JP3033708B2 - ピーククリッピング回路および該ピーククリッピング回路を有する直交変調送信機 - Google Patents

ピーククリッピング回路および該ピーククリッピング回路を有する直交変調送信機

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    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/32Carrier systems characterised by combinations of two or more of the types covered by groups H04L27/02, H04L27/10, H04L27/18 or H04L27/26
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  • Transmitters (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピーククリッピ
ング回路および該ピーククリッピング回路を有する直交
変調送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】FDMA、CDMAのような多重伝送方
式においては、ある周波数帯に複数のチャネルが多重さ
れる。従って、これらの多重伝送方式における送信処理
では、これらの複数のチャネルを多重した信号の増幅が
行われる。また、TDMA伝送方式においても、送信側
において複数の搬送波をまとめて増幅する場合がある。
【0003】これらの場合、送信側では多重する信号数
が多くなるほど多重後の信号のピークが大きくなるが、
この信号を増幅器により増幅する際に信号のピークにお
いて歪みが生じないようにすることが要求される。何故
ならば、ピークにおいて歪みが生じると、信号のスペク
トルが広がるため、隣接チャネルに対して妨害波を発生
することになり、また、変調精度が劣化するからであ
る。
【0004】ここで、ピークにおいて信号に歪みが生じ
ないようにするためには、増幅器の最大出力を高くする
必要がある。しかし、増幅器の最大出力を高くすること
とした場合には、送信装置の規模が非常に大きなものと
なってしまい、消費電力も非常に大きくなってしまう。
【0005】このように増幅器の最大出力を高くする以
外の方法としては、増幅器の後段に帯域制限フィルタを
配置し、この帯域制限フィルタにより、隣接チャネル漏
洩電力を減衰させる方法が考えられる。しかし、この隣
接チャネル漏洩電力を減衰させるためには、急峻な特性
の帯域制限フィルタが必要となる。このため、増幅によ
り信号に歪みが生じた後に隣接チャネル漏洩電力を減衰
させることは極めて困難である。
【0006】以上の伝送方式の他、多重後のベースバン
ド信号の段階で、予め変調波のピークをクリッピングし
ておいて、その後、帯域制限フィルタにより歪み成分を
除去し、変調および送信を行う伝送方式が知られてい
る。この伝送方式は、クリッピングにより変調精度を多
少劣化させるが、このように変調精度を多少犠牲にして
歪ませておいて、その後、帯域制限フィルタにより歪み
成分を除去することにより、隣接チャネル漏洩電力を減
衰させるものである。
【0007】図3はこの方法に対応した従来の直交変調
送信機の構成を示すブロック図である。この図におい
て、I信号生成回路2およびQ信号生成回路3は、複数
の信号を多重化したベースバンド信号(変調して送信す
べき信号)から直交成分であるI信号およびQ信号を生
成する手段である。
【0008】ピーククリッピング回路1は、上記I信号
およびQ信号によって構成されるベースバンド信号がク
リッピングレベルより大きい場合に、その瞬間のベース
バンド信号がクリッピングレベルと等しくなるように、
I信号およびQ信号のレベルを同一比率で低下させる手
段である。
【0009】図4はこのピーククリッピング回路1の動
作を示すものである。図示のように、ベースバンド信号
の振幅は、I信号とQ信号の2乗和の平方根(I2
21/ 2に比例する。そこで、(I2+Q21/2がクリ
ッピングレベルAよりも高い場合には、I信号およびQ
信号の各々に対し、A/(I2+Q21/2を各々乗じ
る。このようにすることで、I信号およびQ信号によっ
て構成されるベースバンド信号の振幅を常にクリッピン
グレベルA以下に制限することができる。
【0010】図3において、ピーククリッピング回路1
による上記処理を受けたI信号およびQ信号は、帯域制
限フィルタ4および5によって歪み成分が除去された
後、D/A変換器6および7によって各々アナログ信号
