JP3037729B2 - 連続式半凝固金属製造装置のスタート方法 - Google Patents

連続式半凝固金属製造装置のスタート方法

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JP3037729B2
JP3037729B2 JP2240102A JP24010290A JP3037729B2 JP 3037729 B2 JP3037729 B2 JP 3037729B2 JP 2240102 A JP2240102 A JP 2240102A JP 24010290 A JP24010290 A JP 24010290A JP 3037729 B2 JP3037729 B2 JP 3037729B2
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隆二 山口
安生 藤川
克浩 竹林
正純 平居
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株式会社レオテック
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、非樹枝状初晶が金属融体中に分散した固
体−液体金属混合物(簡単のため単に半凝固金属と呼
ぶ)を絶えず安定に製造するための連続式半凝固金属製
造装置のスタート方法を提案するものである。
半凝固金属は溶融金属(一般には合金)を冷却しなが
ら激しく攪拌して、融体中で生成しつつある樹枝状晶
を、その枝部が消失ないしは縮小して丸味を帯びた形態
に破砕、分散し金属融体と混在させることにより形成さ
せるものである。
(従来の技術) 半凝固金属を連続的に製造する装置は従来より種々提
案されている(たとえば特公昭56−20944号公報)が、
このような装置を用いて半凝固金属を連続的に製造する
場合、一般的に製造を開始する方法は、攪拌冷却槽内に
攪拌子を挿入し、その攪拌冷却槽内で溶融金属を冷却す
るとともに、攪拌子により攪拌が加えられ、排出弁より
半凝固金属として排出させる(第8図参照)。一般にこ
のような連続式半凝固金属製造装置において、排出され
る半凝固金属の固相の量(固相率と呼ぶ)は攪拌冷却槽
から抜熱される熱量と排出される半凝固金属の排出流量
の変化により大きく影響され、特に操業のスタート時に
は熱的に非定常のため攪拌冷却槽からの抜熱量が大き
く、適切に半凝固金属の排出量をコントロールなければ
完全溶融状態のままで排出されたり、また固相率がある
限界以上になると半凝固金属の粘性が急激に増加し、も
はや流体としての挙動ではなくなり、半凝固金属製造装
置より排出不可能となるトラブルが発生することもあつ
た。
(発明が解決しようとする課題) 発明者らは溶融金属から半凝固金属の製造を開始する
スタート時において、上記のようにして半凝固金属が排
出不能になるのを回避するとともに、安定した固相率を
もった半凝固金属を製造初期から排出させることを課題
として開発研究を進め、この発明に到達したものであ
る。
(課題を解決するための手段) この発明は、冷却手段を有し、保温槽、撹拌冷却槽及
び排出槽からなる溶融金属の槽と、その中心において回
転する撹拌子とによって、槽の内壁と撹拌子との隙間に
溶融金属を供給しつつ冷却撹拌効果を与え、半凝固金属
を連続的に製造する装置において、 操業のスタートに際し一定時間にわたり溶融金属が一
たん溶湯として排出される排出流量を設定し、この排出
流量に従い溶融金属を溶湯として排出させ、その後に減
少させた排出流量の下で排出され始める半凝固金属の固
相率が0.1〜0.2に達した時点で、再度排出流量を増加さ
せ、所定の固相率が得られるに至ってその排出流量を持
続させ、その後は一定の固相率を持った半凝固金属を安
定に排出させることを特徴とする連続式半凝固金属製造
装置のスタート方法であり、ここに、上記の一定時間
は、10〜20秒であることが望ましい。
ここで、溶融金属の槽の内壁と撹拌子との隙間に溶融
金属を供給しつつ、冷却撹拌効果を与え、半凝固金属を
連続的に製造する場合においては、第1図に示すよう
に、操業のスタート時には溶湯のまま10〜20秒間程度に
わたり排出されるような排出流量を設定し、その後排出
流量を減少させ、排出される半凝固金属の固相率が0.1
〜0.2に達した時点で、再度排出流量を増加させること
が有利である。
(作 用) 以下に発明者らがこの発明に至った経緯にあわせ作用
について述べる。まず第2図に示すような、冷却手段を
有する固定した溶融金属の槽とその中心において回転す
