JP3041831U - 搬送ボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 倒したりひっくり返さずとも搬送姿態のまま
で簡単な操作により廃棄物や搬送物をあけることができ
ると共に、開き状態の底板部を地上に下ろすだけで閉じ
状態に自動ロックできる搬送ボックスを提供すること。 【解決手段】 箱形のボックス本体１における底板部８
が下方へ開き可能に軸支されていると共に、この底板部
から外方へ突出状の係止ピン10がボックス本体外側面部
５に揺動可能に軸支されている係止レバー11下端の係止
部14に同係止部下側のテーパー状ガイド部13を摺擦して
係止して底板部を閉じ状態にロック可能で、且つ、この
ロック状態にバネ22で付勢されている係止レバーはボッ
クス本体外側面部脇の操作レバー21とこの操作レバーの
開動操作により係止部が係止ピンから外れ揺動可能に連
繋していて、操作レバーで係止部と係止ピンによるロッ
ク状態を解除して底板部を開き可能にしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は搬送ボックスに関し、工事現場、工場、農場、その他から発生する廃 棄物や各種の運搬物を処理先まで搬送して廃棄あるいは排出するのに有用なもの である。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、工事現場において発生する各種資材の廃棄物を処理先まで搬送するの に用いられている従来の搬送ボックスは、上面が開口した有底状のものであり、 上面の開口から投入された廃棄物を処理先まで搬送した後、同所で搬送ボックス を倒すか又はひっくり返すことにより廃棄物をあけている。 それにより、搬送ボックスを倒すか又はひっくり返すための別の動力機械が必 要であるばかりか、この動力機械を動かすことができる作業者が必要である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする課題は、倒したりひっくり返さずとも搬送姿態のままで簡単 な操作により廃棄物や搬送物をあけることができると共に、開き状態の底板部を 地上に下ろすだけで閉じ状態に自動ロックできる搬送ボックスを提供することに ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記した課題を達成するため、箱形のボックス本体における底板部が 下方へ片開きまたは両開き可能に軸支されていると共に、この底板部から外方へ 突出状の係止ピンがボックス本体外側面部に揺動可能に軸支されている係止レバ ー下端の係止部に同係止部下側のテーパー状ガイド部を摺擦して係止して底板部 を閉じ状態にロック可能で、且つ、このロック状態にバネで付勢されている前記 係止レバーはボックス本体外側面部脇の操作レバーとこの操作レバーの開動操作 により前記係止部が係止ピンから外れ揺動可能に連繋していて、前記操作レバー で前記係止部と係止ピンによるロック状態を解除して底板部を開き可能にしてあ ることを特徴とする。 また本考案では、前記底板部が片開きで、操作レバーが底板部の軸支部側のボ ックス本体外側面部脇に配設されていることを特徴とする。 また本考案では、前記係止ピンからの係止レバーの外れ揺動動作を規制して係 止状態にロックおよびロック解除操作可能な安全ロック部が備えられていること を特徴とする。

【０００５】 本考案における底板部の係止ピンとボックス本体外側面部の係止レバーは、底 板部が片開きタイプである場合には、軸支部側と反対側の側方における中央また は左右に配設され、底板部が両開きタイプである場合には、開閉方向と直交する 方向の両側方に配設されることになる。安全ロック部は、係止レバーに直接係脱 することで係止ピンとの係止状態をロックおよびロック解除操作可能な態様、操 作レバーに直接係脱することで係止レバーを係止ピンと係止状態をロックおよび ロック解除操作可能な態様、操作レバーと係止レバーとの間の伝達要素途中に配 設されていて、係止レバーを係止ピンと係止状態にロックおよびロック解除操作 可能な態様のいずれでも良く、係止レバーを係止ピンと係止状態にロックおよび ロック解除操作可能な態様であれば良い。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１乃至図７には本考案の搬送ボックスの実施の１形態を例示しており、ボッ クス本体１は箱形のもので、上側の開口部２四隅には吊り部３が配設されている と共に、上縁部４外周縁および外側面部５さらに下縁部６外周縁には補強フラン ジ部７がそれぞれ配設されていて箱形状に補強されている。 ボックス本体１の下縁部６には底板部８が後縁側の軸支部９をヒンジとして下 方へ開閉可能に取り付けられており、この底板部８の左右側縁における前端側に は係止ピン10が外方へ突出状にそれぞれ配設されている。

