JP3037915B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3037915B2 JP9243937A JP24393797A JP3037915B2 JP 3037915 B2 JP3037915 B2 JP 3037915B2 JP 9243937 A JP9243937 A JP 9243937A JP 24393797 A JP24393797 A JP 24393797A JP 3037915 B2 JP3037915 B2 JP 3037915B2
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俊夫 加藤
徳 徳増
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に関し、より詳しくは、基板の表面を薬物等を用い
て加工した後で汚染物を除去し、或いは成膜前に基板の
表面を薬物等により処理し、続いて被処理後の基板に成
膜する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコンウエハの洗浄には、従
来、主に硫酸、塩酸、アンモニア、過酸化水素などの混
合液が用いられてきた。これらは金属や有機物の除去に
効果があり、有効な洗浄方法である。半導体製造のため
の種々の工程において用いられる従来例にかかる洗浄方
法について以下に示す。
【0003】第1に、図5(a),(b)は半導体基板
1にトレンチ溝3を形成した後、半導体基板1の表面を
洗浄する工程を示す断面図である。まず、図5(a)に
示すように、レジスト膜2をマスクとして半導体基板1
にトレンチ溝3を形成する。続いて、レジスト剥離液に
よりレジスト膜2を除去した後、図5(b)に示すよう
に、トレンチ溝3が形成された半導体基板1を硫酸等の
液体に曝してレジスト剥離液等の汚染物を除去する。
【0004】第2に、図6(a)〜(c)は配線13を
形成し、絶縁膜15で被覆する工程を示す断面図であ
る。まず、図6(a)に示すように、半導体基板11上
の下地絶縁膜12の上に、レジスト膜14をマスクとし
てパターニングにより配線13を形成した後、図6
(b)に示すように、レジスト剥離液によりレジスト膜
14を除去する。続いて、図6(c)に示すように、C
VD法により下地絶縁膜12上の配線13を被覆して絶
縁膜15を形成する。
【0005】第3に、図7(a),(b)は、下地絶縁
膜22の上にシリコン含有絶縁膜23を形成する工程を
示す断面図である。まず、図7(a)に示すように、半
導体基板21上の下地絶縁膜22の表面を硫酸の液体等
で洗浄した後、図7(b)に示すように、下地絶縁膜2
2上にTEOS(キャリアガスとして例えばN2 を用い
る。)とオゾン(O2 中に所定の濃度で含有されてい
る。)を含む反応ガスを用いた熱CVD法によりシリコ
ン含有絶縁膜23を堆積する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5の場
合、近年、半導体の微細加工が進み、開口部が狭く、か
つトレンチ溝3の開口部に対する深さの比(この比をア
スペクト比と呼ぶ。)が大きくなってきている。大きい
ものでは5〜8倍にも達している。このように開口部が
狭く、深い溝の場合、図5(b)に示す薬液処理では、
トレンチ溝3の底まで薬液が入って行きにくく、また一
度薬液が入ると次に純水などで置換することが難しくな
ってしまう。結局、トレンチ溝3の底の部分または側壁
の部分を完全に洗浄することが極めて難しくなるという
問題がある。
【0007】また、図6の場合、表面処理後にCVD法
により配線13を被覆して絶縁膜15を形成した場合、
図6(b)に示すように、その部分では絶縁膜15が堆
積しにくく、配線13間の凹部の中央部に深い窪みがで
きることがある。この絶縁膜15上に配線に用いる導電
膜を形成すると窪みの部分で導電膜がうまく堆積され
ず、或いは窪みに入り込んだ導電膜が除去できなくなる
という問題がある。具体的な例としてレジスト剥離にE
KC(EKC社製、商品名)という薬液を用いると、成
膜前処理を行った後にCVD法により成膜する際凹部で
SiO2 膜15の成長速度が著しく遅くなってしまい、
凹部がきれいに埋まらない。この理由はあまり定かでは
ないが、恐らくEKCが下地絶縁膜12の表面から完全
にとれずに残り、それがSiO2 膜15の成長速度に悪
影響を与えたものと考えられる。
【0008】さらに、図7(b)の場合、半導体基板2
1上の絶縁膜22、例えばシリコン熱酸化膜上にTEO
