JP3041863B2 - ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗装方法 - Google Patents

ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗装方法

Info

Publication number
JP3041863B2
JP3041863B2 JP01311553A JP31155389A JP3041863B2 JP 3041863 B2 JP3041863 B2 JP 3041863B2 JP 01311553 A JP01311553 A JP 01311553A JP 31155389 A JP31155389 A JP 31155389A JP 3041863 B2 JP3041863 B2 JP 3041863B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ohv
weight
polymer fine
crosslinked polymer
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01311553A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03220274A (ja
Inventor
岸夫 柴藤
昌剛 河村
収 大江
Original Assignee
日本油脂株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本油脂株式会社 filed Critical 日本油脂株式会社
Priority to EP19900301185 priority Critical patent/EP0382454B1/en
Priority to ES90301185T priority patent/ES2057369T3/es
Priority to DE1990609514 priority patent/DE69009514T2/de
Priority to CA 2009496 priority patent/CA2009496C/en
Publication of JPH03220274A publication Critical patent/JPH03220274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3041863B2 publication Critical patent/JP3041863B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼板またはプラスチック素材に適用可能な
ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗
装方法に関するものであり、さらに詳しくは粒径が非常
に細かく、塗膜形成樹脂中のポリオール樹脂の水酸基価
と一定の関係にある水酸基価をもつ架橋重合体微粒子の
1種または2種以上を組み合わせて、特定量含有する高
外観性ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物お
よび塗装方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、有機溶剤排出量の低減を目的として、自動車塗
料等の分野でハイソリッド塗料のニーズが高まってい
る。一般に塗料のハイソリッド化を行うためには、低粘
度の基剤や硬化剤あるいは架橋重合体微粒子を用いるこ
とが公知である。
ここで、架橋重合体微粒子の添加は、ハイソリッド化
の目的のほかに垂直塗装部位のタレ止め作用、アルミニ
ウムなどの金属や無機質の扁平顔料の配向調整作用等の
塗料の流動調節を目的として用いられることも公知であ
る(例えば特開昭53−133234号公報、特開昭58−129065
号公報、特開昭60−250067号公報、特開昭61−42579号
公報)。また、アルミニウム顔料などを均一に配向させ
ることは塗膜肌の平滑化につながり、タレ止め作用は厚
膜塗装を可能にするために高外観品質の塗膜を得ること
ができる。
この際、架橋重合体微粒子に流動調節作用を持たせ、
しかも高外観性を達成するには、粒子間水素結合力に基
づくと考えられる粒子間相互作用の調節、塗膜形成樹脂
と粒子との極性差による粒子凝集度の調節等を高度に行
うことが必要である。このような観点に立って、例えば
特開平1−172464号公報では、架橋重合体微粒子の水酸
基価と塗膜形成樹脂の水酸基価の関係を規定することに
より塗膜外観品質の向上を果たしている。
一方、基剤には低粘度のポリオールを用いるのが一般
的であり、硬化剤については低分子量のアルキルエーテ
ル化メラミン樹脂やイソシアネート化合物が一般に用い
られている。
ポリオール樹脂を低粘度化するためには、通常分子量
およびガラス転移温度(以下Tgと略す)を低下させる必
要があるが、無制限にこれらを低下させた場合、当然硬
化後の塗膜物性に支障を来すこととなる。それ故、例え
ば米国特許第4276212号や同第4291137号等では、ポリオ
ール樹脂の分子量、Tgおよび水酸基濃度を規定し、尚か
つ硬化剤のアルキルエーテル化メラミン樹脂の配合量を
特定することによって性能調節を果たしている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の架橋重合体微粒子(以下、単に
粒子と略すこともある)では、粒径が数10μmの粗大粒
子が存在したり、粒子表面にイオン性基が存在するた
め、塗膜形成樹脂との極性の関係を自在に制御すること
が難しい等の欠点があり、塗膜の流動調節作用と高外観
性を両立させるには未だ不十分であった。
すなわち、塗料中に粗大粒子が存在すると、塗膜の肌
荒れや鮮映性の低下を生じる。特に、メタリック系2コ
ート1ベーク塗膜のように、扁平顔料を含むベースコー
ト中に存在すると塗膜の平滑化が損なわれ、クリヤーコ
ート中に存在すると塗膜表面の微小な凹凸が顕著になる
ため塗膜のツヤの低下が生じてしまう。また、この際、
ベースコートに用いる場合とクリヤーコートに用いる場
合では、目的とする流動調節効果が、前者では金属顔料
の配向調節であり、後者ではタレ止め効果と異なるため
に、各々の塗膜形態に応じて粒子間の水素結合力、凝集
度をバランスよく制御しなければならない。ところが、
粒子表面にイオン性基が存在したり、逆に非極性な分散
安定剤成分等が存在したりすると、前記のような、高度
にバランスのとれた流動調節作用を発揮することは困難
であった。
さらに、ハイソリッド塗料のように焼付溶融時に顕著
な粘度低下を示すような場合には、より大きな流動調節
作用が必要となってくるが、この場合、単に塗膜形成樹
脂と粒子の極性差を増大することにより流動調節作用を
高めるだけでは、肌荒れ、ツヤの低下、相溶性の低下等
で限界があり、粒子間水素結合力の点でも自由度が小さ
かった。そのため、高外観性塗膜を得るには粒子間の極
性差の調節が極めて重要な因子となってくる。
たとえば特開昭53−133234号公報の方法では、合成面
上に制約から粒子表面には非極性な分散安定剤成分が存
在するため、塗膜形成樹脂との極性の関係を制御できな
い。さらに粒径も0.01〜10μmと大きい粒子が存在する
ために、肌荒れやツヤの低下等の問題点を生じる。
また、特開昭58−129065号公報の方法でも、粒子表面
には両性イオン基が存在し、また粒子構成材料自体の極
性に対しても全く言及されていないため塗膜形成樹脂と
粒子との極性差を考慮しておらず、尚かつ、粒径が0.02
〜40μmと大きい粒子が存在するために、これもまた肌
荒れやツヤの低下等の問題点が生じる。
さらに、特開昭60−250067号公報、特開昭61−42579
号公報の方法では、粒子と塗膜形成樹脂との屈折率をそ
ろえることにより塗膜のツヤ感の向上をさせているもの
の、やはり粒子表面には両性イオン基が存在し、塗膜形
成樹脂と粒子の極性差は考慮しておらず、かつ粒径も0.
01〜10μmと大きい粒子が存在するために、この場合に
も肌荒れやツヤ等の低下は避けられなかった。
一方、特開平1−172464号公報の方法では、粒径を0.
001〜0.1 μmと小さくし、粒子の水酸基価と塗膜形成
樹脂の水酸基価の関係を規制して両者の極性差を考慮し
てはいるが、粒子の最表面にはやはり界面活性剤や重合
開始剤切片が担持されてイオン性基が存在するため、粒
子表面の極性は、このイオン性基に支配されることにな
り、厳密には、塗膜形成樹脂と粒子の極性差を制御して
いるとは言えなかった。そのため、2コート1ベークメ
タリック塗料や、ハイソリッド型塗料等のように高度に
バランスのとれた流動調節作用を必要とする場合には未
だ不十分であった。
一方、ポリオール樹脂においては、従来のハイソリッ
ド塗料組成物は、主に1コート1ベークシステムを目的
としたものであり、米国特許第4276212号や同第4291137
号の方法では、最近特に自動車塗料の分野で主流となっ
ているベースコート/クリヤーコートシステムに適用し
た際などには、ベースコート/クリヤーコート界面の密
着性が不十分となる場合があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、このような問題点を解決する方法につ
いて鋭意研究した結果、塗料組成物中に含有する架橋重
合体微粒子の粒径を小さくし、しかも粒子表面には反応
性官能基としては水酸基のみを存在せしめ、尚かつ該粒
子の水酸基価を塗膜形成樹脂中のポリオール樹脂の水酸
基価と一定の関係に特定し、さらに2種以上の粒子を用
いる場合には、各粒子相互の水酸基価をも一定の関係に
特定することによって、塗膜の流動調節作用と高外観性
を高度に両立できることを見出した。また、ベースコー
ト/クリヤーコートシステムにおいて、ベースコートに
用いるポリオール樹脂のガラス転移温度をクリヤーコー
トに用いるポリオール樹脂のガラス転移温度よりも低く
することによって、ベースコート/クリヤーコート界面
の密着性を向上できることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は、ポリオール樹脂30〜90重量%お
よび水酸基と反応し得る硬化剤10〜70重量%とからなる
樹脂固形分混合物100重量部に対して、0.001〜1.0 μm
の平均粒径を有し、その水酸基価(OHV)gがポリオー
ル樹脂の水酸基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にある架橋重合体微粒子を1〜100重量部含有
してなるハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物
および塗装方法である。
本発明に用いる架橋重合体微粒子は、平均粒径が最大
で1.0 μm以下と極めて小さい粒子であるため、粒子表
面積が大きく水素結合力に基づくと考えられる粒子間相
互作用が有効に働くことができる。また、粒子表面に存
在する反応性官能基は粒子に後述の処理を施すことによ
って、水酸基のみとしているため、粒子表面の極性は、
水酸基価をパラメーターとして一義的に表わすことがで
