JP3043085B2 - 包接化合物の製造方法 - Google Patents

包接化合物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧二酸化炭素を媒体
とした、包接化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、植物、果実等から抽出される
天然香気成分を効率よく回収するために、包接化合物を
応用した方法が提案されている。
【0003】この方法は、天然物から抽出された不安定
な天然香気成分等のゲスト成分を、ホスト成分に包接さ
せて包接化合物とし、こうして前記ゲスト成分を安定化
させて回収するものである。
【0004】上記包接化合物の形成におけるホスト成分
としては、一般的に、サイクロデキストリン類が用いら
れる。このサイクロデキストリン類は、ブドウ糖分子が
環状に結合した特殊なオリゴ糖であり、外周部において
親水性を、内孔部において親油性を夫々示し、該内孔部
に各種の分子を包接する機能を備えた環状構造をとって
いる。このため、該サイクロデキストリン類は、内部に
様々な物質を吸着して包接化合物を形成することがで
き、この機能が利用され、食品や医薬等の様々な分野に
使用されている。
【0005】その具体的な作用としては、例えば、揮発
性物質をサイクロデキストリンに包接させることによっ
て不揮発性化して安定化させること、酸化や光分解を受
け易い物質を同様に包接させて保護すること、様々な物
質を包接することによる物理的性質(溶解度、吸湿性、
硬化速度、晶析性等)を改善すること、化学反応性の変
化を可能にすることが挙げられる。このように、サイク
ロデキストリン類は、不安定な天然香気成分を包接し安
定化させて回収するために、特に好適な化合物である。
【0006】上記天然香気成分を回収するための包接化
合物の製造方法としては、例えば、月刊フードケミカ
ル,11,31〜66頁,1989年、および特開昭50-82262号公
報記載の方法が挙げられる。この方法では、まず常温常
圧下において、水または適切な溶媒中で、ゲスト成分
(被包接成分、天然香気成分等)を、ホスト成分(サイ
クロデキストリン類)と混合攪拌して該ホスト成分に包
接させる。更に、凍結乾燥、噴霧乾燥、または減圧乾燥
等の処理を施すことによって、目的の包接化合物を得
る。しかし上記方法では、得られた包接化合物におけ
る、ゲスト成分の包接率が低いという点で問題である。
【0007】これに対し、近年、高圧ガスを媒体とする
超臨界二酸化炭素抽出法を用いた、包接化合物の製造方
法が提案されている。この例として、特開昭 62-148598
号公報記載の方法が挙げられる。
【0008】図2は、当該方法の一般的なフロー図であ
り、同図を参照して説明する。まず、ゲスト成分(天然
香気成分)を含有する物質が充填された抽出槽24中
に、二酸化炭素ボンベ21より、加圧ポンプ23を通し
て、臨界点以上に加圧および加温した二酸化炭素を供給
する。こうして、抽出槽24中で超臨界二酸化炭素と、
前記ゲスト成分(天然香気成分)を含有する物質とを接
触させて、この超臨界二酸化炭素中にゲスト成分を溶解
させる。次に、この溶解相を、減圧バルブ29を通し
て、ホスト成分(サイクロデキストリン)が充填された
包接槽25に供給し、圧力または温度を低下させて該溶
解相中のゲスト成分を分離させ、これをホスト成分に包
接させる。
【0009】しかし上記方法では、抽出槽24における
ゲスト成分の抽出工程、包接槽25におけるホスト成分
への包接工程、更に、包接槽25からの二酸化炭素の排
出工程とが、連続的に行われる流通式であるという点に
問題がある。
【0010】即ち、上記方法の操作において、減圧バル
ブ28で設定された圧力での飽和溶解度に相当する量の
ゲスト成分が、減圧バルブ28を通して包接槽25から
排出されてしまう。従って、理論上、排出される二酸化
炭素の量と、排出圧力におけるゲスト成分の飽和溶解度
との積に相当する多量のロスが生ずる。同時に、二酸化
炭素が連続的に流通しているため、その消費量が多くな
るという点も問題である。
【0011】また、上記方法の操作の初期段階では、前
記溶解相におけるゲスト成分の濃度が高く、包接槽25
において効率よくホスト成分への包接が進行するが、時
間の経過と共に、前記溶解相におけるゲスト成分の濃度
が低下し、これに伴ってホスト成分への包接効率が低下
する。更に、逆反応として、一度形成された包接化合物
からゲスト成分の脱離が生ずる。この結果、上記方法で
は、ゲスト成分の包接率の高い包接化合物を得ることが
できない。