【０００７】 左右の係止ピン10の直上のボックス本体１における左右外側面部5a,5b 部分に は係止レバー11が揺動自在にその中央部を支軸12で軸支されており、この左右の 係止レバー11の下端にはテーパー状ガイド部13と同ガイド部13の上側に位置する 係止部14が形成されていて、底板部８の閉じ動作時に係止ピン10がテーパー状ガ イド部13に接触して摺擦して係止部14と係止可能にしてある。 左右の係止レバー11の上端には連杆15前端がそれぞれ接続しており、この連杆 15後端はボックス本体１の左右外側面部5a,5b における後方端近くの支持フラン ジ部16のガイド孔17を貫通していて、その後端はジョイント18を経て、ボックス 本体１の後外側面部5cにおける補強フランジ部７に回転可能に横架された横杆19 両端のカム20と連動状に接続していて、横杆19に固着されて後外側面部5cに沿っ ている垂直状の操作レバー21を後方へ引き操作することにより、左右の係止レバ ー11が揺動して係止ピン10から係止部14がそれぞれ外れるようにしてある。 そして、左右の連杆15はジョイント18に対して後方へ可動可能にしていて、左 右の係止レバー11が係止ピン10からそれぞれ外れ揺動動作可能にしてあると共に 、この連杆15を前方へ付勢しているバネ22を備えており、バネ圧で係止レバー11 を係止ピン10との係止状態に維持する一方で、係止ピン10が係止部14へ係止する 際には、テーパー状ガイド部13に接触して摺擦しながら上動する係止ピン10に押 されて係止レバー11が揺動動作するのを妨げず、且つ、係止ピン10がテーパー状 ガイド部13を乗り越えた時点で、係止ピン10に係止部14が係止するように係止レ バー11を弾撥して付勢している。

【０００８】 安全ロック部23は係合ピン24を、横杆19から水平状に延設されている鍔部25の 係合穴26と後外側面部5cの筒状係合孔27とに亘り係脱可能に形成してあり、係合 ピン24が係合穴26と筒状係合孔27に亘り係合された状態で横杆19が回転不能に規 制されて、操作レバー21による係止レバー11と係止部14の係脱操作ができないよ うにしてあると共に、係合ピン24を係合穴26および筒状係合孔27から抜き外した 状態で横杆19が回転可能になって、操作レバー21による係止レバー11と係止部14 の係脱操作をできるようにしてある。この係合ピン24は鎖28で後外側面部5cに吊 持されている。 また、係止レバー11上端と連杆15前端との間には係脱調整要素29が配設されて おり、係止レバー11側の片部30に対して連杆15の螺子部15a がナット31でその軸 線方向に可動調整可能に取り付けてあって、係止レバー11の係止部14と係止ピン 10との係脱が確実に行われるように調整可能にしている。 さらに、係止ピン10先端には鍔部10a が形成されていて、この鍔部10a で係止 レバー11の外方への動きを阻止することにより、係止レバー11の係止部14と係止 ピン10との係止中の間に係止ピン10から係止レバー11が外れることがないように してある。