Sを含む反応ガスを用いた熱CVD法により成膜を行う
と、絶縁膜22上ではシリコン基板上に直接成膜する場
合と比べて成膜速度が極めて遅くなるという問題があ
る。また、ウエハの直径が200mmから300mmへ
と大きくなるにつれて、薬液の使用量が益々多くなり、
コストがかかるだけでなく、廃液処理にも膨大な手間が
かかるようになってきて、環境対策の上からも問題とな
る恐れがある。
【0009】本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて
創作されたものであり、薬液の使用量を減らし、開口幅
が狭くかつ深い溝内をきれいに洗浄し、レジスト剥離液
等の汚染物をきれいに除去し、また、成膜速度を維持し
て絶縁膜上に成膜することができる基板の洗浄方法を提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、半導体装置の製造方法に係
り、クロロスルホン酸(SO2Cl(OH))の液体又は蒸気を用
いて基板の表面を洗浄する工程と、化学気相成長法によ
りテトラエトキシシラン(TEOS)とオゾン(O3
を熱的に反応させて前記洗浄された基板上に成膜する工
程とを有することを特徴とし、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の半導体装置の製造方法に係り、前記クロ
ロスルホン酸の液体は、常温よりも高い温度を有するこ
とを特徴とし、請求項3記載の発明は、請求項1記載の
半導体装置の製造方法に係り、前記クロロスルホン酸の
蒸気は、クロロスルホン酸の液体にキャリアガスを通し
て、該キャリアガスに前記クロロスルホン酸を含ませた
ものであることを特徴とし、請求項4記載の発明は、請
求項3記載の半導体装置の製造方法に係り、前記クロロ
スルホン酸の液体を加熱することを特徴とし、請求項5
記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の半導
体装置の製造方法に係り、前記基板は、開口幅0.3μ
m以下の溝が形成された半導体層又は絶縁層が露出して
いることを特徴とし、請求項6記載の発明は、請求項1
乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法に係
り、前記基板は、半導体基板と該半導体基板上の絶縁膜
とを有することを特徴とし、請求項7記載の発明は、請
求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法
に係り、前記基板は、半導体基板と該半導体基板上の絶
縁膜と該絶縁膜上の配線とを有することを特徴としてい
る。
【0011】上記のように、本発明においては、クロロ
スルホン酸(SO2Cl(OH)) の液体又は蒸気を用いて基板を
洗浄している。実験によれば、クロロスルホン酸の液体
又は蒸気を用いることにより、絶縁膜上のレジストは剥
離液等のとれにくい汚染物でもきれいに除去することが
可能となる。
【0012】さらに、実験によれば、クロロスルホン酸
の液体又は蒸気を用いることにより、下地絶縁膜上にT
EOS/O3 を用いて熱CVD法により絶縁膜を形成す
る際、シリコン基板上に直接成膜する場合とほぼ同じ成
長速度を維持することができる。
【0013】また、薬液の蒸気を用いているので、液体
を用いる場合と比べて薬液の使用量を大幅に減らすこと
ができる。さらに、薬液の蒸気を用いているので、薬液
は分子状にて供給されることとなり、開口幅が狭く、か
つ深い溝にも入り込むことができる。従って、開口幅が
狭く、かつ深いトレンチ溝の底や側壁をきれいに洗浄す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。 (1)第1の実施の形態 図1(a)〜(d)は、第1の実施の形態について示す
断面図である。4種類の薬液、又は薬液の蒸気により処
理した試料と処理しない試料について下地絶縁膜上への
絶縁膜の成長速度を比較した。
【0015】まず、図1(a)に示すように、抵抗率5
Ωcmのp型のシリコン基板(半導体基板)31を用意
する。続いて、図1(b)に示すように、酸素雰囲気
中、温度1100℃でシリコン基板31を熱酸化し、シリコ
ン基板31の表面に膜厚約100nmのシリコン酸化膜
(下地絶縁膜)32を形成する。以上が被処理基板30
となる。
【0016】次いで、図1(c)に示すように、洗浄用
の薬液、又は薬液の蒸気により、被処理基板30を洗浄
する。実験のため、以下に示すような4種類の薬液、及
び薬液の蒸気を用いた。即ち、第1の試料は以下のよう
