JP3034051U - 絵具凝固防止簡便容器 - Google Patents

絵具凝固防止簡便容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 西洋画分野の中の一部で使用されるアクリル
絵具は、空気にふれると短時間で凝固し始めるので、チ
ューブ、瓶等本来の市販容器から、絵具をパレットに適
時適量に取出して使いこなすことは容易でなく、かなり
の熟練を要する。また、一旦凝固した絵具は使用不能と
なるので、捨てるしかない。従って、絵具の取出しに要
する手間と時間を軽減して、絵画制作に一層専念できる
ようにすること、及び絵具の使用をより効率的にするこ
とが重要な課題である。 【解決手段】 気密性食品容器及び家庭用冷蔵庫で使用
できる製氷皿の形態と機能を応用して、気密性の高い2
箇のふたと体部及び下箱からなる容器を作成して、チュ
ーブ等の本来容器とパレットとの中間容器として位置づ
け、手元において利用することにより上記課題を大部分
解決できると思われる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】 [産業上の利用分野] 本考案は、主として、アクリル絵具を対象として考案したものであるが、使用 の簡便性から、古くから使用されている油性絵具、水彩絵具その他速乾性の半液 状の材料を使用する作業分野でも利用される可能性がある。絵画については、プ ロ画家から画学生の間でアクリル絵具愛好者は増加中で、絵具使用量も人により 異なるので、本考案も容器のサイズに段階を設けて対応することが必要となる。
【0002】 [考案の属する技術分野] 本考案は、既存の気密性食品容器及び家庭用冷蔵庫の製氷皿の原理を応用し、 部品を追加して、一体的に組合わせて使用するための製造技術及び簡便な二重ぶ たと多色絵具収容という容器の多機能を活用した制作作業の効率化技術である。
【0003】 [従来の技術] 通常、西洋画の絵具容器は、大小のチューブ及び瓶であり、これらから絵具混 合・調整用パレット(以下「パレット」という。)に直接取出している。チュー ブや瓶は、ほとんどがネジぶたであり、従来の容器から常時、必要量だけ取出す ことは、相当の手間がかかる。とくに、空気にふれると短時間で凝固しはじめる アクリル絵具は、一旦凝固すると使用できなくなるので、必要な色と量の絵の具 を、こまめに取出す必要があり、取出し頻度が高くなる。この不便さに対応する 一般的な用具は、まだ市販されておらず、使用者の工夫に任されている。
【0004】 [考案が解決しようとする課題] 本考案は、本来の絵具容器とパレットの中間に位置づけて使用することにより 絵具取出しの簡便性を高めるとともに、絵具使用量を効率化することにより、絵 画制作作業の能率を高めようとする容器の提供を目的とするものである。
【0005】 [課題を解決するための手段] 本考案は、気密性容器であって、上記問題を解決するために、体部1と上ぶた 2及び中ぶた3を使用するが、絵画制作作業の時間帯を、制作中、中長期中断( 食事、就寝等)に大別し、制作中は開閉が容易な中ぶた3を使用、中長期中断時 には、上ぶた2及び中ぶた3の両方を使用することにより、より気密性を高めて おけば、安心して中断でき、中断後の作業再開を容易にする手段を講じた。
【0006】 [考案実施の形態] 本考案は、前述の手段を講じたので、気密性保持のための構造を理解したうえ での上手な使用方法が肝要である。以下、構造上の補足説明及び使用方法を順次 記載する。
【0007】 材料は合成樹脂が適当と思われるが、体部1は強固な材質のもの、上ぶた2及 び中ぶた3は、開閉の簡便性と気密性を高める機能に適する柔軟性のある材質の ものが適する。さらに、中ぶた3は、閉めたとき、その下の絵具入れ穴6の中の 絵具の存否と色を明確でなくてもほぼ判別できる程度の透明性が必要である。
【0008】 中ぶた3は、開閉の頻度が高いので、上部中央に取手14をつけた。また、気 密性を高めるため、中ぶた3の周囲部全面に縁を設け、これを体部1の上部10 の内面及びそれと直角に設けた段差20に密着させる。それと同時に、中ぶたの 下面が、各絵具入れ穴の区切り面7の上に立っている突起部分8の先端にも密着 し、完全とはいえないが、各絵具入れ穴6ごとの気密性も保たれる。これら中ぶ たの機能をより正確に果させるるには、閉じた後、取手14だけでなく、念のた め縁の上面13も下方に押しつければ万全である。
