JP3035912U - 注射針保護キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 注射針保護キャップの提供。 【解決手段】 筒状の保護キャップの側壁が相対して開
かれて一つの大きな開口状を形成でき、注射針を斜めに
保護キャップ内に入れるのに便利であり、相対して開か
れた辺縁に対応する止め合わせ装置が設けられ、手指の
操作により左右の側壁が相対して開かれる、或いは止め
合わされ得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一種の注射針の防刺保護キャップの設計に関し、特に半分を開けた り閉じて止め合わせられる保護キャップであって、針の尖端部分を斜めに保護キ ャップ内に収容でき、刺傷の状況の発生を低減するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

注射は医療において不可欠な治療手段である。しかし、注射針は尖鋭な先端を 有するため、注射後に、有効な安全処理が施されなければ、人体を刺傷する恐れ が多いにあり、それは軽い刺し傷で済む場合もあれば、病毒が人体に伝染する厳 重な事態を引き起こすこともある。特にエイズが広がっている現在、注射針の処 理は、医療関係者が極めて注意すべきことになっている。

【０００３】 伝統的に最もよく採用されている注射針処理方式は、注射針に筒状の硬質キャ ップを被せ、使用前に該キャップを引抜いて使用後に再び被せてから廃棄する方 法である。注射針は細長いため、被せる時には注意深く正確に行わなければ手や 指を刺し傷つける場合があった。

【０００４】 すでに、図１のような、一種の安全キャップが考案されており、それは、一つ の長管状の伸縮可能なキャップＡ１及びキャップ末端の保護用のゴムＡ２を備え 、伸縮可能なキャップＡ１の内部に注射針Ａ３を収容することで、注射針が外部 に露出して人体を刺し傷つけるのを防ぐものであった。ただし、この構造中、末 端のゴムＡ２には孔が設けられておらず、針の尖端を覆っており、使用時には針 の尖端でゴムＡ２を突き破って尖端を外部に露出させて使用する必要があった。 そのため、突き破る際に、注意深く行わなければ、危険を発生する恐れがあった 。またこの構造は、片手でシリンジＡ４を保持し、もう一方の手で先端のゴムＡ ２部分を保持する必要があるため、操作時に危険が生じた。

【０００５】 さらに、図２に示されるような、もう一種の注射針用安全キャップがあり、そ れは、一つの前キャップＢ１、一つのパッドキャップ２、及び一つのスリーブＢ ３を備え、その中、前キャップは適当な長さを有する筒状のキャップとされ、上 面に注射針の突き抜けに供される孔が設けられている。パッドキャップ２は上面 に穿孔を有するキャップとされ、穿孔底面に穿孔周囲を環状に取り巻く突出部Ｂ ４が形成され、パッドキャップ内壁との間に一つの収容室が形成されている。ス リーブは適当な延性を有し、常時、注射針の根部に嵌合されている。針を使用し た後には、パッドキャップを針に沿って引き延ばし、針の尖端を突出部Ｂ４とパ ッドキャップの形成する収容室内に嵌め込み、図２に示される保護状態に置く。

【０００６】 図２に示される従来の技術は、手で前キャップＢ１押し動かす必要があり、そ の時に、刺し傷を発生しやすく、危険性を有していた。即ち、注射器を使用後に 、手の指で極めて小さい前キャップを引き伸ばす時に、前キャップを握る手に刺 し傷を受けやすく、また、引き伸ばす力が大きすぎて前キャップが針の尖端を超 過すると、延性を有するキャップを刺し貫いて怪我をする恐れがあった。このほ か、この構造は、部品の組合せが比較的困難であり、生産コストが高くついた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、筒状の保護キャップ側壁に沿って、相対して開放でき開口状を呈し 、注射針の尖端を斜めに保護キャップ中に置き入れることができ、並びに相対し て開いた辺縁上に、少なくとも一組の止め合わせ装置が設けられ、手指の操作に より、安全に対応する半部を止め合わせて筒状とでき、針を被包できるほか、注 射針の尖端による使用者の手部への刺し傷の発生を防止できる、一種の注射針保 護キャップを提供することを課題としている。

【０００８】 本考案は、次に、筒状の保護キャップの側壁外側の、相対して開かれる間隙の 両側に、それぞれ手指で保持するのに便利な凹所が設けられ、使用者による保持 、操作に便利な、一種の注射針保護キャップを提供することを課題としている。