【0012】更に、上記方法ではその抽出工程におい
て、ゲスト成分は、超臨界二酸化炭素に理論上その飽和
溶解度まで溶解する。ところが、該溶解相は包接槽25
に供給される際、減圧バルブ29で包接槽25内の圧力
まで減圧されるため、この圧力での飽和溶解度を超える
量のゲスト成分が、包接槽25内で包接される前に該溶
解相から析出する。該析出物は、抽出槽24および包接
槽25を連結する配管の内壁等に付着して、操作の障害
となり、またゲスト成分のロスとなる。
【0013】この他、特開昭 63-141559号公報では、前
記流通式の方法に対して、ゲスト成分の抽出工程とホス
ト成分への包接工程とを、半回分式で行う方法が開示さ
れている。この方法は、前記流通式方法の抽出槽24中
において、超臨界二酸化炭素とゲスト成分とを接触させ
て、この超臨界二酸化炭素相にゲスト成分を溶解させる
工程を、一定時間だけ行うものである。そして、抽出槽
24および包接槽25の間に設けられた減圧バルブ29
を調節して、形成された溶解相を包接槽25に一定圧と
なるように供給する。
【0014】しかし、上記半回分式方法においても、前
記流通式の方法と同様に、操作の初期段階では、効率よ
くホスト成分への包接が進行するが、時間の経過と共
に、ホスト成分への包接効率が低下する。また、包接槽
25において、一度形成された包接化合物からゲスト成
分の脱離が生じ、更に、この脱離反応と、本来進行すべ
き包接反応とが競合状態となり、この状態で、形成され
る包接化合物のゲスト成分の包接率が決定される。この
ため、該包接率を一定値以上に高めることは困難であ
る。
【0015】以上のように、従来の方法では、ゲスト成
分の包接率の高い包接化合物を得ることができず、不安
定な天然香気成分等を効率よく回収することができな
い。また、従来の方法では、媒体である二酸化炭素の消
費量が多い等、経済性の点で非常に問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたもので、その課題とするところは、二酸
化炭素を媒体とした、ゲスト成分の包接率が高い包接化
合物を製造する方法を提供することである。更に詳しく
は、本発明の課題は、従来より少ない二酸化炭素消費量
で、高包接率の包接化合物を製造する方法を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の包接化合物の製
造方法は、ゲスト成分およびホスト成分を予め包接槽内
に充填する第一工程と、該包接槽内に高圧二酸化炭素を
導入して前記ゲスト成分を溶解させることにより、前記
ゲスト成分の飽和溶解相を形成する第二工程と、前記包
接槽内において該飽和溶解相と前記ホスト成分とを接触
させることにより、前記ゲスト成分を前記ホスト成分に
包接させる第三工程とを具備し、前記第一工程において
は、前記第二工程で飽和溶解相が形成された後も未溶解
のゲスト成分が残存し得るような過剰量のゲスト成分
を、前記包接槽に充填することを特徴とする。図1は、
本発明の方法を実施する一般的なフロー図であり、以
下、同図を参照して本発明の詳細を説明する。
【0018】まず、前記第一工程として、ゲスト成分お
よびホスト成分を予め包接槽15内に充填する。該包接
槽15には、攪拌機能(例えば、攪拌器16等)および
温度調節機能が備えられていることが好ましい。
【0019】該第一工程において、前記ゲスト成分とし
ては、例えば、食物、果実等の芳香成分(リモネン、リ
ナロール等)、辛味成分(イソチオシアン酸アリル
等)、メントール等の揮発性物質、酸化し易い物質(脂
肪酸、ビタミン類等)、分解変質し易い物質(天然色素
等)が使用され得る。
【0020】また、前記第一工程において、単一の化合
物のみならず、ゲスト成分を含有する物質、例えば、植
物体自体(花、果実等)を包接槽15に充填してもよ
い。この場合、操作終了後、該植物体をホスト成分と分
離させる必要がある。
【0021】一方、前記ホスト成分としては、上述した
ようにサイクロデキストリン類が使用され得る。具体的
には、例えば、デンプンに酵素を作用させて得られる従
来型のサイクロデキストリン類、該従来型のサイクロデ
キストリン類にマルトオリゴ糖を付加させて得られる分
岐型サイクロデキストリン類(グルコシル -α- サイク
ロデキストリン、マルトシル -α- サイクロデキストリ
ン、ジマルトシル -α- サイクロデキストリン、ジグル
コシル -α- サイクロデキストリン)が挙げられる。
【0022】以上の第一工程において充填されるゲスト
成分量は、前記第二工程で飽和溶解相が形成された後も