【0009】 各絵具入れ穴6に、通常、各1色の絵具を入れるが、出し入れに際して絵具の 粘りやしたたり等により、予想外の容器部分に付着したり、混色することが考え られるので、これらを極力防止するため、絵具入れ穴の区切り面7に幅をもたせ かつ、絵具入れ穴の区切り面7上部の突起部分8にも同様の機能をもたせた。
【0010】 上ぶた2を体部1の上部10にかぶせて上から押しつけ、体部1の最上部10 の内面に接する部分が、中ぶたの縁の上面13と密着することにより気密性が最 高となる。また、上ぶた2を開けやすくするため、外側全面に上ぶた外側の突出 部11をつけるとともに引き手5をもうけた。
【0011】 絵具入れ穴は、絵具の出し入れを容易にするため、穴の内面に傾斜をつけ、底 面は上部より狭くした。また、絵具混合防止のため、絵具入れ穴の区切り面7に 幅をもたせた。それらにより、穴と穴との仕切り壁が下部にいくほど厚くなるの で材料節減(コスト引下げ)のため絵具入れ穴裏面の空間部9を設け、仕切り壁 の厚さがすべて同一となるようにした。
【0012】 絵具入れ穴裏面の空間部9を設けたことにより、体部1の裏面が平面でなくな り、正常方向で何かの上に置く場合に不安定となる可能性があり、長方形の体部 1の両端6穴にかけて底面安定装置17をもうける。その際、底面安定装置の強 度及び成型上の技術を考慮し、絵具入れ穴裏面の空間部底面19に達するまで、 底面安定装置はすべて同一の厚さで、垂直に、かつ一体的に成型する。図5の1 8底面安定装置の一部(長方形底面の片一方のみ記載。反対側も同様。)参照。
【0013】 使用方法については、要点だけ述べる。制作作業中、中ぶた3の開閉頻度を少 なくするため、絵具は、当面使用する各色及び量を充分考慮して入れる。出入れ 時の汚れを少なくするため、最大限、絵具入れ穴6の深さのおよそ80%程度に どめるる。半液状の絵具を絵具入れ穴6に入れた後は、中ぶた3を閉めていても 、体部1をいずれの方向でも余りに傾けると、絵具入れ穴6上部が汚れたり、絵 具が混合する恐れがあるので、留意が必要である。絵具入れ穴の区切り面上部の 突起部分8やその付近に絵具が付着した場合は、ティッシュ等で拭き取っておく 。
【0014】 [実施例] 市販されている合成樹脂製の食品密閉容器及び家庭用冷蔵庫で使用できる合成 樹脂製の製氷皿(食品密閉容器より固くて強い材質のもの。)を購入した。製氷 皿を食品密閉容器の内面の形に合わせて切断し、本考案の体部1におおむね相当 するものを作成し、食品密閉容器の中にはめこみ、さらに、手元にあった厚さ0 .5ミリメート凡のセルロイド板を食品密閉容器の内面の形にあわせて切断し単 純ではあるが中ぶた3に相当するものを作成して、気密性は不十分ながらも中ぶ た3の機能をはたさせた。なお、セルロイド板にはセロハンテープで開閉に便利 な取手をつけた。以上により完成した試作品を実際に使用してアクリル絵具によ る絵画制作を試みたところ、予想以上の効果があったので、さらに工夫こらして 改良した図面を作成した。その結果、一般的に商品として通用すると考えた。 なお、上記試作品に初めてアクリル絵具を入れた日から本登録願を完成した日 まで14日経過したが当該絵具は全く入れた時の状態で、表面の変質もない。ま た、本容器からパレットへの取出しは、パレットナイフの使用が便利であった。
【0015】 [考案の効果] 以上に述べたように、体部1、上ぶた2および中ぶた3からなる容器は、絵画 制作作業の態様に応じて、上ぶた2及び中ぶたを適切に使用することにより、チ ューブ等の本来容器から移し入れた本容器内の絵具の凝固を防止することができ る。また、手元に必要な色の絵具を入れた容器があり、しかも、出し入れが簡便 である。これらにより、作業の省力化と絵具の効率的使用ができるとともに安心 して作業を中断することができる。さらに、絵画分野では、アクリル絵具に限ら ず、伝統的な油彩、水彩等他種の分野でも使用される可能性がある。また、使用 が一般化して、簡便性の認識が広まれば、絵画以外でも作業形態が類似した分野 で活用される可能性がある。