【０００９】 次に、使用状態について説明する。 搬送物の積み込み時および搬送中の間は底板部８は閉じられている。そして、 この閉じ状態は係止ピン10に係止レバー11が弾性係止していることでロックされ 、さらに、係合穴26および筒状係合孔27に亘り係合ピン24が係合していることで 、誤って操作レバー21を動かそうとしても底板部８が開かないように二重にロッ クされている。（図１〜５参照） 搬送物の廃棄時には、先ず係合穴26および筒状係合孔27から係合ピン24を抜き 外す。然る後に、操作レバー21を後方へ倒すように引くと、係止レバー11が揺動 して係止ピン10から外れ、底板部８は自重および搬送物重量で下方へ開いて、搬 送物を廃棄する。（図６参照） 搬送物の廃棄後に底板部８を閉じる際には、操作レバー21を元に復動させて、 係止レバー11を係止ピン10と係止可能な態勢に戻した後に、ボックス本体１を降 ろす。それにともない、底板部８左右の係止ピン10がテーパー状ガイド部13に接 触して摺擦しながら係止レバー11を揺動動作させて、係止ピン10がテーパー状ガ イド部13を乗り越えた時点で、係止ピン10に係止部14が弾性係止することにより 、底板部８は再び閉じ状態に自動ロックされる。（図７参照）

【００１０】

【考案の効果】

Ａ．請求項１により、搬送ボックスを倒したりひっくり返さずとも、その搬送 姿態のままで、操作レバーを動かす簡単な操作により底板部を開いて、搬送物を あけることができると共に、開き状態の底板部を地上に下ろすだけで係止ピンが 係止レバーと係止するから、閉じ状態に自動ロックできて、工事現場、工場、農 場、その他から発生する廃棄物や各種の運搬物を処理先まで搬送して廃棄あるい は排出するのに有用である。 Ｂ．請求項２により、底板部の開き操作を安全に行うことができる。 Ｃ．請求項３により、安全ロック部をロック解除しない限り、操作レバーを誤 って操作しても底板部が開くようなことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の搬送ボックスの実施の１形態を例示
している斜視図。

【図２】 （Ａ）は拡大側面図、（Ｂ）は（１）−
（１）部分横断面図。

【図３】 部分拡大背面図。

【図４】 （Ａ）は係止レバーと係止ピンの係止関係を
示す部分拡大側面図、（Ｂ）は（２）−（２）部分横断
面図。

【図５】 （Ａ）は安全ロック部の部分拡大斜視図、
（Ｂ）は（３）−（３）部分縦断面図。

【図６】 底板部を開いた状態の側面図。

【図７】 （Ａ）および（Ｂ）は底板部を閉じる途中の
状態を示す部分拡大側面図。

【符号の説明】

１ ボックス本体 ２ 開口部 ３ 吊り部 ４ 上縁部 ５ 外側面部 5a 左外側面部 5b 右外側面部 5c 後外側面部 ６ 下縁部 ７ 補強フランジ部 ８ 底板部 ９ 軸支部 10 係止ピン 10a 鍔部 11 係止レバー 12 支軸 13 テーパー状ガイド部 14 係止部 15 連杆 15a 螺子部 16 支持フランジ部 17 ガイド孔 18 ジョイント 19 横杆 20 カム 21 操作レバー 22 バネ 23 安全ロック部 24 係合ピン 25 鍔部 26 係合穴 27 筒状係合孔 28 鎖 29 係脱調整要素 30 片部 31 ナット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱形のボックス本体における底板部が下
   方へ片開きまたは両開き可能に軸支されていると共に、
   この底板部から外方へ突出状の係止ピンがボックス本体
   外側面部に揺動可能に軸支されている係止レバー下端の
   係止部に同係止部下側のテーパー状ガイド部を摺擦して
   係止して底板部を閉じ状態にロック可能で、且つ、この
   ロック状態にバネで付勢されている前記係止レバーはボ
   ックス本体外側面部脇の操作レバーとこの操作レバーの
   開動操作により前記係止部が係止ピンから外れ揺動可能
   に連繋していて、前記操作レバーで前記係止部と係止ピ
   ンによるロック状態を解除して底板部を開き可能にして
   ある搬送ボックス。
2. 【請求項２】 前記底板部が片開きで、操作レバーが底
   板部の軸支部側のボックス本体外側面部脇に配設されて
   いる請求項１記載の搬送ボックス。
3. 【請求項３】 前記係止ピンからの係止レバーの外れ揺
   動動作を規制して係止状態にロックおよびロック解除操
   作可能な安全ロック部が備えられている請求項１または
   ２記載の搬送ボックス。