JP3034685B2 - 研磨ロボットの制御方法 - Google Patents

研磨ロボットの制御方法

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JP3034685B2 JP6136992A JP6136992A JP3034685B2 JP 3034685 B2 JP3034685 B2 JP 3034685B2 JP 6136992 A JP6136992 A JP 6136992A JP 6136992 A JP6136992 A JP 6136992A JP 3034685 B2 JP3034685 B2 JP 3034685B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は研磨ロボットの制御方法
に関する。さらに詳しくは、ファジィ制御を用いてなる
研磨ロボットの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より研磨ロボットの制御において
は、位置制御と力制御が組み合わされてなるハイブリッ
ド制御が行なわれている。すなわち、一般的にロボット
の制御は絶対座標あるいは作業座標の6方向(xyz軸
方向の3方向とxyz軸回りの回転3方向)で指令値が
与えられ、これらの指令値をロボットの各関節、一般的
には6関節の指令値に変換し、その変換された指令値が
各モータの指令値とされている。そして、位置制御と力
制御とが組み合わされてなるハイブリッド制御において
は、絶対座標系(あるいは作業座標系)では位置と力の
制御は独立して取り扱われるが、例えば前記6方向のう
ちある方向については位置制御がなされ、また別な方向
については力制御がなされているが、つまり位置/力選
択がなされているが、絶対座標系(あるいは作業座標
系)における位置制御する方向と力制御する方向とが選
択され後は、位置制御および力制御の演算処理かなさ
れ、ついでそれらの演算結果をトルク指令値の段階で重
ね合わせてモータの指令値が生成される。しかして、従
来のハイブリッド制御における力制御は、PIやPID
制御によりなされているため、ロボットの姿勢により補
償ゲインを変化させなければならないという問題があ
る。
【0003】また、力指令値をファジィ制御により処理
を行ない、この処理値を位置指令値に加算して制御する
こともなされているが、この場合は、位置の逆変換処理
(手先位置、姿勢から関節角を求める処理)が必要なた
め、それに伴いサンプリング周期が長期化し、制御性能
が劣化するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点に鑑みなされたものであって、ロボットの姿
勢が変化しても補償ゲインを変化させる手順を踏むこと
なく、またサンプリング遅れによる性能劣化が生じるこ
となく、所定のトルク指令値が得られる研磨ロボットの
制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の研磨ロボットの
制御方法は、位置制御と力制御が組み合わされてなるハ
イブリッド制御による研磨ロボットの制御方法であっ
て、力制御がファジィ制御によりなされ、前記ファジィ
制御が、 (1)力の偏差e、該偏差の変化量de、ロボットの手
先位置D、トルクの指令値の変化量duおよびファジィ
制御の出力のリミッタLについて設定された、NB,N
M,NS,ZO,PS,PMおよびPBをファジィ変数
とする三角型メンバーシップ関数と、 (2)前記力の偏差、該偏差の変化量、ロボットの手先
位置、トルク指令値の変化量、ファジィ制御の出力のリ
ミッタについて規定している下記の表3〜4とを用いて
なされるものであって、表3によりトルク指令値の変化
量が力の偏差および力の偏差の変化量に応じて規格化さ
れて算出され、その規格化されたトルク指令値の変化量
が表4によりロボットの手先位置に応じた出力のリミッ
タを用いて実際の変化量として出力されることを特徴と
している。
【0006】
【表3】
【0007】
【表4】
【0008】
【作用】本発明の研磨ロボットの制御方法においては、 (1)力の偏差、該偏差の変化量、ロボットの手先位
置、トルクの指令値の変化量およびファジィ制御の出力
のリミッタ(規格化定数)について設定された、NB,
NM,NS,ZO,PS,PMおよびPBをファジィ変
数とする三角型メンバーシップ関数と、 (2)前記力の偏差、該偏差の変化量、ロボットの手先
位置、トルクの指令値の変化量およびファジィ制御の出
力のリミッタ(規格化定数)について、もし力の偏差e
がNM、かつ、力の偏差の変化量deがZOであれば、
トルクの指令値の変化量duはNMであるとし、もしロ
ボットの手先位置DがPSであれば、ファジィ制御の出
力のリミッタ(規格化定数)LはNSであるとするとい
うように規定したファジィルールとを用いたファジィ制
御により、トルク指令値の変化量、すなわち補正力指令
値を求めているので、ロボットの姿勢の如何にかかわら
ず、所望のトルクの指令値を得ることができる。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明を実施
例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。
【0010】 図1は本発明の制御方法が適用されるロ
ボットの概略図、図2は本発明の制御方法のブロックダ
