JP3035901B2 - Pc鋼より線の定着部材及び定着部 - Google Patents
Pc鋼より線の定着部材及び定着部Info
- Publication number
- JP3035901B2 JP3035901B2 JP6228920A JP22892094A JP3035901B2 JP 3035901 B2 JP3035901 B2 JP 3035901B2 JP 6228920 A JP6228920 A JP 6228920A JP 22892094 A JP22892094 A JP 22892094A JP 3035901 B2 JP3035901 B2 JP 3035901B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hole
- central axis
- axis
- sheath
- fixing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
Description
ンクリート)構造物におけるPC鋼より線の定着部及び
その定着に用いられる部材に関するものである。
挿通したPC鋼より線は、その端部に設けた定着部によ
り緊張固着されるが、その定着部構造としては図3A,
Bに示すものが知られている。
はPC鋼より線の多数本を束ねてコンクリート2のシー
ス3中に挿通したPC鋼材部分である。33はシース3の
トランペットシース部分で、その外端はアンカープレー
ト4の鋼材挿通孔44の内壁に接している。5は上記挿通
孔44に挿通されたスペーサーで、55は該スペーサー5外
周近く設けられた多数のPC鋼より線1のガイド孔であ
る。6はアンカーディスクで、66は該ディスク6に設け
た上記ガイド孔55と中心軸を同一とする多数の円錐状孔
である。7は該円錐状孔に嵌挿し、緊張したPC鋼より
線1に接して把持するくさびである。
5に替えてブッシュ8を用いたもので、このブッシュ8
のガイド孔88の中心軸も、上記図3Aにおけるガイド孔
55と同様、円錐状孔66と同一である。また場合によって
は、スペーサー5とブッシュ8の両方を用いることもあ
る。
円錐状孔66の中心軸を同一とする従来の定着部構造にお
いては、緊張前にくさび7を仮置きしたときには、挿通
したPC鋼より線1が円錐状孔66の中央に位置するが、
緊張すると図4Aのようにシース3の中心軸側に片寄せ
られる。これはシース3の中心に束ねられていたPC鋼
材11より、各PC鋼より線1にばらされてガイド55,88
に拡げて挿通されるからである。
するために、これを緊張した状態でくさび7を押し込む
と、複数のくさび片77のうち、片寄った側のものは円錐
状孔66壁との間隔が狭いので、図4Aのように早く孔壁
及びより線外周と接して把持状態に達し、反対側の隙間
の広い部分9のくさび片77は浮いた状態となる。
部分の径10とガイド孔55,88の直径とは、何れもPC鋼
より線1の直径より稍大径で略同一径に形成されてい
る。またくさび7は複数のくさび片77が、ゴムリングな
どで緩く一体的にまとめられている。従って、前記PC
鋼より線1を緊張したジャッキを緩め、緊張力をくさび
把持に移行しようとすると、間隔の狭い部分のくさび片
77はわずかに引き込まれて定着するが、広い部分9のく
さび片77は大きく引き込まれて定着し、図4Bに示すよ
うにくさび77の不揃いな状態での定着となる。
としても、狭い部分のくさび片77は強い力で把持し、広
い部分9のくさび片77の把持力は弱い。従って、何れに
してもPC鋼より線1に対する側圧力は、くさび定着部
分で不均衡となり、定着に安定を欠くことになる。この
ことは定着効率、疲労特性の低下をまねくと共にPC鋼
より線に傷を生じる因となる。
題に着目し、くさび片77に不揃を生じる原因を解明して
なされたものである。即ち前記のように、従来アンカー
ディスクの円錐状孔の中心軸とスペーサーのガイド孔の
中心軸とは同一軸線上に設けられ、孔径も略同一である
ので、シース内に引き込まれた束ねたPC鋼より線を、
トランペットシース部でばらけて拡げ、夫々ガイド孔を
通して円錐状孔に引き込み緊張すれば、各PC鋼より線
は束ねた部分の中心、即ちシース中心軸相当軸線からガ
イド孔、円錐状孔の該相当軸線側孔壁を摺動しながら引
張られることになるので、該孔の反対側内壁にはPC鋼
より線が接触せず広い間隔部分9を生じることとなる。
おいては、図1A並びに図2に示すように、上記相当軸
線A側のガイド孔孔壁Bを、円錐状孔の小径部10の同側
孔壁Cより、該相当軸線に対し外側にずらし、引き込み
緊張するPC鋼より線1の外周が、上記ガイド孔孔壁B
を摺動しても、上記円錐状孔孔壁Cには接しない様にし
たことを第1の特徴とするものである。
同一軸線上とし、ガイド孔の孔径を小径とする方法と、
孔径を同一として、中心軸をずらす方法とがある。孔径
はPC鋼より線の挿通に支障がない範囲で小径であるこ
とが、くさび止め上も経済上も好ましいので、中心軸を
ずらす方法のものについて詳述することとした。なおシ
ースの中心軸をシース中心相当軸線と称したのは、トラ
ンペット部よりコンクリート中心側におけるPC鋼より
線の束絞めは、シースでなくリングを用いてもよいから
である。
軸をずらす程度として、円錐状孔の中心軸を前記ガイド
孔孔壁Bより、前記相当軸線より半径方向外側に、挿通
するPC鋼より線の直径Dの1/2長さの位置に設ける
ことを選定したことである。このように構成することに
より、PC鋼より線はガイド孔により軸線方向が修正さ
れ、円錐状孔内では片寄ることなく緊張され、くさびに
よりに定着される。
19本を束ねたもの。 グループB 直径15.2mm(5.1mm ×7本)PC鋼より線
にエポキシ樹脂被覆したものを19本束ねたもの。 用いたアンカーディスク グループC 直径240mm 、厚み80mmの鋼製ディスクに、
小径部直径10が17mmのディスク表面に垂直な円錐状孔19
本を設けたもの。但し円錐状孔の中心軸は下記ガイド孔
の中心軸と同一軸線上。 グループD 同上但し、円錐状孔の中心軸はガイド孔の
シース中心軸相当軸線に最も近い孔壁BからPC鋼より
線の直径Dの1/2長さだけ、上記相当軸線より半径方
