JP3038893U - インクリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジに設けられるボビンの該キャリッ
ジからの飛び出しが防止できるインクリボンカセットを
提供する。 【解決手段】 インクリボンカセットを、外周面に複数
個のリブ１１１を高さ方向に有する一対のボビンを備え
るキャリッジに、該ハブ２の内周面２ｂに設けられた案
内部７，７間に該リブ１１１を嵌入させるようにして表
裏反転自在に装着させ、該キャリッジを移動させて一方
の該ボビンを回転させることにより該インクリボンを走
行させるようにしたインクリボンカセットにおいて、上
記インクリボンカセットを表面又は裏面にして上記キャ
リッジにそれぞれ装着させた場合、上記ハブ２の内周面
２ｂにおける、上記各リブ１１１の上端部の上方にそれ
ぞれボビン飛び出し防止用突起８を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、インクリボンカセットに関し、特にキャリッジに設けられるボビン の該キャリッジからの飛び出しが防止できるインクリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

インクリボンカセットは、図８に示すように、カセット１０１内に、インクリ ボン１０２が巻回された一対の円筒体よりなるハブ１０３，１０３を回転可能に 収納した構成とされ、プリンタに設けられるキャリッジ１０４に対して反転可能 に装着されるようになされている。

【０００３】 キャリッジ１０４には、上記各ハブ１０３，１０３にそれぞれ嵌入係合して該 各ハブ１０３，１０３を回転させるための一対のボビン１０５，１０５が設けら れている。一方のボビン１０５は、キャリッジ１０４に設けられた歯車装置によ り該キャリッジ１０４の移動に伴って回転するようになされており、他方のボビ ン１０５は、単にキャリッジ１０４に対して回転可能に取り付けられている。な お、キャリッジ１０４の移動に伴って回転駆動するボビン１０５を、以下、駆動 側ボビン１０５という。

【０００４】 駆動側ボビン１０５は、図９に示すように、ハブ１０３の中心孔に嵌入する円 筒体部１０６と、この円筒体部１０６の中心に設けられる円筒形状の支持軸１０ ７とからなっている。そして、この駆動側ボビン１０５は、上記支持軸１０７の 中心孔１０７ａに第１の平歯車１０８の中心に一体的に設けた回転軸１０９を挿 入させると共に、該回転軸１０９に設けた段差部１１３に該支持軸１０７の開口 端に設けたつば部１１０を係止させることによって、該第１の歯車１０８と共に 回転するようになっている。

【０００５】 また、第１の歯車１０８は、フェルト１１４を介してその上に設けられた第２ の歯車１１５と共に回転するようになっている。この第２の歯車１１５は、図示 しない駆動装置によって回転するようになされている。なお、第２の歯車１１５ 上には、フェルト１１６及びプレート１１７がこの順に設けられている。

【０００６】 そして、上記駆動側ボビン１０５は、上記支持軸１０７の外周囲に取り囲むよ うにして設けられたコイルバネ１１８によって、図９中矢印Ａで示す方向に上下 動するようになされている。また、この駆動側ボビン１０５は、上記つば部１１ ０が上記回転軸１０９の段差部１１３に係止されることにより、該回転軸１０９ から抜け出ないようにされている。

【０００７】 そして、両ボビン１０５の円筒体部１０６の外周面には、高さ方向に延びるリ ブ１１１が所定間隔を隔てて複数形成されている。これらリブ１１１は、円筒体 部１０６の外周を均等に３分割した位置にそれぞれ設けられている。また、これ ら各リブ１１１は、図１０及び図１１に示すハブ１０３の内周面１０３ａにそれ ぞれ高さ方向に延在する細長い突起として形成された複数個の案内部１１２のう ち、隣り合う案内部１１２間に、図１２中実線で示すように嵌入係合するように なされている。なお、図１１及び図１２は、ハブ１０３の内周面１０３ａを平面 的に展開した展開図である。

【０００８】 上記リブ１１１が、図１２に示すように、隣り合う案内部１１２間に嵌入係合 することで、ボビン１０５の回転がハブ１０３に伝達される。なお、インクリボ ンカセットを反転してキャリッジ１０４に装着した場合には、図１２中二点鎖線 で示すように、各リブ１１１は、隣り合う案内部１１２間に嵌入係合する。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記ボビン１０５のつば部１１０が長期間の使用により疲労破壊した 場合、ボビン１０５は、コイルバネ１１８により常に上方に付勢された状態にあ るためキャリッジ１０４から飛び出てしまう虞れがある。