きる。そして、粒子の水酸基価とポリオール樹脂の水酸
基価との関係を特定し、尚かつ2種類以上の粒子を用い
た場合、各粒子間の水酸基価の関係も特定することによ
って両粒子の極性差による粒子凝集効果を自在に調節で
きる。従って、たとえばメタリック系2コート1ベーク
塗膜の場合、ベースコートでは粒子間水素結合力と極性
差による粒子凝集の相乗効果でアルミニウムなどの扁平
顔料を均一に配向させることができる。クリヤーコート
では極性差による粒子凝集を小さくおさえることによっ
て塗膜表面の微小な凹凸を消すことができ、しかも水素
結合による相互作用で優れたタレ止め効果を発揮でき
る。また、大きな流動調整作用が必要なハイソリッド塗
料では、塗膜の肌荒れやツヤの低下を生じない範囲で大
きな粒子凝集効果を持たせることができる。
従って、本発明のハイソリッド塗料組成物では、優れ
た流動調節機能を持ち、厚膜塗装が可能であり、しかも
塗膜表面の肌荒れや微小な凹凸を生じないために高外観
品質の塗膜を得ることができる。
本発明に用いられるポリオール樹脂としては、本発明
がより効果的に活用されるためにはアクリル樹脂が特に
好ましいが、他にもたとえば、ポリエステル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエー
テル樹脂などを1種または相溶性の示す範囲内で2種以
上の混合物として用いることもできる。
ポリオール樹脂としてアクリル樹脂をベースコート/
クリヤーコートシステム塗料に用いる場合、該アクリル
樹脂の特性は以下の範囲にあることが望ましい。
ここで、重要な点はベースコートに用いるアクリル樹
脂のTgはクリヤーコートに用いるアクリル樹脂のTg以下
であることである。この関係を保つことによって、ベー
スコート/クリヤーコート界面の密着性は優れたものと
することができる。従って、ベースコートのアクリル樹
脂のTgが20℃を越える場合、またはクリヤーコートのア
クリル樹脂のTgが20℃未満の場合、ベースコート/クリ
ヤーコート界面の密着性が低下することがある。一方、
ベースコートのアクリル樹脂のTgが−10℃未満の場合、
硬化塗膜の耐溶剤性が低下するため、またクリヤーコー
トのアクリル樹脂のTgが50℃を越える場合、硬化塗膜の
耐屈曲性が低下するため好ましくない。
ベースコートおよびクリヤーコートのアクリル樹脂の
重量平均分子量は3000未満の場合、硬化塗膜の耐候性が
低下し、15000を越える場合、ハイソリッド化が困難と
なるため好ましくない。該アクリル樹脂の水酸基価は50
未満の場合、硬化塗膜の耐溶剤性が低下し、250を越え
る場合、硬化塗膜の耐屈曲性が低下するため好ましくな
い。該アクリル樹脂の酸価が30を越えると、硬化塗膜の
耐湿性の低下することがあるため好ましくない。
また、ポリオール樹脂としてのアクリル樹脂を例えば
ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の可撓性のプ
ラスチック素材を対象としたベースコート/クリヤーコ
ートシステムに用いる場合、該アクリル樹脂の特性は以
下の範囲にあることが望ましい。
この場合もベースコートに用いるアクリル樹脂のTgは
クリヤーコートに用いるアクリル樹脂のTg以下であるこ
とが重要である。この関係を保つことによって、ベース
コート/クリヤーコート界面の密着性は優れたものとす
ることができる。
ここで、ベースコートのアクリル樹脂のTgが−11℃を
越えるか、またはクリヤーコートのアクリル樹脂のTgが
−20℃未満の場合、ベースコート/クリヤーコート界面
の密着性が低下するため好ましくない。またベースコー
トのアクリル樹脂のTgが−60℃未満の場合、硬化塗膜の
耐溶剤性が低下するため、またクリヤーコートのアクリ
ル樹脂のTgが19℃を越える場合、硬化塗膜の柔軟性が低
下するため好ましくない。
ベースコートおよびクリヤーコートのアクリル樹脂の
重量平均分子量は4000未満の場合、硬化塗膜の耐候性が
低下し、40000を越える場合は、塗装作業性が低下する
ため好ましくない。該アクリル樹脂の水酸基価は、30未
満の場合、硬化塗膜の耐溶剤性が低下し、200を越える
場合、硬化塗膜の柔軟性が低下するため好ましくない。
該アクリル樹脂の酸価が30を越えると、硬化塗膜の耐湿
性が低下することがあるため好ましくない。
アクリル樹脂は、水酸基含有α,β−エチレン性不飽
和単量体を必須成分とし、前記の水酸基価を満足する範
囲内で他のα,β−エチレン性不飽和単量体と通常のラ
ジカル溶液重合を行うことにより容易に合成することが
できる。ここで、水酸基含有α,β−エチレン性不飽和
単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン(1〜10
モル)の開環付加体、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートのε−カプロラクトン(1〜10モル)開環
付加体等をあげることができる。また、他のα,β−エ
チレン性不飽和単量体としては、例えばメチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン
酸、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フマル
酸ジブチル、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテ
ル、アリルアルコール等をあげることができ、前記のガ
ラス転移温度、酸価の範囲を満足し相溶性を調節する目
的で用いられる。
一方、本発明のハイソリッド塗料組成物の場合、ポリ
オール樹脂成分として、次に示すような反応性希釈剤を
含有することができる。すなわち、 (1)ポリエーテルポリオール類 ポリエチレングリコール200、同300、同400、同600、
同1000、同1500、同1540、同2000(いずれもポリエチレ
ングリコールの数平均分子量)、ユニオールD 400、同D
700、同D1000、同D1200、同D2000、同TG 400、同TG100
0、同TG2000(いずれも商品名、日本油脂(株)製ポリ
プロピレングリコール) (2)カプロラクトンポリオール類 プラクセル205、同208、同212、同220、同230、同30
3、同305、同308(商品名、ダイセル化学工業(株)製
ポリカプロラクトン) (3)エステルポリオール類 フレキソレッツ188、同148、同XP−171−90(商品
名、キング社製エステルジオール) (4)ウレタンポリオール類 フレキソレッツUD−320(商品名、キング社製、ウレ
タンジオール)、ウレタンジオールUP−14−4(商品
名、オート化学工業(株)製、ウレタンジオール) (5)シリコンポリオール類 例えばKR−213、同217、同218(商品名、信越化学工
業(株)製、メトキシ基含有シリコーン化合物)とエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ト
リエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビス
フェノールジヒドロキシプロピルエチル、シクロヘキン
ジメタノール等のジオールとのメトキシ基/水酸基=1/
2(モル比)混合比における縮合物 等である。
また、水酸基と反応し得る硬化剤としては、たとえ
ば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
グリコルリル樹脂などのアミノメチロール樹脂、ポリイ
ソシアネート化合物およびブロックイソシアネート化合
物などがあげられる。このうち、本発明のハイソリッド
塗料の場合には、アルキル基の炭素数が8以下で数平均
分子量が1000以下のアルキルエーテル化メラミン樹脂
や、数平均分子量が1000以下のポリイソシアネート化合
物やブロックイソシアネート化合物等が特に好ましい。
ここで、アルキルエーテル化メラミン樹脂のアルキル基
の炭素数が8を超える場合、得られる塗膜の耐水性が低
下するため好ましくない。また、該アルキルエーテル化
メラミン樹脂やポリイソシアネート化合物およびブロッ
クイソシアネート化合物の数平均分子量が1000を超える
と高固形分化が困難となる。
このようなアルキルエーテル化メラミン樹脂は、たと
えば市販品として、サイメル300、サイメル301、サイメ
ル303、サイメル350、サイメル1116、サイメル1130、サ
イメル1168(いずれもアメリカンサイアナミド社製、商
品名)、ニカラックMW−30、ニカラックMW−22A、ニカ
ラックMX−40、ニカラックMX−45(いずれも三和ケミカ
ル株式会社製、商品名)、レジミン730、レジミン731、
レジミン735、レジミン745、レジミン746、レジミン74
7、レジミン753、レジミン755、レジミン764(いずれも
モンサイト社製、商品名)、ユーバン120(三井東圧株
式会社製、商品名)等があげられる。
尚、この際硬化触媒として芳香族系または脂肪族系ス
ルホン酸化合物が使用できるが、塗料の貯蔵安定性、塗
膜外観等については脂肪族系スルホン酸化合物の方が好
ましい。また、ポリイソシアネート化合物としては、1
分子中に2個以上のイソシアネート基を有する芳香族ま
たは脂肪族化合物で、たとえば2,4−トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘ
キサン1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等のポリイソシアネート化合物や、ポリイソシア
ネート化合物をエタノール、ヘキサノールなどのアルコ
ール類、フェノール、クレゾールなどのフェノール性水
酸基を有する化合物、アセトオキシム、メチルエチルケ
トキシムなどのオキシム類、ε−カプロラクタム、γ−
カプロラクタムなどのラクタム類などのブロック剤で封
鎖したブロックイソシアネート化合物が挙げられる。
ここで、ポリオール樹脂と硬化剤の混合割合は、ポリ
オール樹脂30〜90重量%に対して硬化剤10〜70重量%の
範囲で用いられる。この際、ポリオール樹脂が30重量%
未満の場合は生成塗膜の耐薬品性が低下するため、また
90重量%を超える場合は生成塗膜の耐水性が低下するた
め好ましくない。
本発明に用いる架橋重合体微粒子は、平均粒径が0.00
1〜1.0 μmで、ポリオール樹脂30〜90重量%および水
酸基と反応し得る硬化剤10〜70重量%から成る樹脂固形
分混合物100重量部に対して、架橋重合体微粒子総和で
1〜100重量部含有する。ただし、2コート系塗料や3
コート系塗料に用いるクリヤーコート用塗料組成物で
は、微小な表面の凹凸までも平滑にする必要があるため
に、架橋重合体微粒子総和で1〜60重量部含有すること
が好ましい。この際、平均粒径が0.001 μm未満の場合
は、架橋重合体微粒子が不安定になり塗料中で激しく凝
集し塗膜の外観性を向上することができず、1.0 μmを
超える場合は、自身が大粒径であることおよび粒子表面
の水酸基の反応性が低下するため、塗膜表面の凹凸が大
となり好ましくない。ここで、該粒子は、好ましくは公
知技術(“ABS樹脂"53頁、昭和45年高分子学会発行、丸
善株式会社)のごとく、塗膜形成樹脂との屈折率差を0.
