JP3037771U - 施工スベリ止め自立ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本考案は、壁面法勾配を有して土留構築される
比較的大きいコンクリートブロックにおいて施工時の背
面へのスベリを防止させて施工を安全容易とする製品の
提供を課題とする。 【解決手段】 背面控尻合端の段重ねされる天端の両サ
イドの要所に、裏コンクリートを使用しない製品に於い
ては、単独鋼材を裏コンクリートを必要とする製品に於
いては、フック状の鋼材を斜めに埋設し施工時これを前
後に折り曲げ、あるいは尻支を挟んで施工セッテングし
てカーブの現場でも容易に施工出来る手段の製品。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、壁面法勾配（１：０．５以上の壁面構築勾配）を有して土留構築され る比較的大きいコンクリートブロックにおいて施工時の背面へのスベリを防止さ せて施工を安全容易とした自立ブロックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のスベリ止めには、［図５−１］の合端の合掛け方法８−１．［図５−２］ の突起を設けてオス・メス方法８−２．［図５−３］のホールピン挿入方法８− ３．が有った。 しかし、これらの方法は、直線的現場の施工を基本としているために次の様な 欠点と問題点が有った。

【０００３】 合端の合掛けには、型枠の製作コストが高い事と、カーブの半径の大小にか かわらず施工時に合掛けの一点支点の端部と成る為に破損が起こる事と横長の大 型ブロックには構築がうまく出来ず問題が有った。

【０００４】 突起を設けたオス・メス方法では、外カーブでは問題が無いが内カーブで半 径が小さいと施工に困難を極めると同時に要部の施工状態が見えない為に微妙な アジャスト調整が不可能に近かった又、無理な施工をすると、の製品同様に合 端に構成した凹部の破損が生じていた。

【０００５】 この方法は、下段ブロックと上段ブロックの合端に横長穴（アジャストホー ル）を設けてここに鉄筋か樹脂のピンを入れるものであるが、施工時この要部が 見えず、アジャストしている内に鉄筋又は樹脂のピンが倒れる（多少のカーブの 半径の変化に対応出来る様にする為に穴は横長にしているため）欠点が有ったし 、内カーブでその半径が小さいと施工が困難で有った。

【０００６】 そこで、本件の考案者達は、長い間これらの製品の設計、製造、施工に従事し ながら従来製品の欠点と問題点を考慮しつつ試作品の製造と試験施工を続けて本 考案製品の解決課題を次の様にしたものである。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 従来の普通製品の型枠（長さ１０００、高さ５００ｍｍ、控長３５０〜５０ ０ｍｍが標準的）を改良する事無く、施工スベリ止め製品が出来る様にする事と 使用材料も安価なものとする。 裏込みコンクリートを必要としない製品ばかりでなく、裏込みコンクリート を必要とする製品もその作用、効果を害なう事なく、型枠を改良する事なく、そ の製造作業にも特別な技術を要せず容易に製造が出来る様にする。 微妙なアジャストする時でも要部の施工状態が見えて安全容易に作業が出来 る様にする事。 構築壁高が大きかったり、上載荷重等で土圧安定計算上で製品控長が不足で 裏コンクリートを付加する必要な現場でも胴込みコンクリートと裏コンクリート とが連結合着出来る製品とする事。 加えて、直線現場ばかりで無く内カーブで半径の小さい現場でも自立ブロッ クとして裏型枠（抜き取り型枠）を使用しなくとも良い製品とする事も課題とす る。 以上の課題を考慮しながら本件考案製品の解決手段を次の様にしたものである 。

【０００８】

【考案が解決しようとする手段】

基本的な型枠は、従来の普通製品の型枠とし、背面控尻合端の段重ねされる天 端の両サイドの要所の位置に、裏コンクリートを使用しない製品に於いては、単 独鋼材を型枠の端部により掛け斜めにしてコンクリートに埋設し、裏コンクリー トを必要とする製品に於いては、フック状の鋼材を斜めに埋設し加えて、背面控 尻合端壁に貫通孔を設けて胴込みコンクリートと裏込みコンクリートが連結合着 する様にして製品を製造する手段とする。

