JP3039644B1 - 可逆的チキソトロピ―性を有するセメント焼成用補助燃料組成物 - Google Patents

可逆的チキソトロピ―性を有するセメント焼成用補助燃料組成物

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JP3039644B1
JP3039644B1 JP11042147A JP4214799A JP3039644B1 JP 3039644 B1 JP3039644 B1 JP 3039644B1 JP 11042147 A JP11042147 A JP 11042147A JP 4214799 A JP4214799 A JP 4214799A JP 3039644 B1 JP3039644 B1 JP 3039644B1
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    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

【要約】 【課題】 貯蔵中の水と油の分離を防ぎ、かつ砂、泥、
錆などの固形分の分離を防ぐことができる上、流動時に
は粘度が低くなって容易に配管輸送、噴霧燃焼時などを
行えるセメント焼成用補助燃料を提供する。 【解決手段】 2種以上の廃棄物からなる、油分と水分
とを含む液体成分と、セメント原料成分を含有する固形
分と、さらに必要に応じて添加されるその他の固形分と
を含む液体廃棄物と、組成物全体に可逆的チキソトロピ
ー性を付与するために所定量含有される変性材料とを必
須成分として含有し、特定の粘度−剪断速度の特性を有
する液状セメント焼成用補助燃料組成物により課題を解
決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆的チキソトロピ
ー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、油および水を含む廃棄物の油と水
を乳化して液状燃料として再利用する試みは、種々なさ
れており、水および油を乳化する方法(特開平7−16
6178号公報)、または水と油の乳化物に廃プラスチ
ック微粉末を分散する方法(特開平4−332792号
公報、特開平4−363391号公報)、水と油の乳化
物に廃プラスチック、ゴムくず、木くずを分散させる方
法(特開平10−130670号公報)などがある。
【0003】前記特開平7−166178号公報には、
送液する際の詰まりなどのトラブルを防止するため、2
5℃における粘度が2,000センチポイズ以下の低粘
度の液体燃料組成物を製造する方法が開示されている。
この液体燃料組成物に固形分を含有させてもよいが、固
形分は粉砕して、例えば直径1mm以下に細粒化するこ
とが好ましいことが開示されている。同様な低粘度の液
体燃料組成物に固体を分散させる前記特開平10−13
0670号公報の場合は、分散固形分の粒径は0.00
01〜1mmと開示されている。
【0004】油を含む廃棄物には、砂や泥、鉄錆などの
ように、水、油などの液体とは大幅に比重の違う粒径の
大きな固体が含まれる場合が多く、更に発熱量増加の目
的で廃プラスチックやゴムくずなどの固形分を混入する
と、水と油を安定的に乳化できたとしても、これらの固
形分が液状燃料の貯蔵中に沈降または浮上して、液体燃
料として実設備での使用に供することができなくなる。
【0005】固形分の沈降または浮上速度は液体成分の
比重、粘度、固形分の比重および粒径などで決まるもの
であり、固形分の貯蔵中の沈降、浮上分離現象を防ぐに
は、乳化した液状燃料の粘度を上げる必要がある。しか
しあまり粘度を上げると、ポンプによる圧送ができなく
なり液状燃料として使用できなくなるという問題があ
る。
【0006】前記したように、廃棄物には雑多な固形分
が含まれるため、簡単な配管中のミキサーで固形分を解
砕すると最大3mm程度のものが発生する。それを1m
m以下に粉砕するためには破砕機または粉砕機が必要に
なり、固形分を液状混合廃棄物中に分散させるためには
廃棄物を物理的な形状や大きさで前処理選別するか、2
次廃棄物として別途処理するなどの処理が必要となり、
煩雑で、コストアップになる問題があった。
【0007】また、セメントの原料となるカルシウム、
アルミニウム、珪素を含む比重の大きな粉粒体性状の廃
棄物は多く排出されるが、セメント焼成用液体補助燃料
に混入すると圧送ライン中での詰まりや堆積、貯蔵中の
沈降分離などの問題で流体としての取り扱いは難しく、
粉粒体として煩雑な固形物ハンドリングを介して供給さ
れているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するものであり、貯蔵中などの静止状態では極端に
粘度が高く、配管輸送、噴霧燃焼時などの流動時には粘
度が低くなり、またこれを繰り返しても静止状態では極
端に粘度が高く、配管輸送、噴霧燃焼時などの流動時に
は粘度が低くなり、貯蔵中の水と油の分離を抑えるとと
もに、砂、泥、錆などの固形分の分離を防ぎ、更に液体
成分とは比重の違う、粒径の比較的大きな廃プラスチッ
ク粉末、木くず、ゴムくずやセメント原料成分を含む粉
粒体形状の固形分を含む廃棄物なども安定的に混入して
使用することができるセメント焼成用補助燃料を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、2
