JP3042128B2 - 電極材料の合成法 - Google Patents

電極材料の合成法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム電池の正極活
物質として用いられる電極材料の合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ、携帯電
話等のポータブル機器の開発にともない、電源としてリ
チウム電池が高エネルギー密度を得ることができるため
各方面で盛んに研究が行われている。
【0003】ここで、上記のようなリチウム電池に用い
られる電極材料、特にリチウム二次電池に用いられる電
極材料としては、遷移金属酸化物あるいは遷移金属硫化
物等の層状構造あるいは3次元網目状構造を有する物質
に関する研究が数多くなされている。これらの物質を電
極材料として用いた場合には、その電気化学反応は結晶
格子中の空サイトへの電気化学的なリチウムイオンのイ
ンターカレーション・デインターカレーション反応とい
うトポケミカルな反応となる。このようなトポケミカル
な反応の可逆性は優れたものが多く、そのような物質を
電極材料として用いたリチウム二次電池は優れた充放電
サイクル特性を示す。
【0004】このような2次元層状構造を有し、その結
晶格子中の空サイトにリチウムイオンの電気化学的なイ
ンターカレーション・デインターカレーション反応が可
能な物質としては、遷移金属酸化物である酸化ニッケ
ル、酸化マンガン、酸化コバルトなどが挙げられる。酸
化ニッケル、酸化コバルトなどでは予めリチウムを含ん
だLix NiO2 、LiCoO2 を合成し、この材料か
らリチウムを電気化学的に引き抜くことによりスピネル
構造に代えたものが、その一例として知られている。
【0005】酸化ニッケルを正極活物質として用いる場
合、酸化ニッケルと酸化リチウムを加熱溶融し室温まで
冷却することによりLiNiO2 を合成する。合成した
材料からリチウムイオンを電気化学的にデインターカレ
ートすることによりNaCl型構造の結晶構造を有する
Lix NiO2 やLix Ni2 4 のスピネルが得られ
る。中でもLix NiO2 は立方晶と六方晶の結晶形態
をとり、さらにこの立方晶には秩序性のあるもの(or
dered NaCl型)と、ないもの(disord
ered NaCl型)が存在する。電池の正極活物質
としては六方晶の層状化合物が円滑にリチウムイオンの
インターカレーション・デインターカレーション反応を
生ずることから好ましく用いることができる。
【0006】またさらに、この結晶構造中のNiを一部
Co、Fe、Mn、Cr、V、Tiなどで置換すること
により、リチウムイオンのインターカレーション・デイ
ンターカレーション反応をより円滑に、またはより高い
電位範囲で行わせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えばNiを一部Fe
で置換したものを合成する場合、酸化リチウム、酸化ニ
ッケルと酸化鉄を混合・焼成し、炉内で徐冷する合成法
がとられるが、Feの置換量がNiの30%を越える範
囲では立方晶の結晶構造が熱的に安定であるため、徐冷
時の熱平衡状態は六方晶と立方晶のLiNi1-y Fey
2 の混在状態となる。従って、この材料を電極材料と
して用いた場合には、材料中に混在した立方晶のLiN
1-y Fey 2 は活物質として作用しないため、電池
容量の小さなものとなるという課題を有していた。
【0008】本発明は、上記に課題を解決し、リチウム
二次電池の正極材料として優れた特性を有する電極材料
の合成法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】コバルトイオン、鉄イオ
ン、マンガンイオン、クロムイオン、バナジウムイオ
ン、チタンイオンを含む化合物より選ばれる一種類ある
いは複数の化合物とリチウム酸化物、ニッケル酸化物を
混合し、前記混合体を加熱反応させ、その後該反応生成
物が六方晶の結晶構造をとる温度より急冷することで、
Lix Ni1-y y 2 (MはCo、Fe、Mn、C
r、V、Tiより選ばれる一種類あるいは複数の金属)
で表される電極材料を合成する。
【0010】なお、Lix Ni1-y y 2 (MはC
o、Fe、Mn、Cr、V、Tiより選ばれる一種類あ
るいは複数の金属)で表される電極材料は、y<0.3
の条件を満たすものが好ましい。
【0011】また、コバルトイオン、鉄イオン、マンガ
ンイオン、クロムイオン、バナジウムイオン、チタンイ
オンを含む化合物としては、コバルト酸化物、鉄酸化
物、マンガン酸化物、クロム酸化物、バナジウム酸化
物、チタン酸化物を用いるのが好ましい。
【0012】また、鉄酸化物としては酸化鉄(III)(F
2 3 )を用いるのが好ましく、さらに、混合体の急
冷の開始温度は700°C以下とするのが好ましい。
【0013】また、リチウム酸化物としては、過酸化リ
チウム(I)(Li2 2 )を用い、ニッケル酸化物と
しては酸化ニッケル(II)(NiO)を用いるのが好ま
しい。
【0014】また、混合体の焼成は酸素雰囲気下で行う
のが好ましい。
【0015】
【作用】Lix Ni1-y y 2 (MはCo、Fe、M
n、Cr、V、Tiより選ばれる一種類あるいは複数の
金属)は、yが小さな範囲では高温で立方晶の結晶構造
をとり、低温では六方晶の結晶構造をとる。例えば、M
=Feの場合、すなわちLiNi1-y Fey 2 は、T
≧800°Cの温度範囲ではordered NaCl
