JP3035003U - 工作物の丸孔中心点の印付け用工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所要位置に多くの丸孔が開けられた工作基板
から他の被工作板の開穿すべき丸孔の中心印を付す工作
物の丸孔中心点の印付け用工具を得る。 【解決手段】 中心部に開穿の孔と該孔の奥部に該孔よ
り大径の開放の円腔とを有する台座と、台座の孔に挿通
の中心軸孔付胴体部と該胴体部の先端部に台座の円腔の
周面に内接可動して円腔上面に係止し先端部において中
心から周辺に沿って傾斜面を形成した頭部とを有する中
心位置誘導体と、中心位置誘導体よりも長くその中心軸
孔に摺動自在に内接し先端中心に尖部を形成したポンチ
ング杆とから構成され、中心位置誘導体の頭部傾斜面全
体が台座下面から張出する位置で係止する可動範囲制限
手段と、ポンチング杆の尖部を常態は中心軸孔の先端内
側に位置させ該中心軸孔より臨出させたときは自動的に
常態位置に復帰させる復帰手段と、ポンチング杆を中心
軸孔から逸脱防止する逸脱防止手段とを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として、作業現場において、複数の工作物に対して同一の位置に 多数の丸孔を開穿する場合に、該丸孔の中心位置を簡易迅速に割り出して中心印 を付すことができるようにした工作物の丸孔中心点の印付け用工具に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、作業現場において、複数の工作物に対して同一の位置に多数の丸孔を開 穿する場合には、定規や物差しその他の道具を用いて、その丸孔の中心位置を割 り出して印し付けするのが普通である。

【０００３】 そのような手段によるときは、その中心位置の割り出し作業に多くの時間と手 間が掛かる上に、計算違いその他の人為的ミスによる誤差により間違った位置を 求めてしまう場合があるなどの欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、主として、作業現場において、複数の工作物に対して同一 の位置に多数の丸孔を開穿する場合に、正規の位置に多数の丸孔が開けられた工 作基板から他の被工作板の開穿すべき丸孔の中心位置が簡易迅速にして、しかも 誤差なしに割り出して中心印を付すことができる工作物の丸孔中心点の印付け用 工具を得ようするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の如き観点に鑑みてなされたものであって、中心部に開穿され た孔と該孔の奥部に該孔より大径の開放された円腔とを有する台座と、前記台座 の孔に挿通する中心軸孔付胴体部と、該胴体部の先端部に前記台座の円腔の周面 に内接可動して円腔上面に係止すると共に先端において中心から周辺に沿って傾 斜面を形成した頭部とを有する中心位置誘導体と、前記中心位置誘導体よりも長 く該中心位置誘導体の中心軸孔に摺動自在に内接すると共に先端中心に尖部を形 成したポンチング杆とから構成され、前記中心位置誘導体にはその頭部の傾斜面 全体が台座の下面から張出する位置で係止する可動範囲制限手段と、前記ポンチ ング杆の尖部を常態は中心位置誘導体の中心軸孔の先端内側に位置させると共に 該尖部を該中心位置誘導体の中心軸孔より臨出させたときは自動的に常態位置に 復帰させる復帰手段と、前記ポンチング杆を中心位置誘導体の中心軸孔から逸脱 するのを防止する逸脱防止手段とを設けた工作物の丸孔中心点の印付け用工具を 提供しようとするものである。

【０００６】

【作用及び実施例】

以下、本考案一実施例の構成を図面を参照しながら説明する。 図１は全体の組立状態を示す斜視図、図２は台座の平面図、図３は台座の縦断 面図、図４は中心位置誘導体の平面図、図５は中心位置誘導体の縦断面図、図６ はポンチング杆の正面図であり、図７は中心位置誘導体の頭部が台座の下面から 引き隠った状態を示す斜視図、図８は中心位置誘導体の頭部が台座の下面から張 出した状態を示す斜視図、図９は図８の状態でポンチング杆の尖端を中心位置誘 導体の中心軸孔より臨出させた状態を示す斜視図である。

【０００７】 本考案は、大別して、台座１０、中心位置誘導体２０、ポンチング杆３０から 構成されている。

【０００８】 前記台座１０は円形で所要の厚みを有しており、その中心部には孔１１が開穿 され、該孔１１の奥部には該孔１１より大径の開放された円腔１２が形成されて いる。

【０００９】 前記中心位置誘導体２０は胴体部２１とその先端部の頭部２２から構成されて おり、該胴体部２１は前記台座１０の孔１１に挿通し、その中心軸方向に沿って 中心軸孔２３が開通されている。そして、前記頭部２２には前記台座１０の円腔 １２の周面１３に内接可動して円腔１２の上面１４に係止する膨出部２４と共に 先端において中心から周辺に沿って傾斜面２５が形成されている。

【００１０】 前記ポンチング杆３０は前記中心位置誘導体２０よりも長く該中心位置誘導体 ２０の中心軸孔２３に摺動自在に内接すると共に、先端中心に尖部３１が形成さ れ、上端部に上下二段のフランジ３２、３３が形成され、その間にくびれ部３４ が設けられている。

【００１１】 前記中心位置誘導体２０には台座１０の上方に表出する胴体部２１の所定位置 にねじ等の突子２７を取り付けるためのねじ孔２６が穿設されている。

【００１２】 上記のように構成された台座１０、中心位置誘導体２０、ポンチング杆３０を 上述の説明に沿って関係させて図１に示すように組み立てる。 その際、中心位置誘導体２０の上端面とポンチング杆３０の下段フランジ３３ との間にスプリング４０を介装する。それにより、前記ポンチング杆３０の尖部 ３１を常態は中心位置誘導体２０の中心軸孔２３の先端内側に位置させると共に 該尖部３１を該中心軸孔２３より臨出させたときは自動的に常態位置に復帰させ ることができるように構成されている。