種以上の廃棄物からなる、油分と水分とを含む液体成分
と、セメント原料成分を含有する固形分と、さらに必要
に応じて添加されるその他の固形分とを含む液体廃棄物
と、組成物全体に可逆的チキソトロピー性を付与するた
に含有される変性材料とを必須成分とする液状セメン
ト焼成用補助燃料組成物であって、20℃における粘度
が、1.48剪断速度(sec -1 )の低剪断速度の領域
では2,000〜50、000センチポイズ、14.8
剪断速度(sec -1 )の高剪断速度の領域においては、
1.48剪断速度(sec -1 )の領域における粘度の1
/10以下の粘度を示し、さらにこれを超える高剪断速
度の領域においては5,000センチポイズ以下である
粘度特性を有し、0剪断速度〜低剪断速度の領域では高
粘性を示すので構成成分の沈降、浮上などによる分離が
抑制され、前記領域を超える高剪断速度の領域において
は低粘性を示すので配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行
うことができることを特徴とする可逆的チキソトロピー
性を有するセメント焼成用補助燃料組成物に関するもの
である。
【0010】
【0011】本発明の請求項2は、請求項1に記載のセ
メント焼成用補助燃料組成物において、発熱量が3,0
00(kcal/kg)以上で、組成物全体に対する全
Cl含有量が3,000ppm以下に調整することを特
徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3は、請求項1あるいは請
求項2に記載のセメント焼成用補助燃料組成物におい
て、W/O型あるいはO/W型あるいは多層型エマルジ
ョンであり、分散滴の全重量の50%以上が直径1〜1
0ミクロンの範囲に分布することを特徴とするものであ
る。
【0013】本発明の請求項4は、請求項1から請求項
のいずれかに記載のセメント焼成用補助燃料組成物に
おいて、前記変性材料が、前記液体廃棄物の前記固形分
および/または前記液体成分にあらかじめ含まれること
を特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項5は、請求項1から請求項
のいずれかに記載のセメント焼成用補助燃料組成物に
おいて、前記変性材料が、組成物全体に対して0.05
〜20重量%含まれることを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項6は、請求項1から請求項
のいずれかに記載のセメント焼成用補助燃料組成物に
おいて、全固形分が組成物全体に対して5〜50重量
%、油分と水分を含む全液体成分が組成物全体に対して
95〜50重量%であることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項7は、請求項1から請求項
のいずれかに記載のセメント焼成用補助燃料組成物に
おいて、カルシウム、アルミニウム、珪素などのセメン
トの原料となしえる成分を含む固形廃棄物を、最大3m
mの粒径で組成物中に含むことができることを特徴とす
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
油分および/または水分を含む液体成分、あるいはさら
に固形分を含む液状の廃棄物として、具体的には例え
ば、有機性汚泥、下水道汚泥、上水道汚泥、活性汚泥、
ベントナイト汚泥、研磨汚泥、無機性汚泥、排水処理汚
泥、タンクスラッジなどの汚泥、鉱物系廃油、動物性
油、植物性油、廃溶剤、洗浄油、潤滑油、圧延油、廃イ
ンキ、廃塗料、廃脂肪酸、アルコール発酵廃液、無機廃
酸、有機廃酸、アミノ酸廃液、写真現像廃液、脱硫廃
液、油絞り滓、糊滓などの動植物性残さなどを挙げるこ
とができる。
【0018】これらの液状の廃棄物の油分としては炭化
水素類、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、
ケトン類、エーテル類、脂肪酸類、油脂、エステル類な
どの1種あるいは2種以上の混合物が挙げられる。
【0019】本発明においては前記液状の廃棄物の内2
種類以上を混合して使用することが好ましい。本発明に
おいては特に前記液状の廃棄物の内2種類以上を混合し
た組成物が、油分と水分が乳化してO/W型エマルジョ
ンまたはW/O型エマルジョンまたは多層型エマルジョ
ンを形成するものがさらに好ましく使用できる。
【0020】本発明において必須成分として用いるセメ
ント原料成分を含有する固形分とはカルシウム、アルミ
ニウム、珪素などセメント原料となし得る無機成分を含
有する固形分であり、このような固形分を含む廃棄物の
具体例としては例えば、燃料焼却残渣、石炭がら、産業
廃棄物焼却残渣、ボトムアッシュ、無機性汚泥、セメン
ト汚泥、上水道汚泥、ベントナイト汚泥、研磨汚泥、下
水道汚泥、ビルピット汚泥、タンクスラッジ、廃白土な
どの汚泥、ガラスくず、陶磁器くず、セメント製品く
ず、レンガくず、高炉スラグ、転炉スラグ、電気炉スラ
グ、サンドブラスト廃砂、鋳物廃砂、コンクリートく
ず、瓦くず、燃料焼却ダスト、フライアッシュ、乾燥炉
ダストなどを挙げることができる。これらのセメント原
料成分を含む固形分を含む廃棄物を最大3mmの粒径で
本発明のセメント焼成用補助燃料組成物に含むことがで
きる。
【0021】本発明においては、本発明のセメント焼成
