JP3035584U - ベッドパン洗浄機の電動式ベッドパン回転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベッドパン洗浄機において、洗浄槽内で汚物
の排出および洗浄を確実におこなわせるための電動式ベ
ッドパン１８０度回転装置。 【解決手段】 洗浄槽１の前面から下方に開口する前蓋
２にベッドパン１１を取り付けて、前蓋２を閉じるとベ
ッドパン１１を自動的に１８０度回転せしめる機構を、
電動機その他で構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、病院などで使用するベッドパン（病人用差込み便器）の洗浄機にお いて、前蓋のラックホルダーにベッドパンの取っ手を手前にして取り付け、前蓋 を閉めると洗浄開始スイッチが開され、ベッドパンは１８０度回転して、洗浄槽 内で汚物の排出と洗浄を確実に行わせる電動式ベッドパン回転装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の回転装置は、看護従事者の手によってベッドパンを洗浄槽内のラ ックホルダーに取り付け、前蓋を閉めた後、空圧アクチュエータなどを利用して ベッドパンを１８０度回転せしめるものがあった。（例えば公開特許広報６３− ６７３４１号）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものは、看護従事者の手で、狭い洗浄槽内に汚物の入った ベッドパンを取り付けようとすると、看護従事者の腕まで洗浄槽内に入るので、 洗浄槽の一部に手又は腕が接触し、院内感染の恐れから看護従事者は、この作業 を嫌う問題点があった。本考案の目的とするところは、看護従事者の手や腕が絶 対に洗浄槽に接触しない解放された前蓋の位置に、ベッドパンの取っ手を手前に して取り付け、前蓋を閉め、しかる後ベッドパンを１８０度回転せしめようとす るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成させるために、本考案におけるベッドパン洗浄機のベッドパン 回転装置は、洗浄機の前面で下方に開口する前蓋の裏側すなわち洗浄槽側に、ベ ッドパンの取っ手が手前側にくるベッドパン取付用のラックホルダーを設ける。 一般にベッドパンは取っ手側が汚物の放出を容易にするために開口されており、 反対側は袋状になっていて、この方向からは汚物の放出ができない構造になって いる。このベッドパンを取付けるラックハルダーは、前蓋の裏側に張り付けたブ ラケットに固定された減速機付電動機の出力軸に取付けられている。

【０００５】 本考案では、この状態で前蓋を閉めると、前蓋が洗浄開始スイッチを押すので 、前記減速機付電動機によって、ベッドパンは１８０度回転して停止し、ベッド パンの汚染部が、洗浄槽内に設けた洗浄液噴射ノズルと丁度対向位置になるよう に構成する。洗浄効果を高めるために１８０度回転後、洗浄中ベッドパンは数十 度の揺動運動を行わせることができる。

【０００６】 よって看護従事者は、ベッドパンの取っ手を持って開放された前蓋に設けたラ ックホルダーに手前から差し込んで取り付け、前蓋を閉じるだけの作業で、ベッ ドパンは、１８０度回転して汚物を洗浄槽内に放出し、引き続き洗浄作業を行う ことができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１において、洗浄槽１の前側で下方に開口する前蓋２の裏側の裏蓋３のほぼ 中央にブラケット４を取り付け、このブラケット４には減速機付電動機５および ２個の停止位置確認用リミットスイッチ６を取り付け、更に減速機の出力軸７に はリミットスイッチ用ドッグ８を持つ円板９を取り付ける。減速機の出力軸７は ブラケット４より突き出しており、ここにラックホルダー１０をセットする。

【０００８】 図２は、汚物の入ったベッドパン１１をラックホルダー１０に取り付けた後、 前蓋２を持ち上げて、洗浄槽１に対し前蓋２が閉まった状態を示す。この時前蓋 ２は、洗浄槽１側に取り付けた洗浄開始スイッチ１２を押して、減速機付電動機 ５は、回転を始め、ベッドパン１１が１８０度回転すると、図３のようにリミッ トスイッチ用ドッグ８はもう一つの停止位置確認用リミットスイッチ６を押して 、減速機付電動機は回転を停止する。

