JP3033703U - ローラかんぬき形制鎖器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 国内運行船などの比較的小型の船舶に使用で
きると共に、比較的安価且つ軽量にでき、また安全且つ
簡便に使用できるようにする。 【解決手段】 対向させた一対の側部フレーム４ａ、４
ｂ間に案内ローラ５を軸１１着し、これら側部フレーム
の上辺間で案内ローラの斜め前方個所にかんぬき６を掛
け渡し、この際、かんぬきは基端６ａを一方の側部フレ
ームに前後方向軸１５を介して枢着し、先端部６ｂを他
方の側部フレームの凹み部ｂに嵌合させるほか、先端部
から把手６ｃを延出させた制鎖器であって、側部フレー
ムを鋼板組立品となすか、或いは側部フレーム及びかん
ぬきを鋼板組立品となし、ＪＩＳ第３種アンカーチェー
ンの呼び径２６φ〜４８φに使用されるものとする。こ
の際、かんぬきは所要位置に簡易且つ確実に固定される
ものとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主に国内運行船などの比較的小型の船舶のアンカーチェーンに使用 されるローラかんぬき形制鎖器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

船舶のアンカーチェーンを甲板上に固定して、その繰り出しを規制し得るもの としたローラかんぬき形制鎖器は知られている。

【０００３】 この制鎖器は、図４に示すように、一般にはウインドラス１とホースパイプ２ の間の甲板３上に固定されるもので、側部フレーム４、これに軸着された案内ロ ーラ５及び、側部フレーム４に左右に掛け渡されるかんぬき６などからなってい る。

【０００４】 使用の際は、ウインドラス１からホースパイプ２へ向けて繰り出されたアンカ ーチェーン７の途中を案内ローラ５に上掛けする。そして、アンカーチェーン７ を繰り出し或いは繰り入れするときは、かんぬき６をアンカーチェーン７と干渉 しないように変位させ、一方、アンカーチェーン７を固定するときは、かんぬき ６をアンカーチェーン７の凹凸に嵌合するように変位させて固定状態とする。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来のローラかんぬき形制鎖器は、一般に、ＪＩＳ第３種アンカーチ ェーンの７０φ以上のものに使用されており、この際、側部フレーム４や案内ロ ーラ５は強度上の配慮から鋳鋼品となされている。

【０００６】 従って、小型の船舶などには使用できず、これの小型船舶用のものの出現が要 望されている。

【０００７】 斯かる実情の下、本考案は国内運行船などの比較的小型の船舶のアンカーチェ ーンに使用でき、しかも比較的安価且つ軽量なものとなるローラかんぬき形制鎖 器や、さらに安全且つ便利にできるものとしたローラかんぬき形制鎖器を提供す ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案のローラかんぬき形制鎖器では、対向させた 一対の側部フレーム間に案内ローラを軸着し、これら側部フレームの上辺間で案 内ローラの斜め前方個所にかんぬきを掛け渡し、この際、かんぬきは基端を一方 の側部フレームに前後方向軸を介して枢着し、先端部を他方の側部フレームの凹 み部に嵌合させるほか、先端から把手を延出させた制鎖器であって、側部フレー ムを鋼板組立品となすか、或いは側部フレーム及びかんぬきを鋼板組立品となし 、ＪＩＳ第３種アンカーチェーンの呼び径２６φ〜４８φに使用される構成とす る。

【０００９】 具体的には、かんぬきの先端部と前記他方の側部フレームの凹み部に前後方向 のピン孔を形成すると共に、この側部フレームの凹み部近傍から左右方向の外方 へ係止棒を張り出させ、一方では前記ピン孔に挿入される直状の挿入部と、これ の基端に横方へ偏芯させて固定した環状把手を有する挿入ピンを形成し、環状把 手はピン孔に挿入部を挿入した状態で挿入部廻りへ揺動させることにより、係止 ピンに外嵌されて挿入部のピン孔からのその抜け出しを規制され、この規制状態 が環状把手の重力作用により保持されるものとなす。

