JP3039838U - 鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の鼻緒付靴中敷は、靴内で嵩張り履心地
が悪く、足の保健上非衛生で、フィット性にも乏しく未
だ実用されていない。そこで本願と同一出願人において
上記従来のものの欠点を解消する「鼻緒代用突部と衝撃
吸収部を設けた靴中敷」（実用新案登録第３０２３７２
７号）を開発したが、稍々生産性と耐久性に欠くところ
があり、本考案は上記考案の欠点を解消し、省力的、低
コストで生産でき耐久性があり、装着取換が簡便でクッ
ション性とフィット性に富み、足の保健上有効な単一素
材により一体成型してなる鼻緒代用突部を設けた靴中敷
を提供する。 【解決手段】 靴中敷において、ゴムを用いて一体成型
により、靴Ｂを履いたとき足の第１指ａ_１と第２指ａ_２
の付け根間が当接する中敷本体１の爪先部に、中央部に
平面笏形状の縦孔２′を有する側面Ｔ字形状の鼻緒代用
突部２を設け、中敷本体の表面に抗菌性、消臭性、吸湿
性、即乾性に優れ、膚ざわりの良い不織布又はニツト織
物３を被覆してなる鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、靴中敷において、ゴム又は合成樹脂材により中敷本体の爪先部に 鼻緒代用突部を一体成型により設けてなることを特徴とする鼻緒代用突部を設け てなる靴中敷に関し、本願と同一出願人の出願に係る実用新案登録第３０２３７ ２７号（実願平７−１２２７８号）の発展的改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、靴中敷は、シート状に形成された敷皮のみによるものが殆どであるが、 最近になってシート材に鼻緒を取付けたものが一、二開発されている。しかし、 これら開示の鼻緒付き靴中敷は、フィット性及びグリップ感に乏しく、足の衛生 上にも適切さを欠き、かつ生産性に乏しい等の欠点があって、未だ活用されてい ない実状である。例えば実開昭６３−９５８０６号の「健康増進用の靴」にかか る考案において開示されている「鼻緒付きシート材」なるものは、靴と一体的に 形成され、靴の甲被が柔軟な材料で形成されていることを必要とし、かつ、鼻緒 は従来の下駄、草履に使用されている鼻緒の形態のままのものを使用するもので あるから靴内で嵩張り、これを履いたとき窮屈さを免れず、従って足の保健上非 衛生的なものであり、かつ構成が複雑で生産に手間を要し、しかも、取り替え不 可能である等の欠点があった。又実開平４−３１５０５号により開示されている 「鼻緒つき靴の敷皮」なる考案も、その主たるものは前記先願考案例と同様従来 の下駄、草履に使用されている鼻緒をそのままの形状で敷皮に装着して成るもの であって、前記考案と同様の欠点があり、なお、添付図面の第２図で示されてい るものは、その構成が稍々不明であるが、その形態から推しておよそ鼻緒の用を 十分果たし得ないものと思われる。

【０００３】 そこで、本願出願人においては、上記従来のものの欠点を解消するため、「合 成樹脂製シートによりなる中底の表面に抗菌性、吸収性に優れ、膚ざわりの良い ニット織物を被覆してなる中敷本体の踵部下面に合成樹脂発泡体による衝撃吸収 部材を装着し、靴を履いたとき足の第１指と第２指の付け根間が当接する中敷本 体の爪先部に、合成樹脂発泡体にニット織物を被覆してなるＴ字形状の鼻緒代用 突部を装着して成る鼻緒代用突部と衝撃吸収部を設けてなる靴中敷を開発し、該 考案を平成７年１０月１２日付（実願７−１２２７８号）をもって登録出願し、 平成８年２月７日付実用新案登録（第３０２３７２７号）（平成８年１１月５日 付技術評価書）を受けたものでありますが、該考案においては、中敷本体と鼻緒 代用突部及び衝撃吸収部とは別体で組立てたもので、かつ鼻緒代用突部の構成が 稍々複雑で、しかも中敷本体への取付けに手間を要し、従って生産コストが割高 のため、これが構成の単純化による省力化と生産費の低減化が望まれていた。

【０００４】

【考案が解決しょうとする課題】

上記従来の各技術における欠点を解消すると共に、本願と同一出願人の出願に 係る前記実用新案登録第３０２３７２７号考案の欠点を解消するため、該登録考 案の構成を根本的に合理化することにより省力的で生産性が高く、取扱いの簡便 な鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため種々試作研究の結果、靴中敷において、靴 を履いたとき足の第１指と第２指の付け根間が当接する中敷本体の爪先部に、中 央部に平面ほぼ笏形状（前方を広い幅とする）の縦孔を有する側面Ｔ字形状の伸 縮性鼻緒代用突部を、ゴム又は合成樹脂シートにより、中敷本体と一体成型によ り設け、かつ中敷本体の表面に抗菌性、消臭性及び吸湿性、即乾性に優れ、柔軟 で膚ざわりの良い適宜の厚みの不織布又はニット織物を被覆して成ることを特徴 とする鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷を開発するに至り上記課題を解決し得た 。

