JP3042870U

JP3042870U - パレット

Info

Publication number: JP3042870U
Application number: JP1997003872U
Authority: JP
Inventors: 芳造山分
Original assignee: 山分物産株式会社
Priority date: 1997-04-25
Filing date: 1997-04-25
Publication date: 1997-11-04
Anticipated expiration: 2003-04-25

Abstract

(57)【要約】【課題】硬質合成木板（材）を利用した接着によるパ
レットの提供。【解決手段】硬質合成木板による所定広さの天板１の
中央部と両側縁の下面に、硬質合成木材による長尺状の
桁２を接着剤３にて固定してなるパレット。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、フォークリフトによる荷役作業に使用されるパレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、フォークリフトによる荷役作業用のパレットとしては、天板が木材の単板で、桁にも木材（角材）を用い、天板の下面に桁を釘打ちにて固定したもの（木材製のパレット）が古くから使用されており、近年は環境対応製品として天板はもとより桁にも段ボールを用い、天板の下面に桁を接着剤にて固定した段ボール製のパレットも普及しつつある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、木材製のパレットは、材料としての木材が高価であり、また、昨今の木材伐採による環境破壊という大きな問題をはらんでおり、さらに、コストダウンを図るため細幅状の桁を使用した場合、釘打ちの際に桁が割れることがしばしばあった。一方、段ボール製のパレットは、材料としての段ボールが安価に入手でき、天板と桁との固定を接着剤にて行っているため、作業が容易でパレット自体も軽いが、水や湿気に弱く、運搬物によっては強度の面で問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記問題点の解決手段として、木材の廃材を有効利用して製作した硬質合成木板（材）により天板と桁を形成し、この両者を接着剤にて固定したことを特徴とするものである。

【０００５】本考案における硬質合成木板（材）とは、自然再生が容易なポプラ、アスペンをはじめ小径木や間伐材などを細かく裁断した木片に、ウレタン樹脂を含浸させて加熱圧縮成形することにより得られるものである。

【０００６】すなわち、本考案の第１は、硬質合成木板による所定広さの天板１の中央部と両側縁の下面に、硬質合成木材による長尺状の桁２を接着剤３にて固定してなるパレットである。

【０００７】また、本考案の第２は、前記第１の考案における長尺状の桁が、２本の細幅状の桁２ａにより構成されているパレットである。

【０００８】また、本考案の第３は、硬質合成木板による所定広さの天板１の中央部と四隅および外周四辺の中央部下面に、硬質合成木材によるブロック状の桁２ｂを接着剤３にて固定してなるパレットである。

【０００９】また、本考案の第４は、前記第１ないし第３の考案における長尺状の桁２、２ａまたはブロック状の桁２ｂの下面に、一定幅の長尺状の底板４を，各桁に沿わせるか或いは各桁の長手方向と直交的に、接着剤３にて固定してなるパレットである。

【００１０】また、本考案の第５は、前記第１ないし第３の考案における長尺状の桁２、２ａまたはブロック状の桁２ｂの下面に、天板１と同じ大きさの底板４ａを接着剤３にて固定してなるパレットである。

【００１１】また、本考案の第６は、前記第１ないし第５の考案における硬質合成木板が、細かく裁断された木片にウレタン樹脂を含浸させて加熱圧縮成形してなるものであるパレットである。

【００１２】また、本考案の第７は、前記第１ないし第６の考案における接着剤３が、ポリウレタン樹脂系木質構造用接着剤であるパレットである。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係るパレットの実施の形態を図に基き説明する。

【００１４】図１は、本考案に係るパレットの代表的な実施の形態を示す斜視図で、厚さ５ｍｍ、大きさ１１００ｍｍ×１１００ｍｍの方形板状の天板１の中央部と両側縁の下面に、幅５０ｍｍ、高さ９０ｍｍの３本の長尺状の桁２が接着剤３にて平行に固定されているものである。

【００１５】天板１としては、「ハードボードＨ．Ｄ．Ｆ」、「中比重合板Ｍ．Ｄ．Ｆ」および「構造用パネル」等と称されている各種の硬質合成木板が用いられるが、具体的には、三井ボードＳ（三井木材工業株式会社製）やＮＯＲＢＯＲＤＯＳＢ（ノーボード・インダストリーズ・ＩＮＣ．（ジャパン）製）のものが必要強度を備えており好適である。

