JP3041306B1 - 自律型無人潜水機用水中基地 - Google Patents

自律型無人潜水機用水中基地

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JP3041306B1
JP3041306B1 JP11233115A JP23311599A JP3041306B1 JP 3041306 B1 JP3041306 B1 JP 3041306B1 JP 11233115 A JP11233115 A JP 11233115A JP 23311599 A JP23311599 A JP 23311599A JP 3041306 B1 JP3041306 B1 JP 3041306B1
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63GOFFENSIVE OR DEFENSIVE ARRANGEMENTS ON VESSELS; MINE-LAYING; MINE-SWEEPING; SUBMARINES; AIRCRAFT CARRIERS
    • B63G8/00Underwater vessels, e.g. submarines; Equipment specially adapted therefor
    • B63G8/001Underwater vessels adapted for special purposes, e.g. unmanned underwater vessels; Equipment specially adapted therefor, e.g. docking stations
    • B63G2008/002Underwater vessels adapted for special purposes, e.g. unmanned underwater vessels; Equipment specially adapted therefor, e.g. docking stations unmanned
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63GOFFENSIVE OR DEFENSIVE ARRANGEMENTS ON VESSELS; MINE-LAYING; MINE-SWEEPING; SUBMARINES; AIRCRAFT CARRIERS
    • B63G8/00Underwater vessels, e.g. submarines; Equipment specially adapted therefor
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    • B63G2008/008Docking stations for unmanned underwater vessels, or the like

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Abstract

【要約】 【課題】 潜水機を水中基地に向って航行させる場合の
姿勢制御が難しく、水流の大きさによっては着座台上に
着座することが困難な場合も生じる。 【解決手段】 水中に設置する基台Aを設け、この基台
A上に垂直方向の軸心廻りで回転自在な着座台Bを設
け、この着座台Bに、潜水機Vが水中基地Sの位置を測
位するための信号発信器2と、着座した潜水機Vと連結
するコネクタ5とを設けるとともに、水流Wによって該
着座台Bを水流Wの方向に向ける方向安定ひれ8を設け
ることにより、水中基地Sに着座する潜水機Vを、常に
機体制御上安定した上流向きの姿勢で着座台Bへ航行さ
せて着座させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、海底調査等を行
う自律型の無人潜水機が水中で着座して動力源補給やデ
ータ交換等を行った後、続けて海底調査等を行うための
水中基地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、海底調査等を行うために、有
索無人潜水機(ROV:Remotely Operated Vehicle)や
自律型無人潜水機(AUV:Autonomous Underwater Veh
icle)が利用されているが、水中で母船からの支援を必
要とせず、母船が荒天下であっても運用できるととも
に、複数の潜水機を用いて広域で同時観測が可能とな