に変換され、これらのアナログ信号による直交変調が直
交変調器8によって行われ、変調波が得られる。この変
調波が図示しない増幅器によって増幅され、送信される
こととなる。
【0011】この従来技術によれば、変調波を増幅する
増幅器に要求される最大出力を下げることができ、増幅
器の小型化、低消費電力化を図ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の直交変調送信機におけるピーククリッピング回路
は、I信号およびQ信号からベースバンド信号の振幅を
求めるのに乗算器が必要であり、また、I信号およびQ
信号に上記A/(I2+Q21/2を各々乗じるための乗
算器も必要であるため、ハードウェア規模が大きくなっ
てしまうという問題があった。
【0013】この発明は、以上説明した事情に鑑みてな
されたものであり、乗算器を必要とせず、小規模なハー
ドウェアにより構成することができるピーククリッピン
グ回路および該ピーククリッピング回路を有する直交変
調送信機を提供することを目的としている。
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】 請求項に係る発明は、
クリッピングレベルを有する信号を生成するクリッピン
グレベル生成回路と、前記クリッピングレベル生成回路
の出力信号の符号を反転して出力する符号反転回路と、
ベースバンド信号の直交成分の1つであるI信号を前記
クリッピングレベル生成回路の出力信号および前記符号
反転回路の出力信号と比較する第1の比較回路と、前記
第1の比較回路による比較結果に基づき、前記I信号の
レベルが前記符号反転回路の出力信号のレベル以上であ
り、かつ、前記クリッピングレベル生成回路の出力信号
のレベル以下である場合には該I信号をそのまま出力
し、前記I信号のレベルが前記符号反転回路の出力信号
のレベルより低い場合には該I信号に代えて前記符号反
転回路の出力信号を出力し、前記I信号のレベルが前記
クリッピングレベル生成回路の出力信号のレベルより高
い場合には該I信号に代えて前記クリッピングレベル生
成回路の出力信号を出力する第1の選択回路と、前記ベ
ースバンド信号の直交成分の他の1つであるQ信号を前
記クリッピングレベル生成回路の出力信号および前記符
号反転回路の出力信号と比較する第2の比較回路と、前
記第2の比較回路による比較結果に基づき、前記Q信号
のレベルが前記符号反転回路の出力信号のレベル以上で
あり、かつ、前記クリッピングレベル生成回路の出力信
号のレベル以下である場合には該Q信号をそのまま出力
し、前記Q信号のレベルが前記符号反転回路の出力信号
のレベルより低い場合には該Q信号に代えて前記符号反
転回路の出力信号を出力し、前記Q信号のレベルが前記
クリッピングレベル生成回路の出力信号のレベルより高
い場合には該Q信号に代えて前記クリッピングレベル生
成回路の出力信号を出力する第2の選択回路とを具備す
ることを特徴とするピーククリッピング回路を要旨とす
る。
【0016】請求項に係る発明は、複数の信号を多重
化したベースバンド信号から直交成分であるI信号およ
びQ信号を生成する手段と、前記I信号およびQ信号の
各々について、クリッピングレベルと比較し、I信号ま
たはQ信号の絶対値のレベルがクリッピングレベル以下
である場合には当該I信号またはQ信号をそのまま出力
し、I信号またはQ信号の絶対値のレベルがクリッピン
グレベルを越える場合には当該I信号またはQ信号と同
一の符号を有し、かつ、絶対値がクリッピングレベルの
絶対値に等しい信号をI信号またはQ信号として出力す
るピーククリッピング回路と、前記ピーククリッピング
回路から出力されるI信号およびQ信号の帯域を制限す
るフィルタ手段と、前記フィルタ手段によって帯域制限
されたI信号およびQ信号を各々アナログ信号に変換す
るD/A変換手段と、前記D/A変換手段によって前記
I信号およびQ信号から得られた各アナログ信号を用い
て直交変調を行い、直交変調波を出力する直交変調器と
を具備することを特徴とする直交変調送信機を要旨とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施形
態である直交変調送信機のピーククリッピング回路1の
構成を示すブロック図である。本実施形態に係る直交変
調送信機は、前掲図3に示す構成において、ピーククリ
ッピング回路1として、この図1に示すものを使用した
ものである。
【0018】図1に示すように、本実施形態に係るピー
ククリッピング回路1は、クリッピングレベル生成回路
10と、符号反転回路11と、第1の比較回路12と、
第1の選択回路13と、第2の比較回路14と、第2の
選択回路15とにより構成されている。既に説明したよ