向外側に位置する。 用いたスペーサー グループE 直径170mm 、厚み60mmの硬質ポリエチレン
製スペーサーに、直径17mmのスペーサー表面に垂直なガ
イド孔19本を設けたもの。 用いたブッシュ グループF 直径40mm、厚み20mmの硬質ポリエチレン製
ブッシュに、直径17mmのブッシュ表面に垂直なガイド孔
を設けたブッシュ19箇。
1A,Bの様な構成位置として、比較例においては図
3,4の様な構成位置として、次の様に各部材の異なっ
た組合せで構成した定着部を作成した。
を負荷して緊張し、緊張後除荷して夫々の定着効率、損
傷度、疲労特性を測定した。その結果を表1,表2,表
3に示す。
たPC鋼より線の数を示すもので、緊張後除荷し、くさ
びを除いて観察したときに、各PC鋼より線の内、1本
でも素線が損傷しておれば、そのPC鋼より線(PC鋼
材11)は損傷したものと判断した。
荷重の45%(227.43tf)、応力振幅は 25kgf/mm2 ( 6
5.88tf)で、 200万回は想定し得る最も苛酷な繰返し回
数である。試験数は各構成につき、4ケーブル宛につい
て行なった。
により明かなように、本発明による定着部材を用いて構
成した定着部は、従来の定着部に比し、緊張定着時にお
けるPC鋼より線の損傷が遥かに少ない。しかも、定着
効率が良く、疲労強度も高い。
鋼より線1を挿通するアンカーディスク6の円錐状孔66
の中心軸Eを、スペーサー5のガイド孔55の中心軸Fよ
りシース中心軸相当軸線Aに対し内側にしたことによ
り、ガイド孔55のシース中心軸相当軸線Aに近い側の孔
壁Bを摺動して引き込れたPC鋼より線1の外周は、円
錐状孔66の同様な孔壁Cには当らず、常に同円錐状孔66
の中心位置に保たれる。なお、上記中心軸E,Fを同一
軸線上に設けた場合は、円錐状孔66の小径部の直径10を
例えばPC鋼より線1の直径とガイド孔直径の差乃至そ
の1/2程度大きくすることにより、同様の効果を奏し
得る。従ってこの方法を採用してもよいが、操作上、コ
スト上はできるだけ、円錐状孔66の小径部の直径10は、
ガイド孔と同一にして径を大きくしない方がより好まし
い。
孔壁において、シース中心軸相当線Aより遠い側、即ち
PC鋼より線1を引き込み緊張しても孔壁に摺動しない
部分に欠落部12を設けたものである。この欠落部12はブ
ッシュ8のガイド溝88に設けた場合も同様に、定着部材
としての機能に変わりはなく、時に操作上、コスト上有
利な場合もあるので、このように形成してももちろん差
し支えない。
で、PC鋼より線1をジャッキ等で緊張した状態でくさ
び7を押し込むと、各くさび片77は均等探さに押し込ま
れ、ジャッキを緩めて緊張力をくさび片77把持に移行す
るときの、PC鋼より線1によるくさび片77の引きずり
込む深さに片寄りはなく、その探さも極く僅かである。
従って、くさび7によるPC鋼より線1の損傷は少な
く、定着効率が向上し、疲労強度もよい。
着部構成を説明する定着部の1部の側断面図である。
スペーサーのガイド孔の中心軸の相対位置を示す正面よ
りの説明図、Bはスペーサのガイド軸孔孔壁に欠落部を
設けた場合を示す正面図である。
成を示す側断面図である。
さびの状態を説明する定着部の1部の側断面図である。
2 コンクリート 3 シース 33 トランペットシース 4 アンカープ
レート 44 アンカープレートの挿通孔 5 スペーサー 55
スペーサーのガイド孔 6 アンカーディスク 66 アンカーディスクの円錐状
孔 7 くさび 77 くさび片 8 ブッシュ 88 ブッシュのガイド孔
9 間隔の広い部分 10 円錐状孔の最も小径の部分の直径 A シースの中心軸(同中心軸相当軸線) B 55の最
もAに近い孔壁 C 10の最もAに近い孔径 D 1の直径 E 66の中
心軸 F 55,88の中心軸 12 ガイド孔の欠落部
Claims (4)
- 【請求項1】 PC鋼より線の定着に用いられる複数の
くさび用円錐状孔を有するアンカーディスクと、複数の
ガイド孔を有するスペーサー及びまたはブッシュにおい
て、上記円錐状孔のうちその中心軸がシース中心軸相当
軸線と一致するものを除き、その中心軸が、該円錐状孔
に対応するガイド孔の中心軸より、前記シース中心軸相
当軸線より半径方向内側に位置していることを特徴とす
るPC鋼より線の定着部材。 - 【請求項2】 アンカーディスクとスペーサー及びまた
はブッシュはシース中心軸相当軸線に直交し、これに設
けたくさび用円錐状孔並びにガイド孔の中心軸は該相当
軸線に平行し、且つくさび用円錐状孔の中心軸がガイド
孔の中心軸より半径方向内側に位置する距離は、上記く
さび用円錐状孔の中心軸を、ガイド孔のシース中心軸相
当軸線に最も近い孔壁から、ガイド孔に挿通するPC鋼
より線の直径の1/2の長さだけ前記相当軸線より半径
方向外側に設けることによって生じた距離であることを
特徴とする請求項1記載の定着部材。 - 【請求項3】 スペーサ及び/又はブッシュのガイド孔
は、シース中心軸相当軸線に対し、遠い側の孔壁に欠落
部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の定着
部材。 - 【請求項4】 緊張したPC鋼より線の端部の定着に、
請求項1〜3のいずれかに記載の部材を用いたことを特
徴とするPC鋼より線の定着部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6228920A JP3035901B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | Pc鋼より線の定着部材及び定着部 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6228920A JP3035901B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | Pc鋼より線の定着部材及び定着部 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0868158A JPH0868158A (ja) | 1996-03-12 |