る、等の利点から、近年、自律型無人潜水機の開発が多
く行われている。
【0003】しかし、このような自律型無人潜水機(こ
の明細書では、単に「潜水機」という)は内蔵する動力
源(バッテリー等)を用いて航走するため、搭載エネル
ギー量により航走時間が著しく制限される。この動力源
を補給する方法として、自律型無人潜水機を母船上に引
き上げてエネルギーを補給した後、再び海面に降ろす方
法が考えられるが、この場合には、母船が海上にて待機
しておく必要があるため、運用コストが高くなるととも
に、揚収作業に多大な労力を要してしまう。また、荒天
下での母船運用や着水揚収作業は危険を伴うため、荒天
下ではこのような運用はできない。
【0004】そこで、水中での動力源補給を行う方法が
提案されており、その従来技術として、特開平3−26
6794号公報記載の発明がある。この発明では、水中
ステーション自体を有索無人機として母船から遠隔操縦
してドッキングするように構成しており、そのドッキン
グシステムとして、自律型無人潜水機を進入させること
ができる円錐形状の結合部を有する格納容器を水中に配
設し、この格納容器に自律型無人潜水機を進入させるこ
とにより結合して動力源を補給する構成が記載されてい
る(従来例1)。
【0005】また、他の従来技術として、特開平7−2
23589号公報記載の発明があり、この発明では、水
中潜水体が水中ステーションにある程度接近した段階
で、この水中ステーションに搭載した結合具を水上の母
船から遠隔操作することによってドッキングさせてい
る。そのドッキングシステムとして、水中潜水体の上下
に設けられた固定腕で水中ステーションに設置された固
定物を捕まえ、その後、水中潜水体と水中ステーション
に設けられた結合具によって結合し、自律型無人潜水機
を挟み込んで固定する構成が記載されている(従来例
2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例1の場合、水中に配設した格納容器の円錐形状結合
部に機体を進入させて結合するためには格納容器の結合
部と機体の向きを一致させながら結合させなければなら
ず、これらの向きを制御するのが非常に難しい。
【0007】また、前記従来例2の場合も、水中ステー
ションの結合具によって水中潜水体を結合させるための
制御が難しく、しかも水上からの遠隔操作となるため水
流の影響が大きい場合には結合できない場合もある。
【0008】さらに、このような潜水機を水流のある環
境下で基地に接近させる場合には、横方向や斜め方向、
後方向からの水流を受けるので多くの姿勢制御が必要と
なるとともに、水流の大きさによっては結合させること
が困難な場合も生じてしまう。かといって基地の方に種
々の仕掛けを設けることは大掛かりな設備を要するとと
もに、そのエネルギー源の確保が問題となる。
【0009】その上、いずれの従来技術でも水上母船の
支援を必要とするため、荒天下での運用ができない場合
があるとともに、運用コストが大きい等の問題がある。
しかも、これら従来技術は、最終的には遠隔操縦という
作業が必要なため、潜水機へのエネルギー補給を完全に
自律化させて行うことはできない。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、本願発明は、内蔵動力源によって水中を航
走する自律型無人潜水機が着座する水中基地であって、
前記水中に設置する基台を設け、該基台上に垂直方向の
軸心廻りで回転自在な着座台を設け、該着座台に、潜水
機が水中基地の位置を測位するための信号発信器と、着
座した潜水機と連結するコネクタとを設けるとともに、
水流によって該着座台を水流方向に向ける方向制御部材
を設けている。この明細書では、基台上で水平方向に回
転する部分を着座台という。
【0011】このように方向制御部材を装備することに
より、着座台の方位が水流(潮流)によって常に水流
(潮流)方向に向くので、水中基地Sにドッキングさせ
る潜水機を常に水流の下流側から上流側へ向って航行さ
せることができ、潜水機の機体制御上最も安定した姿勢
で水中基地に近接させて、着座できるようにすることが
できる。また、このように着座台を水流の方向に向ける
ために、複雑な機構や大量のエネルギー源を要すること
なく実現することができる。
【0012】さらに、長期間にわたって安定した水中調
査等を同一の潜水機で行うことが可能になるとともに、
水中で自律してエネルギーを補給することができるの
で、自律型無人潜水機に搭載する動力源も小型化でき
る。
【0013】前記方向制御部材を、着座台から垂直方向
