JP3035728U - ディ−ゼル機関の排気浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディ−ゼル機関の排気ガス浄化装置における複
雑なフィルタ−構成やフィルタ−再生処理工程を利用す
ることなく、フィルタ−効果を向上した簡単な装置構造
によりディ−ゼル機関の排気ガスに含まれるパティキュ
レ−トを有効に捕集、浄化する。また、簡単な装置構造
を提供することによって、製造コストの低廉化を図り、
産業上の利用効果を向上させる。 【解決手段】細かく切断したグラスウ−ルを装置本体を
形成するシェル内に充填し、グラスウ−ルのシェル外へ
の飛散を防止するため、シェルの側面に形成された排気
進入口及び排出口に内接して、多数孔を穿設した金属板
をそれぞれ溶接固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ディ−ゼル機関からの排気ガスを、細かく切断したグラスウ−ル が充填されたシェル内に導入し、グラスウ−ルの細片と細片との間の空間に形成 される排気通路において、排気ガスの含むパティキュレ−トを捕集する、コンパ クトなディ−ゼル機関の排気浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のディ−ゼル機関の排気浄化装置においては、機関の排気中に多く含まれ ているパティキュレ−トを、その排気系に装着されたディ−ゼル・パティキュレ −ト・フィルタ−により捕集する技術が、機関の燃焼方式を改善し、又は燃料の 良質化を図る技術の改良とともに、ディ−ゼル機関の排気浄化方式として発明、 考案されてきた。このようなフィルタ−によってパティキュレ−トのろ過、捕集 する方式において、フィルタ−の材質としては、セラミックモノリス、セラミッ ックフォ−ム等の多孔質セラミックが用いられ、または金網を取りつけることが 提供されてきたが、多孔性セラミックは、機関の圧力損失を増大させる問題があ り、また機関の燃焼方式を改善するためスモ−クセンサ−を設けたり（特開平５ −３１２０１９）、捕集されたパティキュレ−トを燃焼させフィルタ−の再生を 図る（特開平５−２２２９１４）等の方式や、フィルタ−を回転させることによ って排気系を改良し、パティキュレ−トの再燃焼効果を高めようとする考案（実 開平５−５００２０）のような、ディ−ゼル・パティキュレ−ト・フィルタ−の ろ過、捕集作用の効率化を目的としたディ−ゼル機関の排気浄化装置に係る発明 や考案が多く開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のディ−ゼル機関の排気浄化装置においては、フィルタ− として用いる材質と装置の構造上の特徴により、フィルタ−を再生させ、又は、 ろ過捕集したパティキュレ−トを再燃焼させ浄化効果を維持、向上させる必要が ともなった。フィルタ−再生効果を向上させるため、電気ヒ−タ−配線やセンサ −を配設し、又はパティキュレ−トの再燃焼効果を高めるため、フィルタ−回転 作用を利用する等の複雑な構成のディ−ゼル・パティキュレ−ト・フィルタ−を 主体とする排気浄化装置を提供する従来の技術は、装置の製造コスト高を招くこ とが免れず産業上の利用面における問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案のディ−ゼル機関の排気浄化装置は、装置本体を構成するシェル内の 排気通路を形成する排気進入口及び排出口に内接して、多数の小孔を穿設した金 属板をそれぞれ溶接固定し、細かく切断したグラスウ−ルをシェル内に充填した ことを特徴としている。

【０００５】

【考案の実施の形態】

添付図面により、この考案によるディ−ゼル機関の排気浄化装置を、以下詳細 に説明する。

【０００６】 図１は、この考案のディ−ゼル機関の排気浄化装置の一実施例を示す縦断側面 図、図２は、図１の断面図、図３は、従来の技術による一実施例の縦断側面図で ある。

【０００７】 図１及び図２において、１は装置本体を構成するシェル、２はシェルに充填さ れた細かく切断されたグラスウ−ル、３はエンジンからの排気ガスの進入口、４ は排気排出口、５及び６はシェル１内において排気ガスの進入口３及び排出口４ にそれぞれ内接して溶接固定された金属板、７及び８は金属板５及び６面にそれ ぞれ穿設された多数の小孔である。