型あるいはdisordered NaCl型のいずれ
も正方晶の結晶構造をとり、その組成によってはT≦7
00°Cの温度範囲でordered NaCl型の六
方晶の結晶構造をとる。これらの結晶構造は、室温まで
急冷するといわゆる“高温域での結晶構造が凍結された
状態”となり、冷却前の構造を保つ。したがって、六方
晶の構造をとる温度で試料を保持した後、室温まで急冷
することで、室温でも立方晶の混在しない試料を得るこ
とができ、リチウム電池の正極活物質としての優れた特
性を示す電極材料を得ることができる。また、Feに変
えてCo、Mn、Cr、V、Tiを用いた場合も同様に
六方晶の結晶構造を有する電極材料を得ることができ
る。
【0016】また、Lix Ni1-y y 2 の組成範囲
としては、y<0.3の範囲において六方晶の結晶構造
が生じるため、この組成範囲が特により好ましく用いら
れる。
【0017】また、ニッケルイオンの一部をコバルトイ
オン、鉄イオン、マンガンイオン、クロムイオン、バナ
ジウムイオン、チタンイオンに置換する際の出発物質
は、生成物として酸化物を得易いことから、コバルト酸
化物、鉄酸化物、マンガン酸化物、クロム酸化物、バナ
ジウム酸化物、チタン酸化物が好ましく用いられる。
【0018】また、この場合、鉄酸化物としては酸化鉄
(III)(Fe2 3 )が好ましく用いられ、その際の急
冷開始温度としては、六方晶の結晶構造をとる温度範囲
である700°C以下が好ましく選ばれる。
【0019】また、出発物質として用いられるリチウム
酸化物としては、過酸化リチウム(I)(Li
2 2 )、ニッケル酸化物としては酸化ニッケル(II)
(NiO)が、生成物に酸素欠損が生じにくいことから
好ましく用いられる。
【0020】また、混合物の焼成雰囲気としては、同じ
く酸素欠損の生じにくい酸素雰囲気下が好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて詳細に
説明する。
【0022】(実施例1)出発物質として、過酸化リチ
ウム(I)(Li2 2 )、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化鉄(III)(Fe2 3 )を用い、液体窒素に
よる急冷法で冷却し、LiNi1-y Fey 2 で表され
る電極材料を合成した。
【0023】すなわち、まず最初に、Li2 2 、Ni
O、Fe2 3 をモル比1:1−y:y(0≦y≦1)
の比で秤量し、アルミナ乳鉢中で混合した。この混合物
0.3gを4ton/cm2 の圧力で7mmφのタブレ
ット状に加圧成形した。なお、この秤量・混合・加圧成
形はアルゴンガスで満たしたグローブボックス内部で行
った。
【0024】このようにして得た出発材料の混合物のタ
ブレットをアルミナ製のボートにのせ、内部に酸素ガス
通じた炉芯管中にいれ、酸素気流中で850°Cまで5
0°°C/hの昇温速度で昇温し、その温度で48時間
焼成した。なお、図1に焼成炉の概略図を示すが、図
中、1は混合物のタブレットであり、2はアルミナボー
ト、3はアルミナの炉芯管、4は環状炉である。その
後、300〜700°Cの各温度まで50°C/hの冷
却速度で徐冷し、その後、アルミナボートを取り出し、
液体窒素中で試料を急冷した。また850°Cの焼成温
度より同様の方法で急冷を行った。さらにまた、同様の
焼成の後室温まで50°C/hの速度で徐冷した。
【0025】これら試料の結晶構造を粉末X線回折法に
より同定した結果を図2に示す。なお、図2において、
縦軸は850°C焼成後の保持温度を示し、×、△、○
は各々ordered NaCl型(六方晶)、dis
ordered NaCl型(正方晶)、ordere
d NaCl型(正方晶)に帰属される回折ピークが主
として観測された組成−温度を示す。
【0026】この結果より、y<0.3の組成範囲で、
急冷前に六方晶の結晶構造をとる700°C以下の温度
保持で急冷したものあるいは室温まで徐冷したものは、
六方晶の結晶構造のものが大部分を占めることが判る。
また、y<0.3の組成範囲でも立方晶の構造をとる温
度より急冷したものあるいはy≧0.3の組成範囲のも
のは、立方晶の結晶構造のものが大部分を占めることが
判る。
【0027】つぎに、これらの試料の電極特性を、リチ
ウム二次電池を構成しその電池特性を測定することで調
べた。以下にその詳細を述べる。
【0028】上記で得た各試料と、電子導電材としてグ
ラファイトを10wt%、結着材としてカルボキシメチ
ルセルロース1wt%を混合し、リチウム電池の正極材
料とした。この正極材料500mgを15mmφの径に
加圧成形し、正極ペレットを得た。
【0029】電解液は、プロピレンカーボネート中に過
塩素酸リチウム(LiClO4 )を2Mの濃度となるよ
う溶解し調製した。
【0030】これらの正極ペレット、電解液を用い、負
極には厚さ0.24mmの金属リチウム箔を用い、セパ
レータとして厚さ50μmのポリプロピレンミクロ多孔
質膜を用い、図3に示すような断面を持つリチウム二次
電池を構成した。なお、図3において、5は正極ペレッ
ト、6はセパレータ、7は電解液、8は負極、9はステ
ンレス性の電槽である。
【0031】試料の電極特性を調べるために、この電池
を1mAの定電流で充電した。図4に、液体窒素を用い
700°Cより急冷した試料LiNi1-y Fey 2
内、y=0.1とy=0.3のものについて行った充電
曲線を示す。ただし図4において、横軸は充電によりL
iNi1-y Fey 2 よりデインターカレートしたリチ