に立設した方向安定ひれで構成すれば、ひれに沿って流
れる水流によって着座台を水流方向に向かせる方向制御
部材を簡単に構成することができる。
【0014】また、方向安定ひれを着座台の支持位置か
ら後方側に離間させて設ければ、水流の弱い水域でも着
座台を安定して水流に沿わせることができる。
【0015】さらに、着座台の回転を定位置で固定する
ロック装置を設けて着座台の方位を固定できるようにす
れば、水流の方向が変化するような水域でも、着座台の
方位を潜水機の航行に好ましい水流の下流側から着座台
に着座させることができる。
【0016】また、着座台に潜水機との距離を検出する
測位装置を設け、該測位装置で検出した潜水機との距離
に応じて着座台の回転を定位置で固定する制御装置を設
ければ、水流の方向が常時変化するような水域であって
も、着座台を定位置で固定して潜水機に好ましい姿勢の
方向から着座させることができる。
【0017】さらに、水流の方向を検出する流向計を設
け、該流向計によって検出した水流の向きと一致するよ
うに着座台の向きを変更する駆動手段を設ければ、水流
が弱い場合であっても、駆動手段によって着座台の向き
を水流と一致させることができるので、潜水機を水流に
向って安定した姿勢で航行させて着座させることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1は本願発明の第1実施形態
を示す水中基地の斜視図であり、図2は図1に示す水中
基地と潜水機を示す平面図である。
【0019】図1に示すように、水中基地Sは、水中の
定位置に設置される基台A(シンカー)と、この基台A
上で回転する着座台Bとから構成されており、この着座
台Bは、下方に設けられた回転支持軸1によって基台A
に支持されている。この実施形態では着座台Bと回転支
持軸1とが一体的に形成され、回転支持軸1の下端に設
けられた軸受1aによって基台A上で回転可能なように
支持されている。この回転支持軸1が着座台Bの回転軸
となる。また、基台Aは、水中の定位置に設置するため
の重錘(シンカー)の役目をしており、この例では方形
の塊状に形成されている。
【0020】一方、着座台Bは、上面が平面状で潜水機
Vの着座が可能な大きさに形成されており、その上部に
は、潜水機Vへ信号を発信するための超音波信号発信器
2と、流向計3が設けられている。この超音波信号発信
器2は、潜水機Vが自身と水中基地Sとの相対位置を検
出するための位置検出手段である。
【0021】さらに、中央部には潜水機Vを捕捉して位
置を規定するための把持ポール4と、この把持ポール4
で把持した潜水機Vが着座台B上に着座した時にドッキ
ングするための着脱コネクタ5が設けられている。この
把持ポール4は、着座台Bの所定位置から上方に立設さ
れた棒状の部材であり、潜水機Vの先端に設けられた捕
捉アーム6で潜水機Vの位置決めが可能な形状に形成さ
れている。前記コネクタ5は、把持ポール4で捕捉アー
ム6を把持した状態で潜水機Vを下降させれば、潜水機
側に設けられたコネクタ7とドッキングできる位置に設
けられている。
【0022】これらのコネクタ5,7は水中着脱コネク
タであり、水中基地Sから潜水機Vヘの電力伝送及び潜
水機Vが収集したデータを水中基地Sへ伝送するもので
あり、水中での電力供給と信号伝達を効率良く行うこと
ができるものが好ましい。このコネクタ5,7として
は、例えば、結合させた状態で環状コア端面を面接触さ
せて、電磁誘導によって水中基地S側から潜水機V側へ
電力を効率よく供給するとともに、連結状態で光ファイ
バ間の端面で光線式に信号伝達するようなものが利用可
能であり、実開平7−29502号公報に記載された電
気・光複合コネクタ等を用いることができる。
【0023】そして、この着座台Bの後方側(図の左
側)には、着座台Bを水流Wの方向に向けるための方向
制御部材である方向安定ひれ8が設けられている。この
方向安定ひれ8は、着座台Bから上方に向けて突設した
板体であり、上流側の基部から上端に向けて傾斜するよ
うに切除することによって流体抵抗を減少させた2枚の
板体が、着座台Bの両側部後方にほぼ平行に設けられて
いる。この方向安定ひれ8は他の形態であってもよく、
水流Wの力によって着座台Bを回転させることができる
ような形態であればよい。
【0024】従って、この方向安定ひれ8に沿って水流
Wが流れることによって、方向安定ひれ8は最も抵抗が
少ないように水流Wの方向に向こうとして、着座台B全
体を水流Wに沿う方向に回転させる。しかも、水流Wの