用補助燃料組成物が貯蔵中などの静止状態では極端に粘
度が高く、配管輸送、噴霧燃焼時などの流動時には粘度
が低くなり、またこれを繰り返しても静止状態では再び
極端に粘度が高くなり、配管輸送、噴霧燃焼時などの流
動時には粘度が低くなるようないわゆる可逆的チキソト
ロピー性を組成物全体に対して付与するために、変性材
料を所定量含有させることが肝要である。
【0022】本発明に用いる変性材料としては、具体的
には例えば、フッ素四珪素雲母、モンモリナイト、酸化
第二鉄、五酸化バナジウム、白土類、セルロース、シリ
カ粉末、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、スメク
タイトなどを挙げることができる。
【0023】本発明に用いる変性材料としては、特に、
粒径が10ミクロン以下の微粒子で前記O/W型エマル
ジョンまたはW/O型エマルジョンまたは多層型エマル
ジョンの連続相に分散することにより、乳化物に可逆的
チキソトロピー性を発現させる変性材料が好ましく、さ
らに粒子の形が線状もしくは板状など異方性を持つ変性
材料が可逆的チキソトロピー性付与能が高いのでさらに
好ましい。
【0024】本発明に用いる他の変性材料としては、具
体的には例えば、ポリアマイド、12―ヒドロキシステ
アリン酸、ジベンジリデンソルビトール、ポリアクリル
酸誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースなどセルロース誘導体、ベントナイト、
キサンタンガム、グアガム、ウエランガムなどの多糖類
及びその誘導体、ポリエーテルエステル型界面活性剤、
金属セッケン、酸化ポリエチレンワックス、高級アルコ
ール、アマニ油、水添ひまし油、ろう類、溶剤型クロロ
プレンゴムなどを挙げることができ、これらの変性材料
はエマルジョンの連続相に溶解もしくは膨潤することに
より乳化物に可逆的チキソトロピー性を発揮するもので
ある。
【0025】本発明においては、これらの変性材料の単
独もしくは2種以上の混合物からなる変性材料を使用で
きる。
【0026】本発明においては、これらの変性材料が、
前記液状の廃棄物中の固形分や液体成分にあらかじめ含
まれていたり、あるいは前記セメント原料成分を含む固
形分や、必要に応じて本発明のセメント焼成用補助燃料
組成物に添加されるその他の固形分にあらかじめ含まれ
ている場合は、それらをそのまま本発明における変性材
料として使用することができる。
【0027】前記変性材料の種類および配合量は、本発
明の液状セメント焼成用補助燃料組成物が0剪断速度〜
低剪断速度の領域では高粘性を示すので構成成分の沈
降、浮上などによる分離が抑制され、前記領域を超える
高剪断速度の領域においては低粘性を示すので配管輸
送、噴霧燃焼などを容易に行うことができ、再度、0剪
断速度〜低剪断速度の領域に戻すと高粘性を示して、構
成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、再度、
前記領域を超える高剪断速度の領域とすると低粘性を示
して配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行うことができる
ような可逆的チキソトロピー性を付与するように選定さ
れることが肝要である。
【0028】前記変性材料の配合量の具体例としては、
本発明の液状セメント焼成用補助燃料組成物の組成物全
体に対して好ましくは0.05〜20重量%、さらに好
ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.5〜
10重量%含まれる例を挙げることができる。0.05
重量%未満では、変性材料の種類や変性特性及び粒度に
もよるが可逆的チキソトロピー性を付与できない恐れが
あり、また20重量%を超えると高せん断速度領域での
粘度が5,000センチポイズを超える恐れがあり配管
圧送などが困難となる。
【0029】本発明の液状セメント焼成用補助燃料組成
物の具体例として、全固形分が液体成分をも含めた組成
物全体に対して好ましくは5〜50重量%、さらに好ま
しくは10〜40重量%、特に好ましくは、10〜30
重量%になるように調整した例を挙げることができる。
全固形分が50重量%を超えると高せん断速度の領域で
の粘度が上がって配管輸送が困難になる恐れがある。下
限値を5重量%としたのは通常の前記液状の廃棄物には
5重量%程度の固形物が含まれているからである。
【0030】一般的な撹拌機混合で作られるO/W型エ
マルジョンまたはW/O型エマルジョンまたは多層型エ
マルジョンの連続相内の分散滴は、直径0.01〜10
0ミクロン程度で、分散滴の全重量の90%以上が5〜
50ミクロンの範囲に分布していることが分かってい
る。
【0031】前記変性材料が、前記液状の廃棄物中の固
形分や液体成分にあらかじめ含まれていたり、あるいは
前記セメント原料成分を含む固形分や、必要に応じて本
発明のセメント焼成用補助燃料組成物に添加されるその
他の固形分にあらかじめ含まれており、それらをそのま
ま本発明における変性材料として使用して得られた本発
明の液状セメント焼成用補助燃料組成物の場合は、この
段階ですでに可逆的チキソトロピー性を発現しているこ
とが、可変撹拌機の動力変化などにより確認することが
できる。この時の分散滴の分布を測定すると、分散滴の
全重量の90%以上が、1〜50ミクロンの範囲に分布
