JP3034272U - 装飾用手芸品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 針金の入った紐を使用して、豪華に装飾可能
な、従来になく応用範囲の広い装飾用手芸品を提供す
る。 【解決手段】 筒状の紐１に針金２を入れたものを曲げ
て、所望の形状としたものを、布帛等のシート３上に接
合し、上記形状の変形可能な装飾片４となし、この装飾
片４に含まれる前記シート３上に、造花等の装飾物５を
設置して装飾品とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、針金の入った紐を使用した新規な装飾用手芸品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

針金の入った紐を変形させて使用する手芸品は知られているが、これは、針金 をそれに適合した太さの紐で被覆して使用するもので、単なる針金細工と同様に 折り曲げて使用するだけで、着色された針金を使用するのと大差なかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、針金の入った筒状の紐を使用して、造花等で豪華に装飾可能な、応 用範囲の広い装飾用手芸品を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、筒状の紐に針金を通したものを曲げて、環状としたものを、所望 形状のシートの周囲表面に接合したものを、装飾片としたものを使用することに よって、所期の目的を達成した。

【０００５】 即ち、本考案の製品は、ゆとりのある太さの筒状の紐に針金を入れたものを折 り曲げ、所望の形状とし、これを織物、編物、不織布、紙等のシート上に接合し 、上記シートを、上記紐の周囲に沿って切断するか、または予め所望の形状とし たシートの周囲表面に、針金を入れた紐を接合したものを装飾片として使用する のである。

【０００６】 ここにシートの切断箇所または予め所望形状とされたシートの周囲は、環状に 形成された上記紐に沿っていればよく、即ち、上記紐とシートの接合が保たれる 範囲で、該シートは、上記紐の外周と一致して又は外周より若干内側に位置する ようにされても、また外周から少しはみ出して、該シートの周囲で装飾片が縁取 られるようにされてもよい。

【０００７】 なお、この装飾片の上記紐で囲まれたシート上には、捺染、刺繍、あるいは造 花等の装飾物の設置等により、装飾を施すことより、非常に意匠効果に優れた製 品を得ることができる。

【０００８】 かかる本考案で使用する筒状の紐の太さは、針金が自由に動くように、内径が 針金の太さの５倍以上に形成されるのがよい。なお、紐の種類は、予め筒状に形 成された袋編や袋織の製品であっても、通常の布帛を筒状に縫合したものであっ てよい。また、薄地の布帛からなる紐を使用し、紐の太さ（内径）を針金の１０ 倍以上とし、紐をシャーリング（又はギャザリング）して使用することにより、 より変化に富んだ製品とすることもできる。

【０００９】 また、針金の入った紐のシート上への接合は、接着剤による接着又は縫着のい ずれでもよく、また、所望形状に形成された装飾片は、２種以上組み合わせて、 使用されてもよい。

【００１０】 かかる本考案の製品は、針金の入った紐が装飾片の外周を構成するようにして 、ブローチやヘアバンド等の装身具として使用したり、また、カップをシート内 （シート裏面上）に置き、その口部を覆った状態で、上記紐内の針金を締め、装 飾性に富んだ容器として使用することもできる。

【００１１】 後者の場合、使用されるカップは、紙製、金属製、ガラス製又はプラスチック 製のいずれでもよく、プリンやゼリー等の容器を使用することもできる。

【００１２】 このような容器は、本考案に従った装飾片を手に使用したり、蓋に使用して、 更に、装飾性あるものとすることもできる。例えば、容器の手として、筒状の紐 に針金を通したものを環状に折り曲げ、所望の帯状シートの周囲表面に接合した 装飾片を使用したり、また、容器の蓋として、シートの周囲表面に、筒状の紐に 針金を通したものを接合し、該シート上に皿状成形体（紙皿等）を置き、該シー トがこの皿状成形体の周囲を覆うように、上記針金を締めたものを使用してもよ い。

【００１３】 更に、本考案の製品は、名刺入や小物入等としても使用できる。この場合、装 飾片の周囲に、上記シートの袋状部分が形成されるように、針金を強く引き締め 、該装飾片を二つ折りにし、この折り曲げ位置で、上記針金の入った紐の重合部 分を固定し、がま口状とするのがよい。

【００１４】 いずれの例においても、装飾片のシート上には、装飾物を設置するのが好まし く、その代表的なものとして、ビーズ、造花、リボン、シート片、紐類等が使用 できるが、これらのシート上への固定は、接着剤によっても、縫着によってもよ い。しかし、風合及び強度の面から一般に縫着によるのが好ましい。