【００１０】 この際、前記他方の側部フレームの凹み部近傍個所に管部材を起立状に固定し 、且つ管部材と同体のその近傍部から繋ぎ具を延出させて、これに挿入ピンを繋 着し、挿入ピンの不使用時にはその挿入部が管部材に上方から挿入される構成と する。

【００１１】

【考案の実施の形態】 図１は本考案に係るローラかんぬき形制鎖器を示す図、図２は同制鎖器の側面 図、図３は同制鎖器の正面視断面図である。

【００１２】 本考案に係るローラかんぬき形制鎖器は、対向させた一対の側部フレーム４ａ 、４ｂ間に案内ローラ５を軸着している。

【００１３】 側部フレーム４ａ、４ｂは、何れも鋼板組立品となしてあって、起立状の平板 部材８に横向きのリブ部材８ａを溶接固定したものとなしてある。

【００１４】 案内ローラ５も鋼板組立品となしてあって、図３に示すように一対の大径円盤 ９、９の間に小径円盤１０を位置させ、溶接により一体に結合させてある。

【００１５】 １１は案内ローラ５を回転自在に支持するための支持軸で、一対の側部フレー ム４ａ、４ｂ間に架設固定されている。ここに、１２は止め板、１３は及び１４ はグリースニップル及びグリース通路である。

【００１６】 かんぬき６は、一対の側部フレーム４ａ、４ｂの上辺間で案内ローラ５の斜め 前方個所に掛け渡されるものであって、具体的には、基端６ａを一方の側部フレ ーム４ａの凹み個所ａに前後方向軸１５を介して枢着し、先端部６ｂを他方の側 部フレーム４ｂの凹み部ｂに嵌合させるほか、先端から把手６ｃを延出させる。

【００１７】 １６は挿入ピンであって、直状の挿入部１６ａと、これの基端に横方へ偏芯さ せて固定した環状把手１６ｂを有し、かんぬき６の先端部６ｂと前記他方の側部 フレーム４ｂの凹み部ｂ側壁に形成された前後方向のピン孔に挿入部１６ａを挿 入されるものとなしてある。

【００１８】 そして、側部フレーム４ｂの凹み部ｂ近傍からは係止棒１７が左右方向の外方 へ張り出させてある。

【００１９】 １８は管部材で側部フレーム４ｂの凹み部ｂ近傍個所に起立状に固定してある 。１９は管部材１８から延出させた繋ぎ具で、これの先端に挿入ピン１６が繋着 してある。

【００２０】 なお、２０及び２１は側部フレーム４ａ、４ｂの上部間を結合した板部材と、 側部フレーム４ａ、４ｂの下部間を結合した棒部材である。

【００２１】 上記の如く構成した本考案品はＪＩＳ第３種アンカーチェーンの２６φ〜４８ φに対応した形状及び寸法となすのであり、その使用例並びにその作用を説明す ると、アンカーチェーン７は案内ローラ５とかんぬき６の間を経て板部材２０の 下方を通過させる。

【００２２】 この状態の下、アンカーチェーン７をその張り方向へ繰り出し或いは繰り入れ するときは、挿入ピン１６をこれのピン孔から抜き出した後、把手６ｃを持って 、仮想線ｋで示すように軸１５廻りへ揺動させ、アンカーチェーン７と干渉しな い位置へ移動させる。そして、抜き出した挿入ピン１６は管部材１８の内孔に上 方から挿入する。

【００２３】 一方、アンカーチェーン７をその張り方向へ移動しないように固定するときは 、かんぬき６を先の逆に揺動させて、図１に示すようにその先端部６ｂを凹み部 ｂ内に嵌入させる。この状態では、かんぬき６はアンカーチェーン７の凹凸に嵌 合され、アンカーチェーン７は張り方向の移動不可能となる。