力によって着座台Bが回転させられるため、動力を要す
ることなく着座台Bを回転させることができる。さら
に、この実施形態では、方向安定ひれ8を着座台Bの上
部に設けているため、水流Wが方向安定ひれ8に当り易
いので好ましい。また、この方向安定ひれ8を着座台B
の回転中心である回転支持軸1よりも後方側に設けるこ
とにより、方向安定ひれ8に作用する水流Wによる着座
台Bを回転させるモーメントを大きくしている。
【0025】さらに、この着座台Bには、水中基地Sに
おける信号処理や電力供給制御を行う基地制御装置9が
設けられている。この基地制御装置9によって、着座台
Bが基準点(予め設定された位置)から回転した角度等
を記憶する記憶装置や、充電器、データ収集装置、水上
とのテレメトリー(telemetry)装置等が制御されてい
る。なお、他に光センサや画像センサ、ビークル固定機
構等が設けられる場合には、これらの制御も行う。
【0026】一方、自律型無人潜水機Vは、自身の位置
を検出するための音響測位装置(図示略)を有するとと
もに、自己の姿勢制御を行うための主スラスタVaと制
御スラスタ(図示略)が設けられ、本体下面に前記コネ
クタ7が設けられている。これらは内蔵された自律制御
装置によって制御されている。また、この実施形態で
は、潜水機Vの先端に上述した捕捉アーム6が設けられ
ている。なお、この潜水機Vに水中テレビカメラを設け
て画像認識によるドッキング位置および方向等を自律的
に確認させてもよい。
【0027】以上のように構成された水中基地Sに潜水
機Vが接近して着座する流れを以下に説明する。
【0028】まず、水中基地Sの着座台Bは、方向安定
ひれ8に沿って流れる水流W(潮流)によってその方向
が自動的に水流Wの方向に向けられる。この時、回転支
持軸1と基台Aとの間に設けられた軸受1aによって回
転支持軸1と着座台Bとが一体的に回転させられる。
【0029】この着座台Bの超音波信号発信器2から
は、基地方位信号を含むビーコン信号が発せられてお
り、潜水機Vはこの信号を受信して水中基地Sの水流下
流位置を算出する。潜水機Vは、この結果に基づいて潮
流中の水中基地S下流側の適当な位置まで、自身の持つ
音響測位装置を用いて移動し(図1,2では近接して示
すが潜水機は所定距離下流側に位置する)、機首を水中
基地Sの方向に向け水流Wに真向から向うように航行し
て水中基地Sへと接近する。
【0030】そして、潜水機Vは、水流Wによって水流
方向に向いている着座台Bの後流側から着座台B上に進
入し、先端に設けられた捕捉アーム6で着座台B上の把
持ポール4を把持することによりその位置決めがなされ
る。その後、図示しない制御スラスタ等で方位保持をか
けながら下降し、着座台B上に着座する。この時、潜水
機V側のコネクタ7と着座台B側のコネクタ5とが連結
され、潜水機Vは水中基地Sからの電力供給を受けると
ともに収集したデータを着脱コネクタ7から水中基地S
へ伝送する。
【0031】このデータ送信や充電等が完了すると、コ
ネクタ5,7の連結が解除され、潜水機Vが上昇すると
ともに後退して捕捉アーム6が把持ポール4から離され
る。そして、この着座台Bから離脱した潜水機Vは、引
き続き次の作業に移る。これら一連の作業は潜水機Vに
内蔵された自律制御装置と水中基地Sに設けられた基地
制御装置9によってコントロールされている。
【0032】このように、水中基地Sの着座台Bに装備
させた方向安定ひれ8で着座台Bの向きを常に水流Wの
向きと一致させているので、種々の海中作業や海中調査
を行う潜水機Vを、最も安定した姿勢で水中基地Sに接
近させて着座させることが可能となり、安定した潜水機
Vの運用が可能となる。
【0033】図3は、本願発明の第2実施形態を示す水
中基地の着座台のみの斜視図であり、上述した図1と同
一の構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
この実施形態では、潜水機Vを着座台Bに固定するため
の構成を、潜水機Vが前進することにより、着座台B上
に装備されたケージ10に機体前方が包み込まれるよう
にして潜水機Vの位置決めを行うケージ式着座方式とし
たものである。
【0034】この実施形態によっても、着座台Bは方向
安定ひれ8によって常に水流Wの方向を向くため、潜水
機Vを水流Wに向って、最も安定した状態で水中基地S
に接近させて着座させることが可能となり、安定した潜
水機Vの運用が可能となる。
【0035】図4は、本願発明の第3実施形態を示す水
中基地の着座台のみの斜視図であり、この実施形態で