ウム量、すなわち充電中の正極活物質の組成をLi1-x
Ni1-y Fey 2 で表した際のx値を示している。こ
の図より、y=0.1の試料では、充電操作において正
極からのリチウムイオンのデインターカレーション反応
が円滑に行われたが、y=0.3の試料では、充電操作
において正極からのリチウムイオンのデインターカレー
ション反応が円滑に行われなかったことが判る。
【0032】つぎに、y=0.1のものについて700
°Cより急冷したものと、室温まで徐冷したものについ
て同様の測定を行った充電曲線を図5に示す。徐冷した
ものは急冷したものに比べ充電容量が約80%となって
おり、急冷したものの方が優れた特性を示すことが判
る。
【0033】その他の試料について、同様の操作を行っ
た結果を表1に示す。表1において、充電操作に伴う円
滑なリチウムイオンのデインターカレーション反応が起
こったもの、すなわち、x≧0.5までのデインターカ
レーション反応が生じたものは○、起こらなかったもの
は×で示している。
【0034】
【表1】
【0035】表1と図2の結果より、六方晶の結晶構造
を有する温度より急冷したものは、リチウムイオンのデ
インターカレーション反応が生じており、リチウム二次
電池の正極材料として利用することが可能であるが、正
方晶のものではデインターカレーション反応が生じず、
活物質として利用することができないことが判る。
【0036】(実施例2)液体窒素による急冷法に変え
て、双ローラーによる急冷法によりLiNi1-y Fey
2 で表される電極材料を合成した。
【0037】Li2 2 、NiO、Fe2 3 の混合は
実施例1と同様に行った。この混合物をタブレット状に
加圧成形し、酸素雰囲気下で850°Cで予備焼成・徐
冷し、LiNi1-y Fey 2 の組成物を得た。
【0038】この焼成物を50mesh以下の粒度に粉
砕し、図6に示した急冷装置で再加熱・急冷した。な
お、図6中、10はフィーダであり、粉砕後の予備焼成
物11を双ローラー12に運搬・滴下する。また、13
は赤外炉であり、予備焼成物11を所望の温度となるよ
うに加熱する。この急冷装置を用い、様々な温度で予備
焼成物を再加熱急冷した。
【0039】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、再焼成温度
と結晶構造・電極特性の関係は実施例1とほぼ同様の結
果が得られた。
【0040】(実施例3)出発物質として、過酸化リチ
ウム(I)(Li2 2 )、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化コバルト(IV)(CoO2 )用い、実施例1
と同様の方法で、LiNi1-y Coy 2 で表される電
極材料を合成した。
【0041】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、得られた結
晶構造に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、その電極特性に関しては、リチウムイオンの
デインターカレートする電位がわずかに変化したのみ
で、電極特性に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0042】(実施例4)出発物質として、過酸化リチ
ウム(I)(Li2 2 )、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化マンガン(IV)(MnO2 )用い、実施例2
と同様の方法で、LiNi1-y Mny 2 で表される電
極材料を合成した。
【0043】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、得られた結
晶構造に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、その電極特性に関しては、リチウムイオンの
デインターカレートする電位がわずかに変化したのみ
で、電極特性に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0044】(実施例5)出発物質として、酸化リチウ
ム(I)(Li2 O)、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化バナジウム(V)(V2 5 )用い、実施例
1と同様の方法で、LiNi1-y y 2 で表される電
極材料を合成した。
【0045】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、得られた結
晶構造に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、その電極特性に関しては、リチウムイオンの
デインターカレートする電位がわずかに変化したのみ
で、電極特性に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0046】(実施例6)出発物質として、過酸化リチ
ウム(I)(Li2 2 )、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化クロム(III)(Cr2 3 )用い、実施例1
と同様の方法で、LiNi1-y Cry 2 で表される電
極材料を合成した。
【0047】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、得られた結