【提出日】平成7年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】 [産業上の利用分野] 本考案は、主として、アクリル絵具を対象として考案したが、使用の簡便性か ら、古くから使用されている油性絵具、水彩絵具その他速乾性の半液状の材料を 使用する作業分野でも利用される可能性がある。絵画分野では、プロ画家から 曜画家・ 画学生の間でアクリル絵具愛好者は増加中であるとくに、イラスト レーター、デザイナー等の間では急速に普及しつある。ある専門家によれば、「 アクリル絵具は20世紀最後の、偉大な絵具であり21世紀に最も活躍する絵具 」といわれている 。絵具使用量も人により異なるので、本考案も容器のサイズ 最多数層を狙って決める必要がある。
【0002】 [考案の属する技術分野] 本考案は、既存の気密性食品容器及び家庭用冷蔵庫で使用できる製氷皿のの原 理を応用し、絵具入れ本体、二重ぶた及び下箱を1つの容器として使用するため の製造技術であり、簡便な二重ぶた、絵具保存効果及び多色絵具収容という容器 の多機能を活用した絵画制作作業の効率化技術である。
【0003】 [従来の技術と問題点] 通常、西洋画の絵具容器は、大小のチューブ及び瓶であり、これらから絵具混 合・調整用パレット(以下「パレット」という。)に直接取出している。チュー ブや瓶は、ほとんどがネジぶたであり、従来の容器から常時、必要量だけ取出す ことは、相当の手間がかかる。とくに、空気にふれると短時間で凝固しはじめる アクリル絵具は、一旦凝固すると使用できないので、必要な色と量の絵具を、こ まめに取出す必要があり、取出し頻度が高くなる。この不便さに対応する用具 して、紙パレットに保湿性をもたせる箱が市販されているが、多色の絵具を1つ の容器で凝固しない方法で保存し、かつ、簡便にとりだせる容器はまだ考案 され ておらず、使用者の工夫に任されている。
【0004】 [課題を解決するための手段] 本考案は、気密・保湿性容器であって、上記課題を解決するために、体部1、 ぶた2、中ぶた3及び下箱5 を使用する。絵画制作作業の時間帯を、制作中、中 長期中断(食事、就寝等)に大別し、制作中は開閉が容易な中ぶた3を使用、中 長期中断時には、上ぶた2及び中ぶた3の両方を使用することにより、より気密 性及び保湿性を高める。このことにより安心して中断でき、また、中断後の作業 再開を容易にする手段を講じた。
【0005】 [考案実施の形態] 本考案は、前述の手段を講じたので、気密性及び保湿性保持のための構造を理 解した上での適切な使用方法が肝要である。以下、構造上の補足説明及び使用方 法を順次記載する。
【0006】 材料は合成樹脂が適当と思われる。体部1は強固な材質のもの、上ぶた2、中 ぶた3及び下箱5 は、開閉の簡便性と気密性を高める機能に適する柔軟性があり 、さらに、中ぶた3は、閉めたとき、その下の絵具の存否と色を、下箱5は中の 水の量が ほぼ判別できる程度の透明性が必要である。
【0007】 中ぶた3は、開閉の頻度が高いので、上部中央に取手14をつけた。また、気 密性をたかめるため、中ぶた3の周囲全面に縁を設け、これを体部1の上部10 の内面及びそれと直角に設けた段差20に密着させる。それと同時に、中ぶたの 下面が、各絵具入れ穴の区印り面7の上に立っている突起部分8の先端にも密着 し、完全とはいえないが、各絵具入れ穴6ごとの気密性も保たれる。これら中ぶ たの機能をより正確に果させるるには、閉じた後、取手14だけでなく、念のた め縁の上面13も下方に押しつければ万全である。
【0008】 各絵具入れ穴6に、通常、各1色の絵具を入れるが、出し入れに際して絵具の 粘りやしたたり等により、予想外の容器部分に付着したり、混色することが考え られるので、これらを極力防止するため、絵具入れ穴の区切り面7に幅をもたせ 、かつ、絵具入れ穴の区切り面7上部の突起部分8にも同様の機能をもたせた。
【0009】 上ぶた2を体部1の上部10にかぶせて上から押しつけ、体部1の最上部10 の内面に接する部分が、中ぶたの縁の上面13と密着することにより気密性が最 高となる。また、上ぶた2を開けやすくするため、外側全面に上ぶた外側の突出 部11をつけるとともに、体部1の外側全面に下方に傾斜し体部の外側突出部 16を設けた