は、潜水機Vを着座台Bに固定するための構成を、潜水
機V側に装備したフック11を前進する過程で水中基地
S側のフック捕捉金物12に引っかけることにより機体
の位置決めを行うフック式着座方式としたものである。
この実施形態でも、着座台Bは方向安定ひれ8によって
常に水流Wの方向を向くため、潜水機Vを水流Wに向っ
て、最も安定した状態で水中基地Sに接近させて着座さ
せることが可能となり、安定した潜水機Vの運用が可能
となる。
【0036】上述した図1〜図4に示す第1〜第3実施
形態の水中基地によれば、海底や湖底に設置された水中
基地S(充電用、データ伝送用等)に潜水機Vが容易に近
接・捕捉・着座することができるとともに、着座台Bを
水流Wの方向に向けるために特別な動力源を必要とする
ことなく回転させることができるので、着座台Bを常に
水流Wと平行となるように回転させるための機構が簡素
であるとともに、潜水機を常に水流Wに向って航行させ
るようにできるので、安定した潜水機Vの着座が可能な
水中基地Sを最小限の動力源で構成することができる。
【0037】図5は本願発明の水中基地における着座台
の回転支持部に設けたロック装置を示す斜視図である。
このロック装置Lは、上述した第1〜第3実施形態にお
いて、着座台Bの方位を定位置で固定するためのもので
あり、この例では、図1に示す回転支持軸1の下端に設
けた例を示している。
【0038】図示するように、回転支持軸1の下端にく
し型歯車13が設けられ、基台A側に電磁石14が設け
られている。そして、この電磁石14を励磁することに
よって、この電磁石14に設けられたピン14aをくし
型歯車13のくし歯13a間に挿入して回転支持軸1、
すなわち着座台Bの回転を固定するように構成されてい
る。
【0039】このロック装置Lによれば、水流Wで着座
台Bを回転させる場合には、電磁石14を無励磁の状態
としてピン14aを電磁石14内に引き込ませてくし歯
13a間に挿入していない状態とすることによって、回
転支持軸1を自由に回転可能な状態とする。そして、着
座台Bの方位を固定したい場合には、電磁石14を励磁
することによってピン14aを突出させてくし歯13a
間に挿入し、くし型歯車13の回転を固定することによ
って回転支持軸1とともに着座台Bを所定の方位角で固
定する。従って、このようなロック装置Lを設けること
により、例えば、潜水機Vが接近した時には着座台Bの
回転を固定するような運用ができる。
【0040】ところで、上述した実施形態では、水流W
によって着座台Bが水流Wに沿うように回転して自動的
に最適な方向を向くが、水流Wが小さい時には自動的に
水流Wの方向に向かない場合もある。この場合、潜水機
Vに作用する横方向や斜め方向等の水力も小さいので、
潜水機Vを姿勢制御して着座台B上に着座させることも
比較的容易にできるが、着座台Bを機械的に回転させて
常に水流Wの方向に向かせるようにしてもよい。以下、
このように機械的に回転させることができる例を説明す
る。
【0041】図6は、本願発明の水中基地における回転
支持部の一例を示す図面であり、(a) は斜視図、(b) は
連結部の側面図である。図7は、図6に示す水中基地の
基地制御装置における制御ブロック図の一例である。こ
の実施形態では、水中基地に流向計と電動機等の駆動手
段を設けて、常に着座台Bを水流Wの方向と一致させる
ようにしている。また、この実施形態では、回転支持軸
1を基台Aに固定して固定側とし、この回転支持軸1の
上部に着座台Bを回転可能に設けるとともに、この着座
台Bを強制的に回転させる回転駆動手段を設けている。
この実施形態によれば、水流Wが小さい場合であって
も、駆動手段を用いて水中基地Sの方向を変えることが
できる。以下の説明では、回転支持軸1と着座台Bとの
間の回転支持手段を説明し、上述した実施形態と同一の
構成には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0042】図示するように、回転支持軸1の上部には
着座台回転用歯車15が設けられており、この歯車15
は回転支持軸1に一体的に固定されている。この回転用
歯車15の内側には、着座台支持軸受16と回転軸17
とが設けられており、この着座台支持軸受16と回転軸
17の上面が着座台Bに固定されている。また、回転軸
17は回転支持軸1内を下方へ延設され、下端が支持軸
受17aによって回転支持軸1に支持されている。これ
らの着座台支持軸受17aと着座台支持軸受16とによ
って着座台Bが回転可能な状態で回転支持軸1に支持さ