る攪拌子とによって槽の内壁と攪拌子との隙間に溶融金
属を供給しつつ、冷却攪拌効果を与え、半凝固金属を連
続的に製造する装置において、攪拌冷却槽2での伝熱解
析により保温槽1と攪拌槽2間で半凝固金属の混合が生
じていることが明らかとなり、製造条件すなわち半凝固
金属の排出流量と半凝固金属の排出固相率にこの混合度
合いが大きく影響していることが判った。
具体的に第3図に示すように保温槽1と攪拌冷却槽2
間での半凝固金属の混合度合いは、排出流量および排出
固相率が大きいほど小さくなり、したがって半凝固金属
はピストンフロー的に流れる傾向が大きくなる。
一方排出流量および排出固相率が小さいほど、この混
合度合いは大きくなり半凝固金属は保温槽1と攪拌冷却
槽2間で完全混合状態になる傾向が大きくなる。
この保温槽1と攪拌冷却槽2間における混合度合いの
意味することは、すなわちこの混合度合いが大きい場
合、撹拌冷却槽2で抜熱され温度降下した半凝固金属が
保温槽1の高温溶湯と混合され温度上昇することを意味
している。
すなわち攪拌冷却槽2で所定の抜熱をしているにもか
らわらず、見かけ上抜熱されていないものが排出される
ことになる。
しかし、冷却槽から所定の抜熱量を溶湯から取ってい
るため最終的には保温槽1の溶湯温度が低下し、かくし
て保温槽1と攪拌冷却槽2を含めて熱的に定常状態にな
った時には所定の固相率を持った半凝固金属が排出され
ることになるが、しかしこの状態に達するまでには長時
間を要するわけである。
また保温槽1内の溶湯量が多ければ、さらにこの傾向
が大きくなり、所定の固相率を持った半凝固金属を得る
までの時間が長くかかり、製造歩留りが低下することに
なる。
そこでこの発明は、第3図に示したような、保温槽1
と攪拌冷却槽2内の半凝固金属の混合度合いにおよぼす
半凝固金属の排出流量と固相率の関係から、第4図にて
模式的に示すような排出流量制御方法を取れば、操業の
スタートのごく初期から所定の固相率を持った半凝固金
属を排出させ得ることを究明したのである。
具体的には、操業のスタートの際、攪拌冷却槽および
その他の耐火物は溶湯温度以下に冷えているのが通常で
あるため、排出流量を多目にして半凝固金属ではなく溶
湯の状態で排出させる。すなわち、例えば第4図に示す
A点の状態で操業をスタートすることである。なお、こ
の後排出流量を徐々に減少させるようにして半凝固金属
を排出させようとしても、このとき保温槽と攪拌冷却槽
間の混合が大きくなるので結果として第4図の直線AB上
を変化するだけで、排出固相率は変化せず、溶湯だけが
依然として排出されることになる。
したがって製造初期から目標固相率fs1を持った半凝
固金属を排出するためには、A点の状態からB点の状態
まで短時間で排出流量W2に減少させ、その後目標固相率
fs1が排出される排出流量W3のC点の状態まで変化させ
た上で、その後目標としている排出流量W4まで排出流量
を増加させることより、所定の排出流量で目標とする排
出固相率を持った半凝固金属が排出可能となる。ここで
注目すべき点はC点からD点まで排出流量を増加させて
も保温槽と攪拌冷却槽の混合のため排出される固相率は
変化せず、常にfs1の固相率が排出されることである。
(実施例) この発明に併用した半凝固金属製造装置を第2図に示
す。この装置は溶融金属溜用タンディッシュを介して注
入される溶融金属9を保温するための保温槽1の下部に
攪拌子5により攪拌されまた冷却水10により冷却される
攪拌冷却槽2を配置し、その下部に半凝固金属を排出す
るための排出槽3を配置し、半凝固金属の排出流量をコ
ントールするための内径20mmのスライド弁4をそなえ、
また攪拌子5を回転させるための駆動用モータ7を有し
ている。
この発明を実施するにあたり、第5図に示すようなス
ライド弁4の開度操作方法により排出量を変化させた。
すなわち、スライド弁4の開度を15mmの状態で溶融金属
を保温槽1内に注入し、初期非定常状態を回避するため
10秒間にわたりスライド弁4の開度を一定に保持した
後、スライド弁4の開度を一たん8mmまで短時間で絞
り、その後にA点で示される値の固相率を持った半凝固
金属が排出されはじめた時点より、スライド弁4の開度
をBであらわした種々な開度まで開け、排出流量を増加
させる方法で実施した。この時A点固相率およびスライ
ド弁開度Bの値に応じて排出される半凝固金属の固相率
変化を調査した。その結果を第6図に示す。
排出される半凝固金属の固相率変化は3つの領域
(I、II、III)に分けることができる。すなわち領域