【００１０】 従って、本考案の目的は、キャリッジに設けられるボビンの該キャリッジから の飛び出しを防止できるインクリボンカセットを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、インクリボンが巻回された円筒体よりなる一対のハブ をカセット内に回転可能に収納してなる該カセットを、外周面に複数個のリブを 高さ方向に有する一対のボビンを備えるキャリッジに、該ハブの内周面に設けら れた複数個の案内部間に該リブを嵌入させるようにして表裏反転自在に装着させ 、該キャリッジを移動させて一方の該ボビンを回転させることにより該インクリ ボンを走行させるようにしたインクリボンカセットにおいて、上記インクリボン カセットを表面又は裏面にして上記キャリッジにそれぞれ装着させた場合、上記 ハブの内周面における、上記各リブの上端部の上方にそれぞれボビン飛び出し防 止用の突起を設けたことを特徴とするインクリボンカセットを提供することによ り、上記の目的を達成したものである。

【００１２】 請求項２記載の考案は、上記ボビン飛び出し防止用の突起は、隣接する一対の 上記案内部の上端部間又は下端部間にそれぞれ一つ置きに連設して設けられ、且 つ上下方向において互い違いに反転した形で設けられており、複数個の該突起及 び複数個の該案内部は無端状に連設された一本の突状帯を形成していることを特 徴とする請求項１記載のインクリボンカセットを提供することにより、上記の目 的を達成したものである。

【００１３】 請求項３記載の考案は、インクリボンが巻回された円筒体よりなる一対のハブ をカセット内に回転可能に収納してなる該カセットを、外周面に複数個のリブを 高さ方向に有する一対のボビンを備えるキャリッジに、該ハブの内周面に設けら れた複数個の案内部間に該リブを嵌入させるようにして表裏反転自在に装着させ 、該キャリッジを移動させて一方の該ボビンを回転させることにより該インクリ ボンを走行させるようにしたインクリボンカセットにおいて、上記インクリボン カセットを表面又は裏面にして上記キャリッジにそれぞれ装着させた場合、上記 ハブの内周面における、上記各リブの上端部の上方にそれぞれボビン飛び出し防 止用の突起を設けており、上記ボビン飛び出し防止用の突起は、隣接する一対の 上記案内部の上端部間又は下端部間にそれぞれ一つ置きに連設して設けられ、且 つ上下方向において互い違いに反転した形で設けられており、上記案内部は、上 下方向に所定間隔を持って設けられた一対の突部を一組として上記ハブの周方向 に沿って所定間隔で複数個設けられていることを特徴とするインクリボンカセッ トを提供することにより、上記の目的を達成したものである。

【００１４】 請求項４記載の考案は、上記ボビン飛び出し防止用の突起は、略逆Ｖ字形状で あることを特徴とする請求項２記載のインクリボンカセットを提供することによ り、上記の目的を達成したものである。

【００１５】 請求項５記載の考案は、上記ボビン飛び出し防止用の突起は、略逆Ｖ字形状で あることを特徴とする請求項３記載のインクリボンカセットを提供することによ り、上記の目的を達成したものである。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を適用した具体的なインクリボンカセットの一実施形態について 図面を参照しながら説明する。

【００１７】 図１は本実施形態のインクリボンカセットをキャリッジに装着させる前の状態 を示す斜視図、図２は本実施形態のインクリボンカセットのハブを拡大して示す 拡大斜視図、図３は図２に示すハブの内周面を平面的に展開して示す展開図、図 ４はハブにボビンが嵌入した状態における、ハブの内周面を平面的に展開して示 す展開図である。

【００１８】 本実施形態のインクリボンカセットは、図１及び図２に示すように、インクリ ボン１が巻回された円筒体よりなる一対のハブ２，２をカセット３内に回転可能 に収納してなる該カセット３を、外周面に複数個のリブ１１１を高さ方向に有す る一対のボビン１０５，１０５を備えるキャリッジ１０４に、該ハブ２，２の内 周面２ｂに設けられた複数個の案内部７間に該リブ１１１を嵌入させるようにし て表裏反転自在に装着させ、該キャリッジ１０４を移動させて一方の該ボビン１ ０５を回転させることにより該インクリボン１を走行させるようにしたものであ る。

【００１９】 本実施形態のインクリボンカセットについて更に詳細に説明する。カセット３ は、図１に示すように、上ハーフ４及び下ハーフ５から構成されており、その内 部にインクリボン１が巻回された一対のハブ２，２を回転可能に収納している。 そして、カセット３の前面には、キャリッジ１０４に設けられた印字ヘッド（図 示は省略する）を嵌入させる一対のヘッド挿入用凹部６，６が形成されている。 かかるヘッド挿入用凹部６，６には、カセット３内に収納されたインクリボン１ が臨むようになされている。