イヤグラム、図3はメンバーシップ関数のグラフ、図4
は本発明による電流指令値とロボット手先位置との関係
のグラフを示す。図において、1は制御部、2は動作
部、3は力センサ、4はグラインダ、5はコンプレッサ
を示す。
【0011】 本発明の制御方法が適用されるロボット
においては、サンプリング遅れによる性能劣化を防ぐた
めに、デジタルシグナルプロセッサ(DSP1,DSP
2)が制御部に組込まれて高速処理がなされている。
【0012】 次に本発明の制御方法について説明する
が、位置制御については従来と同様であるのでその説明
は省略する。
【0013】 オペレータなどにより入力された力指令
値は、ロボットの手先部に配設されている力センサ3よ
りのフィードバックされた力信号により修正された後、
位置制御と力制御とを選択する位置/力選択部に入力さ
れる。この位置/力選択部に入力された力信号は、選択
行列により力制御がなされている座標における力の偏差
(力指令値とフィードバックされた力信号との差)eと
して出力される。この際、出力される出力数は2であ
り、その内の一つは直接ファジィ制御部入力され、残り
の一つは時間微分された後ファジィ制御部に入力され
る。また、ロボットの手先位置Dがファジィ制御部に入
力される。
【0014】 ファジィ制御部の入力をこの様に定める
のは、力の偏差eとその変化量deに基づき非線形制御
を行なうためと、ロボットの手先位置Dによりファジィ
制御の出力のリミッタ(規格化定数)Lの値を調整する
ためである。なお、出力の規格化定数をリミッタとする
のは、次のような理由による。ファジィ制御においては
一般にメンバーシップ関数を〔0,1〕あるいは〔−
1,1〕の間に規格化して演算を行い、ついでその演算
出力をもとの物理量に戻す際に規格化を行った際の値、
すなわち規格化定数を出力に掛けることがなされてい
る。したがって、この規格化定数により出力の大きさが
規定されることとなる。それ故、一般的に出力に関する
規格化定数は特にリミッタと称されている。
【0015】 ファジィ制御部では、図3に示すメンバ
ーシップ関数および下記の表5〜6に示すファジィルー
ルを用いてファジィ演算処理がなされて、トルク指令値
の変化量duが出力される。なお、図3に示すメンバー
シップ関数のうち、(a)は力の偏差e、力の偏差の変
化量deおよびトルクの指令値の変化量duについての
ものであり、(b)はロボットの手先位置Dおよびファ
ジィ制御の出力のリミッタLについてのものである。メ
ンバーシップ関数をこの様に規定するのは、演算処理の
容易性、演算精度の向上のためである。また、ファジィ
ルールを下記の表5〜6のように規定するのは、前記と
同様に演算処理の容易性、演算精度の向上のためであ
る。なお、表5は、力の偏差eとその変化量deを入力
としてトルク指令値の変化量duを出力するファジィ制
御のルール表を示し、表6は表5により生成されたトル
ク指令値の変化量duを手先位置Dに応じたリミッタL
により実際の変化量duとして出力するファジィ制御の
ルール表を示す
【0016】 ここでファジィ集合のラベルは、 NB:ネガティブビッグ NM:ネガティブミディアム NS:ネガティブスモール ZO:ゼロ PS:ポジティブスモール PM:ポジティブミディアム PB:ポジティブビッグ XSAPN:力の偏差の規格化定数 YSAPN:力の偏差の変化量の規格化定数 USAPN:トルク指令値の規格化定数 DSAPN:ロボットの手先位置の規格化定数 LSAPN:ファジィ制御出力のリミッタ を示す。
【0017】
【表5】
【0018】
【表6】
【0019】 ファジィ制御部から出力されたトルク指
令値の変化量du、すなわち補正力指令値は、座標変換
部Cowによりその座標系がワーク座標から絶対座標への
座標変換がなされる。しかるのち、補正力指令値は力・
トルク変換部により各軸のモータのトルク指令値に変換
される。このトルク指令値は、トルク補償部により位相
補償などの補償がされた後、位置制御部の電流指令値に
加算され、この電流指令値によりロボットの制御がなさ
れる。この補正値を電流指令値に加算するのは、位置指
令値そのものに加算した場合よりもサンプリング周期が
短縮され、制御性能の劣化が防止されることによる。
【0020】 図4にこの様に制御されたロボットの電
流指令値とロボット本体からの手先位置との関係が示さ
れている。図4より明らかなように、本発明の制御方法
によれば、ロボットの手先位置に応じた電流指令値が得
られるのがわかる。
【0021】 以下、より具体的な実施例に基づいて本
発明をさらに詳細に説明する。
【0022】 実施例1および比較例1 図5に示されるモデルを用いて外乱を加えたときの制御
性について、本発明の制御方法(実施例1)と固定ゲイ
ンのPI制御による制御方法(比較例1)についてシミ
ュレーションを行なった。結果を図6〜9に示した。
【0023】 図6は実施例1において外乱A(h=2
0mm)を加えたときの応答性のグラフ、図7は実施例
1において外乱B(h=25mm)を加えたときの応答
性のグラフ、図8は比較例1において外乱A(h=20
mm)を加えたときの応答性のグラフ、図は比較例1
において外乱B(h=25mm)を加えたときの応答性
のグラフを示す。図6〜9より明らかなように、外乱A
を加えたときは実施例1と比較例1との応答性に顕著な
差がみられないが、外乱Bを加えたときには実施例1と
比較例1とには顕著な差がみられ、比較例1では制御不