し、分散滴の全重量の50%以上が1〜10ミクロンの
範囲に分布していることが分かる。
【0032】一方、液状成分内に可逆的チキソトロピー
性を付与する前記変性材料が含まれない液状セメント焼
成用補助燃料組成物の場合には、前記一般的なエマルジ
ョンの場合と同様に分散滴の直径は0.01〜100ミ
クロン程度で、分散滴の全重量の90%以上が5〜50
ミクロンの範囲に分布している。そこでこの可逆的チキ
ソトロピー性を発現しなかった液状セメント焼成用補助
燃料組成物に、前記変性材料を混入し撹拌すると、可変
撹拌機の動力変化などにより、可逆的チキソトロピー性
が発現することが確認できる。この時の分散滴の分布を
測定すると、重量90%以上が、1〜50ミクロンの範
囲に広く分布し、さらに重量50%以上が1〜10ミク
ロンの範囲に分布している。
【0033】また、液状で可逆的チキソトロピー性を発
現したセメント焼成用補助燃料組成物に、さらに必要に
応じて他の固形分を加えてもその分散滴の分布傾向は変
わらず、可逆的チキソトロピー性が保持される。
【0034】図1は、本発明のセメント焼成用補助燃料
組成物の一実施形態の静止時の凝集構造を顕微鏡で観察
した結果を基にして模式的に説明する説明図である。図
1に示すように、静止時における本発明のセメント焼成
用補助燃料組成物1は、液体成分からなる連続相2中に
大きな分散滴(他の液体成分)3、小さな分散滴(他の
液体成分)4、セメント原料成分を含有する固形分5
(図1において5Aは粒径約3mmのセメント原料成分
を含有する固形分を示す)、その他の固形分(プラスチ
ックス)6、変性材料7などが分散した状態になってい
る。
【0035】そして、変性材料7の分散状態を観察する
と、変性材料7は静止時においてはその大部分の粒子が
弱く連結して図1に示したようなストラクチャー7Aを
形成して、連続相2中に分散した状態になっている。こ
のような複数のストラクチャー7Aが連続相2中に分散
することにより各ストラクチャー7A間で凝集構造8が
形成されて粘度が上昇し、大きな分散滴3、小さな分散
滴4、セメント原料成分を含有する固形分5、5A、そ
の他の固形分6などが沈降したり浮上したりせず、分離
が抑制される。
【0036】そしてこのセメント焼成用補助燃料組成物
1に前記領域の高剪断速度を与える高剪断応力を付与す
ると、連結してストラクチャー7Aを形成していた変性
材料7の各粒子がばらばらに離れて凝集構造8が破壊さ
れて、低粘性を示すようになる。低粘性を示すようにな
ると、配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行うことができ
る。このような現象により本発明でいう可逆的チキソト
ロピー性が発現していると考えられる。もちろん本発明
において可逆的チキソトロピー性が発現する原因や理由
はこの考え方に限定されるものではない。
【0037】一方、分散滴の分布状態を観察すると、分
布した分散滴間で、大きな分散滴3の回りに小さな分散
滴4が集まる形の図1に示すような凝集構造9を形成し
ているのが確認できる。このようになる細かい原因など
は良く分からないが、この分散滴間の凝集構造9が、変
性材料7の前記凝集構造8との相乗作用により本発明で
いう可逆的チキソトロピー性のより効果的発現の一因と
なっているものと考えられる。つまり、静止時には、大
きな分散滴3の回りに小さな分散滴4が集まる形の弱い
凝集構造9を形成してエマルジョンの粘度が上昇し、ま
た配管輸送時などにはこの凝集構造9が壊れて、粘度が
大幅に減少するものと考えられる。もちろん本発明にお
いて可逆的チキソトロピー性がより効果的に発現する原
因や理由はこの考え方に限定されるものではない。
【0038】本発明において、前記液状の廃棄物の内2
種類以上を混合した組成物が初期の乳化段階でうまく乳
化しない場合には、一般に乳化剤として使用される界面
活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性
剤、脂肪酸4級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活
性剤、イミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤な
どを用いて乳化させてもよい。また、炭酸ナトリウム、
珪酸ナトリウム、ポリ燐酸ナトリウムなどのアルカリ性
物質を加えて乳化させてもよい。更に、乳化剤とアルカ
リ性物質を併用して乳化を行うこともできる。
【0039】本発明の可逆的チキソトロピー性を有する
セメント焼成用補助燃料組成物に、必要に応じて固形廃
プラスチック粉末または破砕物、木くず粉末または破砕
物、ゴムくず粉末または破砕物、繊維くず、紙くず粉末
または破砕物などの固形物を発熱量増加剤あるいは発熱
量調節剤として加えても構わない。
【0040】以上のようにして乳化・混合して得られた
本発明の可逆的チキソトロピー性を有するセメント焼成
用補助燃料組成物は、芝浦システム(株)製単一筒型回
転粘度計(型式VS−A)を用いて、20℃において回
転数が6回転/分(1.48せん断速度(sec-1))
の粘度が好ましくは2,000〜50,000センチポ
イズ、さらに好ましくは3,000〜30,000セン
チポイズ、特に好ましくは5,000〜20,000セ
ンチポイズであり、更に回転数が60回転/分(14.
