JP3033948U - 折り畳み可能なリターナブルコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 梱包、輸送、開梱の１回の流通ルートの使用
に留まらず、繰り返して使用できる構造と製品寸法の範
囲で形状に拘りなく製品固定と緩衝ができ、又、使用の
際に直接に裸の製品の収納や取り出しができ、不使用時
には平らに折り畳んで収納し易くすると共に不使用時の
保管スペースを小さくできるようにする。 【解決手段】 折畳式に底部が構成される箱型の外装ケ
ースと、前記外装ケースの長さ方向と奥行方向のそれぞ
れの内法寸法に対応する所定幅の直線部分と、該各直線
部分の両端にそれぞれ耳部とが一連に折曲げ形成され、
該各直線部分の内面と各耳部の外面とにマジックファス
ナーを添着した所定幅のムーバブル・スペーサーと、前
記各ムーバブル・スペーサーの内面のマジックファスナ
ーに対して接合するマジックファスナーが一面に添着さ
れた複数個の緩衝用ブロックとから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として、ＯＡ機器等の精密機器又は形状が定まらない品物などを ケース内に固定緩衝して輸送・保管などに繰り返して使用できると共に、不使用 時に平らに折り畳んで収納スペースを有効に活用できるようにした折り畳み可能 なリターナブルコンテナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、製造工場においてＯＡ機器等の精密機器の輸送・保管のために使用され る出荷用段ボール包装はワンウエイの包装仕様で繰り返し輸送が不可能なため、 図６に示されているように、製品の寸法・形状並びに重量に合わせてＰＥブロッ ク材による内装保護緩衝材２１の大きさと形状を設計し、又、付属品等を収納す るための固定式付属品収納内装ケース２２も同様に設計し、それらのトータルボ リュームを考慮して固定式外装ケース２３の寸法を算出した特別仕様のコンテナ を製作していた。

【０００３】 このような構造においては、製品を収容していない状態の不使用時は内装保護 緩衝材２１と内装ケース２２が折り畳みの障害となって外装ケース２３は折り畳 みが不可能で、成形されたボックス状を呈したままの状態であるため、かさ張っ て大きな保管スペースを必要としていた。

【０００４】 また、１機種のコンテナ仕様を決定し設計するのに非常に手間、時間と工数が 掛かっていた。更に、１機種対応のために他機種の使用ができないため、互換性 がなく、使用上の不便さもあった。

【０００５】 そして又、段ボール包装はその強度並びに耐久性が出荷からユーザーまでの一 方向のルートに使用される条件で設計・製作されているため、輸送・保管の繰り 返し使用には耐えられない。即ち、製品の出荷梱包からユーザーへの搬送開梱が 終われば、そのコンテナは使用目的を達して廃棄処分されるのが普通である。

【０００６】 そのため、現状では、梱包される製品の機種毎に対応する寸法に合わせて設計 製造されたプラスチック製のコンテナが使用されているが、それも使用期間が終 わると廃棄処分されていた。

【０００７】 上記のように、梱包、輸送、開梱の１回の流通ルートの使用、或は使用期間の 終了を以て、その都度廃棄処分されるものであるため、その廃棄量は膨大なもの になり、それらを焼却又は埋立のいずれによって処理するにしても環境問題を引 き起こす大きな要因となっていた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、梱包、輸送、開梱の１回の流通ルートの使用に留まらず、 何度も繰り返して使用できる構造と製品寸法の範囲で形状に拘りなく製品固定・ 緩衝ができることにより上記の如き従来の欠点を一挙に解消し、更に、使用の際 に直接に裸の製品の収納や取り出しができ、不使用時には平らに折り畳めるよう にして収納し易くすると共に、不使用時の保管スペースを小さくできるようにし て場所を取らずに収容できるようにした折り畳み可能なリターナブルコンテナを 得ようするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の如き観点に鑑みてなされたものであって、折畳式に底部が構 成される箱型の外装ケースと、前記外装ケースの長さ方向と奥行方向のそれぞれ の内法寸法に対応する所定幅の直線部分と該各直線部分の両端にそれぞれ耳部と が一連に折曲げ形成され、該各直線部分の内面と各耳部の外面とにマジックファ スナーを添着した所定幅のムーバブル・スペーサーと、前記各ムーバブル・スペ ーサーの内面のマジックファスナーに対して接合するマジックファスナーが一面 に添着された複数個の緩衝用ブロックとから構成され、必要により、折畳式に底 部が構成される箱型の内装ケースの底面にウレタンフォーム等の緩衝資材がマジ ックファスナーなどにより分離自在に接合された付属品梱包体とから構成されて なる折り畳み可能なリターナブルコンテナを提供しようとするものである。

【００１０】

【作用及び実施例】

以下、本考案一実施例の構成を図面を参照しながら説明する。 図１は、外装ケースを開梱して内部の構成体を上方に引き出して分離した状態 を示す斜視図である。

【００１１】 折畳式に底部が構成される箱型の外装ケース１は、梱包対象製品の寸法範囲を 予め調査してケース寸法のモジュール化を図って、梱包対象製品に対して数種類 のサイズが設けられ、それらは折り畳み自在の構造に設けられている。そして、 該外装ケース１の対峙する両面に把手１０の取付部が固定されている。

【００１２】 前記外装ケース１の長さ方向と奥行方向のそれぞれの内法寸法に対応する所定 幅の直線部分２ａ，３aと、該各直線部分２ａ，３aの両端にそれぞれ耳部２ｂ， ２ｂ，３ｂ，３ｂとが一連に折曲げて形成され、該各直線部分２ａ，３aの内面 と各耳部２ｂ，２ｂ，３ｂ，３ｂの外面とにマジックファスナー４，５を添着し た所定幅のムーバブル・スペーサー２，３がそれぞれ２本づつ配設されている。

【００１３】 前記各ムーバブル・スペーサー２，３の内面のマジックファスナー４に対して 接合するマジックファスナー６（図示されていない）が一面に添着された緩衝用 ブロック７が複数個設けられ、以て緩衝用ブロック７をムーバブル・スペーサー ２，３の内面の任意の位置に対して適宜分離自在に接合される。

【００１４】 前記外装ケース１の内面には、長さ方向に沿って位置するムーバブル・スペー サー２の両側耳部２ｂ，２ｂが接合するマジックファスナー８，８が水平方向に 並行に対設され、同様に、奥行方向に沿って位置するムーバブル・スペーサー３ の両側耳部３ｂ，３ｂが接合するマジックファスナー９，９が水平方向に並行に 対設されている。この場合、該マジックファスナー８，８と９，９は互いに段違 い状に高さ位置をずらせてある。それによってムーバブル・スペーサー２，２は マジックファスナー８，８に沿って固定位置を自由に可変でき、又、ムーバブル ・スペーサー３，３はマジックファスナー９，９に沿って固定位置を自由に可変 できるように設けられ、以て製品梱包体Ａが構成されている。

【００１５】 前記のように構成された製品梱包体Ａにおいて、図２及び図３に示されている ように、外装ケース１の内面の長さ方向及び奥行方向の最端部分にムーバブル・ スペーサー２，２，３，３をそれぞれ位置させた状態が収納可能な製品の最大面 積であり、それを図４及び図５に示されているように、ムーバブル・スペーサー ２，２，３，３を動かして固定することによって収納する製品の面積に対応させ ることができる。

【００１６】 前記製品梱包体Ａに収納された製品とムーバブル・スペーサー２，２，３，３ との間に存在する空間に緩衝用ブロック７を置き、そのマジックファスナー６を ムーバブル・スペーサー２，３の内面のマジックファスナー４に対して接合する ことによってその位置に該緩衝用ブロック７が固定されて製品を保護するパッキ ングとしての機能を果たす。

【００１７】 前記製品梱包体Ａの上に位置する付属品梱包体Ｂが別に設けられている。該付 属品梱包体Ｂは折畳式に底部が構成される箱型の内装ケース１１を本体としてあ り、その底面にはウレタンフォーム等の緩衝資材１２がマジックファスナーなど により分離自在に接合され、収納される付属品の輸送中の衝撃を緩和するように してある。１３は把手用孔である。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、外装ケースの内面の長さ方 向及び奥行方向に沿ってムーバブル・スペーサーを動かして固定することによっ て収納する製品の面積に対応させることができ、又、使用の際に直接に裸の製品 の収納や取り出しができる。