未溶解のゲスト成分が残存し得るような過剰量であるこ
とが必要である。具体的には、ゲスト成分のホスト成分
に対するモル比率として、0.01〜 1、好ましくは 0.125
〜0.75である。
【0023】更に、前記第一工程においては、少量の水
を添加することが望ましい。これは、以下の理由に因る
ものである。即ち、前記第一工程において、ホスト成分
として市販のサイクロデキストリンが使用される場合、
以下の工程での包接反応は、前記ホスト成分の外周部と
内孔部における疎水性との差によって生ずると推定され
るためである。
【0024】詳述すれば、ホスト成分の外周部に存在す
る疎水性のゲスト成分は、ホスト成分の外周部の親水性
に反発して、疎水性であるホスト成分の内孔部へ移動
し、該ホスト成分に包接される。このため、最初にゲス
ト成分が存在するホスト成分の外周部において、親水性
を増加させることにより、前記ホスト成分の外周部およ
び内孔部における疎水性との差が大きくなり、前記ゲス
ト成分のホスト成分の外周部から内孔部への移動が顕著
になる。即ち、ホスト成分の外周部に水を存在させるこ
とによって、得られる包接化合物の包接率がより高めら
れる。従って、前記第一工程において、少量の水を添加
することが望ましい。この水の添加量は、ホスト成分量
に対して10〜50重量%、好ましくは25〜40重量%であ
る。
【0025】次に、前記第二工程として、ストップバル
ブ18を閉じ、ストップバルブ14を開放して、加圧ポ
ンプ13を作動させ、二酸化炭素を包接槽15内に圧入
する。こうして、前記ゲスト成分を高圧二酸化炭素に溶
解させ、前記ゲスト成分の飽和溶解相を形成する。該第
二工程において、包接槽15内の圧力は、 0〜 500kg/
cm2 、好ましくは50〜 300kg/cm2 に設定され得る。
【0026】次に、前記第三工程として、ストップバル
ブ14を閉じ、攪拌器16を作動させて温度調節しなが
ら、包接槽15内において前記飽和溶解相と前記ホスト
成分とを接触させることにより、前記ゲスト成分を前記
ホスト成分に包接させる。
【0027】該第三工程における包接槽15内の設定温
度は、10〜80℃、好ましくは40〜50℃であり、この温度
は、恒温槽17によって安定されている。また、第三工
程における反応時間は30分〜 2時間である。尚、前記第
二および第三工程は、ほぼ同時に進行する。
【0028】次いで、前記三工程終了後、ストップバル
ブ18を開けて包接槽15内の圧力を開放し、形成され
た包接化合物を取り出す。該包接化合物は、最終的に通
常の方法によって乾燥させることにより得られるが、残
存する余分なゲスト成分を適切な溶媒によって洗浄させ
た後、乾燥させてもよい。
【0029】
【作用】本発明の包接化合物の製造方法は、その第二工
程において、ゲスト成分が高圧二酸化炭素にその溶解度
の平衡値まで溶解して飽和溶解相となった後、第三工程
においてホスト成分に接触して包接される。前記第二工
程後においては、未溶解のゲスト成分が残存し得るた
め、前記ゲスト成分がホスト成分への包接反応によって
消費された分だけ高圧二酸化炭素に溶解し、上記同様
に、再度第二および第三工程の反応サイクルを繰り返
す。従って、ホスト成分は、常にゲスト成分が飽和状態
となった高圧二酸化炭素溶解相と接触して、該ゲスト成
分を包接していくため、最終的に得られる包接化合物に
おいてゲスト成分の包接率が向上する。
【0030】また、本発明の包接化合物の製造方法で
は、前記第一工程において、一定量のゲスト成分および
ホスト成分を他の成分に先立って包接槽内に充填し、そ
の後の工程において、充填されたゲスト成分量だけ、同
一容器内において包接反応を進行させる回分式の方法で
ある。従って、本発明の方法では、従来技術のように媒
体である二酸化炭素を連続的に流通させる必要がなく、
二酸化炭素の消費量が低減される。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。尚、この
実施例は、本発明の理解を容易にする目的で記載される
ものであり、本発明を限定するものではない。また、以
下の各実施例は、図1に示す回分式フローに従った実験
装置において、各比較例は、図2に示す流通式フローに
従った実験装置において夫々行った。 (実施例1)
【0032】市販の分岐サイクロデキストリン粉末(ホ
スト成分)35gに、水15gを加えて水溶液とした。この
サイクロデキストリン水溶液、および該サイクロデキス
トリンと当モル(4 g)のL-メントール(ゲスト成分)
を、包接槽15内に充填した。次に、ストップバルブ1