8せん断速度(sec-1))の粘度が、6回転/分の粘
度の1/10以下になるように調整することが好まし
い。2,000センチポアズ未満であると、乳化混合し
た廃棄物混合物の貯蔵中に固形分の沈降または浮上分離
が起こる恐れがあり、また50,000センチポアズを
超えると60回転での粘度が5,000センチポアズ以
上となり配管圧送や噴霧燃焼などが困難となる。回転数
が60回転/分の粘度が、6回転/分の粘度の1/10
を超えると配管圧送や噴霧燃焼などが困難となる。
【0041】更に本発明の可逆的チキソトロピー性を有
するセメント焼成用補助燃料組成物を使用するために
は、噴霧時の安定燃焼が必要であり、拡散火炎燃焼の安
定化のために発熱量を3,000kcal/kg以上と
することが好ましい。
【0042】また、本発明の可逆的チキソトロピー性を
有するセメント焼成用補助燃料組成物の使用時の炉体や
燃焼器の高温腐食を防ぐために、塩化水素の発生を抑制
する必要があり、そのためには塩素含有量は3000p
pm以下とすることが好ましい。
【0043】
【実施例】以下本発明を、実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明するが、本発明は本発明の主旨を逸脱
しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】表1に、各実施例で使用したNo.1〜N
o.11の廃棄物名、廃棄物の油分(重量%)、水分
(重量%)、固形分(重量%)、発熱量(Kcal/k
g)および各種の廃棄物No.1〜No.11に含まれ
る変性材料名および変性材料の含有量(重量%)を示
す。表1に示した変性材料であるベントナイト、微小無
機粉末(無機汚泥)、炭素粉末(廃カーボン)はいずれ
も粒径が10ミクロン以下の微粒子である。
【0045】表2に、各実施例で使用したセメント原料
成分を含有する固形分No.12〜No.16およびN
o.(表2中、No.の廃白土以外は粒径が最大3
mmの粒径を有するものである)の化学組成を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】(実施例1)表1、表2に示した、変性材
料を含みかつセメント原料成分を含むベントナイト汚泥
(ベントナイト含有量18%)600gと廃油―A40
0g、を撹拌機に入れ3分間撹拌して得られた本発明の
セメント焼成用補助燃料組成物のエマルジョンの形状は
O/W型エマルジョンであり、物理的化学的性状は以下
の様であった。 発熱量 3,400kcal/kg 塩素含有量 800ppm 粘度(20℃)(使用粘度計、芝浦システム(株)製単
一筒型回転粘度計、形式VS−A、測定温度 20℃) 6回転/分 8,500センチポイズ 60回転/分 720センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を7日間静置し
たが、油分、水分、固形分の分離は生じなかった。7日
間静置した本発明のセメント焼成用補助燃料組成物混合
物の粘度を同様にして測定した結果以下のようであり、
可逆的チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分 9,050センチポイズ 60回転/分 750センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0049】(実施例2)表1に示した廃油―A400
g、含油廃水600gを撹拌機に入れ、3分間撹拌した
乳化物のエマルジョン形状はO/W型エマルジョンであ
り、実施例1と同様にして測定した20℃の粘度は以下
の様であった。 粘度(20℃) 6回転/分 560センチポイズ 60回転/分 230センチポイズ 本乳化物は1日静置すると、油の約1/5が分離浮上し
て来た。上記乳化物700gに、可逆的チキソトロピー
性を付与する変性材料を含む廃棄物として表1に示した
無機汚泥200gおよびセメント原料成分を含む固形分
として表2に示した鋳物廃砂100gを加えさらに3分
間撹拌して得られた本発明のセメント焼成用補助燃料組
成物(乳化物)のエマルジョン形状はO/W型エマルジ
ョンであり、実施例1と同様にして測定した物理化学的
性質は以下の様であった。 発熱量 3,100kcal/kg 塩素含有量 1,200ppm 粘度(20℃) 6回転/分 1,8000センチポイス 60回転/分 1,540センチポイズ
【0050】この本発明のセメント焼成用補助燃料組成
物を7日間静置したが、水、油、鋳物廃砂を含む固形物
の分離及び沈殿は起きなかった。7日間静置した本発明
のセメント焼成用補助燃料混合物の粘度を実施例1と同
様に測定した結果以下の様であり、可逆的チキソトロピ
ー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分 17,500センチポイズ 60回転/分 1,580センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0051】(実施例3)表1に示した廃油―A500
g、タンクスラッジ200g、廃水300gを撹拌機に
入れ3分間撹拌した乳化物のエマルジョン形状はW/O
型エマルジョンであり、実施例1と同様にして測定した
粘度は以下に様であった。 粘度(20℃) 6回転/分 700センチポイズ 60回転/分 550センチポイズ 本乳化物を12時間静置したところ、油の約1/4が分
離浮上し、水の約1/3が分離し、容器下部に溜まって
来た。上記乳化物800gに可逆的チキソトロピー性を
付与する変性材料を含みかつセメント原料成分を含む固
形分を含む廃棄物として表1、2に示した廃白土100
g、セメント原料成分を含む他の固形分として表2に示
した陶磁器くず破砕物100gを加え、3分間撹拌した
本発明のセメント焼成用補助燃料組成物(乳化物)のエ