【０００６】 上記による本考案は、前記従来の技術の欠点を解消することはもとより、更に 本願と同一出願人の出願に係る前記登録実用新案の考案を改良し、同考案におい て設けていた中敷本体踵部の合成樹脂発泡体からなる衝撃吸収材は、これを廃し 、さらに同考案においては中敷本体と鼻緒代用突部とを別体により組立てていた ものを、ゴム又は合成樹脂材により一体成型し、かつ鼻緒代用突部の構成を単純 化することにより、品質、形状が安定し、生産性を大きく高め、又上記考案に比 して、靴内で嵩張らず、クッション性、フィット性においても、より優れ、軽快 に歩行でき、足の保健上極めて有効で、さらに装着容易で随時簡便に取換えでき る等の作用効果を奏するものである。

【０００７】 なお、本考案の靴中敷は、中敷本体と鼻緒代用突部とを一体成型してなるもの を基本型とするものであって、これによれば、素材の弾力性により、足を靴に入 れる際窮屈さが全くなく、足の第１指と第２指が鼻緒代用突部を挟む際もソフト に当たり長時間履いても痛みを覚えるおそれもなく、極めて履き心地のよい作用 効果がある。 又本考案を、中敷本体と鼻緒代用突部とを合成樹脂材により一体 成型してなるものによっても、ゴムにより一体成型してなる上記のものに比して クツション性においで劣るが、それ以外においては同様の作用効果を奏する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

次に本考案の実施形態を添付図面に基づいて説明する。 靴中敷において、人造ゴム又は天然ゴムを素材に用いて一体成型により、靴Ｂ を履いたとき足ａの第１指ａ_１と第２指ａ_２との付け根間が当接する中敷本体１ の爪先部に、中央部に平面ほぼ笏形状で前方を後方より幅広くした縦孔２′を設 けた側面Ｔ字形状の鼻緒代用突部２を設け、その際上記中敷本体１は、前部より 後方にかけて順次その厚みを厚くする（前端において約３ｍｍとし、後端におい て約６ｍｍとする）ように成型し、さらに成型された上記中敷本体の表面に、抗 菌性、消臭性及び吸湿性、即乾性に優れ、かつ柔軟で膚ざわりの良い不織布３を 被覆することにより、本考案の鼻緒代用突部を設けた靴中敷Ｓが完成される。な お、上記鼻緒代用突部における縦孔２′は、その伸縮性と強度を勘案し、中敷本 体の表面に被覆する不織布の表面の水平線上の位置まで貫通させ、足の第１指と 第２指の付け根間に適切に挟み得るようにする。

【０００９】

【考案の効果】

この考案の鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷は、既述の通り本願と同一出願人 の出願に係る実用新案登録第３０２３７２７号考案を根本的に改良したもので、 該登録考案の構成を合理的に単純化して省力化により生産性を著しく高めると共 にクツション性とフィット性を高め、かつ一体成型による品質の保持と形状の安 定性を向上し、長期使用に耐える効果を奏するものであって、靴と足との間にソ フトにフィットすると共にグリップ感があり、爪先のコントロールを柔軟に良く して、しかも足の踏ん張りが効き、又全体的にクッション性を有することから履 き心地よく軽快に歩行でき、足裏の筋肉の疲労を少なくすると共に親指に発生し がちな外反母趾等の罹患を防止する効果がある。更に中敷本体の表面には抗菌性 、消臭性及び吸湿性、即乾性に優れた不織布又はニット織布を被覆しているので 靴内を衛生的に保ち得られ、足裏の汗を素早く吸収乾燥するため、湿疹等の発生 を防止し、素足でも使用し得られる効果がある。又装着が至極簡便で随時取換え ができるため、あらゆる種類の靴に有効に適用し得られ、特に安全靴、ゴム長靴 、その他作業靴やスポーツシューズ等フィット性、グリップ性、クッション性が 要求される靴においてその効果を発揮する。しかも前記の通り極めて生産性に優 れ安価に提供し得られる効果がある等便益多大な靴中敷ということができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の完成斜視図である。

【図２】本考案の完成平面図である。

【図３】Ａ−Ａ線断面図である。

【図４】本考案の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ｓ 靴中敷 １ 中敷本体 ２ 鼻緒代用突部 ２′ 鼻緒代用突部の縦孔 ａ 足 ａ_１ 第１指 ａ_２ 第２指 ３ 不織布 Ｂ 靴

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴中敷において、人造ゴム叉は天然ゴム
   を用いて一体成型により、靴を履いたとき足の第１指と
   第２指の付け根間が当接する中敷本体の爪先部に、中央
   部に平面ほぼ笏形状の縦孔を有する側面Ｔ字形状の伸縮
   性鼻緒代用突部を設け、中敷本体の表面に抗菌性、消臭
   性及び吸湿性、即乾性に優れ、柔軟で膚ざわりの良い適
   宜の厚みの不織布又はニット織物を被覆して成ることを
   ことを特徴とする鼻緒代用突部を設けてなる靴中敷。
2. 【請求項２】 中敷本体と鼻緒代用突部とをプラスチッ
   クシート等の合成樹脂材により一体成型して成ることを
   特徴とする請求項１記載の鼻緒代用突部を設けてなる靴
   中敷。