【０００９】 本考案はさらに、その止め合わせ装置が、使用者が保護キャップの側壁を押圧 することで止め合わせ状態を形成でき、さらに保護キャップの側壁を押圧するこ とで止め合わせ状態を解除できる、一種の注射針保護キャップを提供することを 課題としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、シリンジに取り付けられた注射針を被包するのに用いられ 、長筒状を呈し、底端口径がシリンジ前端に突出する注射針取付け部に緊密に嵌 合可能に設けられ、上面が完全な密閉面とされ、側壁が長筒状の軸方向に沿って 半分に開かれて左側壁と右側壁を形成するものとされ、該左側壁と右側壁は連接 部で連結されて一体とされ、右側壁と左側壁の分離辺縁の相対位置に、少なくと も一組の止め合わせ装置が設けられ、該止め合わせ装置が外力の押圧を受ける時 、止め合わせ装置が止め合わされて左側壁と右側壁の分離辺縁が接触して一つの 円筒の形状とされるか、或いは左側壁と右側壁が上記連接部を軸心として開かれ ることを特徴とする、注射針保護キャップとしている。

【００１１】 請求項２の考案は、請求項１に記載の注射針保護キャップで、その中、左側壁 と右側壁の外側に、手指による保持に適合する凹所が設けられたことを特徴とす る、注射針保護キャップとしている。

【００１２】 請求項３の考案は、請求項１に記載の注射針保護キャップで、その中、止め合 わせ装置が、一つの半矢頭状の止め合わせ突起と該止め合わせ突起に組み合わさ れる一つの止め孔よりなることを特徴とする、注射針保護キャップとしている。

【００１３】 請求項４の考案は、請求項３に記載の注射針保護キャップで、その中、半矢頭 状の止め合わせ突起は前斜端と内斜端を有し、止め孔は滑脱端と逆フック孔を有 し、上記内斜端が上記逆フック孔内に保持されて止め合わせ状態が発生し、左側 壁と右側壁が外力に圧迫を受ける時に、止め合わせ突起の滑脱端が逆フック孔を 滑り出ることを以て、止め合わせ状態が解除されることを特徴とする、注射針保 護キャップとしている。

【００１４】 請求項５の考案は、請求項１に記載の注射針保護キャップで、その中、左側壁 の一部が開かれて、保護キャップ上半部は円筒状を保持するものとされた、注射 針保護キャップとしている。

【００１５】 請求項６の考案は、請求項１に記載の注射針保護キャップで、その中、左側壁 と右側壁間の連接部が片状体とされ、止め合わせ装置が止め合わせられた後、連 接部が側壁表面より外に突出することを特徴とする、注射針保護キャップとして いる。

【００１６】 請求項７の考案は、請求項１に記載の注射針保護キャップで、その中、上面の 下端に内凸縁が形成され、開かれた左側壁の上端に、該内凸縁に相対して外凸縁 が形成され、内凸縁と外凸縁が、左側壁と右側壁止め合わせ時に重なって嵌合す ることを特徴とする、注射針保護キャップとしている。

【００１７】

【考案の実施の形態】

本考案の注射針保護キャップは、筒状の保護キャップの側壁が相対して開かれ て一つの大きな開口状を形成でき、注射針を斜めに保護キャップ内に入れるのに 便利であり、相対して開かれた辺縁に対応する止め合わせ装置が設けられ、手指 の操作により左右の側壁が相対して開かれる、或いは止め合わされ得る。本考案 は、側壁を開いて、注射針を側壁間に斜めに設置し、側壁を止め合わせて筒状と する操作により、注射針を被包でき、注射針の尖端により操作者の手指が刺し傷 つけられることを防ぐ。

【００１８】

【実施例】

図３に示されるのは、本考案の一種の望ましい実施例であり、それは、一つの 長筒状の保護キャップ１を備え、該保護キャップ１の上面１１は完全な円形を呈 し、その側壁は長筒状の軸方向に沿って、半分に開かれ得て、左側壁１２と右側 壁１３とが形成される。左側壁１２と右側壁１３の間は、連接部１４で連結され 、全体の保護キャップはプラスチック射出成形される。左側壁１２と右側壁１３ の分離辺縁１２１、１３１の相対位置には、一組の止め合わせ装置をなす止め孔 １５と突出する止め合わせ突起１６が設けられ、該止め孔１５と止め合わせ突起 １６の形状は、左側壁１２と右側壁１３の外側が押圧される時に、相互に止め合 わせられ、全体の保護キャップを図４に示されるような長筒状とするものとされ る。図５の断面図には、止め孔１５と止め合わせ突起１６の止め合わせ状態が示 される。当然、止め合わせの力を増すために、止め合わせ装置の数は増加されて もよく、一つとは限らない。

