JP3042303U - 方位測定用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】中短波帯で使用されるアンテナ系と、超短波帯
で使用されるアンテナ系を、同一支柱、或いはマストの
頂部に設置することの出来る方位測定用アンテナを提供
することを目的とする。 【構成】中短波帯用の直交ループアンテナ系と超短波帯
用の直交４素子アドコックアンテナ系を互い４５度間隔
をおいて同一支持箱に固定し、センス決定用の無指向性
成分にアドコックアンテナを構成するダイポールアンテ
ナ素子の出力の総和を使用するようにしたことを特徴と
する方位測定用アンテナ

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、塔上、またはマスト上に設置して使用される無線方位測定用アンテ ナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から方位測定用に用いられるアンテナは、それぞれ、目的とする周波数に よってそれに適合した方式が採られている。例えば、中短波帯では直交ループア ンテナが用いられるし、超短波帯ではダイポールアンテナを同一円周上に配置し たアドコックアンテナ方式や、ドップラ方式のものが使用されている。これら受 信周波数帯域を異にするアンテナ系はそれぞれ独立した支柱やマストの頂部に装 備して使用される。 また、センス決定用、或いはＦＭ変調キャンセル用に必要となる無指向性成分 は上記方位測定用アンテナの中心に無指向性アンテナを設置するか、ループアン テナの場合には、各ループアンテナの出力端に接続した変成器の中点から垂直効 果として抽出し、また、アドコックアンテナ方式の場合には、これを構成する各 アンテナ素子の出力の総和として抽出するようにしている。 さらに、超短波、極超短波に使用される上記のようなダイポールアンテナアレ イの場合には受信周波数範囲によって、さらに細分化された寸法の異なるアンテ ナアレイを同一支柱に間隔をおいて積み重ねて使用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、中短波帯に使用されるループアンテナ系と超短波、極超短波帯 で使用されるダイポールアンテナアレイを同一支柱にスタック状に積み重ねるこ とは重量寸法、また、構造的な面からも困難であるため行われていない。 このため中短波帯用のループアンテナ系と、超短波帯用のアンテナ系は個別に 独立した支柱やマストの頂部に設置することを余儀なくされていた。特に、アン テナの装備場所に多くの制約がある漁船等の場合には、アンテナの装備場所困窮 するというような問題が生ずる。 本考案はこのような問題を解決するためになされたもので同一の支柱、或いは マストの頂部に両周波数帯で使用できる方位測定用アンテナを提供することを目 的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案における方位測定用アンテナは、直交ループアンテナ系と、４素子直交 アドコックアンテナ系を４５度ずらして同一支持箱に設置する。 また、アドコックアンテナを構成する４素子のダイポールアンテナの出力を合 成して無指向性成分とする。

【０００５】

【作用】

上述したように、本考案による方位測定用アンテナによれば、中短波、超短波 、両周波数帯用の方位測定用アンテナを１本の支柱、或いはマストの頂部に装備 することができる。また、両周波数帯に亘ってセンス決定用の無指向性出力を簡 単に得ることができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案による方位測定用アンテナの一実施例について、図面を参照して 説明する。 図１、図２は本考案の方位測定用アンテナの一実施例の構造を示す図であって 、図１は側面図、図２は下から見た図である。 それぞれの図において、１はループアンテナ系でＮ−Ｓループアンテナ１ａと 、Ｅ−Ｗループアンテナ１ｂは互い直交して金属製の支持箱３に固定されている 。２はアドコックアンテナ系で、４基の素子ダイポールアンテナ２ａ、２ｂ、２ ｃ、２ｄで構成され、互いに９０度間隔をもって、ループアンテナの中間に位置 するように支持箱３に固定してある。４は支柱であってその頂部に支持箱３が固 定される。 ５は避雷針で、支持箱３の上蓋から鉛直にループアンテナ系と絶縁 してループアンテナ系の頂部から突出させてある。避雷針５、支持箱３、支柱４ は完全導通を保って接続されており、支柱４の下端部は完全接地してある。 図３は支持箱３の内部に収納されたアンテナ系の内部接続を示す図である。 ６ａ、６ｂは整合器であってループアンテナ１ａ、１ｂの出力インピーダンス を伝送線の特性インピーダンスに整合する。整合器６ａ、６ｂの出力は中短波帯 の指向性成分として、端子７ａ、７ｂ、から方位測定機に送出される。 ８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄも整合器であって、アドコックアンテナ系２を構成す るアンテナ素子２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄの出力インピーダンスを伝送線の特性イ ンピーダンスに整合する。９ａ、９ｂはハイブリッド回路で、対向するアンテナ 素子２ａ、２ｃ及び２ｂ、２ｄの出力の和と差に分離し、それぞれの差出力を超 短波帯の指向性成分として端子１１ａ、１１ｂから方位測定機に送出する。 １０は電力合成器であって、ハイブリッド回路９ａ、９ｂのそれぞれの和出力 をさらに合成して全周波数帯に亘ってのセンス決定用の無指向性成分として端子 １２を介して方位測定機に送出するようにしてある。

【発明の効果】

以上説明したように、本考案によれば単一の支柱、或いはマストの頂部に中短 波帯用と超短波帯用の異なる方式の方位測定用アンテナ系を装備できるので、ア ンテナの装備場所に対する制約の多い漁船等において有効である。 また、センス決定用の無指向性成分を独立した無指向性アンテナを必要としな いから、空中線系の先端に避雷針を装着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による方位測定用アンテナの構造を示す
側面図である。

【図２】本考案による方位測定用アンテナの構造を示す
下面図である。

【図３】本考案による方位測定用アンテナの内部接続を
示す図である。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ ‥‥ ループアンテナ ２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ‥‥ アンテナ素子 ３ ‥‥ 支持箱 ４ ‥‥ 支柱 ５ ‥‥ 避雷針 ６ａ、６ｂ ‥‥ 整合器（中短波帯用） ７ａ、７ｂ ‥‥ 端子（中短波帯指向性出
力） ８ａ、８ｂ、８ｃ、８ｄ‥‥ 整合器（超短波帯用） ９ａ、９ｂ ‥‥ ハイブリッド回路 １０ ‥‥ 電力合成器 １１ ‥‥ 端子（超短波帯指向性
出力） １２ ‥‥ 端子（無指向性出力）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｑ 21/28 Ｈ０１Ｑ 21/28

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主として中短波帯で使用される直交ルー
   プアンテナ系と、主として超短波帯で使用される直交配
   置４素子アドコックアンテナ系とを同一支持箱に互いに
   ４５度の間隔をおいて設置し、該支持箱の上部に完全接
   地の導体を直立して避雷効果を付与し、センス決定用の
   無指向性成分として、アドコックアンテナを構成する４
   基の素子アンテナの合成出力を使用するようにしたこと
   を特徴とする方位測定用アンテナ