にして作成した。即ち、図4に示すように、フラスコ1
01中にクロロスルホン酸(SO2Cl(OH) )の液体102
を入れ、加熱しないで液温を常温に保持する。配管10
3を介して窒素(N2 )ガスをキャリアガスとしてクロ
ロスルホン酸(SO2Cl(OH) )の液体102中に通し、さ
らに配管105を通して被処理基板30を入れたチャン
バ106内に導く。30分間、そのクロロスルホン酸を
含む窒素ガスを被処理基板30の表面に吹きつけた。な
お、場合により、ヒータ104により加熱してクロロス
ルホン酸(SO2Cl(OH) )の液体102の温度を上げても
よい。
【0017】また、第2の試料は、塩酸の蒸気を塩酸ボ
ンベから直接供給し、30分間、被処理基板30の表面
に吹きつけることより作成した。さらに、第3及び第4
の試料は以下のようにして作成した。クロロスルホン酸
の液体30ccを2つのビーカに入れ、一つは液温を室
温に保持し、他の一つは加熱して液温を58℃に保持し
た。そして、これらの薬液にそれぞれ被処理基板30を
30分間浸漬した。
【0018】なお、比較のため、洗浄用の薬液、又は薬
液の蒸気により処理していない第5の試料も作成した。
いずれの場合も、処理後、純水を用いて流水洗浄し、続
いて窒素ガスを吹きつけて乾燥した。次に、下記の反応
ガスを用いた熱CVD法により下記に記載した条件で、
図1(d)に示すように、熱酸化により形成したシリコ
ン酸化膜32上に別のシリコン酸化膜(絶縁膜)33を
形成した。
【0019】反応ガス条件 TEOS:1 SCCM O3 in O2 :120グラム(O3 +O2 の1m3
のO3 の質量),O3 +O2 の流量7.5SCCM N2 (キャリアガス)流量:18 SCCM 成膜温度 450℃ 結果を表1に示す。表1において、成長速度とは、シリ
コン酸化膜33の成長速度を表したものであり、対Si
比とはシリコン基板上に直接成膜した場合の成長速度に
対する各試料の成長速度の比を百分率で表したものであ
る。
【0020】
【表1】
【0021】結果によれば、クロロスルホン酸の液体又
は蒸気により表面処理した場合、ともに、成長速度はシ
リコン基板上に直接成膜した場合と同じか或いは大きく
なった。これにより、絶縁膜の表面での成長速度が上が
り、スループットの向上を図ることができる。
【0022】また、蒸気を用いることにより、液体の場
合に大量に必要としていた薬液の使用量を大幅に減らす
ことができる。なお、上記第1の実施の形態では、洗浄
用の薬剤として、クロロスルホン酸の蒸気及び液体、或
いは塩酸の蒸気を用いているが、硫酸の蒸気のみ、或い
は硫酸の蒸気及び塩酸の蒸気の混合したものを用いるこ
ともできる。
【0023】(2)第2の実施の形態 図2(a)〜(c)は、第2の実施の形態について示す
断面図である。まず、図2(a)に示すように、シリコ
ン基板(半導体基板)41上にレジスト膜42を形成し
た後、開口部43を形成する。次いで、塩素(Cl2
を用いたドライエッチングにより、レジスト膜42の開
口部43を介してシリコン基板41をエッチングし、直
径約0.25μm、深さ1.5μmの溝44を形成す
る。
【0024】次に、図2(b)に示すように、レジスト
剥離液であるEKCに浸漬し、レジストを除去する。以
上により、被処理基板40が作成される。このとき、溝
44内にEKC液が残留するものとする。次いで、図4
に示すように、フラスコ101中にクロロスルホン酸
(SO2Cl(OH) )の液体102を入れ、液温を室温に保持
し、或いはヒータ104により加熱して液温を上げる。
窒素ガスをキャリアガスとしてクロロスルホン酸(SO2C
l(OH) )の液体102中に通し、クロロスルホン酸を含
む窒素ガスを作成する。そして、配管105を介してチ
ャンバ106内に導き、そのクロロスルホン酸を含む窒
素ガスを被処理基板40の表面に吹きつける(図2
(c))。
【0025】このとき、分子状のクロロスルホン酸は開
口部が狭くかつ深い溝44内にも容易に入っていくこと
ができるので、溝44の底部及び側壁に付着しているす
べてのEKCと反応させることかできる。これにより、
溝44の底部及び側壁に残留するすべてのEKCを容易
に除去することができる。なお、上記第2の実施の形態
では、洗浄用の薬剤として、クロロスルホン酸の蒸気を
用いているが、塩酸の蒸気のみ、硫酸の蒸気のみ、或い
は硫酸の蒸気及び塩酸の蒸気の混合したものを用いるこ
ともできる。
【0026】(3)第3の実施の形態 図3(a)〜(d)は、第3の実施の形態について示す
断面図である。図3(a)は、基板上に配線を形成する