【００１９】 このほか、図４、５に示されるように、左側壁１２と右側壁１３の外側にはそ れぞれ凹所１２２、１３２が設けられ、手指による保持、操作に便利とされてい る。

【００２０】 図６、図７中に、止め孔１５と止め合わせ突起１６が拡大して示されているが 、このように、止め合わせ突起１６は半矢頭状とされ、止め孔１５はそれと組み 合わせられる形状とされている。止め合わせ時には、分離辺縁１２１、１３１は 相互に当接して左側壁１２と右側壁１３を連接させられる。半矢頭状の止め合わ せ突起１６は前斜端１６１と内斜端１６２を備え、内斜端１６２は止め孔１５の 逆フック孔１５２内に係合し、前斜端１６１と止め孔１５の滑脱端１５１が接触 する。前斜端１６１と止め孔１５の滑脱端１５１の設計は、止め合わせ装置の止 め合わせ解除を行いやすくするためになされ、即ち図７に示されるように、保護 キャップが矢印Ｇ１、Ｇ２の方向に受圧時に、止め合わせ突起１６の前斜端１６ １が止め孔１５の滑脱端１５１に沿って逆フック孔１５２を滑って脱出すること で、止め合わせ状態を簡単に解除できるものとされている。

【００２１】 本考案の提供する保護キャップは、製造上、プラスチック射出成形が行え、そ の他の部品を必要とせず、そのために、製造コストが極めて低く、極めて良好な 市場での競争力を有するというメリットを有している。

【００２２】 使用時には、基本的に止め合わせ装置が先ず止め合わされており、図４に示さ れるように長筒状の保護キャップが注射針の外側に嵌め合わされている。シリン ジが使用される時、使用者は、保護キャップを注射針の先から抜取り、注射針を 露出させる。シリンジの使用が完了したら、まず保護キャップの両側を押圧して 止め合わせ装置の止め合わせを解除し、左側壁１２と右側壁１３を分離辺縁１２ １、１３１に沿って開く。そして、注射針２１を図８のように斜めに左側壁１２ と右側壁１３の間に置き入れ、その後、手指Ｆ１、Ｆ２で開いた両側壁に対して 加圧し、止め合わせ装置の止め孔１５と止め合わせ突起１６を止め合わせ、注射 針２１を被包する。

【００２３】 保護キャップの底端１７の口径はシリンジ２前端の突出する注射針取付け部２ ２と緊密に嵌合するものとされ、一旦保護キャップの止め合わせ装置が止め合わ せられてシリンジ２の注射針取付け部２２に嵌合された後には、保護キャップと 注射針取付け部２２を分離させなくとも左右の側壁を圧迫すれば止め合わせ装置 を開くことができる。止め合わせ突起１６の内斜端１６２と止め孔１５の逆フッ ク孔１５２の安定した把持により保護キャップは使用者による両側壁に対する押 圧操作以外には、簡単に開くことがない。

【００２４】 このほか、図９には本考案の変化実施例が示され、その中、左側壁１２’の一 部が開かれ、保護キャップの上半部分は円筒状を保持し、それにより注射針に被 せる時に、注射針の尖端を含む前端が完全に上半部分の円筒１３’内に伸入する ため、刺し傷を発生しにくい。

【００２５】 図１０に示される実施例では、左側壁１２”、右側壁１３”間の連接部１４” が片状体とされ、止め合わせ装置が止め合わせられた後、連接部１４”は筒体表 面に突出する。この作用により、円筒状の保護キャップが平面に置かれる時、自 動的に、分離辺縁１２１、１３１が上方になるように転がり、突出する連接部１ ４”が平面上に当接するため、使用者が指で保護キャップを拾い上げるのに便利 である。

【００２６】 また、図１１に示される実施例では、保護キャップの上面３１の下端に内凸縁 ３１１が形成され、開くことのできる左側壁３２の上端に、該内凸縁３１１と相 対する外凸縁３２１が形成されている。保護キャップが、左側壁３２の止め孔３ ５と右側壁３３の止め合わせ突起３６の止め合わせにより、長円筒状を呈する時 、図１２に示されるように、内凸縁３１１と外凸縁２２１は重なり一体とされる 。この設計の目的は、止め合わせ動作時に、内凸縁と外凸縁に阻止作用を形成さ せることであり、それにより上部が力の入れすぎのために分開し、針が突出する ことを防いでいる。止め孔３５と止め合わせ突起３６の位置は、内凸縁と外凸縁 から遠く離れた位置に設けられ、それにより図７の方式で開く時に、内凸縁と外 凸縁の阻止により開けにくくなることを防いでいる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案の注射針保護キャップは、左右に開閉でき、閉じた時に止め合わせられ 、針の尖端部分を斜めに内部に収容でき、刺傷の発生を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の伸縮式保護キャップの斜視図である。