【００２０】 上記一対のハブ２，２は、図２に示すように、円筒形状として形成され、その 外周面２ａにインクリボン１を巻回させるようになっている。なお、一対のハブ ２，２はいずれも同一形状であるので、図２及び図３には一方のみを示し、その 説明も一方のみとする。また、ハブ２の内周面２ｂには、図２及び図３に示すよ うに、該ハブ２，２の高さ方向に延びる突起として形成される案内部７が所定間 隔を隔てて複数設けられている。本実施形態では、ボビン１０５に設けられるリ ブ１１１の数に応じて案内部７を６つ設けた。

【００２１】 図４には、カセット３を表面にしてキャリッジ１０４に装着させたときの状態 を実線で示し、該カセット３を裏面にしてキャリッジ１０４に装着させたときの 状態を二点鎖線で示す。但し、カセット３を裏面にしてキャリッジ１０４に装着 させた場合は、リブ１１１と案内部７との対応関係を明瞭なものとするために図 面を反転して示してある。

【００２２】 上記案内部７は、ボビン１０５にハブ２を嵌入させるときに、該ボビン１０５ に設けられたリブ１１１を両側よりガイドして該ボビン１０５へのハブ２の嵌入 を容易なものとすると共に、嵌入後において、該リブ１１１と係合して該ボビン １０５の回転駆動力をハブ２に伝達する役目をする。すなわち、ボビン１０５に ハブ２を嵌入させると、図４に示すように、隣り合う案内部７，７間の隙間に、 これら案内部７，７をガイドとしてリブ１１１が入り込む。そして、ボビン１０ ５にハブ２が嵌入し終えた状態で、リブ１１１が案内部７，７と係合して該ボビ ン１０５の回転駆動力をハブ２に伝達するように機能する。

【００２３】 そして、上記インクリボンカセットを表面又は裏面にして上記キャリッジ１０ ４にそれぞれ装着させた場合、上記ハブ２の内周面２ｂにおける、上記各リブ１ １１の上端部の上方に、図４に示すように、ボビン飛び出し防止用の突起８が設 けられている。かかるボビン飛び出し防止用の突起８は、図２及び図３に示すよ うに、先端が尖った形状とされるリブ１１１の先端形状に合わせて略逆Ｖ字形状 とされている。そして、このボビン飛び出し防止用の突起８は、隣接する一対の 案内部７，７の上端部間又は下端部間にそれぞれ一つ置きに連設して設けられ、 且つ上下方向において互い違いに反転した形で設けられており、複数個の該突起 ８及び複数個の該案内部７は無端状に連設された一本の突状帯を形成している。

【００２４】 すなわち、隣接する一対の案内部７，７の上端部間には、一つ置きにボビン飛 び出し防止用の突起８が連設して設けられている。また、隣接する一対の案内部 ７，７の下端部間にも、上端部間に設けられたボビン飛び出し防止用の突起８と 対向しないように且つ逆向きとして、一つ置きにボビン飛び出し防止用の突起８ が連設して設けられている。その結果、これら複数個の該突起８及び複数個の該 案内部７は、全体から見ると無端状に連設された波形をなす一本の突状帯を形成 する。なお、上記ボビン飛び出し防止用の突起８は、図４に示すように、ボビン １０５にハブ２が嵌入した状態では、該リブ１１１の先端と接触しないようにな されていることが望ましい。

【００２５】 以上のように、ボビン飛び出し防止用の突起８をリブ１１１の上端部の上方に 設けたことにより、図９に示したボビン１０５のつば部１１０が疲労により破損 した場合でも、該ボビン飛び出し防止用の突起８にリブ１１１の先端が突き当た るので、コイルバネ１１８の付勢力により、ボビン１０５がハブ２から飛び出る ようなことが防止される。

【００２６】 本考案のインクリボンカセットは、上述した実施形態に制限されることなく、 本考案の要旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。 例えば、上述の実施形態では、案内部７をハブ２の高さ方向に延びる連続した 一つの突起として形成したが、上記案内部７は、図５ないし図７に示すように、 上下方向に所定間隔を持って設けられた一対の突部７ａ、７ｂを一組として上記 ハブ２の周方向に沿って所定間隔で複数個設けるようにしてもよい。

【００２７】 すなわち、上記案内部７を、図６及び図７に示すように、略平行四辺形状をな す一対の突部７ａ，７ｂとなし、これら突部７ａ，７ｂをハブ２の高さ方向にお いて上下に所定間隔を持って設け、且つ一対の該突部７ａ、７ｂを一組として上 記ハブ２の周方向に沿って所定間隔で複数個設ける。 なお、図６及び図７においては、ボビン飛び出し防止用の突起８と連設される 突部７ａ、７ｂの形状を明瞭なものとするために、上記突起８と連設される部分 を点線で示した。