【００１９】 さらに、前記外装ケースに収納される製品は、適当な位置に付着できる緩衝用 ブロックにより保護されるので、特定した製品に限定することなくフレキシブル に製品固定ができると共に、それがパッキングとしての機能を効果的に果たす。

【００２０】 さらに又、前記外装ケース、製品梱包体、付属品梱包体は、それぞれ折り畳み 自在に構成されているから、不使用時には平らに折り畳めるようにして収納し易 いと共に、不使用時の保管スペースを小さくできるので、場所を取らずに収容で きる。

【００２１】 そして、梱包、輸送、開梱の１回の流通ルートの使用に留まらず、何度も繰り 返して使用できる構造となっているので、リターナブルな使用と互換性に富んだ 使用ができると共に、使用耐久性の向上に伴って廃棄処分される機会が極めて少 なくなるので、公害予防と環境対策に多大の貢献をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の構成を示すものであって、外
装ケースを開梱して内部の構成体を上方に引き出して分
離した状態を示す一部破断した斜視図である。

【図２】本考案一実施例の構成に設けられるムーバブル
・スペーサーを収納可能な製品の最大面積に対応させた
場合の使用方法を示す斜視図である。

【図３】本考案一実施例の構成に設けられるムーバブル
・スペーサーを収納可能な製品の最大面積に対応させた
場合の使用方法を示す平面図である。

【図４】本考案一実施例の構成に設けられるムーバブル
・スペーサーを動かして固定することによって収納する
製品の面積に対応させることができる状態を示す斜視図
である。

【図５】本考案一実施例の構成に設けられるムーバブル
・スペーサーを動かして固定することによって収納する
製品の面積に対応させることができる状態を示す平面図
である。

【図６】従来の一例を示す分離した状態の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 外装ケース ２ ムーバブル・スペーサー ２ａ 直線部分 ２ｂ 耳部 ３ ムーバブル・スペーサー ３ａ 直線部分 ３ｂ 耳部 ４ マジックファスナー ５ マジックファスナー ６ マジックファスナー（図示されていない） ７ 緩衝用ブロック ８ マジックファスナー ９ マジックファスナー １０ 把手 １１ 内装ケース １２ ウレタンフォーム等の緩衝資材 １３ 把手用孔 Ａ 製品梱包体 Ｂ 付属品梱包体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折畳式に底部が構成される箱型の外装ケ
   ースと、 前記外装ケースの長さ方向と奥行方向のそれぞれの内法
   寸法に対応する所定幅の直線部分と、該各直線部分の両
   端にそれぞれ耳部とが一連に折曲げ形成され、該各直線
   部分の内面と各耳部の外面とにマジックファスナーを添
   着した所定幅のムーバブル・スペーサーと、 前記各ムーバブル・スペーサーの内面のマジックファス
   ナーに対して接合するマジックファスナーが一面に添着
   された複数個の緩衝用ブロックとから構成されてなるこ
   とを特徴とする折り畳み可能なリターナブルコンテナ。
2. 【請求項２】 折畳式に底部が構成される箱型の外装ケ
   ースと、前記外装ケースの長さ方向と奥行方向のそれぞ
   れの内法寸法に対応する所定幅の直線部分と該各直線部
   分の両端にそれぞれ耳部とが一連に折曲げ形成され、該
   各直線部分の内面と各耳部の外面とにマジックファスナ
   ーを添着した所定幅のムーバブル・スペーサーと、前記
   各ムーバブル・スペーサーの内面のマジックファスナー
   に対して接合するマジックファスナーが一面に添着され
   た複数個の緩衝用ブロックとからなる製品梱包体と、 折畳式に底部が構成される箱型の内装ケースの底面にウ
   レタンフォーム等の緩衝資材がマジックファスナーなど
   により分離自在に接合された付属品梱包体とから構成さ
   れてなることを特徴とする折り畳み可能なリターナブル
   コンテナ。