005以下に調節すれば高外観品質塗膜を得るにはより有
利である。また、架橋重合体微粒子の含有量が1重量部
未満の場合は、塗膜の流動調節作用が不十分になり、ベ
ースコートでのメタルムラやクリヤーコートでのタレが
生じやすく、100重量部を超える場合は流動調節作用が
大きくなりすぎ、レベリング性が却って低下することが
ある。
一方、該架橋重合体微粒子の水酸基価(OHV)gは、
ポリオール樹脂の水酸基価(OHV)rとの関係におい
て、0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160なることを満足
することによって優れた流動調節作用を発揮することが
できる。ただし、2コート系塗料や3コート系塗料に用
いるクリヤーコート用ハイソリッド塗料組成物では、粒
子凝集による微小な凹凸までも平滑にする必要があるた
めに、該架橋重合体微粒子の水酸基価(OHV)gとポリ
オール樹脂の水酸基価(OHV)rとの関係において、 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦100を満足することが好
ましい。
ここで、ポリオール樹脂の水酸基価(OHV)rは、2
種以上の混合物であったり、前述の反応性希釈剤を含有
する場合には、全てのポリオール成分の重量比における
算術平均の値をとることができる。また、架橋重合体微
粒子の水酸基価(OHV)gは、通常の乳化重合法により
得られる粒子の場合は、粒子全体の水酸基価であり、コ
ア/シェル型乳化重合により得られる場合は、シェル部
分の水酸基価となる。特に、コア/シェル型乳化重合に
より得られる粒子を用いる場合や、ポリオール樹脂中に
反応性希釈剤を含有する場合には、(OHV)gが(OHV)
rよりも高くなる系でも優れた塗膜外観性を得ることが
できる。|(OHV)r−(OHV)g|が160を越える場合
は、極性差に基づく粒子凝集が大きくなりすぎ、ベース
コートでの肌荒れやクリヤーコートでの微小な凹凸が生
じやすくなるため好ましくない。
一方、架橋重合体微粒子を2種以上用いると、より高
度にバランスのとれた流動調節作用を発揮することがで
きる。この際、各粒子の水酸基価(OHV)gはポリオー
ル樹脂の水酸基価(OHV)rとの関係において0≦|(O
HV)r−(OHV)g|≦160を満足し、尚かつ、各粒子の
(OHV)gの最大値と最小値の差xが0<x≦120を満足
する必要がある。ただし、2コート系塗料や3コート系
塗料に用いるクリヤーコート用ハイソリッド塗料組成物
では、粒子凝集による微小な凹凸までも平滑にする必要
があるために、xは、10≦x≦60となることが好まし
い。xが120を越える場合は、極性差に基づく粒子凝集
が大きくなりすぎ、ベースコートでの肌荒れやクリヤー
コートでの微小な凹凸が生じやすくなるため好ましくな
い。
また、2種以上の架橋重合体微粒子を用いる場合は、
各架橋重合体微粒子の含有量はいずれも架橋重合体微粒
子全量中の10重量%以上であることが好ましい。粒子全
量中でいずれも10重量%未満の架橋重合体微粒子は、高
度にバランスのとれた流動調節作用に寄与できなくなる
ことがあるため好ましくない。
本発明に用いる架橋重合体微粒子は次の各成分 (a)水酸基含有α,β−エチレン性不飽和単量体 (b)多官能α,β−エチレン性不飽和単量体 (c)(a)および(b)以外のα,β−エチレン性不
飽和単量体 を、ソープフリー系もしくはエステル基含有界面活性剤
の存在下で、水溶性重合開始剤を用いて乳化重合または
コア/シェル型乳化重合を行わせることによって合成す
ることができる。これらのうち、(a)成分は架橋重合
体微粒子の水酸基価(OHV)gを調整するために用いら
れるものであり、ポリオール樹脂の水酸基価(OHV)r
と前記の関係を満足すべく用いられる。かかる(a)成
分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロヒル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートのε−カプロラクトン(1〜10モル)
開環付加体、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、のε−カプロラクトン(1〜10モル)開環付加体
(例えばダイセル化学工業(株)製、商品名、プラクセ
ルFM1、同FM2、同FM3、同FM7、同FM10)、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、または2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、の他のラクトン類、例
えばβ−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−
ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−バレロラクト
ン、δ−バレロラクトン等の1〜10モル開環付加体、お
よび(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイドおよび/
またはプロピレンオキサイドの2〜10モル開環付加体
(例えば、日本油脂(株)製、商品名、ブレンマーPP50
0、同PP800、同PP1000、同PE90、同PE200、同PE350、同
PEP350B)または、下式で示される単量体 (ここで、R1は水素原子またはメチル基のいずれか、R2
は炭素数が1〜17のアルキレン基、nは1〜10の整数で
ある。) 等を1種または2種以上の混合物として用いられる。
また、(b)成分は重合体微粒子内部を3次元架橋
し、塗料中でも溶解することなく、安定な粒子形態を保
つために用いられるものであり、通常(a)、(b)お
よび(c)成分中の0.5〜80重量%の範囲で用いられ
る。かかる(b)成分としては、例えば、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アク
リロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリ
ロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテト
ラ(メタ)アクリレート、エポキシプレポリマーおよび
ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられ、1種ま
たは2種以上の混合物として用いられる。
ここで、該微粒子中の(b)成分が0.5重量%未満の
場合には粒子内の架橋密度が低すぎるため非水系塗料に
用いた際、溶剤により粒子が膨潤し粘度が高くなってし
まう。また、80重量%を超えると粒子内で未反応の架橋
剤が粒子間で反応を行い粒子の凝集が起こるため好まし
くない。
さらに(c)成分のα,β−エチレン性不飽和単量体
は、不飽和基以外には全く反応性官能基を含まない単量
体であり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリ
レート、イソロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、フマル酸ジブチル等があげられ、使用する塗膜に
応じて該架橋重合体微粒子の相溶性、ガラス転移温度、
酸価等を調節する目的で1種または2種以上の混合物と
して用いられる。
一方、乳化重合に用いるエステル基含有界面活性剤と
しては、アニオン系界面活性剤として例えばアルキル硫
酸エステル塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アル
キルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステ
ル塩および次式で示されるスルホン酸化合物のNa塩また
はK塩またはアミン塩等があげられ単独もしくは2種以
上の混合物として用いられる。
(ここで、R3は炭素数12〜18のアルキル基である。) ここで、アルキル硫酸エステル塩としては例えば、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、2−エチルヘキシル硫酸ナトリ
ウム;モノアルキルスルホコハク酸エステル塩としては
例えば、ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム;ジアルキ
ルスルホコハク酸エステル塩としては例えばジヘキシル
スルホコハク酸ナトリウム、ジ2−エチルヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム;アルキルエーテル硫酸塩として
は、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナ
トリウム;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸塩としては例えば、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム;アルキルリン酸エス
テル塩としては、例えばラウリルリン酸カリウム;アル
キルエーテルリン酸エステル塩としては例えば、ポリオ
キシエチレンラウリルリン酸カリウムなどがあり、単独
もしくは2種以上の混合物として用いられる。
また、カチオン系界面活性剤としては例えば次式で示
される化合物をあげることができる。
(ここで、R4は炭素数12〜18のアルキル基である。) 乳化重合を行う際、上記界面活性剤の使用量は水に対
する濃度が7重量%以下であることが望ましい。ここ
で、界面活性剤濃度が7重量%を越える場合、該界面活
性剤を加水分解して生成したイオン性化合物が重合体非
水分散液中に残存し易くなり、塗膜の耐水性が低下する
ため好ましくない。
かかる乳化重合により平均粒径0.001〜1.0μmの架橋
重合体微粒子を得ることができる。
また、乳化重合またはコア/シェル型乳化重合に用い
る水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩が特に好ましく、1種または2種以上の混合物として
用いられる。もちろん、この際、第一鉄塩、酸性亜硫酸
ナトリウム、N,N−ジメチルアニリン等を過硫酸塩と併
用し、レドックス重合系として用いることもできる。
ここで、水溶性重合開始剤の使用量は、ソープフリー
系の場合、α,β−エチレン性不飽和単量体総和に対し
て1〜10重量%で、また界面活性剤存在下では、0.1〜
2重量%の範囲内で用いられる。ソープフリー系の場
合、水溶性重合開始剤が1重量%未満の場合、乳化不良
により重合体粒子が凝集するため、また10重量%を超え
る場合、塩析により重合体粒子が凝集するため好ましく
ない。界面活性剤存在下では、0.1重量%未満の場合、
重合転化率が不十分となり重合体微粒子が生成しにくく
なるため、また2重量%を超える場合、塩析により重合
体微粒子が凝集するため好ましくない。
以上のようにして得られた、架橋重合体微粒子は、次
の工程を行うことによって、粒子表面に担持されている
エステル基含有界面活性剤や水溶性重合開始位剤切片
(以下、イオン性基と略すこともある)を分解除去し、
粒子表面上に存在する反応性官能基を水酸基のみとする
ことができる。そしてかかる工程を行うことにより粒子
は非水系分散液として得られることになる。
すなわち、まず乳化重合により生成した架橋重合体微
粒子の水系分散液に、粒子の溶解、凝集を起こさず水分
離も生じさせない有機溶剤を添加する。かかる有機溶剤
としては粒子表面の水酸基と両親媒性のある有機溶剤を
20〜100重量%含むことが望ましい。このような両親媒
性のある有機溶剤としてはアルコール類、ケトン類、エ
ーテル類あるいはグリコールエーテル類等が適してお
り、粒子表面の水酸基と水素結合することにより粒子相
互間の凝集を妨げることができる。ここで、両親媒性の
ある有機溶剤が20重量%未満の場合、粒子凝集および水
分離を生じるため好ましくない。
かかる粒子表面の水酸基と両親媒性のある有機溶剤と
しては例えば以下のものがあげられ、単独もしくは2種
以上の混合物として用いることができる。
アルコール類:2−エチル−1−ブチルアルコール、3−
ヘプチルアルコール、1−オクチルアルコール、2−オ
クチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、1
−ノニルアルコール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシ
ルアルコール、1−デシルアルコール、1−ウンデシル
アルコール、1−ドデシルアルコール、n−ブチルアル
コール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコ
ール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
2−ペンチルアルコール、4−メチル−2−ペンチルア
ルコール、3−ペンチルアルコール、2−メチル−1−
ブチルアルコール、 ケトン類:メチルn−プロピルケトン、メチルイソプロ