【００１６】桁２としても、前記と同様に、各種の硬質合成木板が用いられるが、具体的には、ティンバーストランドＬＳＬ（トラス・ジョイスト・マックミラン社製）の角材が強度も高く好適である。

【００１７】接着剤３としては、ポリウレタン樹脂系木質構造用接着剤が好ましく、具体的には、パネルボンドＫＵ（コニシ株式会社製）が接着力も強く好適である。

【００１８】図２は本考案に係るパレットの他の形態を示す斜視図で、前記図１における３本の各桁２の部分に、幅２５ｍｍ、高さ９０ｍｍの細幅状の２本の桁２ａを接着剤３にて平行に固定し、その下面に、両細幅状の桁２ａを跨ぐように桁２ａに沿って幅１００ｍｍの長尺状の底板４を接着剤３にて固定したものである。

【００１９】このパレットにおいては、桁材としてコストの安い細幅状のものが使用できるので経済的である。

【００２０】図３は本考案に係るパレットのさらに他の形態を示す斜視図で、方形板状の天板１下面の中央部と四隅および外周四辺の中央部に、幅９０ｍｍ、高さ９０ｍｍ、長さ９０ｍｍのブロック状の９個の桁２ｂが接着剤３にて固定され、その下面に、天板１と同じ大きさで同じ厚さの底板４ａを接着剤３にて固定したものである。

【００２１】このパレットにおいては、フォークリフトの２本のフォークをパレットの四方いずれからでも差し込むことができる。

【００２２】なお、桁の下面に接着する底板の形状や接着方向については特に限定されるものではなく、図２に示す長尺状の底板４を各桁の長手方向と直交的に複数設けてもよいし、これを図１のパレット下面に、二点鎖線にて示すように各桁２の長手方向と直交的に複数設けてもよく、また、図３のパレット下面の底板４ａに代えて長尺状の底板４を各桁の下面に３本平行に設けてもよい。

【００２３】

【考案の効果】

本考案に係るパレットにおいては、硬質合成木板による天板１の下面に、同質材からなる桁２を所定位置に接着剤３にて固定したものであるため、製造が容易で、従来の木材製より軽く、強度においても従来の木材製に劣ることはないので実用的である。

【００２４】また、天板１と桁２の固定に釘を使用せず接着によるため、材積の小さい細幅状の桁を使用した場合でも桁の割れは生じず、また、釘を必要としないので軽量で耐水性のあるパレットが安価に提供できる。

【００２５】また、貴重な木材を大量に伐採することなく、自然再生が容易なポプラ、アスペンをはじめ小径木や間伐材その他各種廃材を利用することができるので、地球環境保護の面でも貢献できる。

【００２６】さらに、木材製パレットの場合には、欧州や中国への輸出に際して燻蒸を要しているが、本考案に係るパレットは硬質合成木板を用いているため燻蒸が不要という大きなメリットもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパレットの一例の斜視図。

【図２】本考案に係るパレットの他例の斜視図。

【図３】本考案に係るパレットの他例の斜視図。

【符号の説明】

１天板２桁３接着剤４底板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】硬質合成木板による所定広さの天板１の
中央部と両側縁の下面に、硬質合成木材による長尺状の
桁２を接着剤３にて固定してなるパレット。
【請求項２】長尺状の桁が、２本の細幅状の桁２ａに
より構成されている請求項１記載のパレット。
【請求項３】硬質合成木板による所定広さの天板１の
中央部と四隅および外周四辺の中央部下面に、硬質合成
木材によるブロック状の桁２ｂを接着剤３にて固定して
なるパレット。
【請求項４】長尺状の桁２、２ａまたはブロック状の
桁２ｂの下面に、一定幅の長尺状の底板４を、各桁に沿
わせるか或いは各桁の長手方向と直交的に、接着剤３に
て固定してなる請求項１ないし３のいずれかに記載のパ
レット。
【請求項５】長尺状の桁２、２ａまたはブロック状の
桁２ｂの下面に、天板１と同じ大きさの底板４ａを接着
剤３にて固定してなる請求項１ないし３のいずれかに記
載のパレット。
【請求項６】硬質合成木板が細かく裁断された木片に
ウレタン樹脂を含浸させて加熱圧縮成形してなるもので
ある請求項１ないし５のいずれかに記載のパレット。
【請求項７】接着剤３がポリウレタン樹脂系木質構造
用接着剤である請求項１ないし６のいずれかに記載のパ
レット。