JP3041203U - 軟質合成樹脂製の度付補助レンズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常のサングラスに近眼鏡や老眼鏡等の機能
を簡易に且つ安価に付加する。 【解決手段】 サングラスの遮光レンズ３ａの湾曲面の
一部分に、度付補助レンズ１を密着状態で着脱自在に固
定する。この度付補助レンズ１は、凸レンズ又は凹レン
ズとして形成されており、シリコーン系の軟質合成樹脂
を以って一体に成形されている。そして、前記遮光レン
ズ３ａの湾曲面５に当接する面６は、該湾曲面５に合致
して湾曲している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、透光性板部の平滑な面に密着状態で着脱自在に固定される軟質合成 樹脂製の度付補助レンズに関するものである。より詳しくは、例えばサングラス 等の眼鏡のレンズに固定されることにより、その眼鏡を、近視用眼鏡、遠視用眼 鏡、老眼鏡等の機能を具えるものに簡易に且つ安価に変更することのできる軟質 合成樹脂製の度付補助レンズに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

例えば近眼者がサングラスを着用せんとするときは、度付のサングラスを入手 すれば目的を達成できることになるが、度付のサングラスは特殊なものであるた めに高価につき不経済であった。又そのデザインもオーソドックスなものに限ら れており、近年におけるファッション性に富んだサングラスを所望しても、度付 サングラスとしては入手することができなかった。

【０００３】 このような事情から、近眼者が例えばスキーを行う際にサングラスを着用せん とするときは、撥ね上げ式に構成された市販の前掛けサングラスを近眼鏡に掛着 させる方法によらざるを得なかった。この前掛けサングラスは、眼鏡への掛着部 に遮光レンズを撥ね上げ可能に取り付けてなるものであるが、これは、ファッシ ョン性に富んだ市販のサングラスに比べて非常に見劣りし、又、前掛けサングラ スを眼鏡に掛着等させる操作が面倒であり、掛着時に眼鏡を損傷する恐れもあっ た。

【０００４】 そして近眼者が老眼でもある場合は、近眼鏡と老眼鏡の双方を所持して、必要 に応じて両者を使い分けなければならない面倒さがあった。又、釣りの際等に多 用されている偏光レンズ眼鏡にあっては、その度付のものは非常に高価であった ために、要求が強いにもかかわらずこれまで殆ど提供されていなかった。その他 、近眼者が双眼鏡やカメラの接眼部を覗く場合は、近眼鏡を掛けたまま覗かざる を得ないが、眼鏡を介在させるために接眼部と目との間の距離が離れることとな り、覗きにくい問題があった。

【０００５】 このように近眼者は、サングラスや偏光レンズ眼鏡の着用に関して不便を強い られていたのであった。これに類する不便は、近業に障害を伴う遠視者や老眼者 にも生じた。

【０００６】 本考案は、かかる問題点を解決し得る軟質合成樹脂製の度付補助レンズの提供 を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案は以下の手段を採用する。 即ち本考案に係る軟質合成樹脂製の度付補助レンズ（以下度付補助レンズとい う）は、透光性板部の平滑な面に密着状態で着脱自在に固定される、凸レンズ又 は凹レンズとして形成されたことを特徴とするものである。

【０００８】 本考案に係る度付補助レンズのより具体的態様は、透光性板部の平滑な湾曲面 に密着状態で着脱自在に固定される、凸レンズ又は凹レンズとして形成された軟 質合成樹脂製の度付補助レンズであって、前記透光性板部の湾曲面に当接する面 は、該湾曲面に合致して湾曲していることを特徴とするものである。

【０００９】 前記度付補助レンズにおいて、透光性板部は、サングラス等の眼鏡のレンズを 含む。又前記各度付補助レンズは、シリコーン系の軟質合成樹脂を以って一体に 成形するのが、透光性板部への良好な密着固定状態が得られて好ましい。又度付 補助レンズの外形は、円形や半円形の他、楕円形等各種の形態に構成され得る。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜２において本考案に係る度付補助レンズ１は、例えば半円形の凸レンズ として形成されており、サングラス２を構成する遮光レンズ３ａの内面側の下側 中央部分に固定されるものである。この度付補助レンズ１は、図３に示すように 、透光性板部３としての前記遮光レンズ３ａの湾曲面５に当接する面６が、該湾 曲面５に合致して湾曲しており、全体が、例えばシリコーン系の軟質合成樹脂を 以って一体に成形されている。

【００１１】 かかる構成の度付補助レンズ１は、軟質合成樹脂製であるために、前記湾曲面 ５によく馴染んでこれに密着状態となり、その密着部が真空の状態で固定される 。これにより市販のサングラスは、容易に度付サングラスに変わることになる。