【００１５】 なお、造花を使用する場合、市販の造花等を使用してもよいが、布帛等を花形 に裁断成形した花形シートを複数枚重ね合わせ、その花芯にビーズを置き、該ビ ーズを通した縫い糸で、重ね合わせた花形シートを小花状に形成したもので、上 記縫い糸が、上記重ね合わせた花形シートの裏面に環を形成するように露出した ものを使用するのが好ましい。

【００１６】 このようにして形成した小花は、ビーズが花芯として存在するため、非常に装 飾性に優れるものであり、しかも、裏面に露出する縫い糸の環に糸を通して、小 花をシートに容易に縫着固定できるので扱い易い。

【００１７】

【考案の実施の形態】

次に、本考案を図面に示す実施例に従って説明する。 実施例１ 図１の例は、ポリエステル繊維からなる太さ８ミリの筒状の紐（コード紐）１ に太さ0.５mmの針金２を入れたものを折り曲げて、３個の連続した花弁状に形成 し、これをポリエステル布帛からなるシート３上に、接着剤で接合し、シート３ を紐１の外周に沿って切断して、装飾片４としたものである。装飾片４のシート ３上には、装飾物５として、布製の造花ａ、ビーズｂ、装飾シート片（メッシュ 様布帛に金属蒸着したもの）ｃが縫着されている。 このようにして得た製品は、針金が自由に変形可能であるので、装飾片４の形 状を変化させて使用できる、美麗な花弁状の装飾品で、壁面や帽子、ドレス等の 装飾品として広範に使用できるものであった。

【００１８】 実施例２ 図２の例は、針金の入った実施例１と同様の紐１をポリエステル布帛からなる シート３に五弁の花びら状に接着し、周囲のシート３を切断除去し、シート３及 び紐１の上に造花（布製小花）ａを真珠状ビーズｂを芯として全体に縫着し、更 に中央部に布製のバラの造花Ａを縫着したものであり、シート３の裏面に、造花 ａ等の装飾物５の縫い目を覆うように、ポリエステルサテンからなる裏打布６で 裏打ちし、中央部にピン７を付けて、豪華なブローチに仕上げたものである（図 ３参照）。 この製品は、パーティー様のドレスの装飾品として、また、贈答品の包装材の 装飾品として、非常に効果的に使用できた。

【００１９】 実施例３ 図４の例は、ポリエステル製の透視性ある薄地のシャ織物を筒状に縫い合わせ た太さ1.５cmの紐１に太さ0.５mmの針金２を入れたものを、該針金２上で前記紐 １をシャーリング（又はギャザリング）するようにして、円形に折り曲げ、円形 となった紐１の内側周囲をシート３上に接着し、シート３を、この接着面に沿っ て切断除去し、残ったシート３上に装飾物５を縫着したものである。 この製品は、薄地で広幅の紐１が周囲を花弁状に取り囲んだ軽やかな装飾品で 、帽子や鞄等の装飾品として幅広く使用できた。

【００２０】 実施例４ 図５の例は、太さ１０mmの赤色の紐（コード紐）１に太さ0.８mmの針金２を入 れたものを、木の葉状に折り曲げ、赤色模様を有する黒色のベルベット地からな るシート３に接着し、シート３を紐１の外周に沿って切断したものである（図５ のＡ参照）。この製品は、針金を引き締めることにより、図５のＢの如く、紐１ にギャザーが入り、中央のベルベット地すなわちシート３が膨れた、軽量にして 立体感ある、美しい装飾品となった。

【００２１】 実施例５ この例は、紐１を白色とし、シート３として、表面に銀色の金属箔加工をした ３mm角のメッシュ状布帛を使用した以外は、実施例４と同様の方法を実施した。 この製品は、針金２を引き締めることにより、非常に軽やかにして、高貴な印象 を与える装飾品となった。また、メッシュ状布帛からなるシート３には、種々の 装飾物５が容易に装着でき、装飾物５として金属箔片等を貼着することにより、 ソフトな風合を有するメタリック調の立体的な装飾品を得ることができた。

【００２２】 実施例６ 図６の例は、太さ８mmの淡紫色のコード紐からなる紐１に太さ0.８mmの針金２ を入れたものを、木の葉状に折り曲げ、淡紫色の織布からなるシート３に接着し 、シート３を紐１の外周に沿って切断し、その中央部に種々の装飾物５を装着し たものであり、その後、裏面には、上記紐１の周囲に縁がはみ出すように、裏打 布６が貼着されている。 上記装飾物５は、紐１に隣接する部分では、造花ａとビーズｂからなるもので あるが、紐１で囲まれたシート３の中央部には、装飾物５ａとして、太さ４mmの 金色のコード紐１’に0.５mmの針金を入れたものを小さな木の葉状に形成し、シ ート上に接着したもので、該シート上に小花とビーズからなる装飾物を高密度に 縫着したものの裏面を金色の裏打布６’で裏打ちしたものを縫着している。この 装飾物５ａは根元で縫着されているので、上方の針金を曲げることにより、立体 感ある製品とすることができる。