マルジョン形状はW/O型エマルジョンであり、実施例
1と同様にして測定した物理化学的性質は以下の様であ
った。 発熱量 4,760kcal/kg 塩素含有量 1,100ppm 粘度(20℃) 6回転/分 15,200センチポイズ 60回転/分 1,420センチポイズ
【0052】本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を
7日間静置したが油、水の分離は起こらず、更に粒径が
細かい陶磁器くず破砕物はもちろん、粒径の1mm〜3
mmの破砕物の沈降も起こらなかった。7日間静置した
本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の粘度を実施例
1と同様にして測定した結果以下のようであり、可逆的
チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分 16,100センチポイズ 60回転/分 1,480センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0053】(実施例4)表1に示した含油廃水500
g、植物性廃油500gを撹拌機に入れ3分間撹拌して
得られた乳化物のエマルジョン形状はW/O型エマルジ
ョンであり実施例1と同様にして測定した粘度は以下の
様である。 粘度(20℃) 6回転/分 110センチポイズ 60回転/分 80センチポイズ 本乳化物を1日静置したところ、油の約1/5が分離浮
上し、水の約1/3が分離して容器下部に溜まって来
た。上記乳化物800gに、表1に示した可逆的チキソ
トロピー性を付与する変性材料を含む廃ろう粉末100
g、およびセメント原料成分を含む固形分として表2に
示した高炉スラグ破砕物100gを加えて3分間撹拌し
て得られた本発明のセメント焼成用補助燃料組成物(乳
化物)のエマルジョン形状はW/O型エマルジョンであ
り、実施例1と同様にして測定した物理化学的性質は以
下の様であった。 発熱量 4,850kcal/kg 塩素含有量 500ppm 粘度(20℃) 6回転/分 15,600センチポイズ 60回転/分 1,100センチポイズ
【0054】本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を
7日間静置しておいたが、油と水の分離は起こらず、更
に粒径の細かい固形物はもちろんのこと、粒径1mm〜
3mmの高炉スラグ破砕物の沈降も起らなかった。7日
間静置した本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の粘
度を実施例1と同様にして測定した結果以下のようであ
り、可逆的チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分 16,700センチポイズ 60回転/分 1,300センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0055】(実施例5)表1に示したタンクスラッジ
400g、廃溶剤200g、廃水400gを撹拌機に入
れ3分間撹拌して得られた乳化物のエマルジョン形状は
W/O型エマルジョンであり、実施例1と同様にして測
定した粘度は以下の様である。 粘度(20℃) 6回転/分 5,500センチポイズ 60回転/分 420センチポイズ 本乳化物を1日静置したところ、油の約1/4が分離浮
上し、また水の約1/3が分離して容器下部に溜まっ
た。上記乳化物750gに可逆的チキソトロピー性を付
与する変性材料を含む廃棄物として表1に示した廃カー
ボン100g、セメント原料成分を含有する固形分とし
て表2に示した転炉スラグ破砕物150gを加え3分間
撹拌して得られた本発明のセメント焼成用補助燃料組成
物(乳化物)のエマルジョンの形状はW/O型エマルジ
ョンであり実施例1と同様にして測定した物理化学的性
質は以下の様である。 発熱量 3,600kcal/kg 塩素含有量 1,100ppm 粘度(20℃) 6回転/分 5,500センチポイズ 60回転/分 500センチポイズ
【0056】本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を
7日間静置したが、油及び水の分離は起こらず、更に粒
径の細かい固形物はもちろんのこと1mm〜3mmの転
炉スラグ破砕物の沈降も起こらなかった。7日間静置し
た本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の粘度を実施
例1と同様にして測定した結果以下のようであり、可逆
的チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分 5,800センチポイズ 60回転/分 520センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0057】すなわち実施例5の本発明のセメント焼成
用補助燃料組成物を某セメント株式会社工場内の水平3
00m(呼び径80A)の配管中を約1m3 /分の流速
でポンプ輸送すると、配管圧損は4.5kgf/cm2
を示し、配管中の堆積や詰まりもなく問題なく輸送する
ことができた。さらに移送後のサービスタンク内では再
び高粘性を示し、固形物の沈降などは確認されなかっ
た。このセメント焼成用補助燃料組成物が粘度500セ
ンチポイズのニュートン流体であると仮定すると上記配
管の圧力損失は、約25kgf/cm2 と計算される
が、このセメント焼成用補助燃料組成物は可逆的チキソ
トロピー性を有する非ニュートン流体であるため実際の
圧力損失は4.5kgf/cm2 となっている。n=
0.1のべき乗モデルで上記配管輸送の状態を計算して
みると、非ニュートン流体の配管圧力損失の工学式を用