【００１２】 従って、かかる構成のサングラスを着用した老眼者が、例えば自動車の運転中 において計器の確認を行う場合、前記度付補助レンズ１を通して見ることにより 、老眼鏡を着用しているのと同様の状態で計器を見ることができる。その他、度 付補助レンズ１を通して見ることにより、読書や執筆、手元作業等の近業を容易 に行うことができる。一方、度付補助レンズの固定部以外の部分７を通して見る ことにより、サングラスとしての本来の機能で遠方を見ることができる。

【００１３】 図４は、本考案に係る度付補助レンズ１の他の実施例を示すものであり、サン グラスの遮光レンズ３ａとしての透光性板部３の内面側の略中央部に固定される 凹レンズとして形成されている。この度付補助レンズ１は、全体が、例えばシリ コーン系の軟質合成樹脂を以って一体に製造されており、図３に示すと同様に、 前記遮光レンズ３ａの湾曲面５に当接する面６は、該湾曲面５に合致して湾曲し ている。

【００１４】 従って近眼者が、かかる構成のサングラスを着用することにより、前記度付補 助レンズ１を通して、近眼鏡と同様にして遠方を見ることができる。

【００１５】 本考案に係る度付補助レンズは、双眼鏡の接眼レンズとしての遮光性板部に密 着状態で着脱自在に固定される場合もある。この場合は、接眼レンズの湾曲面に 当接する面を、該湾曲面に合致して湾曲する面として形成する。

【００１６】 又本考案に係る度付補助レンズを、水中メガネのレンズ部に固定することによ り、市販の水中メガネに、近眼鏡等の機能を付与させ得る。

【００１７】 又本考案に係る度付補助レンズは、カメラの接眼部やバイク用ヘルメットのカ バー、ゴーグル、溶接用カバー等の透光性を有する板部に固定可能であり、該透 光性板部の表面に当接する面は該板部の平滑面に合致した平面や湾曲面として形 成される。これにより、前記度付補助レンズを通して見る場合に、前記板部は近 眼鏡等の機能を持つことになる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成しているため、以下の如き優れた効果を奏する。 本考案に係る度付補助レンズは、その軟質合成樹脂の密着性によって、サング ラス等の眼鏡のレンズや、双眼鏡、カメラ等の接眼部等としての透光性板部に密 着状態で着脱自在に固定することができる。

【００１９】 これにより、サングラス等に、近眼鏡や遠視用眼鏡、老眼鏡の機能を簡易且つ 経済的に付加させることができると共に、度付補助レンズを取り外すことにより 、透光性板部を当初の状態に容易に戻すことができる。

【００２０】 より具体的には、本考案に係る度付補助レンズをサングラスに応用することに より、近眼者であっても、ファッション性に富むサングラスを、外観上の違和感 を生じさせることなく、容易且つ経済的に、度付サングラスに変更することがで きる。又従来の前掛けサングラスのような、遮光レンズを上げ下げする面倒さも 解消できる。かかることから本考案は、近眼者にとって、従来においては達成し 得られなかった大きな利点をもたらすものとなる。

【００２１】 又、凸レンズからなる度付補助レンズを近眼鏡のレンズに固定することにより 、その近眼鏡を老眼鏡としても兼用できることとなり、近眼鏡と老眼鏡の両方を 所持する不経済を解消できる。

【００２２】 又、非常に高価な偏光の度付レンズと同様の機能を、本考案の度付補助レンズ を度無し偏向レンズに固定することによって、簡易に且つ経済的に得ることがで きる。

【００２３】 又、カメラや双眼鏡に対して本考案を応用するときは、近眼者であっても眼鏡 を外して双眼鏡等を覗くことができ、双眼鏡等の使用感を向上させることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】度付補助レンズをサングラスのレンズに固定し
た状態を示す正面図である。

【図２】度付補助レンズを、それが固定されるサングラ
スの一部分と共に示す斜視図である。

【図３】透光性板部に度付補助レンズを固定した状態を
示す断面図である。

【図４】度付補助レンズをサングラスに固定した他の態
様を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 度付補助レンズ ２ サングラス ３ 透光性板部 ３ａ 遮光レンズ ５ 湾曲面 ６ 当接する面

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透光性板部の平滑な面に密着状態で着脱
   自在に固定される、凸レンズ又は凹レンズとして形成さ
   れたことを特徴とする軟質合成樹脂製の度付補助レン
   ズ。
2. 【請求項２】 透光性板部の平滑な湾曲面に密着状態で
   着脱自在に固定される、凸レンズ又は凹レンズとして形
   成された軟質合成樹脂製の度付補助レンズであって、前
   記透光性板部の湾曲面に当接する面は、該湾曲面に合致
   して湾曲していることを特徴とする軟質合成樹脂製の度
   付補助レンズ。
3. 【請求項３】 透光性板部はサングラスの遮光レンズで
   あることを特徴とする請求項２記載の軟質合成樹脂製の
   度付補助レンズ。
4. 【請求項４】 シリコーン系の軟質合成樹脂を以って一
   体に成形されていることを特徴とする請求項１〜３のい
   ずれかに記載の軟質合成樹脂製の度付補助レンズ。