JP3034174U - 酒 瓶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明ガラスからなる酒瓶に充填された清酒の
清澄感を向上させる。 【解決手段】 透明ガラスからなる瓶本体１の胴部１１
及び首部１２の正面側と前記胴部１１の背面側にそれぞ
れ白地の紙製のラベル２が貼着されている。これらのラ
ベル２は、その裏側の貼着面２ａに、青系色の塗料を用
いて、一定のパターンで配列した多数のドット等による
網掛け印刷が施されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、清酒などの透明酒類を充填する酒瓶に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、清酒は茶色もしくは緑色に着色されたガラス瓶に充填されているが、 近年、商品の多様化及び差別化に伴って、このような色以外の瓶や、無色透明の ガラス瓶に充填されたものも見られるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

清酒は、発酵させたもろみから絞って低温殺菌し専用の貯蔵タンクに貯蔵した 状態ではほぼ無色透明であるが、いったん瓶詰めされると、その時点から僅かに 黄変し、すなわち黄ばみを生じることが知られている。この黄変は、清酒の品質 には何ら影響するものではないが、清酒の容器として無色の透明ガラスからなる 酒瓶を採用した場合、この酒瓶を通して中の黄ばんだ清酒が見えることになるた め、店頭の消費者の目には新鮮な清酒には感じられず、商品としての視覚（色覚 ）的な印象が損なわれるといった問題が指摘される。また、清酒の透明感を出す ために、小売店では内面を青系色で彩色した詰め合わせ贈答用の化粧箱に入れて 陳列するといった例も見られるが、このような化粧箱を使用せずに陳列する場合 も少なくない。

【０００４】 本考案は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とする ところは、無色の透明ガラスからなる酒瓶に充填された清酒等透明な酒類の清澄 感を向上させることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本考案に係る酒瓶は 、無色の透明な瓶本体に貼着されたラベルの貼着面が青系色で着色されてなるこ とを特徴とするものである。すなわち、瓶本体に充填された酒（清酒）は僅かに 黄変するが、ラベルの貼着面を青系の色彩に着色しておくと、透明な瓶本体を通 して見える酒の色は、ラベルの貼着面で瓶本体内部に反射した青系の色光の影響 を受ける。そしてこの場合、黄の色光は青の色光と互いに補色の関係にあり、そ の色光の混合によって酒の黄ばみが消色されて白色光を生じるため、酒の透明感 を向上させることができる。

【０００６】 特に、前記ラベルの貼着面は可視光をスペクトル分解することによって得られ る青の原色で着色することが好ましく、上述した補色関係による酒の透明感を一 層向上させることができる。また、ラベルが紙製であってその貼着面の着色を印 刷によって行う場合、ベタ刷りすると、ラベル貼付装置によってラベルを瓶本体 に貼着する工程において、前記貼着面に接着剤を塗布する際に、この接着剤が前 記貼着面全体を覆っている印刷塗料によってはじかれ、剥離を生じやすいので、 この場合は白地の貼着面に網掛け印刷することが有効である。すなわち網掛け印 刷を行えば、前記貼着面には適当な面積率で非着色面が残存することから、この 非印刷面によって接着剤の付着性を確保することができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は、本考案に係る酒瓶の好適な一実施形態を示す斜視図で、参照符号１は 無色の透明ガラスからなる例えば720ml 入りの瓶本体、２はこの瓶本体１の胴部 １１及び首部１２の正面側と前記胴部１１の背面側にそれぞれ貼着されたラベル である。瓶本体１内には、清酒Ｓが充填され、アルミ栓４で密栓されている。

【０００８】 ラベル２は白の上質紙製であって、瓶本体１の胴部１１の正面側に貼着された ラベルの表側の面には銘柄名などが印刷されており、前記胴部１１の背面側に貼 着されたラベルの表側の面には商品説明などが印刷されている。また、これらの ラベル２は、その裏側の貼着面２ａに、青系色、例えばカラーテレビジョンにお ける画像の三原色のうち青の原色に相当する色彩の塗料を用いて、一定のパター ンで配列した多数のドット等による網掛け印刷が施されている。貼着面２ａの面 積と網掛け印刷による着色面積の割合は、例えば１０％程度とする。

【０００９】 この実施形態によれば、先に述べたような補色作用によって、瓶本体１内の清 酒Ｓの黄変による色覚的な悪影響を抑え、清酒の清澄感を向上させることができ る。また、網掛け印刷によって、貼着面２ａには着色パターンの間に十分な非印 刷面が残存するため、この貼着面２ａへの接着剤の良好な付着性を確保すること ができる。

【００１０】 なお、本考案は、図示の実施形態によって限定的に解釈されるものではない。 例えば、瓶本体１に貼着された複数のラベル２のうち一枚以上の貼着面２ａを着 色すれば良い。また、上述の実施形態ではラベル２は白地の紙製のものを使用し たが、顔料の混合によって青系色に着色されている紙又はフィルムからなるもの や、白地の紙からなるラベル本体の裏面に、顔料の混合によって青系色に着色さ れた紙等を貼り合わせたもの等でも良い。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によると、瓶本体に貼着するラベルの貼着面を青系の色彩に着色したこ とによって、瓶本体内の酒の黄ばみが、ラベルの貼着面から反射した青系色光と の混合によって消えるので、清澄感が向上し、視覚（色覚）的な新鮮さの印象が 損なわれるのを有効に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る酒瓶の一実施形態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 瓶本体 ２ ラベル ２ａ 貼着面 Ｓ 清酒

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無色の透明な瓶本体に貼着されたラベル
   の貼着面が青系色で着色されていることを特徴とする酒
   瓶。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、 青系色は可視光をスペクトル分解することによって得ら
   れる青の原色であることを特徴とする酒瓶。
3. 【請求項３】 請求項１又は２の記載において、 青系色の着色が、ラベルの白地の貼着面に網掛け印刷す
   ることによりなされていることを特徴とする酒瓶。
4. 【請求項４】 請求項１又は２の記載において、 青系色の着色が、ラベルの材質中に顔料を混合すること
   によりなされていることを特徴とする酒瓶。