晶構造に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、その電極特性に関しては、リチウムイオンの
デインターカレートする電位がわずかに変化したのみ
で、電極特性に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0048】(実施例7)出発物質として、酸化リチウ
ム(I)(Li2 O)、酸化ニッケル(II)(Ni
O)、酸化チタン(IV)(TiO2 )用い、実施例2と
同様の方法で、LiNi1-y Tiy 2 で表される電極
材料を合成した。
【0049】このようにして得た試料の結晶構造、電極
特性を実施例1と同様に行った。その結果、得られた結
晶構造に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、その電極特性に関しては、リチウムイオンの
デインターカレートする電位がわずかに変化したのみ
で、電極特性に関しては実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によると、リチウム
二次電池の正極材料として優れた特性を有する電極材料
の合成することができる。
【0051】なお、本発明の実施例においては、急冷法
として液体窒素中への投入、双ローラーによる急冷につ
いて説明を行ったが、他の蒸留水、有機溶媒中への投
入、冷却ガスの噴霧等の他の方法によっても同様の効果
が得られることはいうまでもなく、本発明は、急冷法と
して、液体窒素中への投入、双ローラーによる急冷に限
定されるものではない。
【0052】また、本発明の実施例においてはLix
1-y y 2 の組成としてx=1.0のものについて
のみ説明を行ったが、他の組成についても同様の効果が
得られることもいうまでもなく、本発明はLix Ni
1-y y 2 の組成としてx=1.0のものに限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いた焼成炉の概略図
【図2】急冷開始温度と得られた試料の結晶相の関係を
示した図
【図3】本発明の一実施例において得た電極材料を用い
たリチウム二次電池の断面図
【図4】本発明の一実施例において得た電極材料を用い
たリチウム二次電池の充電曲線図
【図5】本発明の一実施例において得た電極材料を用い
たリチウム二次電池の充電曲線図
【図6】本発明の一実施例で用いた急冷装置を示す図
【符号の説明】
1 混合物のタブレット 2 アルミナボート 3 アルミナの炉芯管 4 環状炉 5 正極ペレット 6 セパレータ 7 電解液 8 負極 9 電槽 10 フィーダ 11 予備焼成物 12 双ローラー 13 赤外炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−210028(JP,A) 特開 平1−294358(JP,A) 特開 昭62−264560(JP,A) 特開 平3−219571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/58 H01M 10/40

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイ
    オン、クロムイオン、バナジウムイオン、チタンイオン
    を含む化合物より選ばれる一種類あるいは複数の化合物
    とリチウム酸化物、ニッケル酸化物を混合し、前記混合
    体を加熱反応させ、その後該反応生成物が六方晶の結晶
    構造をとる温度より急冷することを特徴とするLix
    1-y y 2 (MはCo、Fe、Mn、Cr、V、T
    iより選ばれる一種類あるいは複数の金属)で表される
    電極材料の合成法。
  2. 【請求項2】 Lix Ni1-y y 2 (MはCo、F
    e、Mn、Cr、V、Tiより選ばれる一種類あるいは
    複数の金属)で表される電極材料が、y<0.3の条件
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の電極材料の合
    成法。
  3. 【請求項3】 コバルトイオン、鉄イオン、マンガンイ
    オン、クロムイオン、バナジウムイオン、チタンイオン
    を含む化合物が、コバルト酸化物、鉄酸化物、マンガン
    酸化物、クロム酸化物、バナジウム酸化物、チタン酸化
    物であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記
    載の電極材料の合成法。
  4. 【請求項4】 鉄酸化物が酸化鉄 (III)(Fe2 3
    であることを特徴とする請求項3記載の電極材料の合成
    法。
  5. 【請求項5】 混合体の急冷開始温度が700°C以下
    であることを特徴とする請求項4記載の電極材料の合成
    法。
  6. 【請求項6】 リチウム酸化物が過酸化リチウム(I)
    (Li2 2 )であり、ニッケル酸化物が酸化ニッケル
    (II)(NiO)であることを特徴とする請求項1乃至
    5の何れかに記載の電極材料の合成法。
  7. 【請求項7】 混合体の焼成を酸素雰囲気下で行うこと
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電極材料
    の合成法。
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