いて、圧力損失が4.5kgf/cm2 となるように計
算すると、配管内流体の見掛け粘度は約150センチポ
イズと計算される。一方、配管内の平均速度は3.3m
/sと計算され、配管口径から配管内のずり速度は、約
80(sec-1)と計算される。このずり速度80(s
ec-1)で配管内流体の見掛け粘度150センチポイズ
は、後記の図2に示す粘度−剪断速度の関係が実装置に
おいて成り立っていることが判る。
【0058】(実施例6)表1に示した廃油―A800
g、可逆的チキソトロピー性を付与する変性材料を含む
廃カーボン100gと、更にチキソトロピー性を付与す
る変性材料を含みかつセメント原料成分を含む固形分を
含む廃棄物として表1、表2に示した廃白土100gを
撹拌機に入れ3分間撹拌して得られる混合物(乳化して
おらず単に各成分が安定的に混合している状態の本発明
のセメント焼成用補助燃料組成物)の物理化学的性状は
実施例1と同様にして測定した結果以下の様であった。 発熱量 8,100Kcal/Kg 塩素含有量 1,600ppm 粘度(20℃) 6回転/分 6,300センチポイズ 60回転/分 550センチポイズ
【0059】本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を
7日間静置したが、油分、水分、固形分の分離は生じな
かった。7日間静置した本発明のセメント焼成用補助燃
料組成物の粘度を実施例1と同様にして測定した結果以
下のようであり、可逆的チキソトロピー性を有する。 粘度(20℃) 6回転/分 6,800センチポイズ 60回転/分 530センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0060】図2は、上記実施例1〜実施例6の本発明
のセメント焼成用補助燃料組成物について実施例1と同
様にして測定した粘度(20℃、センチポアズ)と剪断
速度(sec-1)の関係を示すグラフである。図2にお
いて点線で示した粘度範囲は本発明における好ましい粘
度範囲を示し、破線で示した粘度範囲は本発明における
より好ましい粘度範囲を示し、実線で示した粘度範囲は
本発明における特に好ましい粘度範囲を示す。
【0061】
【発明の効果】2種以上の廃棄物からなる、油分と水分
とを含む液体成分と、セメント原料成分を含有する固形
分と、さらに必要に応じて添加されるその他の固形分と
を含む液体廃棄物と、組成物全体に可逆的チキソトロピ
ー性を付与するために所定量含有される変性材料とを必
須成分とする液状セメント焼成用補助燃料組成物であっ
て、0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すの
で構成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前
記領域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示
すので配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行うことができ
る本発明の可逆的チキソトロピー性を有するセメント焼
成用補助燃料組成物は、撹拌、配管輸送などのように、
混合物に応力を加えると粘度が急激に低下して容易に圧
送、噴霧燃焼ができ、また静置すると粘度が上昇して油
分と水分の分離を防止し、かつ廃棄物に含まれている
砂、泥、鉄錆などの固形分の沈降を防ぐことにより配管
輸送停止時における配管内でのこれら固形分の沈降を防
ぎ、配管の閉塞事故を防ぐことができる。タンク間の移
し替えなどの送液の際には低粘度で、タンクに静置され
ると再び、高粘度に可逆的に戻ることができる。更に廃
プラスチック粉末、木くず、ゴムくずなどの水や油と比
重の異なる可燃性粉末を混入して固形分による発熱量の
増加、調整が容易に行える。
【0062】20℃における粘度が、1.48剪断速度
(sec-1)の低剪断速度の領域では約2,000〜5
0,000センチポイズ、14.8剪断速度(se
-1)の高剪断速度の領域においては、1.48剪断速
度(sec-1)の領域における粘度の1/10以下の粘
度を示し、さらにこれを超える高剪断速度の領域におい
ては約5,000センチポイズ以下である本発明のセメ
ント焼成用補助燃料組成物は、実際の撹拌、配管輸送な
どにおいて応力を加えると粘度が上記のように急激に低
下して容易に圧送、噴霧燃焼ができ、また静置するか上
記低剪断速度の領域で粘度が上記のように上昇して油分
と水分の分離が防止でき、廃棄物に含まれている砂、
泥、鉄錆などの固形分の沈降をより防ぐことができ、そ
の結果配管の閉塞事故を防ぐことができる。
【0063】発熱量が3,000(kcal/kg)以
上で、Cl含有量が3,000ppm以下に調整した本
発明のセメント焼成用補助燃料組成物は、安定した噴霧
燃焼を行うことができ、かつ炉体や燃焼器の高温腐食を
防止できる。
【0064】W/O型あるいはO/W型あるいは多層型
エマルジョンであり、分散滴の全重量の50%以上が直
径1〜10ミクロンの範囲に分布する本発明のセメント
焼成用補助燃料組成物は、実際の撹拌、配管輸送などに
おいて応力を加えると粘度が上記のように急激に低下し
て容易に圧送、噴霧燃焼ができ、また静置するか上記低
剪断速度の領域で粘度が上記のように上昇して油分と水
分の分離が防止でき、廃棄物に含まれている砂、泥、鉄
錆などの固形分の沈降をより防ぐことができる上、貯蔵
時や輸送時の安定性により優れている。
【0065】前記変性材料が、前記液体廃棄物の前記固
形分および/または前記液体成分にあらかじめ含まれる
本発明のセメント焼成用補助燃料組成物は、変性材料を
別に添加しなくても本発明の作用・効果が得られるの
で、製造工程が少なくなるなど製造が容易になり、経済
性が向上する。
【0066】前記変性材料が、組成物全体に対して0.
05〜20重量%含まれる本発明のセメント焼成用補助
燃料組成物は、実際の撹拌、配管輸送などにおいて応力
を加えると粘度が上記のように急激に低下して容易に圧
送、噴霧燃焼ができ、また静置するか上記低剪断速度の
領域で粘度が上記のように上昇して油分と水分の分離が
防止でき、廃棄物に含まれている砂、泥、鉄錆などの固
形分の沈降をより防ぐことにより配管の閉塞事故を防ぐ
ことができる。
【0067】全固形分が組成物全体に対して5〜50重
量%、油分と水分含む全液体成分が組成物全体に対して
95〜50重量%である本発明のセメント焼成用補助燃
料組成物は、一般的な液状の廃棄物を使用できる上、一
般的な配管輸送を容易に行うことができる。
【0068】カルシウム、アルミニウム、珪素などのセ
メントの原料となしえる成分を含む固形廃棄物を、最大
3mmの粒径で組成物中に含むことができる本発明のセ
メント焼成用補助燃料組成物は、セメント補助燃料とし
て適している上、特別な前選別などを行う必要がなくな
り、経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の一
実施形態の静止時の凝集構造を顕微鏡で観察した結果を
基にして模式的に説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施例におけるセメント焼成用補助
燃料組成物の粘度と剪断速度の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物 2 連続相 3 大きな分散滴 4 小さな分散滴 5 セメント原料成分を含有する固形分 5A 粒径約3mmのセメント原料成分を含有する固形
分 6 その他の固形分 7 変性材料 7A ストラクチャー 8、9 凝集構造

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の廃棄物からなる、油分と水分
    とを含む液体成分と、セメント原料成分を含有する固形
    分と、さらに必要に応じて添加されるその他の固形分と
    を含む液体廃棄物と、組成物全体に可逆的チキソトロピ
    ー性を付与するために含有される変性材料とを必須成分
    とする液状セメント焼成用補助燃料組成物であって、20℃における粘度が、1.48剪断速度(sec -1
    の低剪断速度の領域では2,000〜50、000セン
    チポイズ、14.8剪断速度(sec -1 )の高剪断速度
    の領域においては、1.48剪断速度(sec -1 )の領
    域における粘度の1/10以下の粘度を示し、さらにこ
    れを超える高剪断速度の領域においては5,000セン
    チポイズ以下である粘度特性を有し、 0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すので構
    成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前記領
    域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示すの
    で配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行うことができるこ
    とを特徴とする可逆的チキソトロピー性を有するセメン
    ト焼成用補助燃料組成物。
  2. 【請求項2】 発熱量が3,000(kcal/kg)
    以上で、組成物全体に対する全Cl含有量が3,000
    ppm以下に調整することを特徴とする請求項1に記載
    のセメント焼成用補助燃料組成物。
  3. 【請求項3】 W/O型あるいはO/W型あるいは多層
    型エマルジョンであり、分散滴の全重量の50%以上が
    直径1〜10ミクロンの範囲に分布することを特徴とす
    る請求項1あるいは請求項2に記載のセメント焼成用補
    助燃料組成物。
  4. 【請求項4】 前記変性材料が、前記液体廃棄物の前記
    固形分および/または前記液体成分にあらかじめ含まれ
    ることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに
    記載のセメント焼成用補助燃料組成物。
  5. 【請求項5】 前記変性材料が、組成物全体に対して
    0.05〜20重量%含まれることを特徴とする請求項
    1から請求項のいずれかに記載のセメント焼成用補助
    燃料組成物。
  6. 【請求項6】 全固形分が組成物全体に対して5〜50
    重量%、油分と水分を含む全液体成分が組成物全体に対
    して95〜50重量%であることを特徴とする請求項1
    から請求項のいずれかに記載のセメント焼成用補助燃
    料組成物。
  7. 【請求項7】 カルシウム、アルミニウム、珪素などの
    セメントの原料となしえる成分を含む固形廃棄物を、最
    大3mmの粒径で組成物中に含むことができることを特
    徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のセメ
    ント焼成用補助燃料組成物。
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