JP3036063U - ガスライターの点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスライターでありながら、葉巻の点火や加
熱に適した径が太くボリュウムのある拡散火炎を形成可
能としたガスライターの点火装置を提供せんとするもの
である。 【解決手段】 液化燃料ガスを貯蔵する燃料タンクに接
続したガス通路を有するバーナーノズルの上部を大径の
円筒部に形成し、該円筒部の上面中央に小径の中央流出
孔を形成して前記ガス通路に連通し、中央流出孔の下部
において円筒部の外側面に開口する横通路を分岐し、中
央流出孔と横通路から流出するガス燃料を合流して点火
し、径の太い拡散火炎を形成するようにしたことを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する分野】

この考案は、ガスライターの点火装置に関し、特にオイルライターの炎の如き 比較的大きな炎を形成しうるガスライターの点火装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、燃料タンク内に液状のガス燃料を加圧下で貯蔵し、タンクに連通したガ スバーナーからガス燃料を流量を制御しつつ気化して放出させ、発火石火花或い は電気放電火花等を発生する適宜の点火手段で点火するようにしたガスライター は公知である。従来公知のガスライター用ガスバーナーは、通常細い管状のノズ ルを有し、該ノズルから燃料ガスを急速に噴出させる構造となっているため、ノ ズル上端に形成される炎は一般的に細長い形状となっている。

【０００３】 このような細長い炎は、炎の熱が比較的狭い領域に集中するため径の太い葉巻 を点火するには不適であった。又、葉巻は点火に先立って全体を炎であぶり、味 を良くすることが行われているが、このためにも細い炎では一点が集中的に熱せ られてしまう欠点があった。更に、細い炎は風に対しても弱く、風があると点火 が困難であったり、吹き消されてしまう。径の大きいボリュウムのある炎は、オ イルを燃料とし、綿の芯に滲出させて点火するようにしたオイルライターで得る ことは出来るが、オイルの炎は臭いが有るため、たばこや葉巻にその臭いが付着 して味を損なうおそれがあった。

【０００４】 ガスライターの炎には、点火に先立って燃料ガスと空気とを予め混合し、その 後点火して得られる予混火炎と、燃焼時に外部から空気を取り入れて燃焼を継続 する拡散火炎の二種類の火炎形態が知られている。予混火炎は、ガスコンロなど の燃焼器具と同様の燃焼形式であり、形成される炎は拡散火炎よりも温度が高く 、且ガスの噴出速度が大きく鋭い炎となるため、葉巻の点火や加熱には適してい ない炎である。これに対して、拡散火炎は予混火炎よりも温度が低く、且ガスの 噴出速度も低いため柔らかい炎を得ることが出来、葉巻の点火や加熱に適した炎 となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、ガスライターでありながら、葉巻の点火や加熱に適した径が太く ボリュウムのある拡散火炎を形成可能としたガスライターの点火装置を提供せん とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するためにこの考案が採った手段は、液化燃料ガスを貯蔵する 燃料タンクに接続したガス通路を有するバーナーノズルの上部を大径の円筒部に 形成し、該円筒部の上面中央に小径の中央流出孔を形成して前記ガス通路に連通 し、中央流出孔の下部において円筒部の外側面に開口する横通路を分岐し、中央 流出孔と横通路から流出するガス燃料を合流して点火し、径の太い拡散火炎を形 成するようにしたことを特徴とする。

【０００７】 又、横通路が十字状に形成されていることを特徴とする。

【０００８】 更に、円筒部の外周にバーナーリングを挿着して、円筒部の外周面とバーナー リングの内周面との間に上方が開放した小許の間隙を作出し、該間隙に横通路を 開放したことを特徴とする。

【０００９】 更に、燃料タンクの流出孔を開閉するテコ部材をキャップを弾力的に開閉制御 する開閉用駒部材の傾動により上下動させられる作動部材に連係させたことを特 徴とする。

【００１０】 更に、作動部材を筒状に形成し、開閉用駒部材を常時上方に付勢するバネを収 納したバネ収納筒に上下動自在に外挿したことを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