【0010】 下箱5は、絵画用具としての美観、容器自体の安定性、さらに、保湿性による 絵具保存機能などをもった重要な部品である。下箱の着脱を容易にするため下箱 底面両端の突出部17を設けた
【0011】 保湿性を持続するため、下箱の底に常時少量(浅く)の水を入れるとともに、 各絵具入れ穴の区切り面7の1箇所に、下箱内部まで貫通する細い体部通気口2 0をあけ、水を入れた下箱内部の適度に湿度もった空気が各絵具入穴6と流通 する構造とする。水は清潔を保つため適宜入れ替える 。 下箱も気密性を保つ必要があるので、体部1との接続部分は密着できるはめ込 み方式とする。体部1と下箱の密着性を保ち、かつ、離脱を防止するためには、 完全にはめ込んだ後、体部と下箱の外面接着部9に、2〜4筒所程度(長方形容 器の両面又は4面の各中央部)にセロハンテープ又は粘着シールを貼りつけるだ けでよい。気密性をさらに完全にしたい場合は、体部と下箱の外面接着部9にかぶせるようにセロハンテープを全面(本容器の外側一周にに貼ればよい。
【0012】 使用方法については、要点だけ述べる。制作作業中、中ぶた3の開閉頻度を少 なくするため、絵具は、当面使用する各色及び量を充分考慮して入れる。出入れ 時の汚れを少なくするため、最大限、絵具入れ穴6の深さのおよそ80%程度に とどめる。半液状の絵具を絵具入れ穴6に入れた後は、中ぶた3を閉めていても 、体部1をいずれの方向でも余りに傾けると、絵具入れ穴6上部が汚れたり、絵 具が混合する恐れがあるので、留意が必要である。絵具入れ穴の区切り面上部の 突起部分8やその付近に絵具が付着した場合は、ティッシュ等で拭き取っておく 。
【0013】
【実施例】
市販されている合成樹脂製の食品密閉容器及び家庭用冷蔵庫で使用できる合成 樹脂製の製氷皿(食品密閉容器より固くて強い材質のもの。)を購入した。製氷 皿を食品密閉容器の内面の形に合わせて切断し、本考案の体部1におおむね相当 するものを作成して食品密閉容器の中にはめ込んだ。また、手元にあった厚さ0 .5ミリメートルのセルロイド板を食品密閉容器の内面の形にあわせて切断し、 単純ではあるが中ぶた3に相当するものを作成して、気密性は不十分ながらも中 ぶた3の機能をはたさせた。なお、セルロイド板にはセロハンテープで開閉に便 利な取手をつけた。さらに、食品密閉容器の底と製氷皿との間の隙間に、水をた っぷり含ませたティッシュペーパーを詰め込んだ 。以上により完成した試作品を 実際に使用してアクリル絵具による絵画制作を試みたところ、予想以上の効果が あったので、さらに工夫をこらして改良した図面を作成した。その結果、一般的 に商品として通用すると自信を強めた。なお、上記試作品に初めてアクリル絵具 を入れた日から本登録願完成日まで14日(本補正書作成日まで約1か月)経過 したが、当該絵具は全く入れた時のままの状態で、表面の変質もない。また、本 容器からパレットへの取出しは、少量なら直接絵筆でも可能であるが、パレット ナイフの使用が便利であった。
【0014】 [考案の効果] 以上に述べたように、体部1、上ぶた2、中ぶた3及び下箱5からなる容器は 、絵画制作作業の態様に応じて、上ぶた2及び中ぶた3を適切に使用することに より、チューブ等の本来容器から移し入れた本容器内の絵具の凝固を防止するこ とができる。また、手元に当面必要な色と量の絵具を入れた容器があり、しかも 、出し入れが簡便である。これらにより、作業の省力化と絵具の効率的使用がで きるとともに、安心して作業を中断することができる。 さらに、絵画分野では、アクリル絵画に限らず、伝統的な油彩、水彩等他種の絵画 で使用される可能性がある。また、使用が一般化して、簡便性の認識が広ま れば、絵画以外でも作業形態が類似した分野で活用される可能性がある。