前の状態を示す断面図である。図3(a)中、51はシ
リコン基板(半導体基板)、52は熱酸化により作成さ
れたシリコン酸化膜(下地絶縁膜)、53はシリコン酸
化膜52上に形成された、膜厚800nmのアルミニウ
ムからなる導電膜、54は導電膜53上に形成された、
配線を形成すべき領域に残るレジスト膜である。
【0027】まず、図3(b)に示すように、レジスト
膜54をマスクとして導電膜53をエッチングし、幅
0.5μm、隣接する配線53a間の間隔1μmの複数
の配線53aを形成する。以上により、被処理基板50
が作成される。次いで、図3(c)に示すように、洗浄
用の薬液の蒸気により、被処理基板50の表面を洗浄す
る。即ち、図4に示すように、フラスコ101中にクロ
ロスルホン酸(SO2Cl(OH) )の液体102を入れ、室温
のまま或いはヒータ104により加熱する。窒素ガスを
キャリアガスとしてクロロスルホン酸(SO2Cl(OH) )の
液体102中に通し、クロロスルホン酸を含む窒素ガス
を作成する。このクロロスルホン酸を含む窒素ガスを2
分間被処理基板50の表面に吹きつけた。
【0028】比較のため、洗浄用の薬液、又は薬液の蒸
気により処理していない試料も作成した。何れの場合
も、処理後、純水を用いて流水洗浄し、続いて窒素ガス
を吹きつけて乾燥した。次に、図3(d)に示すよう
に、下記の反応ガスを用いた熱CVD法により下記に記
載した条件で、配線53aを被覆するシリコン酸化膜
(絶縁膜)55を形成する。
【0029】反応ガス条件 TEOS:1 SCCM O3 in O2 :120グラム(O3 +O2 の1m3
のO3 の質量),O3 +O2 の流量7.5SCCM N2 (キャリアガス)流量:18 SCCM 成膜温度 450℃ 上記により得られた、配線を被覆する絶縁膜の断面形状
について、図3(d),図6(c)により比較した。図
3(d)は本願発明の洗浄方法により洗浄し、成膜した
試料の断面図、図6(c)は処理無しで成膜した試料の
断面図である。
【0030】結果によれば、配線を被覆する絶縁膜55
の断面形状は、図3(d)に示すクロロスルホン酸の蒸
気により表面処理した場合、図6(c)に示す処理無し
の場合と比べて、配線53a間の凹部の窪みを浅くする
ことができた。これにより、絶縁膜55の表面の窪みに
も上部配線となる導電膜を正常に形成することができ
る。また、窪みが浅いので、一旦成膜した導電膜をエッ
チングによりパターニングする際にも窪みの底の部分の
導電膜をきれいに除去することができる。
【0031】なお、上記第3の実施の形態では、洗浄用
の薬剤として、クロロスルホン酸の蒸気を用いている
が、クロロスルホン酸の液体、塩酸の蒸気のみ、硫酸の
蒸気のみ、或いは硫酸の蒸気及び塩酸の蒸気の混合した
ものを用いてもよい。また、上記第1乃至第3の実施の
形態において、半導体基板31,41,51として、シ
リコン基板を用いているが、これに限られるものではな
い。
【0032】さらに、下地絶縁膜32,52として熱酸
化により形成したシリコン酸化膜を用いているが、これ
に限られるものではない。熱CVD法やその他のCVD
法により作成したSiO2 膜やPSG膜、BSG膜又は
BPSG膜等でもよい。また、絶縁膜33,55として
シリコン酸化膜を用いているが、これに限られるもので
はない。さらに、絶縁膜33,55を形成する方法とし
て、TEOS/O3 を用いた熱CVD法を用いている
が、他の反応ガスを用いた熱CVD法や他のCVD法を
用いることができる。例えば、SiH4 −N2 O系反応
ガスを用いた減圧CVD法(LPCVD法)、TEOS
−O2 系反応ガスを用いたLPCVD法、TEOS−O
2 系反応ガスを用いたプラズマCVD法、又はSiH4
−O 2 系反応ガスを用いたプラズマCVD法を適用する
ことができ、これらのCVD法により作成されたSiO
2 膜やPSG膜、BSG膜又はBPSG膜等を用いるこ
とができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、クロ
ロスルホン酸(SO2Cl(OH)) の液体又は蒸気を用いて基板
を洗浄している。成膜前に、下地絶縁膜が形成された基
板の表面をクロロスルホン酸の液体又は気体で処理する
ことにより、TEOS/O3 を用いて熱CVD法により
絶縁膜を形成する際、下地絶縁膜の表面での成長速度が
上がり、スループットの向上を図ることができる。
【0034】また、下地絶縁膜上に配線が形成された基
板を被覆してTEOS/O3 を用いて熱CVD法により
絶縁膜を形成する前に、クロロスルホン酸の液体又は蒸