ピルケトン、ジエチルケトン、メチルn−ブチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ペンチルケト
ン、ジn−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、エチ
ルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン エーテル類:ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、1,2−ジエトキシエタン グリコールエーテル類:2−イソペンチルオキシエタノー
ル、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエ
タノール また上記以外の有機溶剤、すなわち粒子表面の水酸基
と両親媒性のない有機溶剤は、粒子の非水系転換後の残
存水分除去工程を簡便化する目的で0〜80重量%用いら
れ、好ましくは20℃における水の溶解度が5重量%以下
になるまで上記有機溶剤に添加混合される。かかる有機
溶剤としては例えば以下のものがあげられ、単独もしく
は2種以上の混合物として用いることができるが本発明
はこれらに限定されるものではない。
脂肪族系溶剤:n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン 芳香族系溶剤:ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン エステル系溶剤:酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸
イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
第二ブチル また、架橋重合体微粒子の水系分散液に添加する有機
溶剤の使用量は、架橋重合体微粒子の水系分散液と有機
溶剤の総重量の5〜90重量%の範囲で、好ましくは10〜
70重量%の範囲で混合せしめられる。ここで有機溶剤が
5重量%未満の場合、架橋重合体微粒子が凝集し、系の
粘度が高くなり撹拌を効率良く行えなくなるため好まし
くない。また90重量%を越える場合、水層と有機層とが
分離し、次の工程の重合体粒子表面の加水分解反応が不
十分となり、粒子表面の反応性官能基が水酸基以外のも
のも存在するため好ましくない。
架橋重合体微粒子の水系分散液に有機溶剤を添加した
後、次に加水分解工程を行う。加水分解反応は粒子表面
のイオン性基を分断除去し、該粒子表面上の反応性官能
基を水酸基のみとした上で該粒子を有機層へ凝集するこ
となく完全に移行せしめることを目的としており、95℃
以下の温度、好ましくは70〜95℃の温度で、アニオン系
界面活性剤を用いた場合は塩基性化合物触媒、カチオン
系界面活性剤を用いた場合は、酸性化合物触媒、ソープ
フリー乳化重合の場合は、塩基性化合物触媒もしくは酸
性化合物触媒にて反応させる。ここで、反応温度が95℃
を越える場合は粒子表面のイオン性基のみならず他のエ
ステル基部分まで加水分解されカルボキシル基が形成し
該粒子表面に水酸基以外の反応性官能基が形成するため
好ましくない。また反応温度が70℃未満の場合は、加水
分解反応を完結するのに長時間を要するため好ましくな
い。
また、塩基性化合物触媒又は酸性化合物触媒の添加量
は加水分解の対象となるエステル基の化学量論量に対し
1〜3倍量が望ましく、添加量が等量未満では加水分解
率が不十分となりイオン性基が粒子表面に残存し易くな
り好ましくない。また添加量が3倍量を越えると、粒子
を構成するアクリルエステルが加水分解され始め粒子表
面にカルボキシル基が生成し好ましくない。ここで、加
水分解の対象となるエステル基は過硫酸塩の2倍量と界
面活性剤のエステル基総量との総和を意味する。ここで
塩基性化合物触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化テトラメチル
アンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等が、
また酸性化合物触媒としては、例えば硫酸、塩酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸等があげられる。加水分解の進行度合は加えた塩
基性化合物触媒または酸性化合物触媒の消費量の中和滴
定等で追跡することができ、容易に反応の終点を判定す
ることができる。
加水分解反応完結後、塩基性化合物触媒を用いた系で
は上記酸性化合物触媒と同様の酸性化合物を、また、酸
性化合物触媒を用いた系では上記の塩基性化合物触媒と
同様の塩基性化合物にて常法に従い中和反応を行い、し
かる後、分散安定化樹脂を樹脂固形分で架橋重合体微粒
子100重量部に対し10〜200重量部添加し該粒子を分散安
定化せしめる。ここで用いられる分散安定化樹脂は、塗
膜のバインダーと相溶性あるものが好ましく、少なくと
も水酸基を含有するアクリル樹脂、アルキル樹脂、ポリ
エステル樹脂のいずれかまたは2種以上の混合物もしく
はメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂およ
びグリコルリル樹脂等のアミノ樹脂の1種または2種以
上の混合物が好ましい。
また、分散安定化樹脂が樹脂固形分で粒子100重量部
に対し10重量部未満の場合、該粒子の分散安定化が不十
分となり、反応装置内の気−液界面部等で該粒子が融合
することがある。また200重量部を超える場合には、重
合体粒子を含む有機層と水層から成る2つの層に分離す
る効率が低下するため好ましくない。
分散安定化樹脂の添加後、有機酸アミン塩を添加し撹
拌を止め、系を静置することにより、粒子を含む樹脂溶
液層(有機層)と無機イオン性物質を含む水層に2層分
離せしめる。ここで言う無機イオン性物質とは、界面活
性剤、および水溶性重合開始剤切片の加水分解反応生成
物、また、加水分解反応および中和反応の際に添加した
塩基性化合物触媒および酸性化合物触媒または中和反応
で生成した塩を包含している。ここで水分離を促進する
意味で系を加温することは好ましく、系の温度を50〜80
℃の範囲に保つことにより水分離効率を高めることがで
きる。
ここで添加する有機酸アミン塩に使用される有機酸と
しては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、
マロン酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸等のスルホン酸類、およびモノメチルリン
酸、モノエチルリン酸、ジメチルリン酸、ジエチルリン
酸等の有機リン酸類を包含する。一方、アミンとしては
沸点が150℃以下のものが特に好ましく、例えばモノエ
チルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n
−ブチルアミン、イソブチルアミン、第二ブチルアミ
ン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン等の一級アミン
類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジペ
ンチルアミン等の二級アミン類およびトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ピリジン等の三級アミンがあげられるが、本
発明はこれらに限定するものではない。ここで、沸点が
150℃を越えるアミンでは、架橋重合体微粒子の非水分
散液中に残留し、耐水性等の塗膜性能が低下することが
ある。
上記の有機酸とアミンとの組合せからなる有機酸アミ
ン塩は所定量の有機酸とアミンとを水存在下で常温で混
合することにより容易に製造される。また、有機酸アミ
ン塩の添加量は系中に存在する水に対して0.1〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%の範囲が適当であり、0.1
重量%未満では、水層と有機層の分離効率が低下するた
め、また10重量%を越える場合は、有機酸アミン塩が架
橋重合体微粒子の非水分散液に残留し易くなり耐水性等
の塗膜性能が低下するため好ましくない。
次に水層を除去した後、有機層中に残存する無機系イ
オン性物質を水洗し、上記の有機酸アミン塩を添加し静
置することにより洗浄水を分離除去する。水洗工程は、
分離除去される水層のpHが5〜8になり、且つ有機層中
に残存する無機系イオン性物質が50ppm以下になるまで
繰り返す。ここで、分離除去される水層のpHが5未満も
しくは8を越える場合、あるいは有機層中に残存する無
機系イオン性物質が50 ppmを越える場合、耐水性等の塗
膜性能が低下するため好ましくない。
また、水洗後の有機層中においては残存水分を5重量
%まで低下せしめると、次工程の残存水分除去を簡便化
することができる。
有機層中の残存水分は以下の方法により除去すること
ができる。
(a)減圧下での水留去 (b)化合物との反応による分解除去 (c)吸水材による吸水処理 (d)共沸、噴霧乾燥による水分除去 (a)法は、水と共沸混合物を作らない溶剤系のま
ま、水のみを50〜100℃で760 mmHg未満の減圧下で留去
する方法である。(b)法は、オルト蟻酸メチル、オル
ト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等
のオルトカルボン酸エステル類、またはジケテン、また
はホルムアミド、またはジシクロヘキシルカルボジイミ
ド等を添加しいずれも30〜90℃の温度で反応することに
より残存水分を分解する方法である。ここで分解温度が
30℃未満の場合、水分解に長期間を要するため、また90
℃を越える場合、反応装置中の空隙部に水滴が付着し、
却って水分除去が不十分となるため好ましくない。上記
水分除去法においては、オルトカルボン酸エステルを用
いた場合、分解生成物としてメチルアルコール、エチル
アルコール、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢
酸エチル等が、またジケテンを用いた場合アセトン等の
低沸点溶剤が副生するため、塗膜のワキを防止する目的
から、水分解反応後、該低沸点溶剤を減圧留去せしめる
ことが好ましい。さらに、ホルムアミドを用いた場合、
蟻酸アンモニウムがまたジシクロヘキシルカルボジイミ
ドを用いた場合、ジシクロヘキシルウレアが副生するた
めそれぞれ水分解反応後、分解生成物を濾別する必要が
ある。(c)法は、高分子吸水材、例えばスミカゲルS
−50、同SP−520、同N−100、同NP−1020、同F−03、
同F−51、同F−75(いずれも商品名、住友化学工業
(株)製)、アクアキープ4S、同10SH(いずれも商品
名、製鉄化学工業(株)製)もしくはモレキュラーシー
ブを充填したカラム中に有機層を通過せしめるか、また
は上記高分子吸水材、モレキュラーシーブ、あるいは硫
酸ナトリウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム等の無
機塩の脱水物のいずれかまたは2種以上の混合物を有機
層中に混合し撹拌した後濾別する方法である。(d)法
は例えば英国特許第967051号の5頁に引用されている如
く、乳化重合後、乾燥粒子を得るために一般的に用いら
れている水分除去方法であり、水と共沸混合物を作る有
機溶剤を添加し、50〜100℃で水分を共沸留去する。ま
たは20〜100℃で、ノズルより有機層を噴霧せしめ有機
溶剤と共に水分を乾燥後、再び有機溶剤中に乾燥残分を
分散する方法である。
本発明のハイソリッド塗料組成物を塗料化するには、
これら各成分を通常の塗料製造に用いられる分散機器、
例えばボールミル、サンドミル、アトライター等により
通常の添加方法で混合して塗料化することができる。こ
のとき必要に応じて、顔料、染料、ガラスフレーク、ア
ルミニウムフレーク、マイカフレーク等の着色剤の他、
塗料に通常用いられる添加剤、たとえば顔料分散剤、粘
度調節剤、レベリング剤、硬化触媒、ゲル化防止剤、紫
外線吸収剤、ラジカル捕捉剤などを加えることもでき
る。
以上のようにして得られた塗料は、通常の塗装方法、
たとえばエアスプレー塗り、エアレススプレー塗り、静
電塗り、浸し塗りなどによって、通常の被塗物、たとえ
ば金属やその他の無機材料、プラスチックやその他の有
機材料に1コート1ベーク、2コート2ベーク、2コー
ト1ベーク、3コート3ベーク、3コート2ベーク等の
システムで塗装し、60〜180℃の温度で20〜60分間乾燥
することにより優れた塗膜が得られる。
ここで言う本願発明のベースコートとは、顔料、染
料、ガラスフレーク、アルミニウムフレーク、マイカフ
レーク等の着色剤をベースにしたハイソリッド塗料組成
物を塗装することであり、クリヤーコートとは、透明も
しくは少量の上記の着色剤で着色したハイソリッド塗料
組成物を塗装することである。
(発明の効果) 以上のように、本発明のハイソリッド塗料組成物、そ
れを用いた塗装物および塗装方法では、粒径の極めて小
さい架橋重合体微粒子を含み、しかも該粒子表面には、
反応性官能基としては水酸基のみを存在せしめ、尚かつ
該粒子の水酸基価を塗膜形成樹脂中のポリオール樹脂と