【提出日】平成7年10月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、主として、アクリル絵具を対象として考案したものであるが、使用 の簡便性から、古くから使用されている油性絵具、水彩絵具その他速乾性の半液 状の材料を使用する作業分野でも利用される可能性がある。絵画については、プ ロ画家から日曜画家・画学生の間でアクリル絵具愛好者は増加中であるとくに、イラストレーター、デザイナー等の間では急速に普及しつある。ある専 門家によれば、「アクリル絵具は20世紀最後の、偉大な絵具であり21世紀に 最も活躍する絵具」といわれている 。絵具使用量も人により異なるので、本考案 容器のサイズは最多数層を狙って決める必要がある。
【0002】
【考案の属する技術分野】
本考案は、既存の気密性食品容器及び家庭用冷蔵庫で使用できる製氷皿のの原 理を応用し、絵具入れ本体、二重ぶた及び下箱を1つの容器として使用するため の製造技術であり、簡便な二重ぶた、絵具保存効果及び多色絵具収容という容器 の多機能を活用した絵画制作作業の効率化技術である。
【0003】
【従来の技術と問題点】 通常、西洋画の絵具容器は、大小のチューブ及び瓶であり、これらから絵具混 合・調整用パレット(以下「パレット」という。)に直接取出している。 チューブや瓶は、ほとんどがネジぶたであり、従来の容器から常時、必要量だけ 取出すことは、相当の手間がかかる。とくに、空気にふれると短時間で凝固しは じめるアクリル絵具は、一旦凝固すると使用できないので、必要な色と量の絵具 を、こまめに取出す必要があり、取出し頻度が高くなる。この不便さに対応する 用具として、紙パレットに保湿性をもたせる箱が市販されているが、多色の絵具 を1つの容器で凝固しない方法で保存し、かつ、簡便にとりだせる容器はまだ考 されておらず、使用者の工夫に任されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、気密・保湿性容器であって、上記課題を解決するために、体部1、 ぶた2、中ぶた3及び下箱5 を使用する。絵画制作作業の時間帯を、制作中、中 長期中断(食事、就寝等)に大別し、制作中は開閉が容易な中ぶた3を使用、中 長期中断時には、上ぶた2及び中ぶた3の両方を使用することにより、より気密 性及び保湿性を高める。このことにより安心して中断でき、また、中断後の作業 再開を容易にする手段を講じた。
【0005】
【考案実施の形態】
本考案は、前述の手段を講じたので、気密性及び保湿性保持のための構造を理 解した上での適切な使用方法が肝要である。以下、構造上の補足説明及び使用方 法を順次記載する。
【0006】 材料は合成樹脂が適当と思われる。体部1は強固な材質のもの、上ぶた2、中 ぶた3及び下箱5 は、開閉の簡便性と気密性を高める機能に適する柔軟性があり 、さらに、中ぶた3は、閉めたとき、その下の絵具の存否と色を、下箱5は中の 水の量が ほぼ判別できる程度の透明性が必要である。
【0007】 中ぶた3は、開閉の頻度が高いので、上部中央に取手14をつけた。また、 気密性を高めるため、中ぶた3の周囲部全面に縁を設け、これを体部1の上部1 0の内面、体部内面の上部段差11及び体部内面の下部段差19に密着させる。 それと同時に、中ぶたの下面が、各絵具入れ穴の区切り面7の上に立っている突 起部分8の上面にも密着し、各絵具入れ穴6ごとの気密性もほぼ保たれる。これ ら中ぶたの機能をより正確に果させるには、閉じた後、取手14だけでなく、念 のため縁の上面13も下方に押しつれば万全である。
【0008】 各絵具入れ穴6に、通常、各1色の絵具を入れるが、出し入れに際して絵具の 粘りやしたたり等により、予想外の容器部分に付着したり、混色することが考え られるので、これらを極力防止するため、絵具入れ穴の区切り面7に幅をもたせ 、かつ、絵具入れ穴の区切り面7上部の突起部分8にも同様の機能をもたせた。絵具入れ穴の底面は掃除しやすいように丸い鍋底形とした。
【0009】 上ぶた2を体部1の上部10にかぶせて上から押し付け、体部1の最上部10 の面、中ぶたの縁の上面13及び体部と上ぶたの外面接着部21と密着するこ とにより気密性が最高となる。また。上ぶた2を開けやすくするため、上ぶた中 央ふくらみ部4の幅をせまくして、掴みやすくするとともに、体部1の外側全面 に体部の外側突出部16を設けた。
【0010】 下箱5は、絵画用具としての美観、容器自体の安定性、さらに、保湿性による 絵具保存機能などをもった重要な部品である。下箱の着脱を容易にするため下箱 底面両端の突出部17を設けた