【図２】従来のもう一種の引伸ばし式保護キャップの斜
視図である。

【図３】本考案による一種の実施例の斜視図である。

【図４】図３の実施例のもう一つの状態を示す斜視図で
あり、その中、止め合わせ装置が止め合わせ状態にあ
り、全体は一つの筒状を呈している。

【図５】図４の線５−５に沿った断面図である。

【図６】本考案の止め合わせ装置の止め合わせ状態にお
ける部分拡大図である。

【図７】本考案の止め合わせ装置の、保護キャップ両側
への押圧を受けて止め合わせ解除された状態における部
分拡大図である。

【図８】図３の実施例で、注射針が開かれた保護キャッ
プ中に斜めに置き入れられる状態を示す、斜視図であ
る。

【図９】本考案のもう一つの実施例の斜視図である。

【図１０】本考案のさらにもう一つの実施例の斜視図で
ある。

【図１１】本考案のさらにまたもう一つの実施例の斜視
図である。

【図１２】図１０の実施例の、止め合わせて筒状とされ
た時の断面図である。

【符号の説明】

１ 保護キャップ １１ 上面 １２ 左側壁 １３ 右側壁 １４ 連接部 １２１、１３１ 分離辺縁 １５ 止め孔 １６ 止め合わせ突起 １２２、１３２ 凹所 １６１ 前斜端 １６２ 内斜端 １５２ 逆フック孔 １５１ 滑脱端 １７ 底端 ２ シリンジ ２２ 注射針取付け部 １２’ 左側壁 １３’ 上半部分の円筒 １２” 左側壁 １３” 右側壁 １４” 連接部 ３１ 上面 ３１１ 内凸縁 ３２ 左側壁 ３２１ 外凸縁 ３５ 止め孔 ３６ 止め合わせ突起

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンジに取り付けられた注射針を被包
   するのに用いられ、長筒状を呈し、底端口径がシリンジ
   前端に突出する注射針取付け部に緊密に嵌合可能に設け
   られ、上面が完全な密閉面とされ、側壁が長筒状の軸方
   向に沿って半分に開かれて左側壁と右側壁を形成するも
   のとされ、該左側壁と右側壁は連接部で連結されて一体
   とされ、右側壁と左側壁の分離辺縁の相対位置に、少な
   くとも一組の止め合わせ装置が設けられ、該止め合わせ
   装置が外力の押圧を受ける時、止め合わせ装置が止め合
   わされて左側壁と右側壁の分離辺縁が接触して一つの円
   筒の形状とされるか、或いは左側壁と右側壁が上記連接
   部を軸心として開かれることを特徴とする、注射針保護
   キャップ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、左側壁と右側壁の外側に、手指による保持
   に適合する凹所が設けられたことを特徴とする、注射針
   保護キャップ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、止め合わせ装置が、一つの半矢頭状の止め
   合わせ突起と該止め合わせ突起に組み合わされる一つの
   止め孔よりなることを特徴とする、注射針保護キャッ
   プ。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、半矢頭状の止め合わせ突起は前斜端と内斜
   端を有し、止め孔は滑脱端と逆フック孔を有し、上記内
   斜端が上記逆フック孔内に保持されて止め合わせ状態が
   発生し、左側壁と右側壁が外力に圧迫を受ける時に、止
   め合わせ突起の滑脱端が逆フック孔を滑り出ることを以
   て、止め合わせ状態が解除されることを特徴とする、注
   射針保護キャップ。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、左側壁の一部が開かれて、保護キャップ上
   半部は円筒状を保持するものとされた、注射針保護キャ
   ップ。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、左側壁と右側壁間の連接部が片状体とさ
   れ、止め合わせ装置が止め合わせられた後、連接部が側
   壁表面より外に突出することを特徴とする、注射針保護
   キャップ。
7. 【請求項７】 請求項１に記載の注射針保護キャップ
   で、その中、上面の下端に内凸縁が形成され、開かれた
   左側壁の上端に、該内凸縁に相対して外凸縁が形成さ
   れ、内凸縁と外凸縁が、左側壁と右側壁止め合わせ時に
   重なって嵌合することを特徴とする、注射針保護キャッ
   プ。