能になっているのがわかる。
【0024】 実施例2〜3および比較例2〜3 図1に示す研磨ロボットにおいて、XSAPNを1.3
3とし、YSAPNを0.0476とし、USAPNを
2.56として平板の研磨を行ない、研磨特性を調査し
た(実施例2)。結果を図10に示す。固定ゲインのP
I制御による研磨ロボットにおいて、Pを15、Iを2
4として実施例2と同一の平板の研磨を行ない、研磨特
性を調査した(比較例2)。結果を図11に示す。図1
0〜11より明らかなように、実施例2でも比較例2で
も平板では問題なく研磨されている。
【0025】 次に、実施例2と同様に調整された研磨
ロボットにより、曲面板の研磨を行ない、研磨特性を調
査した(実施例3)。結果を図12に示す。比較例2と
同様に調整された研磨ロボットにより実施例3と同一の
曲面板の研磨を行ない、研磨特性を調査した(比較例
3)。結果を図13に示す。図12〜13より明らかな
ように、実施例3では問題なく研磨されているが、比較
例3では発振がおこり研磨されていないのがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の研磨ロボ
ットの制御方法によれば、サンプリング遅れによる性能
劣化を生ずることなく、また姿勢変化に応じた所望の電
流指令値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制御方法が適用されるロボットの概
略図である。
【図2】 本発明の制御方法のブロックダイヤグラムで
ある。
【図3】 メンバーシップ関数のグラフであり、(a)
は力の偏差e、力の偏差の変化量duおよびトルクの指
令値の変化量duについてのものであり、(b)はロボ
ットの手先位置Dおよび出力のリミッタLについてのも
のである。
【図4】 本発明による電流指令値とロボット手先位置
との関係のグラフである。
【図5】 シミュレーションに用いられたモデルを示
す。
【図6】 シミュレーションにおける外乱Aを加えたと
きの実施例1の応答性を示すグラフである。
【図7】 シミュレーションにおける外乱Aを加えたと
きの比較例1の応答性を示すグラフである。
【図8】 シミュレーションにおける外乱Bを加えたと
きの実施例1の応答性を示すグラフである。
【図9】 シミュレーションにおける外乱Bを加えたと
きの比較例1の応答性を示すグラフである。
【図10】 実施例2における研磨特性を示すグラフで
ある。
【図11】 比較例2における研磨特性を示すグラフで
ある。
【図12】 実施例3における研磨特性を示すグラフで
ある。
【図13】 比較例3における研磨特性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 制御部 2 作動部 3 力センサ 4 グラインダ 5 コンプレッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−12709(JP,A) 特開 平3−25504(JP,A) 特開 平3−86462(JP,A) 特開 平3−245943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 27/00 B24B 49/10 B25J 9/10 B25J 13/08 G05B 13/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置制御と力制御が組み合わされてなる
    ハイブリッド制御による研磨ロボットの制御方法であっ
    て、 力制御がファジィ制御によりなされ、 前記ファジィ制御が、 (1)力の偏差、該偏差の変化量、ロボットの手先位
    置、モータのトルク指令値の変化量およびファジィ制御
    の出力のリミッタについて設定された、NB,NM,N
    S,ZO,PS,PMおよびPBをファジィ変数とする
    三角型メンバーシップ関数と、 (2)前記力の偏差、該偏差の変化量、ロボットの手先
    位置、トルク指令値の変化量、ファジィ制御の出力のリ
    ミッタについて規定している下記の表1〜2とを用いて
    なされるものであって、 表1によりトルク指令値の変化量が力の偏差および力の
    偏差の変化量に応じて規格化されて算出され、その規格
    化されたトルク指令値の変化量が表2によりロボットの
    手先位置に応じた出力のリミッタを用いて実際の変化量
    として出力される ことを特徴とする研磨ロボットの制御
    方法。 【表1】 【表2】
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EP0695606A1 (en) * 1994-07-25 1996-02-07 Consorzio per la Ricerca sulla Microelettronica nel Mezzogiorno - CoRiMMe Fuzzy control process and device for positioning and quickly damping mechanical oscillations
CN109202688B (zh) * 2018-08-02 2023-09-26 华南理工大学 一种恒力研磨装置及其研磨控制方法

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