一定の関係に特定し、さらに2種以上の粒子を用いる場
合には、各粒子相互の水酸基価をも一定の関係に特定し
ているため、極めて高度にバランスのとれた流動調節作
用を発揮することができ、優れたタレ止め効果を発揮し
厚膜塗装が可能となり、その結果塗膜肌が平滑で優れた
ツヤ感を有する高外観塗膜を得ることができる。
また、ベースコート/クリヤーコートシステムにおい
て、ベースコートとクリヤーコートに用いるポリオール
樹脂のガラス転移温度を、各々特定することによって、
ベースコート/クリヤーコート界面の密着性に優れた塗
膜を得ることができる。
(実施例) 次に、実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、例中、部は重量部、%は重量%であ
る。
アクリル樹脂の製造 製造例I〜VI 還流冷却器、撹拌器、滴下ロート、温度計を取り付け
た4つ口フラスコにメチルアミルケトン61.8部を仕込
み、撹拌しながら昇温し150℃まで加熱を行った。次い
で第1表に示す単量体成分と重合開始剤の混合物100部
を150℃の下で一定の添加速度で2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、さらに2時間、150℃の温度を保った
ところで反応を終了し、それぞれ第1表に示す特性値の
アクリル樹脂溶液I〜VIを得た。
ポリエステル樹脂の製造 製造例VII、VIII 還流冷却器を付けた水分定量受器、撹拌器および窒素
ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに第2表記載の
単量体組成物100部を仕込み、撹拌しながら4時間かけ
て230℃まで昇温し脱水縮合反応を行い、さらに230℃の
温度を3時間保ち脱水縮合反応を継続した。その後、フ
ラスコ内にキシレン5.0部を添加し溶剤存在下の縮合反
応に切り換え、反応を続けた。樹脂酸価が5まで低下し
たところで反応を終了し冷却した。冷却後、キシレンを
製造例VIIでは55.9部、製造例VIIIでは56.5部加え、均
一になるように撹拌し、それぞれ第2表に示す特性値の
ポリエステル樹脂溶液VII、VIIIを得た。
架橋重合体微粒子の製造 製造例AA (a)架橋重合体微粒子の水系分散液の製造 界面活性剤水溶液 脱イオン水 380.0部 ラピゾールB90(注1) 5.5部 重合開始剤水溶液−1 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 α,β−エチレン性不飽和単量体混合物 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2.3部 1,4−ブタンジオールジメタクリレート 50.0部 スチレン 10.0部 n−ブチルメタクリレート 37.7部 重合開始剤水溶液−2 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 (注1)ラピゾールB90(日本油脂(株)製、ジ2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの商品名、有効
成分90%) 撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート(2本)、窒素導
入管および温度計を備えたフラスコに界面活性剤水溶液
を仕込み、窒素気流下80℃に昇温し重合開始剤水溶液−
1を加えた。再度80℃に昇温した後、フラスコ内の混合
物を80±2℃に保ちながらα,β−エチレン性不飽和単
量体混合物を3時間かけて滴下した。該単量体混合物の
滴下中、滴下開始1時間後から重合開始剤水溶液−2を
2時間かけて滴下した。α,β−エチレン性不飽和単量
体混合物および重合開始剤水溶液−2の滴下終了後、さ
らに80℃で2時間重合を行うことによって第3表に示す
特性値をもつ架橋重合体微粒子の水系分散液AA1を得
た。
(b)架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 (a)で得られた架橋重合体微粒子の水系分散液AA
1、500部にメチルイソブチルケトン200部および3規定N
aOH水溶液22.7部を仕込み85℃まで昇温し、85±2℃で
3時間加水分解反応を行った。次いで温度を80℃まで下
げ、3規定塩酸水溶液を22.7部加えて中和した後、粒子
分散安定化樹脂としてアクリル樹脂の製造例Iで得られ
たアクリル樹脂Iの溶液を71.4部加え、10分間撹拌した
後、酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液(後出)25部
を加えて直ちに撹拌を止め静置すると、架橋重合体微粒
子の分散した有機層が上層に、下方には水層が分離した
ので下層の水層を除去した。
残った架橋重合体微粒子の分散した有機層に脱イオン
水200部を加え、撹拌下70℃まで昇温し、70℃に至った
時点で酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液を12.5部加
え、直ちに撹拌を止め静置した。再度、架橋重合体微粒
子が分散した有機層が上層に、水層が下層に2層分離し
たので下層の水層を除去した。残った有機層中には、カ
ールフィッシャー水分計により2.6重量%の水分が残留
していた。
次に有機層の温度を50℃まで冷却し、オルト蟻酸メチ
ル70部を滴下ロートより30分間かけて滴下した後、50℃
で30分間反応を続け残存水を分解した。その後、キシレ
ン120部を加え還流冷却器とフラスコの間に新たにディ
ーンスタークトラップを装着し、還流冷却器上部とアス
ピレーターを結合し、加熱撹拌下フラスコ内を減圧状態
とし、300±100mmHg、80±10℃の条件下で分散液の不揮
発分が50%になるまで溶剤を留去することによって、架
橋重合体微粒子の非水系分散液AA2を得た。得られた非
水系分散液の特性値を第3表に示す。
(酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液の製法) 脱イオン水80部に酢酸7.5部を溶解しておき、ここに
室温撹拌下でトリエチルアミン12.5部を30分間で添加す
ることにより調製した。
製造例AB〜AK,BA〜BM (a)架橋重合体微粒子の水系分散液の製造 第3表AB〜AKおよびBA〜BMに示す乳化重合組成を用
い、製造例AA(a)と同様の操作を行うことによって、
第3表に示す特性値をもつ架橋重合体微粒子の水系分散
液AB1〜AK1およびBA1〜BM1をそれぞれ得た。
(b)架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 AK(a)〜AK(a)およびBA(a)〜BM(a)で得ら
れた架橋重合体微粒子の水系分散液AB1〜AK1およびBA1
〜BM1をそれぞれ用い、また粒子分散安定化樹脂として
第3表に示す樹脂をそれぞれ用い、さらにBA〜BMについ
ては最終加熱残分を40%としたほかは、製造例AA(b)
と同様の手法を用いることによって、第3表に示す特性
値をもつ架橋重合体微粒子の非水系分散液AB2〜AK2およ
びBA2〜BM2をそれぞれ得た。
比較製造例N 架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 BE(a)で得られた架橋重合体微粒子の水系分散液BE
1、500部にメチルイソブチルケトン200部を仕込み80℃
まで昇温した。次いで粒子分散安定化樹脂としてアクリ
ル樹脂の製造例Vで得られたアクリル樹脂Vの溶液を7
1.4部加え、温度を80℃に保持しながら10分間撹拌し
た。次に酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液(前出)
25部を加えて直ちに撹拌を止め静置すると、架橋重合体
微粒子の分散した有機層が上層に、下方には水層が分離
したので下層の水層を除去した。
次に有機層の温度を50℃まで冷却し、オルト蟻酸メチ
ル70部を滴下ロートより30分間かけて滴下した後、50℃
で30分間反応を続け残存水を分解した。その後、キシレ
ン200部を加え還流冷却器とフラスコの間に新たにディ
ーンスタークトラップを装着し、還流冷却器上部とアス
ピレーターを結合し、加熱撹拌下フラスコ内を減圧状態
とし、300±100 mmHg、80±10℃の条件下で分散液の加
熱残分が40%になるまで溶剤を留去することによって、
架橋重合体微粒子の非水系分散液N2を得た。得られた非
水系分散液の特性値を第3表に示す。
比較製造例O,P 架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 BF(a),BJ(a)で得られた架橋重合体微粒子の水
系分散液BF1,BJ1をそれぞれ用い、また粒子分散安定化
樹脂として第3表に示す樹脂をそれぞれ用いるほかは、
製造例Nと同様の手法を用いることによって第3表に示
す特性値をもつ架橋重合体微粒子の非水系分散液O2,P2
をそれぞれ得た。
注1)界面活性剤水溶液 ラピゾールB90:前出 シントレッキスL100:日本油脂(株)製、ラウリル硫
酸ナトリウムの商品名、有効成分100% エアロゾルMA80:アメリカンサイアナミド社製、ジヘ
キシルスルホコハク酸ナトリウムの商品名、有効成分80
% 注2)α,β−エチレン性不飽和単量体混合物 水酸基含有α,β−エチレン性不飽和単量体 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート HEA :2−ヒドロキシエチルアクリレート HPMA:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 多官能α,β−エチレン性不飽和単量体 1,4−BDDM:1,4−ブタンジオールジメタクリレート 1,6−HDDM:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート DVB :ジビニルベンゼン(有効成分60%、残り40%は
エチルビニルベンゼン) EGDM:エチレングリコールジメタクリレート その他のα,β−エチレン性不飽和単量体 St :スチレン BMA :n−ブチルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート 注3)アクリル樹脂の製造例I〜VIおよびポリエステル
樹脂の製造例VII,VIIIで得られた各種樹脂溶液 注4)JIS−K 5400 8.2加熱残分による 注5)ブルックフィールド型粘度計にて測定、60rpm、2
0℃ 注6)パシフィックサイエンティフィック社製“ナイコ
ンプ、モデル370"(商品名)にて測定 注7)三菱化成工業(株)製、KF−05型水分計により測
定 製造例BQ (a)架橋重合体微粒子の水系分散液の製造(コア/シ
ェル型乳化重合) 界面活性剤水溶液 脱イオン 380.0部 シントレッキスL100(前出,製造例AE) 7.0部 重合開始剤水溶液−1 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 コア形成α,β−エチレン性不飽和単量体混合物 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2.8部 エチレングリコールジメタクリレート 12.0部 スチレン 30.0部 n−ブチルメタクリレート 15.2部 シェル形成α,β−エチレン性不飽和単量体混合物 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 16.4部 1,4−ブタンジオールジメタクリレート 14.0部 メチルメタクリレート 9.6部 重合開始剤水溶液−2 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 製造例AA(a)と同様のフラスコに界面活性剤水溶液
を仕込み、窒素気流下80℃に昇温し重合開始剤水溶液−
1を加えた。再度80℃に昇温した後、フラスコ内の混合
物を80±2℃に保ちながらコア形成α,β−エチレン性
不飽和単量体混合物を108分かけて滴下し、引き続いて
シェル形成α,β−エチレン性不飽和単量体混合物を72
分かけて滴下した。コアおよびシェル形成α,β−エチ
レン性不飽和単量体の滴下中、コア形成α,β−エチレ
ン性不飽和単量体混合物の滴下開始1時間後から重合開
始剤水溶液−2を2時間かけて滴下した。α,β−エチ
レン性不飽和単量体混合物および重合開始剤水溶液−2
の滴下終了後、さらに80℃で2時間重合を行うことによ
って第4表に示す特性値をもつ架橋重合体微粒子の水系
分散液BQ1を得た。
(b)架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 (a)で得られた架橋重合体微粒子の水系分散液BQ1
を用い、粒子分散安定化樹脂としてアクリル樹脂の製造
例Vで得られたアクリル樹脂Vの溶液を18.5部用い、さ
らに最終加熱残分を40%としたほかは、製造例AA(b)
と同様の手法を用いることによって第4表に示す特性値
をもつ架橋重合体微粒子の非水系分散液BQ2を得た。
製造例BR〜BU (a)架橋重合体微粒子の水系分散液の製造 第4表BR〜BUに示す乳化重合組成を用い、製造例BQ