【0011】 保湿性を特続するため、下箱の底に常時少量(浅く)の水を入れるとともに、 各絵具入れ穴の区切り面7の1箇所に、下箱内部まで貫通する細い体部通気口2 0をあけ、水を入れた下箱内部の適度に湿度もった空気が各絵具入穴6と流通 する構造とする。水は清潔を保つため適宜入れ替える 。 下箱も気密性を保つ必要があるので、体部1との接続部分は密着できるはめ込 み方式とする。体部1と下箱の密着性を保ち、かつ、離脱を防止するためには、 完全にはめ込んだ後、体部と下箱の外面接着部9に、2〜4箇所程度(長方形容 器の両面又は4面の各中央部)にセロハンテープ又は粘着シールを貼りつけるだけでよい。気密性をさらに完全にしたい場合は、体部と下箱の外面接着部9にか ぶせるようにセロハンテープを全面(本容器の外側一周)に貼ればよい。
【0012】 使用方法については、要点だけ述べる。制作作業中、中ぶた3の開閉頻度を少 なくするため、絵具は、当面使用する各色及び量を充分考慮して入れる。 出入れ時の汚れを少なくするため、最大限、絵具入れ穴6の深さのおよそ80% 程度にとどめる。半液状の絵具を絵具入れ穴6に入れた後は、中ぶた3を閉めて いても、体部1をいずれの方向でも余りに傾けると、絵具入れ穴6上部が汚れた り、絵具が混合する恐れがあるので、留意が必要である。絵具入れ穴の区切り面 上部の突起部分8やその付近又は中ぶた3の下面に絵具が付着した場合は、ティ ッシュ等で拭き取っておく。
【0013】
【実施例】
市販されている合成樹脂製の食品密閉容器及び家庭用冷蔵庫で使用できる合成 樹脂製の製氷皿(食品密閉容器より固くて強い材質のもの。)を購入した。製氷 皿を食品密閉容器の内面の形に合わせて切断し、本考案の体部1におおむね相当 するらのを作成して食品密閉容器の中にはめ込んだ。また、手元にあった厚さ0 .5ミリメートルのセルロイド板を食品密閉容器の内面の形にあわせて切断し、 単純ではあるが中ぶた3に相当するものを作成して、気密性は不十分ながらも中 ぶた3の機能をはたさせた。なお、セルロイド板にはセロハンテープで開閉に便 利な取手をつけた。さらに、食品密閉容器の底と製氷皿との間の隙間に、水をた っぷり含ませたティッシュペーパーを詰め込んだ 。以上により完成した試作品を 実際に使用してアクリル絵具による絵画制作を試みたところ、予想以上の効果が あったので、さらに工夫をこらして改良した図面を作成した。その結果、一般的 に商品として通用すると自信を強めた。なお、上記試作品に初めてアクリル絵具 を入れた日から本登録願完成日まで14日(本補正書作成日まで約1か月)経過 したが、当該絵具は全く入れた時のままの状態で、表面の変質もない。また、本 容器からパレットへの取出しは、少量なら直接絵筆でも可能であるが、パレット ナイフの使用が便利であった。
【0014】
【考案の効果】
以上に述べたように、体部1、上ぶた2、中ぶた3及び下箱5からなる容器は 、絵画制作作業の態様に応じて、上ぶた2及び中ぶた3を適切に使用することに より、チューブ等の本来容器から移し入れた本容器内の絵具の凝固を防止するこ とができる。また、手元に当面必要な色と量の絵具を入れた容器があり、しかも 、出し入れが簡便である。これらにより、作業の省力化と絵具の効率的使用がで きるとともに、安心して作業を中断することができる。 さらに、絵画分野では、アクリル絵画に限らず、伝統的な油彩、水彩等他種の絵画 で使用される可能性がある。また、使用が一般化して、簡便性の認識が広ま れば、絵画以外でも作業形態が類似した分野で活用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器全体の斜視外面図である。
【図2】本考案図1の全体断面図(長方形の横断面で、
絵具入れ穴に絵具が入る部分)である。
【図3】本考案の中ぶたの斜視図である。
【図4】本考案の体部を真上から見た図である。
【図5】本考案の体部裏面の一部の斜視図(長方形の一
方の端の一部で、他方の端も同じ構造とする。)
【符号の説明】
1・・・体部 2・・・上ぶた(頂上部) 3・・・中ぶた 4・・・上ぶた中央ふくらみ部(中ぶた中央に取手があ