【０００８】 図１に示されたように、多数の小孔７及び８がそれぞれ穿設された金属板５及 び６が、シェル１の側面に設けられた排気進入口３及び排出口４に内接して、そ れぞれ溶接固定されている。

【０００９】 シェル１の内部には細かく切断されたグラスウ−ル２が充填されている。グラ スウ−ル２の細片と細片との間に形成される空間は、図示されていないが、シェ ル１の内部における円滑な排気通路を形成している。

【００１０】 ディ−ゼル機関から排出された排気ガスは、シェル１内において排気進入口３ に溶接固定された金属板５に穿設された多数の小孔７をとおりシェル１内に進入 した後、上述の細かく切断されたグラスウ−ル２の細片と細片との間の空間に形 成された排気通路をとおり、排気排出口４に溶接固定された金属板６に穿設され た多数の小孔８からシェル１外へ排出される。

【００１１】 上述のようにグラスウ−ル２の細片と細片との空間に形成される排気通路は、 シェル１内に進入する排気ガスが排気進入口３から排出口４へ向かって円滑に流 れるように形成されているので、排気ガスのろ過過程において空気抵抗を受ける ことが少なく通気性が損なわれることがない。

【００１２】 パティキュレ−トを多く含んだディ−ゼル機関からの排気ガスが、グラスウ− ル２の細片と細片との空間に形成される上述の排気通路を排気抵抗をあまり受け ることなく円滑にろ過される過程において、パティキュレ−トは、グラスウ−ル ２の細片面に効率よく捕集されるので、排気ガスのフィルタ−効果が確保され、 装置の装着前ディ−ゼル機関から排出されていた黒煙は、目視では確認できない ほど低減する。

【００１３】 排気進入口３と排出口４に、それぞれ溶接固定された金属板５及び６は、それ らに穿設された多数の小孔７及び８が、グラスウ−ル２の細片より小さく形成さ れているので、グラスウ−ル２の細片が排気圧によってシェル１外に飛散するこ とを防止する。

【００１４】 この考案によるディ−ゼル機関の排気浄化装置は、上述のように装置本体を構 成するシェル１、排気進入口３と排出口４に配設された多孔金属板５及び６、並 びにフィルタ−作用をするグラスウ−ル２の簡単な構成からなり、したがって装 置の製造コストも安価であるため、グラスウ−ルのパティキュレ−トろ過、捕集 効果が低下した場合は、経済的かつ技術的に容易に装置全体を交換することがで きる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したとおり、この考案は、装置本体を構成するシェルと、フィルタ− 作用をするグラスウ−ルと、グラスウ−ルの飛散防止のため排気進入口及び排出 口に配設された多孔金属板とからなるコンパクトで簡単な装置構造により、複雑 なフィルタ−構成やフィルタ−再生処理工程を要することなく、ディ−ゼル機関 の排気ガスに含まれるパティキュレ−トを有効に捕集し、排気ガスを浄化する効 果がある。さらに上述のコンパクトで簡単な装置構造を提供することによって、 装置製造コストの低廉化を実現し産業上の利用効果を向上させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】縦断側面図

【図２】断面図

【図３】従来の技術による浄化装置の１実施例

【符号の説明】

各図において、１はシェル、２はグラスウ−ル、３は排
気進入口、４は排出口、５及び６は金属板、７及び８は
多数孔、９は回転式フィルタ−。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディ−ゼル機関からの有害なパティキュレ
   −トを排気通路においてろ過、捕集する構造のディ−ゼ
   ル機関の排気浄化装置において、装置本体を構成するシ
   ェル内に形成された排気通路の排気進入口及び排出口に
   内接して、多数の小孔を穿設した金属板をそれぞれ溶接
   固定し、細かく切断したグラスウ−ルをシェル内に充填
   したことを特徴とするディ−ゼル機関の排気浄化装置。