(a)と同様の操作を行うことによって、第4表に示す
特性値をもつ架橋重合体微粒子の水系分散液BR1〜BU1を
それぞれ得た。ただし、コアおよびシェル形成α,β−
エチレン性不飽和単量体混合物の滴下時間は合計3時間
とし、それぞれの滴下時間は単量体混合物全体に占める
重量割合と等しくした。
(b)架橋重合体微粒子の非水系分散液の製造 BR(a)〜BU(a)で得られた架橋重合体微粒子の水
系分散液BR1〜BU1をそれぞれ用い、また粒子分散安定化
樹脂として第4表に示す樹脂をそれぞれ用い、さらに最
終加熱残分を40%としたほかは、製造例AA(b)と同様
の手法を用いることによって第4表に示す特性値をもつ
架橋重合体微粒子の非水系分散液BR2〜BU2をそれぞれ得
た。
比較製造例V (a)不飽和エステルの製造 撹拌機、温度計、還流冷却器をつけたディーンスター
クトラップ、窒素ガス通入管を備えた四つ口フラスコに
12−ヒドロキシステアリン酸1500部を入れ、窒素ガスを
吹き込みながら昇温し、200℃の温度で撹拌し酸価が39
になったところで反応を終了し、放冷後159部のキシレ
ンを加え加熱残分90%の12−ヒドロキシステアリン酸5
モル縮合体溶液を得た。尚、この反応において72部の水
が脱離された。次いで、この12−ヒドロキシステアリン
酸5モル縮合体溶液を用いて下記組成の混合物を、撹拌
機、温度計、還流冷却器、窒素ガス通入管をつけた四つ
口フラスコ中で120℃の温度で撹拌し、加熱残分酸価が
1.0以下になるまでエステル化反応させ、加熱残分80%
の不飽和エステル溶液を得た。
12−ヒドロキシステアリン酸5モル縮合体溶液 1586.67部 グリシジルメタクリレート 142.00部 N,N−ジメチルベンジルアミン 3.93部 ハイドロキノン 1.96部 キシレン 227.94部 (b)両親媒性分散安定剤の製造 次に、撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロート
を備えた四つ口フラスコに405.0部の酢酸エチル及び20
3.4部の酢酸n−ブチルを入れ撹拌しながら還流した。
次いで還流下で下記組成の混合物を一定の添加速度で3
時間かけて添加し、更に2時間還流することによって、
加熱残分33%の両親媒性分散安定剤溶液を得た。
前記(a)の不飽和エステル溶液 275.0部 メチルメタクリレート 104.5部 アクリル酸 5.5部 アゾジイソブチロニトリル 6.6部 (c)重合体非水分散液の製造 撹拌機、還流冷却器、および返送凝縮物に液体供給物
を加える装置を備えた四つ口フラスコに下記組成の混合
物を装入した。
ミネラルスピリット 1588.0部 ヘキサン 389.0部 ヘプタン 2080.2部 メチルメタクリレート 236.4部 アゾジイソブチロニトリル 18.7部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 88.1部 上記内容物を100℃に昇温し、還流下で1時間保持し
た。次に下記成分を予備混合した後、凝縮器から返送す
る炭化水素中に、一定の添加速度で6時間かけて添加し
た。
メチルメタクリレート 4491.8部 メタクリル酸 45.8部 グリシジルメタクリレート 45.8部 アゾジイソブチロニトリル 60.2部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 945.3部 ただし、添加の最後の1時間に3.3部のトリエチレン
ジアミンを上記添加混合物中に追加混合した。添加の完
了後、反応混合物を還流下で3時間保持することによっ
て、平均粒径が0.2 μmの重合体粒子を48.2%含む加熱
残分52%の重合体非水分散液を得た。
(d)補助重合体での粒子の改質 上記工程(c)の装置を備えた四つ口フラスコに下記
成分を装入し、還流温度(115℃)に加熱した。
上記(c)の重合体非水分散液 4747.1部 エチルシクロヘキサン 1638.2部 次に、下記成分を予備混合した後、凝縮器から搬送さ
れる炭化水素に一定の添加速度で3時間かけて添加し
た。
メチルメタクリレート 313.2部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 527.1部 メタクリル酸 14.6部 ブチルメタクリレート 369.7部 2−エチルヘキシルアクリレート 101.8部 スチレン 568.8部 t−ブチルペルオキシベンゾエート 90.6部 オクチルメルカプタン 84.7部 上記(b)の両親媒性分散安定剤溶液 149.5部 添加完了後、反応混合物を2時間還流した後、次の溶
剤混合物を加えることにより、重合体粒子を25%含む加
熱残分45%の重合体非水分散液Vを得た。
n−ブチルアルコール 559.0部 キシレン 372.3部 酢酸ブチル 462.7部 (A)架橋重合体微粒子を1種類使用した場合 実施例1 (1)ベースコート用塗料の作製 アクリル樹脂の製造例Iで得られたアクリル樹脂溶液
I 76.2部 メチル化メラミン樹脂(加熱残分98%、サイメル30
3、アメリカンサイアナミド社製、商品名) 20.4部 架橋重合体微粒子の製造例AAで得られた非水系分散液
AA2 227.2部 アルミニウム顔料(加熱残分65%、アルミペースト71
60N、東洋アルミニウム(株)製、商品名) 15.4部 スルホン酸触媒(後出) 1.6部 紫外線吸収剤(チヌビン900、チバガイギー社製、商
品名)の10%キシレン溶液 10.0部 n−ブチルアルコール 1.0部 上記組成の塗料を、シンナー(トルエン/キシレン/n
−ブチルアルコール=5/3/2重量比)で塗装粘度(フォ
ードカップNo.4、20℃で14秒)に希釈することによっ
て、ベースコート用塗料を作製した。
(スルホン酸触媒の製造法) 撹拌器を取り付けた三つ口フラスコに下記組成の混合
物を入れ、室温で撹拌しながら37.2%塩酸98.1部を添加
して脱ナトリウム化した。この際、脱ナトリウム化反応
は塩酸添加後直ちに進行し、58.5部のNaClが析出した。
析出したNaClを吸引濾過により濾別した後、濾液にピリ
ジン79.0部を加え、等モルのピリジンでブロックされた
有効成分濃度(脂肪族スルホン酸)25%の脂肪族スルホ
ン酸化合物溶液を得た。
C18H37SO3Na 356.0部 n−ブチルアルコール 861.4部 (2)クリヤーコート用塗料の作製 アクリル樹脂の製造例IIで得られたアクリル樹脂溶液
II 134.5部 メチル化メラミン樹脂(加熱残分98%、サイメル30
3、アメリカンサイアナミド社製、商品名) 15.3部 架橋重合体微粒子の製造例AFで得られた非水系分散液
AF2 28.6部 チヌビン900の10%キシレン溶液(前出、(1)) 10.0部 ヒンダードアミン系光安定剤(サノールLS−C10−44
0、三共株式会社製、商品名)の10%キシレン溶液 10.0部 スルホン酸触媒(前出、(1)) 1.6部 n−ブチルアルコール 1.0部 モダフロー(モンサント社製、商品名) 0.5部 上記組成の塗料を、シンナー(トルエン/キシレン/n
−ブチルアルコール=4/4/2重量比)で塗装粘度(フォ
ードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈することによっ
て、クリヤーコート用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 リン酸亜鉛処理軟鋼板に、カチオン電着塗料(商品名
アクアNo.4200、日本油脂株式会社製)を乾燥膜厚20μ
mとなるように電着塗装し、175℃で25分間焼付け、さ
らに中塗塗料(商品名エピコNo.1500 CPシーラー、日本
油脂株式会社製)を乾燥膜厚40μmとなるようにエアー
スプレー塗装し、140℃で30分間焼付けた試験板を用意
した。この試験板に、前記(1)のベースコート用塗料
をインターバル1分30秒、2ステージで乾燥膜厚20μm
になるようにエアスプレー塗装した。3分間垂直に立て
たままセッティングした後、前記(2)のクリヤーコー
ト用塗料をエアスプレー塗装し、140℃の温度で30分間
垂直に立てたまま焼付けたところ、アルミ配向性および
タレ止め効果に優れ、平滑で高いツヤ感を有する高外観
塗膜が得られた。また、第9表に示す様に優れた塗膜外
観データ、塗膜性能を得た。
実施例2〜6 (1)ベースコート用塗料の作製 第5表に示した原料組成の混合物を、実施例1(1)
と同様の操作を行うことによって、各ベースコート用塗
料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 第6表に示した原料組成の混合物を、実施例1(2)
と同様の操作を行うことによって、各クリヤーコート用
塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1
(3)と同様の操作を行うことによって、実施例2〜6
のいずれの場合もアルミ配向性およびタレ止め効果に優
れ、平滑で高いツヤ感を有する高外観塗膜が得られた。
また、第9表に示す様に優れた塗膜外観データ、塗膜性
能を得た。
実施例7 (1)ベースコート用塗料の作製 ポリエステル樹脂の製造例VIIIで得られたポリエステ
ル樹脂溶液VIII 85.7部 架橋重合体微粒子の製造例AEで得られた非水系分散液
AE2 57.3部 アルミペースト7160N(前出,実施例1) 15.4部 チヌビン900の10%キシレン溶液(前出,実施例1) 10.0部 上記組成の混合物に、塗装直前にヘキサメチレンジイ
ソシアネート3量体(加熱残分100%、イソシアネート
基含有率21%、コロネートEH、日本ポリウレタン工業
(株)製、商品名)を40.0部添加して、シンナー(トル
エン/キシレン/酢酸n−ブチル=4/4/2重量比)で塗
装粘度(フォードカップNo.4,20℃で14秒)に希釈する
ことによってベースコート用塗料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 アクリル樹脂の製造例IIIで得られたアクリル樹脂溶
液III 101.2部 架橋重合体微粒子の製造例AIで得られた非水系分散液
AI2 28.6部 チヌビン900の10%キシレン溶液(前出、実施例1) 10.0部 サノールLS−C10−440の10%キシレン溶液(前出、実
施例1) 10.0部 上記組成の混合物に、塗装直前にコロネートEH(前
出,(1))を35.0部添加して、シンナー(キシレン/
酢酸n−ブチル=5/5重量比)で塗装粘度(フォードカ
ップNo.4,20℃で25秒)に希釈することによってクリヤ
ーコート用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1
(3)と同様の操作を行うことによって、アルミ配向性
およびタレ止め効果に優れ、平滑で高いツヤ感を有する
高外観塗膜が得られた。また、第9表に示すように優れ
た塗膜外観データ、塗膜性能を得た。
比較例1〜3 (1)ベースコート用塗料の作製 第7表に示した原料組成の混合物を、実施例1(1)
と同様の操作を行うことによって、各ベースコート用塗
料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 第8表に示した原料組成の混合物を、実施例1(2)
と同様の操作を行うことによって、各クリイヤーコート
用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1
(3)と同様の操作を行ったが、第9表に示す様に塗膜
外観性、塗膜性能共に満足する塗膜は得られなかった。
すなわち、比較例1ではアルミ配向性、タレ止め効果と
もに劣り、さらにツヤ感、平滑性が不十分で塗膜性能に
おいても不良な塗膜になってしまった。これは、ベース
コート、クリヤーコートともに添加する架橋重合体微粒
子が1重量部より少なすぎたために塗料の流動調整効果
が不十分であること、またポリオール樹脂の量が90重量
%よりも多すぎたために塗膜の耐水性が低下したことに
よると考えられる。比較例2ではタレ止め効果は十分で
あったものの、アルミ配向性、ツヤ感、平滑性、塗膜性
能に不十分な塗膜になってしまった。これは、架橋重合
体微粒子の添加量がベースコートにおいて100重量部よ
り多すぎ、かつポリオール樹脂との水酸基価の差が160
よりも大きすぎたために、ベースコートのレベリング性
が低下して塗膜の肌荒れや微小な凹凸が生じ、アルミ配
向性、ツヤ感、平滑性に不十分な塗膜になってしまっ
た。また、ベースコート、クリヤーコートともにポリオ
ール樹脂の量が30重量%よりも少なすぎたために耐酸性
にも劣ってしまった。また、比較例3では塗膜性能は十
分であったものの、アルミ配向性、ツヤ感、平滑性に不
十分な塗膜になってしまった。これは、使用している架
橋重合体微粒子が、特開昭53−133234号公報に基づく方
法であり、合成法上ポリオール樹脂との極性差を制御す
ることができないために、塗膜外観性が不十分になった
と考えられる。
注1) ポリオール樹脂:前出、第5表脚注1 (OHV)r:ポリオール樹脂の水酸基価、表中の部は固
形分重量 注2) 硬化剤:前出、実施例1、第5表脚注2 (▲▼):硬化剤の数平均分子量 注3):架橋重合体微粒子:前出、第5表脚注3 (OHV)g:架橋重合体微粒子の水酸基価、表中の部は
粒子分重量 注4) ポリオール樹脂V(d):架橋重合体微粒子V
の製造の際、粒子の改質のために作成した補助重合体。
注5) 良好:アルミニウム顔料の配向性にムラが全く
認められない。
やや不良;アルミニウム顔料の配向性にややムラが認
められる。
不良:アルミニウム顔料の配向性にムラが顕著に認め
られる。
注6) クリヤーのタレが発生する直前の膜厚 注7)20度−20度鏡面光沢度 注8) 塗膜の鮮映性を示す値(ハンター社ドリゴン変
角光沢計D47R−6Fにより測定)D/I値の高い塗膜ほど鮮
映性に優れる。
注9) 塗膜表面の凹凸の度合を表わす値(東京精密
(株)製、サーフコム554Aによりカットオフ値2.5 mm、
クリヤー膜厚40μmの部分を測定した時の中心線平均粗
さ)数値の小さい塗膜ほど表面が平滑 注10)試験片を沸騰水に3時間浸漬した後の塗膜状態を
目視観察した。
良好:塗膜に色、ツヤの変化が全く認められない 不良:塗膜に色、ツヤの変化が認められる。
注11)0.4規定HCl溶液を塗膜上に0.2 mlおとし、85℃の
温度で15分間保持したのち、水道水で洗い流した時のス
ポット跡の状態を目視観察した。
良好:塗膜に色、ツヤの変化がなく、ふくれ等の欠陥
も全く認められない。
不良:塗膜に色、ツヤの変化あるいはふくれ等の欠陥
が認められる。
(B)架橋重合体微粒子を2種類以上使用した場合 実施例8〜16 (1)ベースコート用塗料の作製 第10表に示した原料組成の混合物を、実施例1の
(1)と同様の操作を行うことによって、各ベースコー
ト用塗料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 第11表に示した原料組成の混合物を、実施例1の
(2)と同様の操作を行うことによって、各クリヤーコ
ート用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1の
(3)と同様の操作を行うことによって、実施例8〜16
のいずれの場合もアルミ配向性およびタレ止め効果に優
れ、平滑で高いツヤ感を有する第15表記載の最高水準の
塗膜外観性を示す高性能塗膜が得られた。
実施例17 (1)ベースコート用塗料の作製 アクリル樹脂の製造例VIで得られたアクリル樹脂溶液
VI 97.2部 架橋重合体微粒子の製造例BAで得られた非水系分散液
BA2 27.8部 架橋重合体微粒子の製造例BGで得られた非水系分散液
BG2 13.9部 アルミペースト7160N(前出、実施例1) 15.4部 チヌビン900の10%キシレン溶液(前出、実施例1) 10.0部 上記組成の塗料を、塗装直前にヘキサメチレンジイソ
シアネート3量体(加熱残分100%、イソシアネート基
含有率21%、コロネートEH、日本ポリウレタン工業
(株)製、商品名)を40.0部添加して、シンナー(トル
エン/キシレン/酢酸n−ブチル=4/4/2重量比)で塗
装粘度(フォードカップNo.4、20℃で14秒)に希釈する
ことによって、ベースコート用塗料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 アクリル樹脂の製造例IVで得られたアクリル樹脂溶液
IV 98.5部 架橋重合体微粒子の製造例BKで得られた非水系分散液
BK2 3.6部 架橋重合体微粒子の製造例BLで得られた非水系分散液
BL2 3.5部 チヌビン900の10%キシレン溶液(前出、実施例1) 10.0部 サノールLS−C10−440の10%キシレン溶液 10.0部 モダフロー(前出、実施例1) 0.5部 上記組成の混合物に、塗装直前にコロネートEH(前
出、(1))を40.0部添加して、シンナー(キシレン/
酢酸nブチル=5/5重量比)で塗装粘度(フォードカッ
プNo.4、20℃で25秒)に稀釈することによってクリヤー
コート用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1
(3)と同様の操作を行うことによって、アルミニウム
配向性およびタレ止め効果に優れ、平滑で高いツヤ感を
有する第15表記載の最高水準の塗膜外観性を示す高性能
塗膜が得られた。
実施例18,19 (1)ベースコート用塗料の作製 第12表に示した原料組成の混合物を、配向中メラミン
樹脂を除いてペイントシェイカーに仕込み、粘度が10μ
m以下になるまで分散した。次いで、第12表のメラミン
樹脂を仕込み、実施例1の(1)と同様の操作を行うこ
とによって、各ベースコートの希釈塗料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 実施例18では、実施例8の(2)のクリヤーコート塗
料を、実施例19では、実施例11の(2)のクリヤーコー
ト塗料をそのまま用いた。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1の
(3)と同様の操作を行うことによって、実施例18,19
のいずれの場合も、タレ止め効果に優れ、平滑で高いツ
ヤ感を有する第15表記載の高外観性で高性能な塗膜が得
られた。
実施例20,21 (1)塗料の作製 第13表に示した原料組成中、メラミン樹脂を除いてサ
ンドミルに仕込み30分間分散し、粒度を10μm以下とし
た。次いで、第13表のメラミン樹脂を仕込み各塗料を作
製した。次に、シンナー(キシレン/n−ブチルアルコー
ル=9/1重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃
で25秒)に希釈した。
(2)塗膜の作製 実施例1の(3)と同様にして電着塗膜および中塗塗
膜を作製した試験板に、前記の塗料をエアスプレー塗装
し、140℃の温度で30分間垂直に立てたまま焼付けたと
ころ、タレ止め効果に優れ、平滑で高いツヤ感を有する
第15表記載の高外観、高性能塗膜が得られた。
比較例4,5 (1)ベースコート用塗料の作製 第14表に示した原料組成の混合物を、実施例1の
(1)と同様の操作を行うことによって、各ベースコー
ト用塗料を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 第14表に示した原料組成の混合物を、実施例1の
(2)と同様の操作を行うことによって、各クリヤーコ
ート用塗料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1の
(3)と同様の操作を行ったが、第15表に示すように、
塗膜外観性、塗膜性能共に満足する塗膜は得られなかっ
た。
すなわち、比較例4では、アルミ配向性、タレ止め効
果ともに劣り、さらにツヤ感度、平滑性が不十分で塗膜
性能においても不十分な塗膜になった。これは、ベース
コート、クリヤーコート共に添加する架橋重合体微粒子
が1重量部未満であったために塗膜の流動調節作用が不
十分になり(アルミ配向性に劣りタレ限界膜厚が薄
い)、さらにはベースコートにおけるポリオール樹脂と
架橋重合体微粒子との水酸基価の差が160を越え、か
つ、ベースコートにおける架橋重合体微粒子間の水酸基
価の差xも120を越えたために、ベースコートの肌荒れ
に起因するツヤ感(20度鏡面光沢、D/I値)、平滑性
(表面粗さ)の低下を生じた。また、ベースコート、ク
リヤーコート共にポリオール樹脂の量が30重量%未満で
あるため耐酸性にも劣っている。
また特開平1−172464号公報の方法による比較例5で
は、ツヤ感(20度鏡面光沢、D/I値)、平滑性(表面粗
さ)に不十分な塗膜になった。これは、使用している架
橋重合体微粒子N2,O2,P2の粒子表面に水酸基以外のイオ
ン性基が存在するために、ポリオール樹脂との極性差を
厳密に制御することが難しく、塗膜外観性に劣ってしま
ったと考えられる。
アクリル樹脂の製造 製造例A〜F 第16表記載の滴下成分を用いるほかは、製造例I〜VI
と同様の操作を行うことによって、それぞれ第16表に示
す特性値を有するアクリル樹脂溶液A〜Fを得た。
架橋重合体微粒子の製造 製造例CE〜HE 架橋重合体微粒子の製造例BEにおいて、粒子分散安定
化樹脂としてアクリル樹脂溶液Vの代わりに各々アクリ
ル樹脂溶液A,B,C,D,EおよびFを用いるほかは、全て同
様の操作を行うことによって第17表に示す特性値を有す
る架橋重合体微粒子の非水系分散液CE2〜HE2を得た。
製造例CF〜HF 架橋重合体微粒子の製造例BFにおいて、粒子分散安定
化樹脂としてアクリル樹脂溶液Vの代わりに各々アクリ
ル樹脂溶液A,B,C,D,EおよびFを用いるほかは、全て同
様の操作を行うことによって第18表に示す特性値を有す
る架橋重合体微粒子の非水系分散液CF2〜HF2を得た。
製造例CJ〜HJ 架橋重合体微粒子の製造例BJにおいて、粒子分散安定
化樹脂としてアクリル樹脂溶液Vの代わりに各々アクリ
ル樹脂溶液A,B,C,D,EおよびFを用いるほかは、全て同
様の操作を行うことによって第19表に示す特性値を有す
る架橋重合体微粒子の非水系分散液CJ〜HJを得た。
実施例22〜25,比較例6 (1)ベースコート用塗料の作製 第20表に示した原料の混合物を、実施例1の(1)と
同様の操作を行うことによって、各ベースコート用塗料
を作製した。
(2)クリヤーコート用塗料の作製 第21表に示した原料の混合物を、実施例1の(2)と
同様の操作を行うことによって、各クリヤーコート用塗
料を作製した。
(3)塗膜の作製 得られた各塗料(1),(2)を用いて、実施例1の
(3)と同様の操作を行うことによって、実施例22〜25
および比較例6共に、架橋重合体微粒子を適正量用いて
いるため、いずれの場合もアルミ配向性およびタレ止め
効果に優れた、平滑でツヤ感を有する第22表記載の高外
観塗膜が得られた。
一方、ベースコート/クリヤーコート界面の密着性
は、実施例22〜25では、アクリル樹脂のガラス転移温度
が、ベースコート、クリヤーコート共に適正なものを用
いているため優れた塗膜密着性を示した。これに対して
比較例6は、米国特許第4276212号の方法の範囲内で、
ベースコートに用いるアクリル樹脂のガラス転移温度を
クリヤーコートのアクリル樹脂よりも高くしたものであ
るため塗膜密着性に劣った。
第22表脚注 注1)〜注9) 第9表脚注と同じ 注10)密着性の評価 塗膜をカッターナイフで素地に達する直交する縦横11
本ずつの平行線を1mmまたは2mmの間隔で引き、正方形の
碁盤目を作る。ここに幅30mmのセロハンテープを密着さ
せ、上方に引きはがし、塗膜のはがれ状態を観察。
良好:全ての正方形の一目にはがれが認められない。
不良:半分以上で正方形でベースコート/クリヤーコ
ート界面ではがれが認められる。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子表面上に反応性官能基として水酸基の
    みを有し0.001〜1.0μmの平均粒径を有する架橋重合体
    微粒子を、ポリオール樹脂30〜90重量%および水酸基と
    反応し得る硬化剤10〜70重量%とからなる樹脂固形分混
    合物100重量部に対して1〜100重量部含有してなり、上
    記架橋重合体微粒子は水酸基価(OHV)gがポリオール
    樹脂の水酸基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にあるハイソリッド塗料組成物。
  2. 【請求項2】水酸基価(OHV)gがポリオール樹脂の水
    酸基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦100 なる関係にある架橋重合体微粒子を1〜60重量部含有し
    てなりクリヤーコート用である請求項1記載のハイソリ
    ッド塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記架橋重合体微粒子が2種類以上の架橋
    重合体微粒子よりなり、それらの水酸基価(OHV)gの
    最大値と最小値の差xが 0<x≦120 である請求項1記載のハイソリッド塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記架橋重合体微粒子が該架橋重合体微粒
    子全量を基準としてそれぞれ少なくとも10重量%の2種
    類以上の架橋重合体微粒子よりなり、それらの水酸基価
    (OHV)gの最大値と最小値の差xが 10≦x≦120 である請求項3記載のハイソリッド塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記水酸基価(OHV)gの最大値と最小値
    の差xが 10≦x≦60 でありかつ架橋重合体微粒子の全含有量が1〜60重量部
    であり、クリヤーコート用である請求項4記載のハイソ
    リッド塗料組成物。
  6. 【請求項6】架橋重合体微粒子が 次の各成分 (a)水酸基含有α,β−エチレン性不飽和単量体、 (b)多官能α,β−エチレン性不飽和単量体、および (c)上記(a)および(b)以外のα,β−エチレン
    性不飽和単量体を、ソープフリー系若しくはエステル基
    含有界面活性剤の存在下で、水溶性重合開始剤を用いて
    乳化重合またはコア/シェル型乳化重合を行わせ、生成