【００２３】 実施例７ 図７の例は、太さ７mmの銀色のコード紐１に太さ0.８mmの針金２を入れたもの を、直径約２０cmの環状に形成し、これを白布シート３上に貼着し、シート３を 紐１の外周に沿って切断した後、裏返し、シート３の裏面にプラスチック製のカ ップ１１（口部の直径９cm、深さ3.５cm）を置き、その口部を覆った状態で、紐 １の針金２を締め、容器本体を形成し、これに、図８のようにして形成した手を つけて、籠状の容器に形成したものである。手は、針金２’を通した銀色のコー ド紐１’を、図８のＡの如く、長さ２５cmの細長い環状に折り曲げ、その裏面に 白布シート３’を貼着し、このシート３’上に小花状の造花ａを全体に縫着した ものであり、造花ａを縫着した裏面には、全体に裏打布６が貼着されている（図 ８のＢ参照）。

【００２４】 なお、容器及び手いずれのシート３、３’にも、ピンクの造花ａによる装飾を 施しているが、この造花ａは、図９に示すように、布帛を、五弁の花びらを有す る花形に裁断成形した直径1.２cmと1.４cmの花形シート８ａ、８ｂを二枚重ね合 わせ、その花芯にビーズｂを置き、該ビーズｂを通した縫い糸９で、重ね合わせ た花形シート８ａ、８ｂを小花状に形成したもので、上記縫い糸が、上記重ね合 わせた花形シート８ｂの裏面に環１０を形成するように露出したものであり、こ の環１０を利用して、シート３、３’に縫着されている。造花ａは、花形シート ８ａ、８ｂの形状を変化させることにより、図９のＢのように、表情を容易に変 化させることができ、また、花芯に位置するビーズｂにより、装飾性及び立体感 に非常に優れたものとなる。

【００２５】 実施例８ 図１０の例は、直径２０cmの円形に裁断した、表面を銀色のメタリック処理し た３mm角のメッシュ状布帛からなるシート３の周囲表面に、太さ７mmの紫色のコ ード紐１に針金２を入れたものを縫着したもので、シート３の裏面上にガラス製 のカップ１１（口部の直径７cm、深さ８cm）を置き、その口部を覆った状態で、 紐１の針金２を締め、得られた容器の周囲に、紫色の紐を装飾物４として貼着し たもので、内部を透視できる、非常に意匠効果に優れた容器となった。

【００２６】 実施例９ 図１１の例は、太さ７mmの白色の紐１に太さ0.８mmの針金２を入れたものを直 径２３cmの環状に形成し、これをピンクのサテン地からなるシート３上に接着剤 で接合し、シート３を紐１の外周に沿って切断した後、該シート３の裏面上に、 プラスチック製のカップ１１（口部の直径１1.５cm、深さ3.５cm）をピンクのタ オル地１２で覆ったものを置き、その口部を覆った状態で、紐１の針金２を締め たものを容器本体とし、別に、白色サテン地からなるシート３”の周囲表面に、 太さ７mmの金色の紐１”に太さ0.８mmの針金２”を通したものを接合し、該シー ト３”上に、皿状成形体（紙皿）１３を底が上となるように置き、シート３”が この皿状成形体１３の周囲を覆うように、針金２”を締めたものを蓋とした、蓋 付き容器である。 この例では、蓋の、皿状成形体１３はクッション材を入れた装飾布１４等で覆 って、より意匠性に優れるものとなっており、裁縫セットやキャンデー入れ等と して、広範に利用できるものとなった。

【００２７】 実施例１０ 図１２の例は、針金２を入れた赤色の紐１を環状に折り曲げ、これを赤色ドッ ト柄のある白布の表裏を白色のレース地で覆ったシート３上に、接着剤で接合し 、シート３を紐１の外周に沿って切断して、装飾片４としたものであるが、ここ では、針金２を強く引き締め、装飾片４の周囲に、シート３の袋状部分ｘが形成 されるようにし、かつ針金２を紐１で形成される口部ｙが四角になるように変形 させた状態で、上記装飾片４を二つ折りにし、該折り曲げ位置ｚで、針金２の入 った紐１の重合部分を糸で締めつけ固定して、がま口状としたものであり、この 製品は、名刺入等として使用できるものとなった。