うに、従来技術に係るピーククリッピング回路は乗算器
を用いて構成されていたが、本実施形態に係るピークク
リッピング回路1は乗算器を1個も使用していない。
【0019】本実施形態では、I信号生成回路2は、I
信号の波形およびQ信号の波形のもつ周波数の少なくと
も2倍以上のレートでI信号の波形をサンプリングした
2の補数形式の8ビットのサンプルデータを出力する。
Q信号生成回路3は、このI信号の場合と同じレートで
Q信号をサンプリングした2の補数形式の8ビットのサ
ンプルデータを出力する。
【0020】クリッピングレベル生成回路10は、2の
補数形式で表現された8ビットのクリッピングレベルデ
ータを出力する。符号反転回路11は、このクリッピン
グレベルデータの符号を反転する。
【0021】第1の比較回路12は、I信号生成回路2
から出力されるI信号のサンプルデータと、クリッピン
グレベル生成回路10から出力されるクリッピングレベ
ルデータと、符号反転回路11から出力されるクリッピ
ングレベルデータの符号反転後のデータとを比較する。
第1の選択回路13は、この第1の比較回路12による
比較結果に基づき、I信号のサンプルデータが符号反転
回路11の出力データ以上であり、かつ、クリッピング
レベルデータ以下である場合にはI信号のサンプルデー
タをそのまま出力し、I信号のサンプルデータが符号反
転回路11の出力データより低い場合には符号反転回路
11の出力データを出力し、I信号のサンプルデータが
クリッピングレベルデータより高い場合にはクリッピン
グレベルデータを出力する。
【0022】第2の比較回路14は、Q信号生成回路3
から出力されるQ信号のサンプルデータと、クリッピン
グレベル生成回路10から出力されるクリッピングレベ
ルデータと、符号反転回路11から出力されるクリッピ
ングレベルデータの符号反転後のデータとを比較する。
第2の選択回路15は、この第2の比較回路14による
比較結果に基づき、Q信号のサンプルデータが符号反転
回路11の出力データ以上であり、かつ、クリッピング
レベルデータ以下である場合にはQ信号のサンプルデー
タをそのまま出力し、Q信号のサンプルデータが符号反
転回路11の出力データより低い場合には符号反転回路
11の出力データを出力し、Q信号のサンプルデータが
クリッピングレベルデータより高い場合にはクリッピン
グレベルデータを出力する。
【0023】すなわち、このピーククリッピング回路1
は、I信号またはQ信号の絶対値のレベルがクリッピン
グレベル以下である場合には当該I信号またはQ信号を
そのまま出力し、I信号またはQ信号の絶対値のレベル
がクリッピングレベルを越える場合には当該I信号また
はQ信号と同一の符号を有し、かつ、絶対値がクリッピ
ングレベルの絶対値に等しい信号を出力するものであ
る。
【0024】図2は本実施形態の動作を示すものであ
る。この図2では、適当な瞬間のクリッピング前のI信
号およびQ信号がIQ平面に細い矢印で示されている。
I信号およびQ信号のそれぞれにクリッピングレベルI
cおよびQcが設定されており、これによりクリッピン
グしたクリッピング後のI信号およびQ信号が各々太い
矢印で示されている。通常、クリッピングレベルIcお
よびQcは等しくなるように設定される。
【0025】I信号I1およびQ信号Q1は、各々の振幅
の絶対値が各々クリッピングレベルIcおよびQcより
大きいため、クリッピングによりI信号およびQ信号
は、各々Icおよび−Qcとされる。
【0026】I信号I2およびQ信号Q2の場合、I信号
2の振幅の絶対値はクリッピングレベルIcより大き
いが、Q信号Q2の振幅の絶対値はクリッピングレベル
Qcより小さいため、クリッピングによりI信号および
Q信号は、各々−IcおよびQ2とされる。
【0027】I信号I3およびQ信号Q3の場合、I信号
3の振幅の絶対値はクリッピングレベルIcより小さ
いが、Q信号Q3の振幅の絶対値はクリッピングレベル
Qcより大きいため、クリッピングによりI信号および
Q信号は、各々I3およびQcとされる。
【0028】I信号I4およびQ信号Q4は、各々の振幅
の絶対値がクリッピングレベルIcおよびQcより小さ
いため、クリッピング後のI信号およびQ信号は、各々
4およびQ4のままである。
【0029】このようなクリッピングが行われることに
より波形の歪みが生じ、スペクトラムが広がるが、帯域
制限フィルタ4および5(図3参照)により歪みが除去
されるため問題は生じない。
【0030】また、本実施形態では、I信号とQ信号と
をベクトル合成したベースバンド信号の位相角がクリッ
ピングにより変化することとなるが、上記帯域制限フィ