【００２８】 この実施形態のインクリボンカセットでは、カセット３を表面又は裏面にして キャリッジ１０４に装着すると、図７に示すように、一対の突部７ａ、７ｂから なる上記案内部７が、ボビン１０５へのハブ２の嵌入を容易なものとすると共に 、嵌入後において、該リブ１１１と係合して該ボビン１０５の回転駆動力をハブ ２に伝達する役目をする。そして、ボビン飛び出し防止用の突起８が、ボビン１ ０５のハブ２からの飛び出しを防止する役目をする。すなわち、本実施形態のイ ンクリボンカセットも先の実施形態のインクリボンカセットと同様の効果を奏す る。

【００２９】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案のインクリボンカセットによれば、 キャリッジに設けられるボビンの該キャリッジからの飛び出しが防止できるイン クリボンカセットを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態のインクリボンカセットをキャリッ
ジに装着させる前の状態を示す斜視図である。

【図２】本実施形態のインクリボンカセットのハブを拡
大して示す拡大斜視図である。

【図３】図２に示すハブの内周面を平面的に展開して示
す展開図である。

【図４】図４はハブにボビンが嵌入した状態における、
ハブの内周面を平面的に展開して示す展開図である。

【図５】案内部を上下方向に所定間隔を持って設けた一
対の突部とした例を示すハブの拡大斜視図である。

【図６】図５に示すハブの内周面を平面的に展開して示
す展開図である。

【図７】図５に示すハブにボビンが嵌入した状態におけ
る、ハブの内周面を平面的に展開して示す展開図であ
る。

【図８】従来のインクリボンカセットをキャリッジに装
着させる前の状態を示す斜視図である。

【図９】キャリッジに設けられる駆動側ボビンの拡大断
面図である。

【図１０】従来のインクリボンカセットのハブを拡大し
て示す拡大斜視図である。

【図１１】図１０に示すハブの内周面を平面的に展開し
て示す展開図である。

【図１２】図１０はハブにボビンが嵌入した状態におけ
る、ハブの内周面を平面的に展開して示す展開図であ
る。

【符号の説明】

１ インクリボン ２ ハブ ３ カセット ７ 案内部 ８ ボビン飛び出し防止用の突起 １０４ キャリッジ １０５ ボビン １１１ リブ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクリボンが巻回された円筒体よりな
   る一対のハブをカセット内に回転可能に収納してなる該
   カセットを、外周面に複数個のリブを高さ方向に有する
   一対のボビンを備えるキャリッジに、該ハブの内周面に
   設けられた複数個の案内部間に該リブを嵌入させるよう
   にして表裏反転自在に装着させ、該キャリッジを移動さ
   せて一方の該ボビンを回転させることにより該インクリ
   ボンを走行させるようにしたインクリボンカセットにお
   いて、 上記インクリボンカセットを表面又は裏面にして上記キ
   ャリッジにそれぞれ装着させた場合、上記ハブの内周面
   における、上記各リブの上端部の上方にそれぞれボビン
   飛び出し防止用の突起を設けたことを特徴とするインク
   リボンカセット。
2. 【請求項２】 上記ボビン飛び出し防止用の突起は、隣
   接する一対の上記案内部の上端部間又は下端部間にそれ
   ぞれ一つ置きに連設して設けられ、且つ上下方向におい
   て互い違いに反転した形で設けられており、複数個の該
   突起及び複数個の該案内部は無端状に連設された一本の
   突状帯を形成していることを特徴とする請求項１記載の
   インクリボンカセット。
3. 【請求項３】 インクリボンが巻回された円筒体よりな
   る一対のハブをカセット内に回転可能に収納してなる該
   カセットを、外周面に複数個のリブを高さ方向に有する
   一対のボビンを備えるキャリッジに、該ハブの内周面に
   設けられた複数個の案内部間に該リブを嵌入させるよう
   にして表裏反転自在に装着させ、該キャリッジを移動さ
   せて一方の該ボビンを回転させることにより該インクリ
   ボンを走行させるようにしたインクリボンカセットにお
   いて、 上記インクリボンカセットを表面又は裏面にして上記キ
   ャリッジにそれぞれ装着させた場合、上記ハブの内周面
   における、上記各リブの上端部の上方にそれぞれボビン
   飛び出し防止用の突起を設けており、 上記ボビン飛び出し防止用の突起は、隣接する一対の上
   記案内部の上端部間又は下端部間にそれぞれ一つ置きに
   連設して設けられ、且つ上下方向において互い違いに反
   転した形で設けられており、 上記案内部は、上下方向に所定間隔を持って設けられた
   一対の突部を一組として上記ハブの周方向に沿って所定
   間隔で複数個設けられていることを特徴とするインクリ
   ボンカセット。
4. 【請求項４】 上記ボビン飛び出し防止用の突起は、略
   逆Ｖ字形状であることを特徴とする請求項２記載のイン
   クリボンカセット。
5. 【請求項５】 上記ボビン飛び出し防止用の突起は、略
   逆Ｖ字形状であることを特徴とする請求項３記載のイン
   クリボンカセット。