｍ乃至１．５ｍｍである。また、ＰＥ膜６の厚さは１０乃至３０μｍｍ、ＰＥ膜８の厚さは２０乃至５０μｍである。

【００１５】このように構成される袋素材３を、ＰＥ膜８が内側になるように、２つ折りし、ＰＥ膜８同士を重ね合わせる。そして、袋の接合しろ２の部分を適宜の治具で挟圧し、加熱することにより、接合しろ２の部分のＰＥ膜８、内装材７及びＰＥ膜６を軟化させ、接合しろ２の部分で両素材３を接合させる。これにより、袋１の縁部が相互に接着され、図１に示す形状の電磁シールド袋１が得られる。

【００１６】この電磁シールド袋１は、内部に携帯電話機等を収納し、その上部の折り部９で折り曲げることにより、その内部にＡｌ蒸着膜５に囲まれた空間が形成され、携帯電話機等はこの空間内に封入される。なお、内側に発泡ＰＥからなる内装材７を配置しているので、収納物に疵をつける虞がない。

【００１７】而して、アルミニウムは極めて優れた電磁波シールド特性を有する。図３は横軸に電磁波の周波数をとり、縦軸に減衰量（ｄＢ）をとって、各材料の電磁波シールド特性を示すグラフ図である。図中、はＮｉ系導電性塗料（厚さ１２０μ ｍ）、は７μｍ厚のアルミニウム箔、は２０μｍ厚のアルミニウム箔、は４０μｍ厚のアルミニウム箔、は１００μｍ厚のアルミニウム箔、は５０μ ｍ厚の鉄箔についての夫々周波数とシールド効果との関係を示すグラフ図である。この図３に示すように、Ａｌ及びＦｅは極めて優れた電波シールド材である。

【００１８】従って、上述のごとく構成された電波シールド袋１を使用すれば、携帯電話機等を収納した後、線８に示すように袋の上部を折り曲げる程度の密封で、電波は袋内に到達せず、携帯電話機に着信してしまうことが防止される。従って、携帯電話機への着信により電磁波が放出されて航空機の計器等に誤動作を生じさせるような不都合が回避される。

【００１９】本考案は上記実施例に限定されず、種々の実施例が考えられる。例えば、上記実施例においては、Ａｌ膜５をＰＥＴ基材４上に蒸着しているが、Ａｌの蒸着の他に、例えば７〜９μｍ厚のＡｌ箔をＰＥＴ基材の上に接着により被着することにより、更に一層シールド効果を高めることができる。

【００２０】また、蒸着により金属膜を被着する場合は、金属膜としては、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、又はニッケル等がある。一方、金属箔の場合には、アルミニウム、鉄又は銅等を使用することができる。

【００２１】更に、シート状のＰＥＴ基材の上にＡｌ蒸着膜又はＡｌ箔を被着する場合に限らず、ＰＥＴ繊維にＡｌを蒸着し、得られたＡｌ蒸着繊維を織り込むことにより、袋素材を製造することもできる。この場合に、電波を遮断する必要上、縦及び横の双方に繊維を織り込む。

【００２２】更にまた、基材４の材質はＰＥＴに限らず、また、ＰＥ膜６、８及び発泡ＰＥからなる内装材７の構成も、上記実施例に限定されないことは勿論である。

【００２３】いずれにしても、本発明の電磁波シールド袋は、電磁波シールド性を有する金属を蒸着又は箔の被着により基材に被着して構成されるから、その製造コストが低いという利点がある。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、電磁波のシールド効果が優れていると共に、その製造コストが低いという効果を奏する。このため、本考案は空港等における航空機の離着陸の安全に多大の貢献をなす。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る電磁波シールド袋を示す
正面図である。

【図２】同じくその袋素材の構造を示す断面図である。

【図３】各金属の電磁波シールド特性を示すグラフ図で
ある。

【符号の説明】

１；電磁波シールド袋２；接合しろ３；素材４；ＰＥＴ基材５：Ａｌ蒸着膜６、８；ＰＥ膜７；発泡ＰＥ内装材９；折り部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】袋状をなし強度を担う基材と、この基材
の内面及び／又は外面に蒸着された金属蒸着層とを有す
ることを特徴とする電磁波シールド袋。
【請求項２】袋状をなし強度を担う基材と、この基材
の内面及び／又は外面に接着された金属箔とを有するこ
とを特徴とする電磁波シールド袋。
【請求項３】繊維状の基材と、この基材の上に蒸着さ
れた金属蒸着層と、を有し、この金属蒸着層が被着され
た基材を織り込むことにより袋素材が構成されているこ
とを特徴とする電磁波シールド袋。
【請求項４】前記金属蒸着層は、アルミニウム、銅、
亜鉛及び銀並びにその合金からなる群から選択された１
種の素材からなる蒸着層であることを特徴とする請求項
１又は３に記載の電磁波シールド袋。
【請求項５】前記金属箔は、アルミニウム、鉄及び銅
並びにその合金からなる群から選択された１種の素材か
らなる箔であることを特徴とする請求項２に記載の電磁
波シールド袋。
【請求項６】前記基材はポリエステル製であることを
特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の電磁
波シールド袋。