【００１３】 そして、中心位置誘導体２０は台座１０の上方に表出する胴体部２１の所定位 置に取り付けた突子２７により、その頭部２２の傾斜面２５全体が台座１０の下 面１５から張出する位置で係止するように中心位置誘導体２０の可動範囲が制限 されている。

【００１４】 そして又、前記中心位置誘導体２０の突子２７とポンチング杆３０のくびれ部 ３４との間は所要長さの鎖や紐等の連結体４１で繋がれ、それによって前記ポン チング杆３０が中心位置誘導体２０の中心軸孔２３から逸脱するのを防止できる ように構成されている。

【００１５】 次に、以上のように構成された工具を使用して、作業現場等において、複数の 工作物に対して同一の位置に多数の丸孔を開穿する場合について説明する。 正規の位置に多数の丸孔が開けられた工作基板を他の被工作板の上に重ねる。 そこで、正規工作基板のひとつの丸孔位置に合わせ、その上に台座１０を置く。 そして、中心位置誘導体２０を自重又は手で押し下げる。そうすると、その頭部 ２２の先端の傾斜面２５はその丸孔に進入する。その際、その進入に従って該頭 部２２の中心は自然にその丸孔の中心に向かって誘導され、最終的に、その中心 軸孔２３に挿入されたポンチング杆３０の尖部３１に対応する。そうして、該ポ ンチング杆３０を手指又は適当なハンマーなどの打叩具によりスプリング４０の 弾撥力に抗して強く叩くように押し下げると、該尖部３１の尖端が被工作板に当 たり、その当たったところが印される。その印された点が正規工作基板の当該丸 孔の中心点に対応する。その後、該ポンチング杆３０から手指を放して押圧力を 解放すると、該ポンチング杆３０はスプリング４０の弾撥力により、その尖端を 中心位置誘導体２０の中心軸孔２３の先端より隠った位置の常態位置に自動的に 復帰する。 尚、この場合、前記丸孔の径の大きさは、中心軸孔２３の径より大きく、頭部 ２２の径より小さいものについて適用することができる。

【００１６】 以下、同様にして、正規工作基板の他の丸孔について同様の操作をしてそれら の丸孔の中心点を被工作板に付していく。それによって正規工作基板の各丸孔に 対応する中心点が被工作板に印される。その中心点を目印にして丸孔加工をすれ ば、正規工作基板と同様な位置に多数の丸孔を開穿した被工作板が得られる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、主として、作業現場におい て、簡単な構成からなる工具によって正規の位置に多数の丸孔が開けられた工作 基板から他の被工作板の開穿すべき丸孔の中心位置が簡易迅速にして、しかも誤 差なし中心印を付すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の構成を示す全体の斜視図であ
る。

【図２】本考案一実施例の構成を成す台座の平面図であ
る。

【図３】本考案一実施例の構成を成す台座の縦断面図で
ある。

【図４】本考案一実施例の構成を成す中心位置誘導体の
平面図である。

【図５】本考案一実施例の構成を成す中心位置誘導体の
縦断面図である。

【図６】本考案一実施例の構成を成すポンチング杆の正
面図である。

【図７】本考案一実施例の構成において中心位置誘導体
の頭部が台座の下面から引き隠った状態を示す斜視図で
ある。

【図８】本考案一実施例の構成において中心位置誘導体
の頭部が台座の下面から張出した状態を示す斜視図であ
る。

【図９】図８の状態でポンチング杆の尖端を中心位置誘
導体の中心孔より臨出させた状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 台座 １１ 孔 １２ 円腔 １３ 周面 １４ 上面 １５ 下面 ２０ 中心位置誘導体 ２１ 胴体部 ２２ 頭部 ２３ 中心軸孔 ２４ 膨出部 ２５ 傾斜面 ２６ ねじ孔 ２７ 突子 ３０ ポンチング杆 ３１ 尖部 ３２ フランジ ３３ フランジ ３４ くびれ部 ４０ スプリング ４１ 連結体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心部に開穿された孔と、該孔の奥部に
   該孔より大径の開放された円腔とを有する台座と、 前記台座の孔に挿通する中心軸孔付胴体部と、該胴体部
   の先端部に前記台座の円腔の周面に内接可動して円腔上
   面に係止すると共に先端部において中心から周辺に沿っ
   て傾斜面を形成した頭部とを有する中心位置誘導体と、 前記中心位置誘導体よりも長く該中心位置誘導体の中心
   軸孔に摺動自在に内接すると共に、先端中心に尖部を形
   成したポンチング杆とから構成され、 前記中心位置誘導体にはその頭部の傾斜面全体が台座の
   下面から張出する位置で係止する可動範囲制限手段と、 前記ポンチング杆の尖部を常態は中心位置誘導体の中心
   軸孔の先端内側に位置させると共に該尖部を該中心位置
   誘導体の中心軸孔より臨出させたときは自動的に常態位
   置に復帰させる復帰手段と、 前記ポンチング杆を中心位置誘導体の中心軸孔から逸脱
   するのを防止する逸脱防止手段とを設けたことを特徴と
   する工作物の丸孔中心点の印付け用工具。