れている。
【0043】一方、着座台Bには、軸受18によって支
持された支持軸19に沿って前記回転用歯車15と近接
又は離間するようにスライド可能なギアボックス20が
設けられている。このギアボックス20内には、回転用
歯車15と噛合するボールネジ21と、このボールネジ
21を駆動する水中サーボモータ22とが設けられてい
る。
【0044】また、このギアボックス20の反回転用歯
車側には、ギアボックス20を回転用歯車15に近接又
は離間させるスライド用水中モータ23が設けられてい
る。この水中モータ23を一方に回転させることによっ
てギアボックス20全体を回転用歯車15側へスライド
させると、ボールネジ21が回転用歯車15と噛合し、
ギアボックス20を回転用歯車15から離間させるとボ
ールネジ21が回転用歯車15から離れるように構成さ
れている。これらの水中サーボモータ22及び水中モー
タ23は、着座台Bに設けられた基地制御装置9内のバ
ッテリーによって駆動されている。なお、この基地制御
装置9内には方位計9aが内蔵されており、着座台Bの
方位を正確に把握するように構成されている。また、こ
の基地制御装置9には、着座台Bに設けられた流向計3
からの信号も入力されている。
【0045】さらに、この水中基地Sには、潜水機Vと
基地Sとの相対距離と角度を検出できる音響測位装置
(図6中略)が備えられている。この実施形態における
基地制御装置9内には、図7に示すように、前記方位計
9a以外に、回転用歯車噛合回路9bと、水中モータ制
御回路9cと、ロック判別回路9dと、水中サーボモー
タ制御回路9eとが設けられている。また、この基地制
御装置9は、流向計3と、音響測位装置Tと、水中サー
ボモータ22と、水中モータ23とに接続されている。
【0046】以上のように構成された水中基地Sによれ
ば、水中モータ23によってギアボックス20を回転用
歯車15から離すことによってボールネジ21を回転用
歯車15から離している状態では、着座台Bは軸受16
と回転軸17とによって支持されているので、回転支持
軸1に対しては回転自由な状態であり、着座台Bの方向
安定ひれ8(図1)が水流Wを受けることによって着座
台Bが水流Wの方向を向くように回転させられる。
【0047】そして、例えば水流が小さく、その水流の
力によって着座台Bの方位が水流Wの方位と一致しない
場合には、図7に示すように、無人潜水機Vと水中基地
Sとの相対距離と角度を検出する音響測位装置Tからの
信号(方位角のずれ等)が基地制御装置9内の回転用歯
車噛合回路9bへ入力され、この回転用歯車噛合回路9
bから水中モータ制御回路9cへ歯車噛合指令が出力さ
れ、この水中モータ制御回路9cから水中モータ23へ
出力されたギアボックス駆動命令によってギアボックス
20が回転用歯車15側へスライドさせられる。これに
より、ギアボックス20のボールネジ21が回転用歯車
15と噛合させられる(図6)。また、回転用歯車噛合
回路9bからは、水中サーボモータ制御回路9eへ制御
回路の「入」指令が出力される。
【0048】一方、流向計3から得られた情報と方位計
9aからの情報(基地角度)とが基地制御装置9内で比
較され、その角度偏差分の回転指令が水中サーボモータ
制御回路9eへ出力される。そして、この水中サーボモ
ータ制御回路9eへ前記回転用歯車噛合回路9bから出
力された「入」信号により、流向計3と方位計9aとの
角度偏差分だけの着座台回転命令が水中サーボモータ2
2に出力される。このようにして、着座台Bの方位と水
流Wの方位とが一致するまで水中サーボモータ22がボ
ールネジ21を回転させ、固定側の回転用歯車15の廻
りで着座台Bを回転させて水流のWの方向に向けられる
(図6)。
【0049】その後、音響測位装置Tから得られた無人
潜水機Vと水中基地Sとの相対距離がある一定の範囲内
に入ったことをロック判別回路9d(ロック時期決定)
で判別し、ここから水中サーボモータ制御回路9eへ制
御回路「切」指令が出される。この「切」指令により、
水中サーボモータ22の駆動が停止させられる。この状
態では、ボールネジ21が着座台回転用歯車15に嵌合
した状態であるため、ボールネジ21の駆動を止めれ
ば、機構上、回転用歯車15との間が摩擦によって停止
状態となり、着座台Bの回転がロックされた状態とな
る。つまり、このボールネジ21が回転用歯車15の回
転を防止するので、ロック機構として機能する。
【0050】従って、この実施形態によれば、水流Wが
小さくて着座台Bが水流方向に向かないような場合等で