【０００９】 この状態でベッドパン１１の汚染部と対向的に取り付けた洗浄液噴射ノズル１ ３から洗浄液を噴射させれば、ベッドパン１１の汚物の放出と洗浄を行うことが できる。洗浄作業が完了すると減速機付電動機５は逆回転して、ベッドパン１１ は図２の状態に戻るので、前蓋２を開けた時、ベッドパン１１の取っ手は図１に 示す前側に位置するので取り外しは容易である。

【００１０】 図２の１８０度回転位置に対し、対向的に停止位置確認用リミットスイッチ６ を更に２個取り付け、この間で洗浄中に揺動運動をおこなわせれば、ベッドパン を満遍なく洗浄し洗浄効果は一層有効である。

【００１１】

【考案の効果】

図１のように前蓋を開放した状態で、ベッドパンの取っ手を手に持ってラック ホルダーに差し込んで取り付け、前蓋を閉じるだけで図３のようにベッドパンは １８０度回転して、汚物の放出と洗浄が可能であり、従来の技術のように看護従 事者がベッドパンを取り付けるために、洗浄槽の内側の一部に接触する恐れは全 くなくなった。

【００１２】 また、１８０度の回転装置を持たないで、ベッドパンを前蓋側に取り付けよう とする場合は、手で持つベッドパンの取っ手側を本考案と逆に洗浄槽側から差し 込んで取り付ける必要があり、看護従事者の手や腕は洗浄槽側に位置するので、 作業姿勢が悪く、洗浄槽の汚染部に接触する恐れがある。以上により本考案の電 動式ベッドパン回転装置は、院内感染防止面から極めて有効である、。

【図面の簡単な説明】

【図１】前蓋を開放した状態におけるベッドパン洗浄機
の１８０度回転装置の断面図。

【図２】前蓋を閉じた状態直後のベッドパン洗浄機の１
８０度回転装置の断面図。

【図３】前蓋を閉じてベッドパンが１８０度回転時のベ
ッドパン洗浄機の１８０度回転装置の断面図。

【符号の説明】

１ ベッドパン洗浄槽 ２ 前蓋 ４ ブラケット ５ 減速機付電動機 ６ 停止位置確認用リミットスイッチ ８ リミットスイッチ用ドッグ ９ 円板 １０ ラックホルダー １１ ベッドパン １３ 洗浄液噴射ノズル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄液噴射ノズル（１３）を有するベッ
   ドパン洗浄槽（１）と、この洗浄槽の前面から下方に開
   口する前蓋（２）と、これの洗浄槽側に設けたベッドパ
   ン（１１）を受け入れるラックホルダー（１０）を備え
   るベッドパン洗浄機において、前蓋（２）の中央に設け
   たブラケット（４）に取り付けた減速機付電動機（５）
   と、停止位置確認用リミットスイッチ（６）と、リミッ
   トスイッチ用ドッグ（８）を持つ円板（９）を取り付け
   た減速機の出力軸（７）の上端にラックホルダー（１
   ０）を取り付けて、前蓋（２）を閉じると変速機付電動
   機（５）の回転によりラックホルダー（１０）が１８０
   度回転し、ベッドパン（１１）の汚染部が、洗浄槽
   （１）内で洗浄液噴射ノズル（１３）と対向可能に構成
   したことを特徴とする電動式ベッドパン回転装置。
2. 【請求項２】 前記ラックホルダー（１０）の１８０度
   回転装置にて、前蓋（２）を閉じ１８０度回転後、更に
   減速機付電動機（５）によってラックホルダー（１０）
   が揺動運動を行うための停止位置確認用リミットスイッ
   チ（６）を２個追加して設けた請求項１記載の電動式ベ
   ッドパン回転装置。