JP3036279U - 腰壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質シートを腰壁として用いると、施工の
際、接着剤が乾く前に自重で剥がれ落ちてくるため、施
工が煩雑であった。 【解決手段】 壁面に接着または粘着した軟質樹脂腰壁
シート上方に腰壁押え支持部材と腰壁押え部材からなる
腰壁押え手段を設け、該腰壁押え部先端の爪状体が腰壁
上端を押圧するとともに、腰壁押え部表面部が腰壁上端
を隠蔽する腰壁構造を提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本願考案は、容易に施工でき、外観の良い腰壁の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、腰壁はパネル状で見切り縁と巾木間に設置されていた。 パネルはそれ自身しっかりしているため、壁下地に接着する必要がないが、小 さなユニットであるためいくつも接合していく必要があり、施工が煩雑であっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このため、腰壁として一体となった軟質樹脂シートを用いることも行なわれて きたが、シートを壁下地に貼着する際、接着剤が乾く前に自重で剥がれ落ちて くるため、シートが壁下地に固定されるまで仮止め用ピンで固定したり、人が 持って固定しなければならず、施工が煩雑であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本願考案は、上記課題を解決することを目的とし、壁下地に接着または粘着し た軟質樹脂腰壁シート上方に腰壁押え支持部材と腰壁押え部材からなる腰壁押 え手段が設けられ、該腰壁押え部材先端に爪状体が形成され、爪状体が腰壁上 端を押圧するとともに、腰壁押え部材表面が腰壁上端を隠蔽する腰壁構造、を 提供することをその要旨とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１は、本願腰壁構造正面図で、図２は同断面図である。 床下地Ｆと壁下地Ｗとの交線から壁下地に沿って巾木１が設置され、この巾木 １の上部から腰壁シート２が接着剤または粘着剤を介して、好ましくは剥離可 能に壁下地Ｗに貼着されている。 腰壁シート２の材質は、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレン−酢酸ビニルコ ポリマー（ＥＶＡ）、アクリル、合成ゴム、ポリオレフィン等の軟質の発泡ま たは、非発泡樹脂が好適であり、クッションフロア等の従来の模様シート床材 が利用できる。 また、腰壁シートの高さは、０．４〜１．２ｍが望ましい。 また、図２に示すように、巾木１の上部に凹み部３を設けるか、または腰壁表 面上に巾木を施工することによって腰壁シートの下端を隠蔽する。

【０００６】 腰壁押え手段４は腰壁押え部材６と腰壁押え支持部材７から構成されており、 腰壁シート２上端より上方の壁下地に腰壁押え支持部材７を貼着し、腰壁押え 部材６を係合させる。 腰壁押え部材６には腰壁押え支持部材７と係合する係合部と腰壁押え部材先端 に、壁側に向いた爪状体８が形成され、腰壁押え部材６が腰壁押え支持部材７ に係合されたときにこの爪状体８が腰壁シート２の上端を押圧し、固定する。 ここで、腰壁シート２の位置を調整するため、腰壁押え支持部材７の貼着位置 と腰壁シート２には腰壁押え部材の爪状部８が腰壁シート２を固定できる範囲 で間隙部９があることが望ましく、この間隙部および腰壁シート上端を腰壁押 え部表面部１０が隠蔽する。

【０００７】 図３は、腰壁押え部材を一部切り欠いた腰壁押え手段近傍の平面図である。 腰壁シート２の上端には、腰壁シート２上端を固定する腰壁押え手段４が設置 され、本願腰壁構造が完成する。

【０００８】 なお、腰壁押え部材と腰壁押え支持部材からなる腰壁押え手段４は図２、図３ に示した例の他に射出成型または押出し成型により形成された他の形状のもの が使用できる。 図４は図２、図３に示した腰壁押え手段の、図５〜図８は腰壁押え手段の他の 実施態様の断面図であり、腰壁押え部材６と腰壁押え支持部材７が分離した形 態のもの（図４〜６）と一体化した形態のもの（図７、８）がある。

【０００９】 腰壁押え手段１１は、腰壁押え支持部材１２と腰壁押え部材１３から構成され ている。 壁下地Ｗに貼着された腰壁押え支持部材１２には雌型係合部１４があり、また 腰壁押え部材１３には雄型係合部１５が形成されている。 腰壁押え支持部材１２の係合部１４と腰壁押え部材１３の係合部１５は一方が 凹、他方が凸となっており、この部分が嵌合され、腰壁押え部材１３は腰壁押 え支持部材１２を介して壁下地Ｗに固定される。 その時、腰壁押え部材先端にある爪状体１６が腰壁シート２の上端を押圧し、 固定し、さらに腰壁押え部材表面部１７が腰壁シート上端および間隙９を隠蔽 する。

【００１０】 腰壁押え手段１８は腰壁押え支持部材１９と腰壁押え部材２０から構成されて いる。 壁下地Ｗに貼着された腰壁押え支持部材１９には係合部２１があり、また腰壁 押え部材２０にも係合部２２がある。 腰壁押え支持部材１９の係合部２１と腰壁押え部材２０の係合部２２は、それ ぞれ一方が凹、他方が凸となっており、また嵌合される係合部どうしは凹凸の 対になっていて、この部分が嵌合され、腰壁押え部材２０は腰壁押え支持部材 １９を介して壁下地Ｗに固定される。 その時、腰壁押え部材先端にある爪状体２３が腰壁シート２の上端を押圧し、 固定し、さらに腰壁押え部表面部２４が腰壁シート上端および間隙９を隠蔽す る。