あっても、水中基地S側で潜水機V側からの音響信号を
受信して音響測位装置で潜水機Vとの間の距離を算出
し、潜水機Vが水流Wの下方からある距離以内に入った
時点でボールネジ21の回転を止めることにより、回転
用歯車15をロックして潜水機Vとの相対方位をほぼ0
度に保った状態で潜水機Vを着座させるように制御する
ことができる。
【0051】図8は、本願発明の水中基地における着座
台の回転支持部の更に別例を示す要部斜視図であり、着
座台を強制的に回転させる駆動手段と、図5に示すロッ
ク装置を組合わせた例を示す斜視図である。図6に示す
構成と同一の構成には、同一符号を付して、その説明は
省略する。
【0052】図示するように、回転支持軸1の上端に着
座台回転用歯車15が設けられ、この回転用歯車15と
噛合するように中間歯車24が設けられ、この中間歯車
24と噛合するように駆動歯車26が設けられている。
中間歯車24は、着座台Bに取付けられた水中電磁石2
5によって回転用歯車15と駆動歯車26との間で嵌脱
可能なように構成されており、駆動歯車26は、着座台
Bに取付けられた水中サーボモータ27によって駆動さ
れるように構成されている。
【0053】また、ロック装置Lは、回転用歯車15の
下方に設けられたくし型歯車28で構成されており、着
座台B側に設けられた電磁石29を励磁することによっ
て、この電磁石29に設けられたピン29aをくし型歯
車28のくし歯28a間に挿入して着座台Bの回転をロ
ックするように構成されている。
【0054】このような構成によれば、着座台Bの回転
を水流Wにまかせる場合には、水中電磁石29を無励磁
の状態としてピン29aを電磁石29内に引き込ませて
くし歯28a間に嵌合していない状態にするとともに、
水中電磁石25を励磁して中間歯車24を回転用歯車1
5から離すことにより、回転用歯車15を自由回転可能
な状態にする。この状態では、上述した第1実施形態と
同様に方向安定ひれ8によって水流Wの方向に回転する
(図1)。
【0055】そして、着座台Bを強制的に回転させたい
場合には、水中電磁石25を励磁することによって中間
歯車24を回転用歯車15と駆動歯車26との間に位置
させてそれぞれの歯車と噛合させることにより、駆動歯
車26の動力を回転用歯車15に伝達して着座台Bを任
意の角度に回転させることができる。また、このような
状態で着座台Bの方位を固定したい場合には、水中電磁
石29を励磁することによってピン29aを突出させて
くし歯28a間に挿入させることにより、着座台Bを回
転支持軸1の所定方位角でロックすることができる。
【0056】また、このように構成されたロック装置L
によれば、上述した図6に示す実施形態と同様に、潜水
機Vが水流Wの下方から水中基地Sに近づき、ある距離
以内に入った時点で、水中基地S側においても潜水機V
側からの音響信号を用いて潜水機Vとの間の距離を算出
し、ある一定の範囲内となった時点で電磁石29を励磁
してピン29aをくし歯28a間に挿入して着座台Bの
回転をロックし、潜水機Vとの相対方位を0度に保った
状態で潜水機Vを安定して着座させるように構成するこ
とができる。
【0057】以上、詳述したいずれの実施形態でも、自
律型無人潜水機Vを制御上好ましい姿勢で水中基地Sに
着座させて充電等を完了させるので、母船からの支援を
要することなく数日〜数ヶ月間の長期間にわたって水中
でエネルギー補給やデータ交換等を自律して行って水中
基地Sに安定してドッキングを行いながら調査等を同一
の潜水機Vで行うことが可能となる。
【0058】また、上述したロック装置Lは一例であ
り、他の構成で着座台Bの回転をロックできるようなも
のであってもよく、上述した実施形態に限定されるもの
ではない。
【0059】さらに、水中基地Sを設置する場所や使用
条件等に応じて上述した実施形態における構成を組合わ
せてもよく、また、他の構成を組合わせてもよく、本願
発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0060】なお、上述した実施形態は一実施形態であ
り、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は
可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定される
ものではない。
【0061】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0062】水流によって水中基地の方位を水流に沿う