8を閉じ、ストップバルブ14を開放して、加圧ポンプ
13を作動させて、二酸化炭素を包接槽15内に圧入し
た。次に、ストップバルブ14を閉じて、包接槽15内
を、圧力50kg/cm2 、温度50℃の条件で、攪拌器16に
よって 2時間攪拌(1200rpm.)し、包接反応を進行させ
た。
【0033】その後、ストップバルブ18を開放し、包
接槽15からL-メントール・サイクロデキストリン包接
粉末を取り出し、これを凍結乾燥した。更に、クロロホ
ルムによって該包接粉末を洗浄して、包接されていない
L-メントールを除去した。次いで、洗浄された包接粉末
を一定量とり、水 4mlに溶解することによってL-メント
ールを脱離させ、更に、クロロホルム 1mlを加えて攪拌
し、L-メントールを抽出した。このL-メントールを抽出
したクロロホルム層をガスクロマトグラフにより分析し
た。尚、上記実施例の全工程において消費された二酸化
炭素量は、合計 21.66リットルであった。 (実施例2〜4)前記包接反応時の圧力を100,200,300
kg/cm2 とすることを除いて、実施例1と同様の操作お
よび分析を行った。 (比較例1:流通式方法による包接化合物の製造)
【0034】実施例1と同様の方法で調製したサイクロ
デキストリン水溶液を、包接槽25に充填し、当モルの
L-メントールを抽出槽24に充填した。該抽出槽24か
ら包接槽25中に、二酸化炭素ボンベ21より、加圧ポ
ンプ23を通し、二酸化炭素流量 0.6リットル/分で圧
入した。次に、包接槽25内を減圧バルブ28によって
圧力50kg/cm2 に調整し、温度50℃で、攪拌器26によ
って 2時間攪拌(1200rpm.)して、包接反応を進行させ
た。その後、包接槽25からL-メントール・サイクロデ
キストリン包接粉末を取り出し、実施例1と同様の処理
および分析を行った。尚、上記比較例の全工程において
消費された二酸化炭素量は、合計 82.82リットルであっ
た。 (比較例2〜4)前記包接反応時の圧力を100,200,300
kg/cm2 とすることを除いて、比較例1と同様の操作お
よび分析を行った。 (比較例1* :常温常圧における包接化合物の製造)
【0035】実施例1と同様の方法で調製したサイクロ
デキストリン水溶液に、予め少量のエタノールに溶解し
たL-メントール(4g)を混合し、室温下で 5分間高速攪
拌機(10000rpm.)で攪拌した。次いで、該混合溶液を凍
結乾燥した後、実施例1と同様の方法で包接量を測定し
た。 (比較例2* :半回分式方法による包接化合物の製造)
【0036】実施例1と同様の方法で調製したサイクロ
デキストリン水溶液を、包接槽25に充填し、当モルの
L-メントールを抽出槽24に充填した。二酸化炭素ボン
ベ21より、該抽出槽24および包接槽25に、加圧ポ
ンプ23を作動させ、二酸化炭素を一定量ずつ供給し
た。圧力は、減圧バルブ28によって圧力 100kg/cm2
に調整し、温度50℃で、攪拌器26によって攪拌(1200
rpm.)して、包接反応を進行させた。
【0037】包接終了後、抽出槽24および包接槽25
内の二酸化炭素を放出し、包接槽25からL-メントール
・サイクロデキストリン包接粉末を取り出し、実施例1
と同様の処理および分析を行った。
【0038】上記実施例1〜4、および比較例1〜4、
* 、2* で得られたメントールの包接量(包接率)、
および各実施例および比較例において消費された二酸化
炭素量の結果を下記表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】また、上記表1の結果を基に、各実施例お
よび比較例におけるL-メントールの包接率を、夫々の包
接反応時における圧力に対してプロットして、L-メント
ールの包接率および圧力の関係を表したものを図3に示
す。
【0041】表1および図3に示す如く、本発明の製造
方法によれば、従来の方法による場合に比べ、包接率の
高い包接化合物が得られる。また、本発明の製造方法に
よれば、媒体である二酸化炭素の消費量が低減される。 (実施例5〜7)
【0042】包接槽15内に充填される、L-メントール
のサイクロデキストリンに対するモル添加率を12.5モル
%、25.0モル%,50モル%とすることと、前記包接反応
時の圧力を 100kg/cm2 とすることを除いて、実施例1
と同様の操作および分析を行った。 (比較例5〜7:流通式方法による包接化合物の製造)
【0043】抽出槽24内に充填されるL-メントール
の、包接槽25内に充填されるサイクロデキストリンに
対するモル添加率を12.5モル%、25.0モル%,50モル%