るので、上ぶたも中央を高くする。外観もよくなる。) 5・・・上ぶたの引き手 6・・・絵具入れ穴 7・・・絵具入れ穴の区切り面 8・・・絵具入れ穴の区切り面上部の突起部分 9・・・絵具入れ穴裏面の空間部 10・・体部の最上部 11・・上ぶた外側の突出部 12・・中ぶたの縁 13・・中ぶたの縁の上面 14・・中ぶたの取手 15・・絵具入れ穴の底面 16・・絵具入れ穴の斜面 17・・底面安定装置 18・・底面安定装置の一部 19・・絵具入れ穴裏面の空間部底面 20・・段差
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 絵具凝固防止簡便容器
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器全体の斜視外面図である。
【図2】本考案図1の全体断面図(長方形の横断面で、
絵具入れ穴中央部)である。
【図3】本考案の中ぶたの斜視図である。
【図4】本考案の体部を真上から見た図である。
【図5】本考案の下箱の縦断面図(長方形容器の両端部
分、中央部一部省略)である
【符号の説明】 1・・・体部 2・・・上ぶた(頂上部) 3・・・中ぶた 4・・・上ぶた中央ふくらみ部(中ぶた中央に取手があ
るので、上ぶたも中央を高くする。外観もよくなる。) 5・・・下箱 6・・・絵具入れ穴 7・・・絵具入れ穴の区切り面 8・・・絵具入れ穴の区切り面上部の突起部分 9・・・体部と下箱の外面接着部 10・・体部の最上部 11・・上ぶた外側の突出部 12・・中ぶたの縁 13・・中ぶたの縁の上面 14・・中ぶたの取手 15・・絵具入れ穴の底面 16・・体部の外側突出部 17・・下箱底面両端の突出部 18・・下箱の体部へのはめ込み部 19・・体部内面の段差 20・・体部通気口
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 絵具凝固防止簡便容器
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器全体の斜視外面図である。
【図2】本考案図1の全体断面図(長方形の横断面で、
絵具入れ穴中央部)である。
【図3】本考案の中ぶたの斜視図である。
【図4】本考案の体部を真上から見た図である。
【図5】本考案の下箱の縦断面図(長方形容器の両端部
分、中央部一部省略)である。
【符号の説明】 1・・・体部 2・・・上ぶた 3・・・中ぶた 4・・・上ぶた中央ふくらみ部(中ぶた中央に取手があ
るので、上ぶたも中央を高くする。外観もよくなる。) 5・・・下箱 6・・・絵具入れ穴 7・・・絵具入れ穴の区切り面 8・・・絵具入れ穴の区切り面上部の突起部分 9・・・体部と下箱の外面接着部 10・・体部の最上部 11・・体部内面の上部段差 12・・中ぶたの縁 13・・中ぶたの縁の上面 14・・中ぶたの取手 15・・絵具入れ穴の底面 16・・体部の外側突出部 17・・下箱底面両端の突出部 18・・下箱の体部へのはめ込み部 19・・体部内面の下部段差 20・・体部通気口 21・・体部と上ぶたとの外面接着部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体部(1)と上ぶた(2)及び中ぶた
    (3)の3箇からなる容器である。アクリル絵具は、空
    気にふれると短時間のうちに、表面からしだいに凝固し
    ていく性質があるので、絵画制作中、又は中断するとき
    気密性の高い中ぶた(3)又は上ぶた(2)を適切に使
    用することにより制作作業及び絵具の使用方法を効率化
    できる容器。
JP1995011158U 1995-09-18 1995-09-18 絵具凝固防止簡便容器 Expired - Lifetime JP3034051U (ja)

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JP1995011158U JP3034051U (ja) 1995-09-18 1995-09-18 絵具凝固防止簡便容器
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