【０００９】 これを実施例の図面で順次説明する。

【００１０】

【考案の実施例】

まず、裏コンクリートを使用しない製品を［図１］の本件考案の要部を説明す る正面図、側面図、平面図と［図２］の施工断面概要図と背面よりの斜視図で説 明すると壁面法勾配を有しての土留壁構築コンクリートブロックに於いて、化粧 面Ｋ．（化粧面は擬石模様、擬木模様が一般的であるが、自然石埋設でも良い） を有して横長尺の型状（普通カーブ用のブロックは長さ１０００ｍｍを越えると 無理が有り、長さ１０００ｍｍ、高さ５００ｍｍ、控長３５０〜５００ｍｍの製 品が標準的）で胴体繋ぎ合渠１．１．を有して前面輪郭合端２．よりやや横長（ ａ−α）．を小さく（前面輪郭合端長さ１０００ｍｍの時は、施工アジャストと して３〜５ｍｍ短くする）した背面輪郭控尻合端３．を有して自立構築する。

【００１１】 土留壁構築の裏込みコンクリートＣ．を使用しないコンクリートブロックＡ− １．の背面輪郭控尻合端３．の背面コンクリート打設面６．の天端２ケ所の要所 （通常は製品の長さの１／４、長さ１０００ｍｍの製品では両サイドより２５０ ｍｍの位置）に単独鋼材としてのスベリ止め鋼材４−１．４−１．（亜鉛鉄筋か 腐食防止加工の平鉄か大きく成ると防腐加工のアングルかチャンネルでも良い） として型枠の端部により掛け斜めにして３０〜５０ｍｍ程度露出させて埋設して コンクリートに合設してなる施工スベリ止め自立ブロックとしたものである。

【００１２】 裏込みコンクリートを必要とする［請求項２］の製品については、スベリ止め 鋼材をフック状スベリ止め鋼材４−２．４−２．として８０〜１００ｍｍ程度露 出させて埋設し、施工時はこれを背面に折り曲げ背面輪郭控尻合端３．の中央又 は両サイドの要所に壁を貫通した開孔部５．をも設けた裏込みコンクリートＣ． を必要とするコンクリートブロックＡ−２．として胴込みコンクリートＢ．と裏 コンクリートＣ．を連結合着が出来る様にしてなる［請求項１］の施工スベリ止 め自立ブロックであるが、内カーブで半径の小さい現場では、自立ブロックとし て裏型枠（抜き取り型枠）を使用しなくとも良い製品とする為に施工カーブの概 要半径に合わして背面輪郭控尻合端３．の両端部にアタッチメント型枠を取り付 けてカーブ用カッテング部７．７．を設けない（カットした）半径の小さい内カ ーブ施工も容易ならしめた製品としても製造する。

【００１３】 ［請求項１製品の施工方法］ 根堀りされて、地耐力を考慮して施工された基礎栗石Ｄ．の上の現場基礎コン クリートＥ．（壁面勾配構築の基礎プレキャスト製品が良い）スベリ止め鋼材４ −１．４−１．の付いた裏込みコンクリートＣ．使用しない本件考案コンクリー トブロックＡ−１．を延長方向に従来製品の様に並べ、受動盛土Ｊ．とこの高さ までは背面盛土は良質土Ｆ．で押さえて一段目のブロックＡ−１．の天端よりや や下げて（コンクリートの打ち繋ぎ目が直線に成らぬ様に）胴込みコンクリート Ｂ．を基礎コンクリートＥ．と合着する様にして打設する。

【００１４】 次に、２段目のブロックＡ−１．をスベリ止め鋼材４−１．４−１．にガイド させて延長方向に順次施工するものであるが、前面の合端通り面（ツラ）をセッ テングアジャストの必要有る時は、このスベリ止め鋼材４−１．４−１．を図示 してないが、前に叩きガイドするブロックが前面に出る様にし、より前面に出す 必要のある時は、ここに尻支（シリガイ）を挟んで施工し、ブロックが前面に出 過ぎの時は、この鋼材４−１．４−１．を外に折り曲げて施工するものである。

【００１５】 ［請求項２製品の施工方法］ 基礎コンクリートＥ．の上に、裏込みコンクリートＣ．に連結合設される様に 外に折り曲げ状態のフック状スベリ止め鋼材４−２．４−２．を有する最下段の ブロックＡ−２．を施工したら図示していないが、裏込みコンクリートＣ．と後 で入れられる裏込み材Ｇ．との間に裏込みコンクリート厚さ巾を構築して抜き取 り型枠（コンクリート硬化後これを抜き取り順次上げて行く型枠）を取り付けて 構築し、胴込みコンクリートＢ．と開孔部５．を通して裏込みコンクリートＣ． とを連結合着（一体として）施工して作業を進める以外は［請求項１］の前記説 示の施工方法そのもので順次ブロックＡ−２．を重ねて施工するものである。