この考案の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。図１は、この考案 の点火装置を適用したジッポー（商標）タイプのガスライターを示し、上部をキ ャップ(２)で開閉自在としたケーシング(１)を有する。しかしながら、この考案 の点火装置は、かかるジッポータイプのライターのみに適用しうるものではなく 、如何なるタイプのライターにも適用可能であることは当業者に容易に理解され るであろう。ケーシング(１)内には、液化ガス燃料を加圧下で貯蔵し得る燃料タ ンク(３)が挿脱自在に挿入される。

【００１２】 燃料タンク(３)の上部中央には、タンク内に連通した流量調整装置(４)に接続 したバーナーノズル(５)が取り付けられる。タンク(３)は、合成樹脂で形成され ているが、金属製としても良いことは勿論である。バーナーノズル(５)に隣接し て、発火石(６)と該発火石(６)を摺擦し得る発火ヤスリ(７)からなる点火用火花 発生手段が配設され、バーナーノズル(５)から噴出する燃料ガスに点火用の火花 を供給することが出来る。尚、点火用火花の発生手段は、かかる発火石と発火ヤ スリに限られるものではなく、電気放電火花を発生し得る火花発生手段であって も良いことは勿論である。(８)は、バーナーノズルの周囲を包囲する風防筒であ る。

【００１３】 図３〜５に示すように、バーナーノズル(５)は、内部にガス通路(９)を穿孔し たノズル本体(10)と、該ノズル本体(10)の上部外周面に小許の間隙(12)を形成し つつ挿着、固着されるバーナーリング(11)とからなる。バーナーリング(11)の固 着は、ローレットによりカシメ状態で固着するが、これに限られないことは勿論 である。ノズル本体(10)の上部は、従来の管状のノズルに比して大径の円筒部(1 0a)に形成され、該円筒部(10a)の外径が実質的に炎の太さを決定する。円筒部(1 0a)の下部には、連結筒部(10b)が一体に連結され、円筒部(10a)と連結筒部(10b) との間に取付フランジ部(10C)が形成される。図示の実施形態において、円筒部( 10a)、連結筒部(10b)並びに取付フランジ部(10C)は一体に形成された単一の部材 として構成されているが、これらの部分を別体に形成し、一体的に結合しても良 いことは勿論である。連結筒(10C)には、タンク(３)に取り付けた流量調整装置( ４)に流出口に接続したビニールパイプ等の接続チューブ(13)を内挿して接続す ることが出来る。又連結筒体(10b)の外周面には、タンク(３)の上部に固着され た取付ブロック(14)に、連結筒部(10b)を固着するためのローレット(10d)が形成 されている。連結筒部(10b)の固着は、ねじにより固着しても良いことは勿論で ある。取付フランジ部(10C)は、該取付ブロック(14)の上面に当接してバーナー ノズル(５)の取付位置を決定する。

【００１４】 ノズル本体(10)の円筒部(10a)に縦方向に穿孔されたガス通路(９)は、その上 端において円筒部(10a)の上面中央に開口している小径の中央流出孔(15)に連通 していると共に、該小径の中央流出孔(15)の下部において横方向に十字状に分岐 する横通路(16)に連通している。該横通路(16)は円筒部(10a)の外周面に開口し 、間隙(12)に連通している。ガス通路(９)の下端は、連結東部(10b)に連結され る接続チューブ(13)に連通し、タンク(３)から流量を制御されて流出してくるガ ス燃料をガス通路(９)に導くことが出来る。ガス通路(９)に流入してきた燃料ガ スは、中央流出孔(15)から上方に流出すると共に、横通路(16)に分岐して円筒部 (10a)の側面から間隙(12)内に流出し、間隙(12)の上端から円筒部(10a)の上方に 流出し、前記中央流出孔(15)から流出するガス燃料と合流する。そして、この合 流したガス燃料が点火されると、形成される炎は実質的に円筒部(10a)の径に相 当する太さの炎をなり、外部から空気を取り入れつつ燃焼する拡散火炎となる。