とすることと、前記包接反応時の圧力を 100kg/cm2
することを除いて、比較例1と同様の操作および分析を
行った。
【0044】上記実施例5〜7、および比較例5〜7で
得られたL-メントールの包接量(包接率)、および各実
施例および比較例において消費された二酸化炭素量の結
果を下記表2に示す。す。
【0045】
【表2】
【0046】また、上記表2の結果を基に、各実施例お
よび比較例におけるL-メントールの包接率を、夫々のL-
メントールのモル添加率に対してプロットして、L-メン
トールの包接率およびL-メントールのモル添加率の関係
を表したものを、図4に示す。
【0047】尚、この表2および図4において、前記実
施例2および比較例2のデータを、前記サイクロデキス
トリンに対するL-メントールのモル添加率 100モル%の
場合のデータとして記載した。
【0048】表2および図4に示す如く、本発明の製造
方法によれば、従来の方法による場合に比べ、包接率の
高い包接化合物が得られる。また、本発明の製造方法に
よれば、媒体である二酸化炭素の消費量が低減される。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の包接化合
物の製造方法は、ゲスト成分の包接率が高め、媒体であ
る二酸化炭素の消費量を低減させる上で顕著な効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における包接化合物の製造方法の一般的
なフロー図。
【図2】流通式または半回分式における包接化合物の製
造方法のフロー図。
【図3】L-メントールの包接率を、夫々の包接反応時に
おける圧力に対してプロットした図(L-メントールの包
接率および圧力の関係を示す図)。
【図4】L-メントールの包接率を、夫々のメントールの
モル添加率(サイクロデキストリンに対するモル比率)
に対してプロットした図(L-メントールの包接率および
L-メントールのモル添加率の関係を示す図)。
【符号の説明】
11,21…二酸化炭素ボンベ、12,22…冷却器、
13,23…加圧ポンプ、14,18…ストップバル
ブ、15,25…包接槽、16,26…攪拌器、17,
27…恒温槽、24…抽出槽、28,29…減圧バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11B 9/02 C11B 9/02 (72)発明者 米井 祥男 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社たばこ中央研究所 内 (72)発明者 重松 仁 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社たばこ中央研究所 内 (56)参考文献 特開 昭50−82262(JP,A) 特開 昭62−148598(JP,A) Journal of Fermen tation and Bioengi neering,1990,Vol.69,N o.6 p.350−p.353 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07B 63/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲスト成分およびホスト成分を予め包接
    槽内に充填する第一工程と、該包接槽内に高圧二酸化炭
    素を導入して前記ゲスト成分を溶解させることにより、
    前記ゲスト成分の飽和溶解相を形成する第二工程と、前
    記包接槽内において該飽和溶解相と前記ホスト成分とを
    接触させることにより、前記ゲスト成分を前記ホスト成
    分に包接させる第三工程とを具備し、前記第一工程にお
    いては、前記第二工程で飽和溶解相が形成された後も未
    溶解のゲスト成分が残存し得るような過剰量のゲスト成
    分を、前記包接槽に充填することを特徴とする包接化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一工程において、ホスト成分量に
    対して10〜50重量%の水を添加することを特徴とする請
    求項1記載の包接化合物の製造方法。
JP3052604A 1991-03-18 1991-03-18 包接化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP3043085B2 (ja)

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