ルタがあるため、この位相の変化は緩和される。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乗算器を使用しないでピーククリッピング回路を構成す
ることができ、ピーククリッピング回路およびこれを使
用した直交変調送信機を消費電力の増大を招くことな
く、かつ、小規模なハードウェアで構成することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態である直交変調送信機
に使用されるピーククリッピング回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 同実施形態におけるピーククリッピング回路
の動作を示す図である。
【図3】 従来の直交変調送信機の構成を示すブロック
図である。
【図4】 同直交変調送信機におけるピーククリッピン
グ回路の動作を示す図である。
【符号の説明】
2 I信号生成回路 3 Q信号生成回路 1 ピーククリッピング回路 10 クリッピングレベル生成回路 11 符号反転回路 12 第1の比較回路 13 第1の選択回路 14 第2の比較回路 15 第2の選択回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/36 H04L 27/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリッピングレベルを有する信号を生成
    するクリッピングレベル生成回路と、 前記クリッピングレベル生成回路の出力信号の符号を反
    転して出力する符号反転回路と、 ベースバンド信号の直交成分の1つであるI信号を前記
    クリッピングレベル生成回路の出力信号および前記符号
    反転回路の出力信号と比較する第1の比較回路と、 前記第1の比較回路による比較結果に基づき、前記I信
    号のレベルが前記符号反転回路の出力信号のレベル以上
    であり、かつ、前記クリッピングレベル生成回路の出力
    信号のレベル以下である場合には該I信号をそのまま出
    力し、前記I信号のレベルが前記符号反転回路の出力信
    号のレベルより低い場合には該I信号に代えて前記符号
    反転回路の出力信号を出力し、前記I信号のレベルが前
    記クリッピングレベル生成回路の出力信号のレベルより
    高い場合には該I信号に代えて前記クリッピングレベル
    生成回路の出力信号を出力する第1の選択回路と、 前記ベースバンド信号の直交成分の他の1つであるQ信
    号を前記クリッピングレベル生成回路の出力信号および
    前記符号反転回路の出力信号と比較する第2の比較回路
    と、 前記第2の比較回路による比較結果に基づき、前記Q信
    号のレベルが前記符号反転回路の出力信号のレベル以上
    であり、かつ、前記クリッピングレベル生成回路の出力
    信号のレベル以下である場合には該Q信号をそのまま出
    力し、前記Q信号のレベルが前記符号反転回路の出力信
    号のレベルより低い場合には該Q信号に代えて前記符号
    反転回路の出力信号を出力し、前記Q信号のレベルが前
    記クリッピングレベル生成回路の出力信号のレベルより
    高い場合には該Q信号に代えて前記クリッピングレベル
    生成回路の出力信号を出力する第2の選択回路とを具備
    することを特徴とするピーククリッピング回路。
  2. 【請求項2】 複数の信号を多重化したベースバンド信
    号から直交成分であるI信号およびQ信号を生成する手
    段と、 前記I信号およびQ信号の各々について、クリッピング
    レベルと比較し、I信号またはQ信号の絶対値のレベル
    がクリッピングレベル以下である場合には当該I信号ま
    たはQ信号をそのまま出力し、I信号またはQ信号の絶
    対値のレベルがクリッピングレベルを越える場合には当
    該I信号またはQ信号と同一の符号を有し、かつ、絶対
    値がクリッピングレベルの絶対値に等しい信号をI信号
    またはQ信号として出力するピーククリッピング回路
    と、 前記ピーククリッピング回路から出力されるI信号およ
    びQ信号の帯域を制限するフィルタ手段と、 前記フィルタ手段によって帯域制限されたI信号および
    Q信号を各々アナログ信号に変換するD/A変換手段
    と、 前記D/A変換手段によって前記I信号およびQ信号か
    ら得られた各アナログ信号を用いて直交変調を行い、直
    交変調波を出力する直交変調器とを具備することを特徴
    とする直交変調送信機。
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