気で基板の表面を処理することにより、基板上の汚染物
を完全に除去し、或いは下地絶縁膜の表面への絶縁膜の
成長速度をシリコン基板上への絶縁膜の成長速度に近づ
けることができる。これにより、配線間の凹部における
下地絶縁膜上への絶縁膜の成長速度を改善し、凹部での
絶縁膜のくぼみをできる限り小さくすることができるた
め、絶縁膜上に上部配線を正常に形成することができ
る。
【0035】また、薬液の蒸気を用いることにより、薬
液は分子状となって幅が狭く、かつ深い溝の内部に入っ
て行きやすく、汚染物の除去効果も大きい。さらに、薬
液の蒸気を用いることにより、液体の場合に大量に必要
としていた薬液の使用量を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の
形態に係る基板の洗浄方法について示す断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の
形態に係る基板の洗浄方法について示す断面図である。
【図3】図3(a)〜(d)は、本発明の第3の実施の
形態に係る基板の洗浄方法について示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る洗浄用の薬
液の蒸気を供給する装置及び被処理基板の処理装置につ
いて示す側面図である。
【図5】図5(a),(b)は、第1の従来例に係る基
板の洗浄方法について示す断面図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、第2の従来例に係る基
板の洗浄方法について示す断面図である。
【図7】図7(a),(b)は、第3の従来例に係る基
板の洗浄方法について示す断面図である。
【符号の説明】
30,40,50 被処理基板、 31,41,51 シリコン基板(半導体基板)、 32,52 シリコン酸化膜(下地絶縁膜)、 33,55 シリコン酸化膜(絶縁膜)、 42,54 レジスト膜、 43 開口部、 44 トレンチ溝、 53 導電膜、 53a 配線、 101 フラスコ、 102 クロロスルホン酸の液体、 103,105 配管、 104,107 ヒータ、 106 チャンバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−304126(JP,A) 特開 平7−283192(JP,A) 特開 平2−184311(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304,21/316 C11D 7/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロスルホン酸(SO2Cl(OH))の液体又
    は蒸気を用いて基板の表面を洗浄する工程と、 化学気相成長法によりテトラエトキシシラン(TEO
    S)とオゾン(O3 )を熱的に反応させて前記洗浄され
    た基板上に成膜する工程とを有することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記クロロスルホン酸の液体は、常温よ
    りも高い温度を有することを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記クロロスルホン酸の蒸気は、クロロ
    スルホン酸の液体にキャリアガスを通して、該キャリア
    ガスに前記クロロスルホン酸を含ませたものであること
    を特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記クロロスルホン酸の液体を加熱する
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記基板は、開口幅0.3μm以下の溝
    が形成された半導体層又は絶縁層が露出していることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板は、半導体基板と該半導体基板
    上の絶縁膜とを有することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板は、半導体基板と該半導体基板
    上の絶縁膜と該絶縁膜上の配線とを有することを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製
    造方法。
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