【００１５】 図６、７に示すように、流量調整装置(４)の流出管(17)には、テコ部材(18)の 先端が連結され、該テコ部材(18)のテコ作用を受けて上方に移動させられるとき 、流量調整装置が開弁されタンクからガス燃料の流出が許容される。テコ部材(1 8)の後端は、キャップ(２)を弾力的に開閉するために常時バネ(19)の弾発力を受 けている開閉用駒部材(20)で上下動させられる作動部材(21)と係合している。前 記作動部材(21)は、図６に示すように筒状の部材からなり、バネ(19)を収納した バネ収納筒(22)の外周に上下動自在に外挿され、キャップ(２)が開放されるとき 傾倒する開閉用駒部材(20)が、作動部材(21)の一側から上方に立ち上がった板状 の作動部(21a)に当接して押し下げるため、テコ部材が作動されるようになって いる。

【００１６】 このライターを着火するには、先ずキャップ(２)を開放する。キャップ(２)の 開放により、開閉用駒部材(20)で作動部材(21)が押し下げられてテコ部材(18)が 流出管(17)を上昇させる。流出管(17)の上昇により、燃料ガスがバーナーノズル (５)のガス通路(９)に流出し、円筒部(10a)の中央流出孔(15)と横通路(16)を介 して間隙(12)から外部に流出する。発火ヤスリ(７)を回動して発火石を摺擦し火 花を生成させると、その火花により、円筒部(10a)の外部に流出しているガスが 点火され炎が形成される。形成された炎は、中央流出孔(15)と横通路(16)から流 出したガスが合流した径の大きい炎となり、しかも点火後炎の外部から空気を取 り入れつつ燃焼する拡散火炎となる。この結果、形成される炎は太く、且柔らか な炎となるため、葉巻の外面を加熱したり或いは太い葉巻を点火するに適した炎 を得ることが出来る。又、太い形状の炎であるため、風に対しても十分に耐える 耐風性の高い炎となる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案によれば、形状が太く且柔らかな拡散火炎を得ることが出来ると共に 、耐風性の高い炎を得ることが出来るため、葉巻の点火や加熱に適した炎を形成 することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】外観斜視図

【図２】要部の縦断面図

【図３】バーナーノズルの平面図

【図４】同断面図

【図５】同分解斜視図

【図６】弁開閉作動部の斜視図

【図７】バーナー弁とテコ部材の連係機構部を示す斜視
図

【符号の説明】

(１)ケーシング (２)キャップ (３)燃料タンク (４)流量調整弁 (５)バーナーノズル (６)発火石 (７)発火ヤスリ (８)風防筒 (９)ガス通路 (10)ノズル本体 (10a)円筒部 (10b)連結筒部 (10C)取付フランジ部 (10d)ローレット (11)バーナーリング (12)間隙 (13)接続チューブ (14)取付ブロック (15)中央流出孔 (16)横通路 (17)流出管 (18)テコ部材 (19)バネ (20)開閉用駒部材 (21)作動部材 (21a)作動部 (22)バネ収納筒

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液化燃料ガスを貯蔵する燃料タンクに接続
   したガス通路を有するバーナーノズルの上部を大径の円
   筒部に形成し、該円筒部の上面中央に小径の中央流出孔
   を形成して前記ガス通路に連通し、中央流出孔の下部に
   おいて円筒部の外側面に開口する横通路を分岐し、中央
   流出孔と横通路から流出するガス燃料を合流して点火
   し、径の太い拡散火炎を形成するようにしたことを特徴
   とするガスライターの点火装置。
2. 【請求項２】横通路が十字状に形成されていることを特
   徴とする請求項１記載のガスライターの点火装置。
3. 【請求項３】円筒部の外周にバーナーリングを挿着し
   て、円筒部の外周面とバーナーリングの内周面との間に
   上方が開放した小許の間隙を作出し、該間隙に横通路を
   開放したことを特徴とする請求項１又は２記載のガスラ
   イターの点火装置。
4. 【請求項４】燃料タンクの流出孔を開閉するテコ部材を
   キャップを弾力的に開閉制御する開閉用駒部材の傾動に
   より上下動させられる作動部材に連係させたことを特徴
   とする請求項１、２、３のいずれかに記載のガスライタ
   ーの点火装置。
5. 【請求項５】作動部材を筒状に形成し、開閉用駒部材を
   常時上方に付勢するバネを収納したバネ収納筒に上下動
   自在に外挿したことを特徴とする請求項４記載のガスラ
   イターの点火装置。