【００１６】 以上の様にしてなる本考案製品には次の様な作用、効果がある。

【００１７】

【考案の作用、効果】 従来の普通製品の型枠を特別改良する事無く、使用材料も鋼材（鉄筋が標準 ）のため出来上がり製品が安価である。

【００１８】 裏込みコンクリートを必要としない製品ばかりでなく、裏込みコンクリート を必要とする製品も使用鋼材を単独鋼材（鉄筋）からフック鋼材に変え前記鋼材 よりやや長くしたものとし、外に傾斜させる事と背面にアタッチメントを取り付 けて開孔部を構築するだけなので製造に特別な技術を要する事無く容易に製造が 出来るものである。

【００１９】 微妙なアジャストも鋼材を叩き前後に折り曲げるか尻支を挟む（コンクリー トが凝結してしまえば取れても良い）だけで良いばかりか、要部も見えるので直 線現場ばかりで無く外カーブ、内カーブ現場施工も安全容易に作業が出来るもの である。

【００２０】 構築壁高が大きかったり、上載荷重等で土圧安定計算上で製品控長が不足で 裏コンクリートを付加する場合でも、折り曲がった鋼材が裏込みコンクリートに 合着する様に成っている事と開孔部が胴込みコンクリートと裏コンクリートとを 連結一体化出来る様な成っているので凭擁壁（モタレ）として強靱である。

【００２１】 加えて、半径の小さい現場でも背面輪郭控尻合端両端部にアタッチメント型 枠を取り付けてカッテング部を設けての製造製品は大型で、しかも自立ブロック としてその作業公立が大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の裏込みコンクリートを必要としない製
品の要部を説明する正面図、側面図、平面図。

【図２】［図１］製品の施工断面概要図と製品１個の背
面よりの斜視図。

【図３】裏込みコンクリートを必要とする製品の要部を
説明する正面図、側面図、平面図、及び背面図。

【図４】［図３］製品の施工断面概要図と製品１個の背
面よりの斜視図。

【図５−１】従来製品の合掛け方法のスベリ止め製品の
概要断面図。

【図５−２】従来製品の突起を設けてオス・メス方法の
スベリ止め製品の概要断面図。

【図５−３】従来製品のホールピン挿入方法のスベリ止
め製品の概要断面図。

【符号の説明】

Ａ−１ 裏込みコンクリートを使用しないコンクリート
ブロック Ａ−２ 裏込みコンクリートを必要とするコンクリート
ブロック Ｂ 胴込みコンクリート Ｃ 裏込みコンクリート Ｄ 基礎栗石 Ｅ 基礎コンクリート Ｆ 良質土 Ｇ 裏込み材 Ｈ 天端コンクリート Ｊ 受動盛土 Ｋ 化粧面 ａ ブロックの長さ （ａ−α） 控尻横長寸法（施工アジャストを考えて
ａ．寸法より３〜５ｍｍ短尺） ｂ ブロックの高さ ｒ 控長 １ 胴体繋ぎ合渠 ２ 前面輪郭合端（前面化粧環境製品） ４−１ スベリ止め鋼材（通常は鉄筋） ４−２ フック状スベリ止め鋼材（通常は鉄筋で外に傾
斜させて使用） ３ 背面輪郭控尻合端 ５ 開孔部（背面輪郭控尻合端壁を貫通した孔） ６ コンクリート打設面 ７ カーブ用カッテング部 ８−１ 合端の合掛け方法 ８−２ 突起を設けてのオス、メス方法 ８−３ ホールピン挿入方法

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面法勾配を有しての土留壁構築コンク
   リートブロックに於いて、横長尺の型状で胴体繋ぎ合渠
   １．を有して前面輪郭合端２．よりやや横長さ（ａ−
   α）を小さくした背面輪郭控尻合端３．を有して両面合
   端２．３．で段重ねして自立構築する土留壁構築の胴込
   みコンクリートＢ．のみで裏込みコンクリートＣ．を使
   用しないコンクリートブロックＡ−１．としてこの背面
   輪郭控尻合端３．の天端の要所２ケ所にスベリ止め鋼材
   ４−１．４−１．を埋設して、これを施工ガイドとして
   なる施工スベリ止め自立ブロック。
2. 【請求項２】 スベリ止め鋼材をフック状スベリ止め鋼
   材４−２．４−２．として、施工時これを背面に折り曲
   げ背面輪郭控尻合端３．の中央又は両サイドの要所に壁
   を貫通した開孔部５．をも設けた裏込みコンクリート
   Ｃ．を必要とするコンクリートブロックＡ−２．として
   胴込みコンクリートＢ．と裏コンクリートＣ．連結合着
   してなる裏コンクリート付加用の施工スベリ止め自立ブ
   ロック。