JP3035901B2 true JP3035901B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=16883932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6228920A Expired - Lifetime JP3035901B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | Pc鋼より線の定着部材及び定着部 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3035901B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108979689B (zh) * | 2018-08-21 | 2023-12-15 | 中铁工程设计咨询集团有限公司 | 可二次注浆的锚索结构、隧道围岩锚固结构及施工方法 |
JP2020153144A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 住友ベークライト株式会社 | 支持器具及びロッドを支持する方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4124034Y1 (ja) * | 1966-05-20 | 1966-12-07 | ||
CH662595A5 (de) * | 1983-08-22 | 1987-10-15 | Losinger Ag | Verankerung von freischwingenden zugelementen aus stahl eines dynamisch beanspruchten bauteiles. |
JPH04108750U (ja) * | 1991-03-07 | 1992-09-21 | 神鋼鋼線工業株式会社 | 非金属製緊張材用定着具 |
JP3079231B2 (ja) * | 1991-07-19 | 2000-08-21 | 黒沢建設株式会社 | 合成樹脂被覆pc鋼線の端部定着装置 |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP6228920A patent/JP3035901B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0868158A (ja) | 1996-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101120703B1 (ko) | 로프 | |
JP2006515553A (ja) | アラミド系エレベータロープ用の終端装置 | |
WO2009150866A1 (ja) | ロープ端末固定装置 | |
JP5405889B2 (ja) | 緊張材の張設方法 | |
JP2011006207A (ja) | ロープ式エレベーター | |
JP3035901B2 (ja) | Pc鋼より線の定着部材及び定着部 | |
JP2574107Y2 (ja) | 多心ケーブルの心線挟持装置 | |
JPS60156849A (ja) | 動荷重をうける構造部分の自由に揺れる引張部材の係留装置 | |
JP3990708B2 (ja) | Pc鋼材の固定方法 | |
US6421864B2 (en) | Bridge cable fixing structure | |
CN87105250A (zh) | 抗拉条杆固定装置的改进 | |
JP3762717B2 (ja) | Pc鋼材の固定構造 | |
JP4745034B2 (ja) | 多重外装ケーブル引留め装置及び多重外装ケーブル引留め方法 | |
JPH0533425A (ja) | Pc鋼より線の定着端部 | |
JP2011256547A (ja) | 定着具 | |
KR20020081196A (ko) | 일체형 웨지가 구비된 정착장치 | |
JPS59172362A (ja) | 線条の張力付加装置 | |
JP2958241B2 (ja) | 緊張材の架設方法及び架設用絞り装置 | |
Cardou et al. | ACSR electrical conductor fretting fatigue at spacer clamps | |
CN211148285U (zh) | 一种海缆粘结性能测试系统 | |
JP7327158B2 (ja) | 定着具 | |
JP2024503163A (ja) | 引張歪みシースを備えている架空電気ケーブルの終端配列 | |
JP2001281462A (ja) | 光ファイバ固定具 | |
JPH1155842A (ja) | 非円形断面電線用圧縮接続部 | |
GB2227501A (en) | Cable anchorage |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090225 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100225 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110225 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120225 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120225 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130225 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130225 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225 Year of fee payment: 14 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |