JP3035462U

JP3035462U - Ｐｔｐ包装用トップフィルム

Info

Publication number: JP3035462U
Application number: JP1996010250U
Authority: JP
Inventors: 資郎飯森
Original assignee: 東邦樹脂工業株式会社
Priority date: 1996-09-04
Filing date: 1996-09-04
Publication date: 1997-03-18
Anticipated expiration: 2002-09-04

Abstract

(57)【要約】【課題】トップフィルムにアルミニウム箔を使用する
ことなく被包装物をトップフィルム側から指で押し出し
て簡単に取り出すことができ、フィルム自体も適度な伸
びと弾力性があって簡単に破れるような虞れもなく、ト
ップフィルム側からも被包装物が透視できるようにし
た、ＰＴＰ包装用トップフィルムを提案する。【解決手段】全面に微細な多数の孔を形成した厚さが
１０〜３０μｍのポリテレフタル酸エチレンフィルム又
は配向性ポリプロピレンフィルムに厚さが１０〜４０μ
ｍのシーラント層を積層してなるＰＴＰ包装用のトップ
フィルムであって、上記孔はシーラント層に向って逆円
錐又は逆角錐状あるいは逆円錐台又は逆角錐台状に形成
されてシーラント層との積層面で１５μｍφ以下の径を
有し、かつ該孔を１ｃｍ^２当り４００〜３０００個設け
てなることを特徴とするＰＴＰ包装用トップフィルム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、医薬品や菓子等の被包装物が一定単位数量ごとに収容され、指で押し出すことにより被包装物を簡単に取り出すことができるようにしたいわゆるＰＴＰ包装に用いるトップフィルムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＰＴＰ包装はブリスター包装の一種として、特に医薬品の錠剤やカプセル等の包装に従来から広く使用されており、例えば図２〜３に示すように、１０個の錠剤１６を包装するために凹窪１２を２列５行に配設した包装体１１において、各凹窪１２間にが縦横に切取り線１３を設けて各凹窪１２を有する単位包装１４ごとに切り離しできるように構成し、包装体１１外周縁の切取り線１３と接する端部には楔状のノッチ１５が形成されている。

【０００４】そして、ＰＴＰ包装では塩化ビニール，ポリスチレン，ポリエチレン等の成型シートに形成された上記凹窪１２面をシールするためのトップフィルム１７として一般に塩化ビニール（ＰＶＣ），ポリエチレン（ＰＥ）等をコートしたアルミニウム箔が用いられている。

【０００５】しかしながら、従来のこのトップフィルム１７は、（イ）非常に裂け易いために、押し出した内容物にアルミニウム箔の破片が付着することがあり、誤飲する虞れがあること。（ロ）保管や輸送中に破れてしまう恐れがあること。（ハ）異物混入を発見する金属探知機が使用できないこと。（ニ）使用後、廃棄物を分別処理できないこと。等の欠点がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記のような従来の欠点を解消し、トップフィルムにアルミニウム箔を使用することなく被包装物をトップフィルム側から指で押し出して簡単に取り出すことができ、フィルム自体も適度な伸びと弾力性があって簡単に破れるような虞れもなく、トップフィルム側からも被包装物が透視できるようにした、ＰＴＰ包装用トップフィルムを提案するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は全面に微細な多数の孔を形成した厚さが１０〜３０μｍの延伸ポリテレフタル酸エチレンフィルム又は配向性ポリプロピレンフィルムに厚さが１０〜４０μｍのシーラント層を積層してなるフィルムであって、上記孔はシーラント層に向って逆円錐又は逆角錐状あるいは逆円錐台又は逆角錐台状に形成されてシーラント層との積層面で１５μｍφ以下の径を有し、かつ該孔を１ｃｍ^２当り４００〜３０００個設けてなることを特徴とするＰＴＰ包装用トップフィルムに関するものであり、これにより被包装物のトップフィルムからの押出し性が良好で、包装体に形成された凹窪内の被包装物を容易に取り出すことができるのである。次に、本考案に係るＰＴＰ包装用トップフィルムの実施の形態を図により説明する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係るＰＴＰ包装用トップフィルムの断面説明図で、１は延伸された延伸されたポリテレフタル酸エチレン（ＰＥＴ），配向性ポリプロピレン（ＯＰＰ）のいずれかからなる厚さ１０〜３０μｍのプラスチックフィルムで、該フィルム１の片面にはポリエチレン（ＰＥ），ポリプロピレン（ＰＰ），エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）又はアイオノマーのうちの１種で厚さが１０〜４０μｍのシーラント層２が積層されている。

【００１０】３は上記フィルム１に１ｃｍ^２当り４００〜３０００個、好ましくは１０００〜２５００個の割合で設けられた微細な多数の孔で、該孔３はシーラント層２に向って逆円錐状，逆角錐状あるいは逆円錐台状，逆角錐台状にに形成され、表面即ちシーラント層２と反対面で該孔３の径ｌ_１は２０〜１００μｍφ、好ましくは３０〜６０μｍφで、逆円錐台状又は逆角錐台状の場合のシーラント層２との積層面での該孔３の径ｌ_２は１５μｍ以下、好ましくは１０μｍ以下とする。

【００１０】フィルム１の上記形状の孔３は貫通した孔と未貫通の孔のいずれでもよいが、全ての孔３が貫通孔では易裂き性が大きくなり過ぎて破れ易くなり、一方全ての孔３が未貫通孔では易裂き性が悪くなるので、貫通孔が単位面積当り半分以上が好ましく、貫通孔と未貫通孔の割合は包装する被包装物の種類または用途により適宜決めればよい。また、孔３の数は３０００個／ｃｍ^２以上にするとフィルム１の強度が低下して必要以上に破れ易くなり、一方４００個／ｃｍ^２以下では押出し性が劣化する。

【００１３】なお、孔３のフィルム１表面側での大きさｌ_１を１００μｍφ以上の径にするとフィルム１の強度が著しく低下して実用化できず、一方２０μｍφ以下では易裂き性が劣化する。従って、ｌ_１は２０〜１００μｍφ、好ましくは３０〜６０ μｍφがよい。

【００１４】この逆円錐台状等の形状の孔３は、例えば互いに圧接し合う２個１対のローラの一方の表面に鋭角な合成ダイヤモンド粒子を一様に電着しておき、裏面にシーラント層２を積層する前のフィルム１を該ローラー間を適宜な圧接力で通過させることによって形成することができ、両ローラの圧接程度によって孔３の貫通孔と未貫通孔との割合を調整することができる。

【００１５】実施例厚さ２０μｍの延伸ポリテレフタル酸エチレンフィルムに表面側の孔３のｌ_１径が３０〜４０μｍ、裏面側のｌ_２径が１０μｍの逆円錐台状の孔と未貫通の逆円錐状の孔の割合が１：１程度で孔数２０００個／ｃｍ^２のフィルム１を作製し、該フィルム１の裏面にアイオノマーシーラント層２を積層してＰＴＰ包装用トップフィルム１７を製作した。

【０００１】そして、厚さが２００μｍの高密度ポリエチレンシートを真空成形することによって形成された各凹窪１２内に医薬品の錠剤１６を入れ、上記トップフィルム１７を凹窪１２上面に熱融着して図２〜３と同様の形状のＰＴＰ包装体１１を製作した。そこで、各凹窪１２内の錠剤１６をトップフィルム１７に向けて指で押し出したところ、該フィルム１７は容易に破れて薬を簡単に取出すことができた。また、このＰＴＰ包装体は保管，運搬等に何ら問題がなかった。

【００１６】

【考案の効果】

本考案のＰＴＰ包装用トップフィルムは上記のように構成され、錠剤等の被包装物を指で押し出してトップフィルム側から容易に取り出すことができ、フィルム自体も適度な伸びと弾力性があって保管，運搬中に簡単に破れたりすることがなく、トップフィルム側からも被包装物が透視でき、従来のようにアルミニウム箔を使用しないのでアルミニウム破片の被包装物中への混入が全くないので誤飲することがなく、かつ錠剤等の包装工程で異物混入を防止するために金属探知機も使用でき等、種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るＰＴＰ包装用トップフィルムの断
面説明図である。

【図２】一般的なＰＴＰ包装の形態の一例を示す平面図
である。

【図３】図２の要部断面図である。

【符号の説明】

１−ポリテレフタル酸エチレンフィルム２−シーラント層３−逆円錐（逆角錐）状の孔１１−包装体１２−凹窪１３−切取り線１４−単位包装１５−ノッチ１６−錠剤１７−トップフィルムｌ_２−逆円錐又は逆角錐形の孔の径（表面側）ｌ_２−逆円錐又は逆角錐形の孔の径（シーラント層側）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ６５Ｄ 83/04 Ｂ６５Ｄ 83/04 Ｄ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】全面に微細な多数の孔を形成した厚さが
１０〜３０μｍのポリテレフタル酸エチレンフィルム又
はポリプロピレンフィルムに厚さが１０〜４０μｍのシ
ーラント層を積層してなるＰＴＰ包装用のトップフィル
ムであって、上記孔はシーラント層に向って逆円錐又は
逆角錐状あるいは逆円錐台又は逆角錐台状に形成されて
シーラント層との積層面で１５μｍφ以下の径を有し、
かつ該孔を１ｃｍ^２当り４００〜３０００個設けてなる
ことを特徴とするＰＴＰ包装用トップフィルム。
【請求項２】前記シーラント層がポリエチレン，ポリ
プロピレン，エチレン酢酸ビニル又はアイオノマーのう
ちから選ばれる１種である請求項１記載のＰＴＰ包装用
トップフィルム。