【００１１】 腰壁押え手段２５は、腰壁押え支持部材２６と腰壁押え部材２７から構成され ている。 壁下地Ｗに貼着された腰壁押え支持部材２６には多数の凹部を有する雌型係合 部２８があり、また腰壁押え部材２７には係合部２８に対応した雄型係合部２ ９が形成される。 腰壁押え支持部の雌型係合部２８と雄型係合部２９が係合され、腰壁押え部材 ２９は腰壁押え支持部材２８を介して壁下地Ｗに固定される。 その時、腰壁押え部材先端にある爪状体３０が腰壁シート２の上端を押圧し、 固定し、さらに腰壁押え部表面部３１が腰壁シート上端および間隙９を隠蔽す る。

【００１２】 腰壁押え手段３２は腰壁押え支持部３３と腰壁押え部３４が一体的に形成さ れ、腰壁押え部３４の先端に壁側に向いた爪状体３６が形成される。 壁下地Ｗに貼着された腰壁押え支持部３３と腰壁押え部３４に囲まれた空隙部 ３５へ腰壁シート２の上端を差し込むと、腰壁押え部先端にある爪状体３６が 腰壁シートを腰壁押え支持部３３に押圧し、腰壁シートが壁下地Ｗに固定され る。

【００１３】 腰壁押え手段３７は腰壁押え支持部３８と腰壁押え部３９が一体的に形成さ れ、腰壁押え部３９の下端と腰壁押え支持部３８の下端に各々相対する方向に 爪状体４１、４２が形成される。 壁下地Ｗに貼着された腰壁押え支持部３８と腰壁押え部３９に囲まれた空隙部 ４０へ腰壁シート２の上端を差し込むと、腰壁押え部先端にある爪状体４１が 腰壁シートを腰壁押え支持部先端にある爪状体４２に押圧し、腰壁シートが固 定される。

【００１４】 また、腰壁押え部材６と腰壁押え部支持部材７の材質はＰＶＣ、ＡＢＳ、ポリ プロピレン（ＰＰ）、ポリエチレン（ＰＥＴ）等の硬質プラスチックであり、 また金属であっても構わない。 さらに、図４、６の形態の腰壁押え部支持部材７はレール状になっており、腰 壁押え部材６をスライドすることによって、腰壁押え部材の施工、交換が容易 である。 さらに、巾木、腰壁シート、腰壁押え部材表面部は転写、直接印刷、押出しの 際に模様をつける等の加飾を施してもよく、この場合には腰壁の意匠性がさら に優れたものとなる。 上記のように得られた腰壁構造は、施工が容易で、意匠性に優れたものとなっ た。

【００１５】

【実施例】

腰壁シートの高さに合わせて、材質がＰＶＣ樹脂である腰壁押え支持部材を壁 下地に貼着し、その下方にＰＶＣ軟質発泡樹脂の腰壁シートを接着剤が塗布さ れた壁下地に貼着する。 この時、腰壁シートの位置調整のため、腰壁押え支持部材との間に間隙を形成 する。 そして、この腰壁シートの表面は木目模様の転写によって加飾を施している。 次に、腰壁押え支持部材に腰壁押え部材を係合する。 腰壁押え部材の爪状部が腰壁シート上端部を押圧して、腰壁シートを固定し、 また、腰壁押え部材表面部が腰壁シート上端と腰壁押え支持部材との間隙を隠 蔽する。 さらに腰壁押え部材の表面部は木目模様の転写によって加飾を施している。 最後に、床下地と壁下地の交線から壁下地に沿って巾木が設置され、腰壁シー トの下端を隠蔽する。 腰壁シートの上端を固定することにより、施工時に接着剤が乾かないうちに腰 壁シートの上端が自重で剥がれてくることがなくなり、さらに、腰壁シート、 腰壁押え部材共に、木目模様の加飾を施しているため、意匠性にも優れてい た。

【００１６】

【考案の効果】

シート状のもの、特にクッションフロア等の床材を腰壁シートとして用いる ことができ、汎用性に優れている。 腰壁シートが軟質であり、かつ、シートの上を腰壁押え手段で固定すること ができるため、施工中にシートが自重で剥がれてくることはなく、施工が容 易になった。 腰壁押え部材と腰壁押え支持部材が分離している腰壁押え手段を用いた場 合、腰壁押え部材が腰壁押え支持部材上をスライドすることができるため、 施工、交換が容易であった。 巾木、腰壁シート、腰壁押え部材は表面部に各々加飾を施すことができ、腰 壁の意匠性を優れたものとすることができた。

【図面の簡単な説明】

図１：本願腰壁正面図 図２：本願腰壁断面図 図３：腰壁押え手段近傍の正面図 図４：腰壁押え手段の断面図 図５：腰壁押え手段の他の実施形態の断面図 図６：腰壁押え手段の他の実施形態の断面図 図７：腰壁押え手段の他の実施形態の断面図 図８：腰壁押え手段の他の実施形態の断面図

【符号の説明】

１：巾木 ２：腰壁シート ４：腰壁押え手段 ５：本願腰壁構造 ６：腰壁押え部材 ７：腰壁押え支持部材 ８：爪状体 １０：腰壁押え部表面部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁下地に接着または粘着した軟質樹脂腰
   壁シート上方に腰壁押え支持部材と腰壁押え部材からな
   る腰壁押え手段が設けられ、該腰壁押え部材先端に爪状
   体が形成され、爪状体が腰壁上端を押圧するとともに、
   腰壁押え部材表面が腰壁上端を隠蔽する腰壁構造。
2. 【請求項２】 腰壁押え手段が腰壁押え支持部材と腰壁
   押え部材が分離したものを係合しているか、または両者
   が一体化している請求項１の腰壁構造。
3. 【請求項３】 腰壁上端と腰壁押え手段に間隙部を有す
   る請求項１〜２の腰壁構造。
4. 【請求項４】 軟質樹脂腰壁シートが剥離可能に粘着さ
   れている請求項１〜３の腰壁構造。