【００２８】 実施例１１ カップ１１の代わりに、草花の植えた植木鉢を用いた以外が、実施例９と同様 の方法を実施した。その結果、植木鉢は美しくラッピングされ、玄関等にそのま ま意匠性よく、飾ることができるものとなった。なお、この場合、水漏れを防ぐ ため、植木鉢は底をプラスチック製のカップで覆い、その上からシート３で覆う ようにするのが好ましい。

【００２９】

【考案の効果】

本考案では、針金の入った紐を折り曲げて、任意な形状の装飾品を容易に得る ことができるものであり、しかも、該紐で囲まれたシート上には、造花等の装飾 物を自由に設置できるので、従来になく、豪華又は可憐な種々の装飾品を得るこ とができる。また、これらの装飾品は、針金の入った紐を任意に折り曲げること が可能であるので、使用時に、製品の一部を折り曲げて、立体的な装飾品とする こともできる。更に、広いシートの周囲に針金の入った紐を取り付けた製品は、 該シート裏面上にカップその他の物品を置き、それを覆って、針金を締めること により、それらを装飾性ある容器に製造したり、また、装飾性あるラッピングと して使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一例の製造工程を示す説明図である。

【図２】本考案の一例を示す斜視図である。

【図３】図２の製品の要部断面図である。

【図４】本考案の一例を示す斜視図である。

【図５】本考案の一例を示す斜視図で、Ａは平坦な状態
を、Ｂは針金を引き締めた状態を示す。

【図６】本考案の一例を示す斜視図である。

【図７】本考案の一例を示す斜視図である。

【図８】図７の例で手として使用する装飾片を示すもの
で、Ａは造花を縫着する前の平面図、Ｂは造花を縫着し
た後の断面図である。

【図９】図７の例で使用した造花を示すもので、Ａは平
面図、Ｂは使用例を示す斜視図である。

【図１０】本考案の一例を示す斜視図である。

【図１１】本考案の一例の一部破断した斜視図である。

【図１２】本考案の一例を示すもので、Ａは口を閉じた
状態の正面図、Ｂは口を開いた状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ 紐 ２ 針金 ３ シート ４ 装飾片 ５ 装飾物 ６ 裏打布 ７ ピン ８ａ、８ｂ 花形シート ９ 糸 １０ 環 １１ カップ １２ タオル地 １３ 皿状成形体

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の紐１に針金２を通したものを曲げ
   て環状としたものを、所望形状のシート３の周囲表面に
   接合したものを装飾片４としたことを特徴とする装飾用
   手芸品。
2. 【請求項２】 上記シート３に装飾物５として造花を取
   り付けたものであり、上記造花が、花形に裁断成形した
   複数枚の花形シート８ａ、８ｂを重ね合わせ、その花芯
   にビーズｂを置き、該ビーズｂに通した縫い糸９で、上
   記花形シートを小花状に形成したもので、上記縫い糸９
   が、重ね合わせた花形シート裏面に環１０を形成するよ
   うに露出したものである請求項１の装飾用手芸品。
3. 【請求項３】 上記紐１が、上記装飾片４の外周を形成
   するものであり、該装飾片４が装身具に形成されている
   請求項１又は２の装飾用手芸品。
4. 【請求項４】 カップ１１を上記シート３内に置き、そ
   の口部を覆った状態で、上記針金２を締めることによ
   り、上記装飾片４を装飾性ある容器とした請求項１又は
   ２の装飾用手芸品。
5. 【請求項５】 上記容器の手として、筒状の紐１’に針
   金２’を通したものを環状に折り曲げ、所望の帯状シー
   ト３’の周囲表面に接合した装飾片４’を使用した請求
   項４の装飾用手芸品。
6. 【請求項６】 上記容器の蓋１２として、シート３”の
   周囲表面に、筒状の紐１”に針金２”を通したものを接
   合し、該シート３”上に皿状成形体１３を置き、該シー
   ト”が上記皿状成形体１３の周囲を覆うように、上記針
   金２”を締めたものを使用した請求項４の装飾用手芸
   品。
7. 【請求項７】 上記針金２を強く引き締め、上記装飾片
   ４の周囲に、上記シート３の袋状部分が形成されるよう
   にした状態で、上記装飾片４を二つ折りにし、該折り曲
   げ位置で、上記針金２の入った紐１の重合部分を固定
   し、がま口状とした請求項１又は２の装飾用手芸品。