ように回転させるので、無人潜水機を姿勢制御上好まし
い水流方向に下流側から航走させて、安定した状態で着
座台に接近させて着座させることが可能となる。
【0063】また、特別な動力源を用いることなく水中
基地の向きを水流の向きに自動的に一致させることがで
きるので、機構が簡単で、装置の信頼性が高い水中基地
を低コストで運用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態を示す水中基地の斜視
図である。
【図2】図1に示す水中基地と潜水機を示す平面図であ
る。
【図3】本願発明の第2実施形態を示す水中基地の着座
台のみの斜視図である。
【図4】本願発明の第3実施形態を示す水中基地の着座
台のみの斜視図である。
【図5】本願発明の水中基地における着座台の回転支持
部に設けたロック装置を示す斜視図である。
【図6】本願発明の水中基地における着座台の回転支持
部の別例を示す図面であり、(a) は斜視図、(b) はその
一部の側面図である。
【図7】図6に示す水中基地の基地制御装置における制
御ブロック図の一例である。
【図8】本願発明の水中基地における着座台の回転支持
部の更に別例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1…回転支持軸 1a…軸受 2…超音波信号発信器 3…流向計 4…把持ポール 5,7…着脱コネクタ 6…捕捉アーム 8…方向安定ひれ 9…基地制御装置 9a…方位計 10…ケージ 11…フック 12…フック捕捉金物 13…くし型歯車 13a…くし歯 14…電磁石 14a…ピン 15…着座台回転用歯車 16…着座台支持軸受 17…回転軸 17a…着座台支持軸受 18…軸受 19…支持軸 20…ギアボックス 21…ボールネジ 22…水中サーボモータ 23…水中モータ 24…中間歯車 25…水中電磁石 26…駆動歯車 27…水中サーボモータ 28…くし型歯車 28a…くし歯 29…水中電磁石 29a…ピン A…基台 B…着座台 L…ロック装置 W…水流 T…音響測位装置 S…水中基地 V…自律型無人潜水機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63C 11/00 B63C 11/34 B63C 11/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内蔵動力源によって水中を航走する自律
    型無人潜水機が着座する水中基地であって、 前記水中に設置する基台を設け、該基台上に垂直方向の
    軸心廻りで回転自在な着座台を設け、該着座台に、潜水
    機が水中基地の位置を測位するための信号発信器と、着
    座した潜水機と結合するコネクタとを設けるとともに、
    水流によって該着座台を水流方向に向ける方向制御部材
    を設けたことを特徴とする自律型無人潜水機用水中基
    地。
  2. 【請求項2】 方向制御部材を、着座台から垂直方向に
    立設した方向安定ひれで構成したことを特徴とする請求
    項1記載の自律型無人潜水機用水中基地。
  3. 【請求項3】 方向安定ひれを着座台の支持位置から後
    方側に離間させて設けたことを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の自律型無人潜水機用水中基地。
  4. 【請求項4】 着座台の回転を定位置で固定するロック
    装置を設けて着座台の方位を固定できるようにしたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自律
    型無人潜水機用水中基地。
  5. 【請求項5】 着座台に潜水機との距離を検出する測位
    装置を設け、該測位装置で検出した潜水機との距離に応
    じて着座台の回転を定位置で固定する制御装置を設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の自律型無人潜水機用水
    中基地。
  6. 【請求項6】 水流の方向を検出する流向計を設け、該
    流向計によって検出した水流の向きと一致するように着
    座台の向きを変更する駆動手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の自律型無人潜水
    機用水中基地。
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