【００２４】 続いて、挿入ピン１６の環状把手１６ｂを横向きにして挿入部１６ａをこれの 基部までそのピン孔に挿入し、さらに挿入部１６ａ廻りへ揺動させる。これによ り、環状把手１６ｂは図１に示すように係止棒１７に外嵌され、挿入部１６ａの 抜け出し方向の移動が規制される。

【００２５】 この際、環状把手１６ｂは挿入部１６ａに対し偏芯しているため、これに作用 する重力が環状把手１６ｂを図１に示すような縦向きに保持するように作用し、 環状把手１６ｂはその姿勢を安定的に持続する。従って、挿入ピン１６が不用意 にそのピン孔から抜け出ることはなく、アンカーチェーン７は確実に固定される 。

【００２６】

【考案の効果】

以上の如く構成した本考案によれば、ＪＩＳ第３種アンカーチェーンの２６φ 〜４８φに使用されるものであるから、国内運行船などの比較的小型の船舶に使 用でき、また側部フレームや案内ローラが鋼板組立品であるから、比較的安価且 つ軽量なものとなし得るのである。この際、側部フレームが鋼板組立品であって も、使用されるアンカーチェーンが細いため、これの強度不足は容易に回避され る。

【００２７】 請求項２に記載のものによれば、環状把手の重力によるその姿勢保持作用によ り、不用意な挿入ピンの抜け出しが面倒な処理や格別な注意を要することなく回 避されるようになり、アンカーチェーンを簡便且つ確実に固定できるものとなる 。

【００２８】 請求項３に記載のものによれば、挿入ピンを常に一定位置に保管することがで き、しかもその紛失が回避され、使い勝手を良好となす。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るローラかんぬき形制鎖器を示す図
である。

【図２】同制鎖器の側面図である。

【図３】同制鎖器の正面視断面図である。

【図４】従来の制鎖器の使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

４ａ、４ｂ 側部フレーム ５ 案内ローラ ６ かんぬき ６ａ 基端 ６ｂ 先端部 ６ｃ 把手 １１ 支持軸 １５ 前後方向軸 １６ 挿入ピン １６ａ 挿入部 １６ｂ 環状把手 １７ 係止棒 １８ 管部材 １９ 繋ぎ具 ｂ 凹み部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向させた一対の側部フレーム間に案内
   ローラを軸着し、これら側部フレームの上辺間で案内ロ
   ーラの斜め前方個所にかんぬきを掛け渡し、この際、か
   んぬきは基端を一方の側部フレームに前後方向軸を介し
   て枢着し、先端部を他方の側部フレームの凹み部に嵌合
   させるほか、先端から把手を延出させた制鎖器であっ
   て、側部フレームを鋼板組立品となすか、或いは側部フ
   レーム及びかんぬきを鋼板組立品となし、ＪＩＳ第３種
   アンカーチェーンの呼び径２６φ〜４８φに使用される
   ことを特徴とするローラかんぬき形制鎖器。
2. 【請求項２】 かんぬきの先端部と前記他方の側部フレ
   ームの凹み部に前後方向のピン孔を形成すると共に、こ
   の側部フレームの凹み部近傍から左右方向の外方へ係止
   棒を張り出させ、一方では前記ピン孔に挿入される直状
   の挿入部と、これの基端に横方へ偏芯させて固定した環
   状把手を有する挿入ピンを形成し、環状把手は挿入部が
   ピン孔に挿入された状態で挿入部廻りへ揺動されること
   により、係止棒に外嵌されて、挿入部のピン孔からのそ
   の抜け出しを規制され、この規制状態が環状把手の重力
   作用により保持される構成を特徴とする請求項１記載の
   ローラかんぬき形制鎖器。
3. 【請求項３】 前記他方の側部フレームの凹み部近傍個
   所に管部材を起立状に固定し、且つ管部材と同体のその
   近傍部から繋ぎ具を延出させて、これに挿入ピンを繋着
   し、挿入ピンの不使用時にはその挿入部が管部材に上方
   から挿入されることを特徴とする請求項１又は２記載の
   ローラかんぬき形制鎖器。