Iでは一たん半凝固金属が排出されるがスライド弁開度
Bの値が大きく排出量が大きすぎて、最終的には溶湯金
属に変化してしまう領域である。また、領域IIIはスラ
イド弁開度が小さすぎて、最終的には半凝固金属の固相
率が増加しすぎ、攪拌冷却槽内で閉塞する領域である。
したがって領域IIで示される操作で製造をスタートす
れば、製造スタートの初期から所定の固相率を持った半
凝固金属が安定に排出できることが判った。
製造スタート時に本発明による排出流量制御を行なう
ことによる効果としては第7図に示すような効果が発揮
できる。すなわち従来法のような製造初期にスライド弁
開度を操作しない場合には曲線αのように製造開始後80
秒以降になってから半凝固金属が排出されだすのに比
べ、本発明のスライド弁開度操作すなわち排出流量操作
方法を実施した場合には曲線βのように製造開始15秒を
経ただけのごく初期から半凝固金属が排出されることが
判る。
(発明の効果) したがって本発明によってつぎに列記するような効果
を発揮する。
1) 製造初期の短時間において目標とする固相率を持
った半凝固金属が排出可能である。
2) 製造される半凝固金属の製造歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における製造初期の排出流量制御方法を
示す模式図、 第2図は実施例で用いた連続式半凝固金属製造装置の説
明図、 第3図は攪拌冷却槽と保温槽間の半凝固金属の混合度合
いにおよぼす排出流量と排出固相率の関係図、 第4図は本発明における製造スタート時の排出流量制御
方法を示す模式図、 第5図は本発明の実施例における排出流量制御を実施す
るためのスライド弁開度操作図、 第6図は半凝固金属を安定排出するためのA点固相率と
スライド弁開度の関係図、 第7図は本発明の効果を示すスライド弁開度操作方法と
半凝固金属の排出固相率の関係を示すグラフ、 第8図は従来の連続式半凝固金属製造装置の説明図であ
る。 1……保温槽、2……攪拌冷却槽 3……排出槽、4……スライド弁 5……攪拌用攪拌子、6……タンディッシュ 7……攪拌子駆動用モータ 8……攪拌子トルク検出器 9……溶湯、10……冷却水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平居 正純 千葉県千葉市川崎町1番地 株式会社レ オテック内 (56)参考文献 特開 平1−178344(JP,A) 特開 平1−87042(JP,A) 特開 平4−124233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/02 B22D 1/00,11/00,27/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却手段を有し、保温槽、撹拌冷却槽及び
    排出槽からなる溶融金属の槽と、その中心において回転
    する撹拌子とによって、槽の内壁と撹拌子との隙間に溶
    融金属を供給しつつ冷却撹拌効果を与え、半凝固金属を
    連続的に製造する装置において、 操業のスタートに際し一定時間にわたり溶融金属が一た
    ん溶湯として排出される排出流量を設定し、この排出流
    量に従い溶融金属を溶湯として排出させ、その後に減少
    させた排出流量の下で排出され始める半凝固金属の固相
    率が0.1〜0.2に達した時点で、再度排出流量を増加さ
    せ、所定の固相率が得られるに至ってその排出流量を持
    続させ、その後は一定の固相率を持った半凝固金属を安
    定に排出させることを特徴とする連続式半凝固金属製造
    装置のスタート方法。
  2. 【請求項2】一定時間が、10〜30秒である請求項1に記
    載した連続式半凝固金属製造装置のスタート方法。
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CN110449562A (zh) * 2019-09-05 2019-11-15 广州和德轻量化成型技术有限公司 用于铝合金挤压铸造机的流变制浆设备及流变制浆方法
CN111826535B (zh) * 2020-06-04 2021-01-15 浙大宁波理工学院 基于低熔点合金半固态熔体的成型系统
CN112846127B (zh) * 2020-12-30 2022-07-12 福建省金瑞高科有限公司 5g基站散热壳的压铸方法及其应用的半固态压铸方法

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