    した重合体水系分散液に有機溶剤を加えた後、塩基性化
    合物触媒または酸性化合物触媒を添加し、懸濁状態のま
    ま95℃以下で前記エステル基含有界面活性剤および水溶
    性重合開始剤を完全に加水分解する工程と、 該懸濁液に酸性化合物または塩基性化合物を加えて
    前記塩基性化合物触媒または酸性化合物触媒を中和し、
    次いで分散安定化樹脂を加えた後、有機酸アミン塩を添
    加して静置し、系を有機層と水層との2層に分離させ水
    層を除去した後、水を加えて有機層を洗浄し、有機酸ア
    ミン塩を加えて静置し水層を分離除去する工程と、 有機層中の残存水分を除去する工程とを行うことに
    より得られる請求項1〜5のいずれかに記載のハイソリ
    ッド塗料組成物。
  7. 【請求項7】架橋重合体微粒子が前記工程における乳
    化重合により得られ、その水酸基価(OHV)gが該粒子
    全体の水酸基価である請求項6記載のハイソリッド塗料
    組成物。
  8. 【請求項8】架橋重合体微粒子が前記工程におけるコ
    ア/シェル型乳化重合により得られ、その水酸基価(OH
    V)gが該粒子のシェル部分の水酸基価である請求項6
    記載のハイソリッド塗料組成物。
  9. 【請求項9】ポリオール樹脂が、重量平均分子量3,000
    〜40,000、水酸基価30〜250、酸価30以下およびガラス
    転移温度−60〜50℃の範囲の特性値を有するアクリル樹
    脂からなる請求項1〜8のいずれかに記載のハイソリッ
    ド塗料組成物。
  10. 【請求項10】前記重量平均分子量が3,000〜15,000、
    水酸基価が50〜250、およびガラス転移温度が20〜50℃
    であり、クリヤーコート用である請求項9記載のハイソ
    リッド塗料組成物。
  11. 【請求項11】前記重量平均分子量が4,000〜40,000、
    水酸基価が30〜200およびガラス転移温度が−20〜19℃
    であり、クリヤーコート用である請求項9記載のハイソ
    リッド塗料組成物。
  12. 【請求項12】前記重量平均分子量が3,000〜15,000、
    水酸基価が50〜250およびガラス転移温度が−10〜20℃
    であり、ベースコート用である請求項9記載のハイソリ
    ッド塗料組成物。
  13. 【請求項13】前記重量平均分子量が4,000〜40,000、
    水酸基価が30〜200およびガラス転移温度が−60〜−11
    ℃であり、ベースコート用である請求項9記載のハイソ
    リッド塗料組成物。
  14. 【請求項14】被塗物とその表面を被覆する塗料組成物
    の塗膜とよりなる塗装物において、上記塗料組成物が、
    粒子表面上に反応性官能基として水酸基のみを有し0.00
    1〜1.0μmの平均粒径を有する架橋重合体微粒子を、ポ
    リオール樹脂30〜90重量%および水酸基と反応し得る硬
    化剤10〜70重量%とからなる樹脂固形分混合物100重量
    部に対して1〜100重量部含有してなり、上記架橋重合
    体微粒子は水酸基価(OHV)gがポリオール樹脂の水酸
    基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にあり、かつ該架橋重合体微粒子が2種類以上
    の架橋重合体微粒子よりなり、それらの水酸基価(OH
    V)gの最大値と最小値の差xが 0<x≦120 の範囲にあるハイソリッド塗料組成物である塗装物。
  15. 【請求項15】被塗物とその表面を被覆してなるベース
    コートと更にその上に積層されるクリヤーコートよりな
    る塗装物において、上記ベースコートが、粒子表面上に
    反応性官能基として水酸基のみを有し0.001〜1.0μmの
    平均粒径を有する架橋重合体微粒子を、ポリオール樹脂
    30〜90重量%および水酸基と反応し得る硬化剤10〜70重
    量%とからなる樹脂固形分混合物100重量部に対して1
    〜100重量部含有してなり、上記架橋重合体微粒子は水
    酸基価(OHV)gがポリオール樹脂の水酸基価(OHV)r
    と 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にあるハイソリッド塗料組成物であり、前記ク
    リヤーコートが、粒子表面上に反応性官能基として水酸
    基のみを有しかつ0.001〜1.0μmの平均粒径を有する、
    水酸基価(OHV)gがポリオール樹脂の水酸基価(OHV)
    rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦100 なる関係にある架橋重合体微粒子を1〜60重量部含有し
    てなるハイソリッド塗料組成物である塗装物。
  16. 【請求項16】被塗物上に塗料組成物を塗装する方法に
    おいて、該塗料組成物が、粒子表面上に反応性官能基と
    して水酸基のみを有し0.001〜1.0μmの平均粒径を有す
    る架橋重合体微粒子を、ポリオール樹脂30〜90重量%お
    よび水酸基と反応し得る硬化剤10〜70重量%とからなる
    樹脂固形分混合物100重量部に対して1〜100重量部含有
    してなり、上記架橋重合体微粒子は水酸基価(OHV)g
    がポリオール樹脂の水酸基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にあり、かつ該架橋重合体微粒子が2種類以上
    の架橋重合体微粒子よりなり、それらの水酸基価(OH
    V)gの最大値と最小値の差xが 0<x≦120 の範囲にあるハイソリッド塗料組成物である塗装方法。
  17. 【請求項17】被塗物上に、ベースコートとして、粒子
    表面上に反応性官能基として水酸基のみを有し0.001〜
    1.0μmの平均粒径を有する架橋重合体微粒子を、ポリ
    オール樹脂30〜90重量%および水酸基と反応し得る硬化
    剤10〜70重量%とからなる樹脂固形分混合物100重量部
    に対して1〜100重量部含有してなり、上記架橋重合体
    微粒子は水酸基価(OHV)gがポリオール樹脂の水酸基
    価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦160 なる関係にあるハイソリッド塗料組成物を塗布した後、
    更にクリヤーコートとして、粒子表面上に反応性官能基
    として水酸基のみを有し水酸基価(OHV)gがポリオー
    ル樹脂の水酸基価(OHV)rと 0≦|(OHV)r−(OHV)g|≦100 なる関係にある架橋重合体微粒子を1〜60重量部含有し
    てなるハイソリッド塗料組成物を塗り重ね、次いでベー
    スコートとクリヤーコートとを一度で焼き付けることよ
    りなる塗装方法。
JP01311553A 1989-02-09 1989-11-30 ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗装方法 Expired - Fee Related JP3041863B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19900301185 EP0382454B1 (en) 1989-02-09 1990-02-05 High solids coating composition, and coated articles and coating process using the same
ES90301185T ES2057369T3 (es) 1989-02-09 1990-02-05 Composicion de revestimiento con alto contenido en solidos, articulos revestidos y procedimiento de revestimiento que utiliza esta.
DE1990609514 DE69009514T2 (de) 1989-02-09 1990-02-05 Überzugsmittel mit hohem Feststoffanteil, damit beschichtete Gegenstände und Überzugsverfahren hierfür.
CA 2009496 CA2009496C (en) 1989-02-09 1990-02-07 High solids coating composition, and coated articles and coating process using the same

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2868289 1989-02-09
JP28285789 1989-11-01
JP1-28682 1989-11-01
JP1-282857 1989-11-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03220274A JPH03220274A (ja) 1991-09-27
JP3041863B2 true JP3041863B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=26366818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01311553A Expired - Fee Related JP3041863B2 (ja) 1989-02-09 1989-11-30 ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3041863B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4613486B2 (ja) * 2003-10-31 2011-01-19 東洋紡績株式会社 コーティング用ポリエステル系樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03220274A (ja) 1991-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5855091B2 (ja) ブロックポリイソシアネート化合物
JP5837054B6 (ja) 複層塗膜形成方法、及び塗装物品
JP2576586B2 (ja) 重合体非水分散液の製造方法、重合体非水分散液および塗料組成物
JP6073291B2 (ja) 水性塗料組成物、及び塗装物品の製造方法
JP6466977B2 (ja) 複層塗膜形成方法
EP1457525B1 (en) Water base resin composition
GB2421507A (en) Thermosetting water-based paint
JPH01287183A (ja) 水性塗料及びそれを用いる塗装法
JP2000219711A (ja) 水性コポリマ―、その製造方法および被覆用組成物でのその使用
JPWO2012137884A6 (ja) 複層塗膜形成方法、及び塗装物品
WO2013176266A1 (ja) 水性塗料組成物、複層塗膜形成方法及び複層塗膜を有する物品
JP2003525325A (ja) 高固形分焼付ラッカー用水性塗料およびその使用
JP3412919B2 (ja) 缶外面用水性塗料
WO2019064958A1 (ja) 複層塗膜形成方法
JPH09168764A (ja) 塗膜の形成方法および塗装物
GB2325935A (en) Hydrophilic resin and water-based paint
JP3041863B2 (ja) ハイソリッド塗料組成物、それを用いた塗装物および塗装方法
US7205029B2 (en) Method of providing cured coating films free of popping defects
EP0382454B1 (en) High solids coating composition, and coated articles and coating process using the same
JP2000103866A (ja) 粉体塗料の製造方法
US7163984B2 (en) Waterborne coating compositions containing monomeric difunctional compounds
JPH0859950A (ja) 高い濃度増粘率を有する水性樹脂組成物およびそれを含む水性塗料組成物
JPH11319707A (ja) 高い耐水二次密着性を有する水性塗料組成物を用いた塗装方法
JPH02289630A (ja) プラスチック用熱可塑性水性塗料及びそれを用いる塗装法
JP2002317123A (ja) 硬化性組成物および塗装仕上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees