JP3032913U - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 インダクタンス及びクロストークを減少する
ことができる電気コネクタを提供する。 【解決手段】 コネクタ１０は、プリント回路カード１
３の嵌合エッジ１５を受け入れるためのスロット１２を
有する細長いハウジング１６と、該ハウジング１６に取
り付けられた複数の信号端子２８及び複数のグランド端
子３０とを備え、これら端子２８、３０は、ハウジング
１６に配置された本体部分３２、４８と、プリント回路
カード１３の各接点パッド１７ａ、１７ｂに接触するよ
うに上記スロット１２へと延びる接点部分３４、５０と
を有するものであるようなエッジコネクタにおいて、信
号端子２８及びグランド端子３０は、各信号端子２８が
スロット１２の横方向反対側のグランド端子３０と整列
されるようにして、スロット１２の各側に沿って交互の
配列で配置され、そしてグランド端子３０は、信号端子
２８より大きな横方向面積を有する電気コネクタであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気コネクタのインダクタンスを制御すると共にそのクロストーク を低減構造とした電気コネクタに係る。

【０００２】

【従来の技術】

今日の高速電子装置においては、システムの完全性を損なわないようにするた めに、相互接続路の全ての部品をその信号伝達特性に対して最適なものとするこ とが所望される。このような特性には、立上り時間、システム帯域巾、クロスト ーク、インピーダンス制御及び伝播遅延が含まれる。電気コネクタは、これらの 特性から相互接続システムに殆ど又は全く影響を及ぼさないのが理想的である。 換言すれば、システムに影響が及ぶことなく回路が相互接続されているかのよう にシステムが機能することが理想である。しかしながら、このような理想的なコ ネクタの実現は、実際上不可能であり、システムにできるだけ影響を及ぼさない 電気コネクタを開発することに努力が払われ続けている。

【０００３】 この内、理想的なコネクタを設計する上で、インダクタンスの制御が重要であ る。且つクロストークの制御も重要である。これは、高い周波数を伴う高速電子 装置の電気コネクタにおいて特にいえることである。所で、従来「エッジカード 」コネクタが使用されてきた。即ち、嵌合エッジとこのエッジに隣接する複数の 接点パッドとを有するプリント回路板を受け入れるためのエッジコネクタである 。このようなエッジコネクタは、プリント回路板の嵌合エッジを受け入れる細長 いスロットを画成する細長いハウジングを備えている。スロットの片側又は両側 に沿って複数の端子がある間隔で設けられていて、回路板の嵌合エッジに隣接す る接点パッドに係合するようになっている。多くの場合に、このようなエッジコ ネクタは、第２のプリント回路板に取り付けられる。嵌合すべき「エッジ」ボー ドを一般に「ドータ」ボードと称し、そしてコネクタが取り付けられるボードを 「マザー」ボードと称する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

これまで、上記のようなコネクタに於いてクロストークを制御するための無数 の試みがなされており、例えば、ある形態の一体的なグランド構造体を設けるこ とによりコネクタにグランドプレーンを設置することが挙げられる。しかしなが ら、殆どのグランドプレーンシステムは、コネクタを複雑なものにし、経費を増 加させる問題があった。

【０００５】

【目的】

従って、本考案の目的は、特にプリント回路板に取り付けられるコネクタのよ うな電気コネクタのインダクタンスを減少してシステム間帯域巾を拡張する改良 された端子を有する電気コネクタを提供することである。

【０００６】 本考案の更に別の目的は、クロストークを減少する構成の電気コネクタを提供 することである。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】

上記目的を達成する為に本考案は次の技術的手段を有する。即ち、実施例に対 応する添付図面中の符号を用いてこれを説明すると、本考案は嵌合エッジ１５と 、該エッジ１５に隣接する複数の信号及びグランド接点パッド１７ａ、１７ｂと を有するプリント回路カード１３のためのエッジコネクタ１０であって、該コネ クタ１０は、上記プリント回路カード１３の嵌合エッジ１５を受け入れるための スロット１２を有する細長いハウジング１６と、該ハウジング１６に取り付けら れた複数の信号端子２８及び複数のグランド端子３０とを備え、これら端子２８ 、３０は、上記ハウジング１６に配置された本体部分３２、４８と、上記プリン ト回路カード１３の各接点パッド１７ａ、１７ｂに接触するように上記スロット １２へと延びる接点部分３４、５０とを有するものであるようなエッジコネクタ において、上記信号端子２８及びグランド端子３０は、各信号端子２８が上記ス ロット１２の横方向反対側のグランド端子３０と整列されるようにして、上記ス ロット１２の各側に沿って交互の配列で配置され、そしてグランド端子３０は、 信号端子２８よりも著しく大きな横方向面積を有することを特徴とする電気コネ クタである。

【０００８】

【実施例】

以下、添付図面を参照し、本考案の実施例を詳細に説明する。添付図面の内、 特に図１ないし３には、第１の電気部品に相当するプリント回路板１１に取り付 けるための本考案のエッジコネクタ１０が示されている。このコネクタ１０は、 その接触領域に第２の電気部品に相当するプリント回路カード１３を挿入できる ようにスロット１２を有しているという点で「エッジカード」コネクタと一般に 称している形式のものである。挿入されるプリント回路カード１３は、嵌合エッ ジ１５を有すると共に、該エッジに隣接してその片面又は両面に複数の接点パッ ド１７ａ、１７ｂを有している。ここに示すコネクタ１０は、プリント回路カー ド１３のエッジ１５に隣接してその両面に設けられた接点パッド１７ａ、１７ｂ に係合するための端子を有するものとして設計される。

【０００９】 コネクタ１０のようなエッジコネクタは、通常は、図示されたように細長いも のであり、絶縁ハウジング１６の長手方向にスロット１２の片側又は両側に沿っ てある間隔で設けられた接点部分受入空洞２２を有している。上記したように、 ここに示すコネクタ１０は、スロット１２に沿ってその両側に接点部分がある間 隔で設けられていて、挿入されたプリント回路カード１３の両面の接点パッド１ ７ａ、１７ｂに係合する。

【００１０】 以上のことを理解した上で、絶縁ハウジング１６は、プリント回路板１１の表 面に係合するためにハウジングから垂下している複数のスタンド部１８（図１− ２）を備えている。プリント回路板１１は「マザーボード」と称され、他方スロ ット１２に挿入されるプリント回路カード１３は「ドータボード」と称される。 絶縁ハウジング１６は、コネクタ１０をマザーボード１１に設置するための複数 の取り付け即ち保持ペグ２０も備えており、このペグ２０をボードの適当な取り 付け穴２１に挿入することによってコネクタの設置が行われる。

【００１１】 図４を参照すれば、ハウジング１６は、以下に述べるように交互に異なる形状 の端子を受け入れるためにスロット１２の長手方向にある間隔で設けられた複数 の接点部分受入空洞２２を備えている。各接点部分受入空洞２２は、スロット１ ２の片側（図４で見て左側）に空洞部分２２ａを有し、そしてスロットの反対側 （図４で見て右側）に他方の空洞部分２２ｂを有している。接点部分受入空洞２ ２は、空洞部分２２ａを分離する壁部分２４ａと、空洞部分２２ｂを分離する壁 部分２４ｂとを含む壁即ち仕切によって細長いハウジング１６の長手方向に分離 されている。更に、これらの空洞部分２２ａ及び２２ｂは、接点部分受入空洞２ ２の底部にある中央仕切２３によってハウジング１６の長手方向に分離されてい る。

【００１２】 更に、ハウジング１６は、空洞部分２２ａ及び２２ｂの各々外側に、以下に述 べる目的で一般的に横方向に整列された複数のくぼみ２６ａ及び２６ｂを備えて いる。各くぼみ２６ａ、２６ｂは、ハウジング１６の底に開いている口２７を有 している。ハウジング１６全体は、プラスチック等の絶縁材料で一体成形される 。

【００１３】 そして、ハウジング１６には、ハウジングの長手方向に、複数の横方向に整列 された空洞部分２２ａ、２２ｂ及びくぼみ２６ａ、２６ｂに対応する間隔で、複 数の端子が取り付けられる。端子について詳細に説明する前に、スロット１２に 挿入されるプリント回路カード１３は、ほとんどの場合に、スロット１２に挿入 される嵌合エッジ１５に沿ってその各面に２列の複数の接点パッド１７ａ、１７ ｂを有しているが、一方の接点パッド１７ａの列は回路板のエッジ１５付近に配 置され、そして他方の接点パッド１７ｂの列は上記一方の列よりも内側に離間さ れている。それ故、従来、端子は、ハウジングの長手方向に沿って、２列の接点 パッドに交互に係合するようにハウジング１６に配置されている。

【００１４】 より詳細には、図１及び４を参照すれば、端子２８及び３０はハウジング１６ の長手方向に沿って交互の配列で取り付けられている。即ちスロット１２の各側 （ドータボードの各側）において端子２８と３０が交互に配列される。更に、図 １、図４から明らかなように、端子２８及び３０は、スロット１２の横方向に於 いて整列されて、一対の端子を形成している。

【００１５】 端子２８は信号端子であって、プリント回路カード１３の接点パッド１７ａ及 びプリント回路板１１の信号端子トレースに係合される。特に、図４及び４を参 照すれば、各信号端子２８は本体部分３２及び接点部分３４を備えている。本体 部分３２は、ベース部分３６と、接点部分３４の外側で（スロット１２に対して ）ベース部分から上方に突出している取り付け部分３８と、接点部分３４の内側 で（スロット１２に対して）ベース部分から上方に突出している機械的に無機能 の部分４０とを備えている。取り付け部分３８にはとげ４２が設けられており、 この取り付け部分３８を各くぼみ２６ａの口２７に挿入して各くぼみ２６ａに圧 ばめすることにより端子２８をハウジング１６に取り付けることができる。機械 的に無機能の部分４０は、狭い領域４４においてベース部分３６に接続された株 の形態で設けられる。半田テイルの如き相互接続部分４６は、ベース部分３６か ら下方に突出し、プリント回路板１１の穴に挿入されて、プリント回路板穴内又 は信号トレースと半田付けにより電気的に接続される。この半田テイルの如き相 互接続部分及びプリント回路板は、良く知られたように表面取り付けを行うよう 変更することもできる。

【００１６】 特に、図４及び図５を参照し、信号端子２８の機械的に無機能の部分４０につ いて説明する。コネクタを製造する設計段階でコネクタの所望の特性インピーダ ンスが決定されると、機械的に無機能の部分４０の所望の表面積を計算すること ができる。これらの寸法に対して試作品を形成する際に、テストによって厳密な 所望の面積を決定することができる。端子２８を製造するのに使用するダイスは 、機械的に無機能の部分４０を所望の寸法に切断もしくはカットするよう変更で きる。実際にもし所望であれば、狭い領域４４で機械的に無機能の部分を切り落 とすことにより、その全体を端子２８から切断することもできる。このように、 キャパシタンスを変更する際に機械的に無機能の部分４０を切断することにより 信号端子２８の全面積を変更することができる。キャパシタンスを変更すること により、上記した電気回路の所与のインピーダンスにコネクタを「同調」するこ とができる。従って、型抜き工程中に、機械的に無機能の部分４０の寸法がセッ トされる。端子２８は、端子３０についても同様であるが、「底部装填」として 知られたやり方で、底部からハウジング１６へ挿入される。

【００１７】 図４と共に図６を参照すれば、他方の端子３０はグランド端子であり、マザー ボードとしてのプリント回路板１１及びドータボードとしてのプリント回路カー ド１３のグランド回路トレース間を相互接続するのに用いられる。各グランド端 子３０は、本体部分４８及び接点部分５０を備えている。本体部分４８はベース 部分５２を備え、このベース部分にはとげ４２をもつ取り付け用とげ５４があっ て、これは口２７を経てくぼみ２６ｂへと上方に挿入され、各グランド端子３０ をハウジング１６に取り付けるためのものである。又、各グランド端子３０は、 ベース部分５２から上方に突出して接点部分５０で終わる表面積の大きな部分５ ６も備えている。ベース部分５２からは半田テイルの如き相互接続部分５７が下 方に突出していて、マザーボードとしてのプリント回路板１１の穴に挿入され、 該プリント回路板の穴内又はグランドトレースと半田付けされて電気的に相互接 続される。

【００１８】 本考案によれば、グランド端子３０は、信号端子２８よりも著しく大きな横方 向面積を有している。これは、図４及び６のグランド端子を図４及び５の信号端 子と比較することにより明らかである。グランド端子３０の著しく大きな面積は 、その表面積の大きな部分５６によって与えられる。

【００１９】 本質的に、この大きなグランド端子３０を、図４及び図７より明らかな信号端 子２８とグランド端子３０の交互配列と組み合わせることにより、グランド端子 ３０は信号端子２８を効果的にその「影に隠す」ことにより、顕著な電気的分離 を与え、コネクタ１０のクロストークを非常に簡単且つ効果的な仕方で大巾に減 少する。

【００２０】 又、多くのエッジコネクタに見られるように、ボード上の個々のグランドトレ ース全てがコモングランド回路の一部となるようにしてコネクタをマザーボード としてのプリント回路板１１に取り付けた状態で電気コネクタ１０のインダクタ ンスを減少する構造も意図される。それ故、グランド端子３０を経てコモングラ ンド回路へ至るインダクタンスを減少することが所望される。

【００２１】 より詳細には、図４を再度参照すれば、各グランド端子３０は、マザーボード としてのプリント回路板１１のグランド回路トレースに表面係合する足部６０を 有していることが明らかである。この付加的な足部６０及び半田テイルの如き相 互接続部分５７は、プリント回路板１１のコモングランド回路に係合される。足 部６０は、プリント回路板１１に表面取り付けされるように示されているが、プ リント回路板１１の別の穴に挿入される第２の半田テイルであってもよい。同様 に、信号端子２８及びグランド端子３０の半田テイルの如き相互接続部分４６及 び５７の両方がプリント回路板上の回路トレースに表面取り付けされる足部であ ってもよい。

【００２２】 足部６０と相互接続部分５７とによって２つの接触点を設けることにより、プ リント回路板１１上のコモングランド回路に係合する大きな接触表面積が与えら れる。この大きな接触表面積は電圧降下を減少すると共に、各グランド端子３０ とプリント回路板１１上のコモングランド回路との間のインダクタンスを減少す る。この構造はグランド端子３０の有効性を改善し、これは高速コネクタにおい て広い帯域巾を得ると共にグランドバウンスを減少するのに特に重要である。接 触点を互いに離間することにより、接触点間のボード領域が開いたままとなり、 プリント回路板１１上の種々の他のトレースを容易に引き回すことができる。

【００２３】 更に、図４から明らかなように、信号端子２８の接点部分３４は、グランド端 子３０の接点部分５０よりもスロット１２内に「より深くに」配置される。これ らの位置の差により、上記したように、交互の端子がプリント回路カード１３上 の２列の接点パッド１７ａ、１７ｂに係合することができる。接点部分３４及び ５０はスロット１２に向かって横方向に延びることが明らかである。プリント回 路カード１３を矢印「Ａ」の方向にスロット１２に挿入すると、接点部分３４、 ５０は横方向外方にバイアスされる一方、プリント回路カード１３の嵌合エッジ １５に沿って２列の接点パッド１７ａ、１７ｂ（信号接点パッド１７ａはグラン ド接点パッド１７ｂよりもボードのエッジ付近に配置されている）に係合する。

【００２４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案により、電気コネクタのインダクタン スを減少してシステム間帯域幅を拡張できると共にクロストークを減少できる電 気コネクタを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるエッジコネクタの部分分解斜視図
である。

【図２】本考案によるエッジコネクタの側面図である。

【図３】本考案によるエッジコネクタの上面図である。

【図４】図２の４−４線に沿った本考案のコネクタの拡
大縦断面図である。

【図５】図４に示す信号端子の１つを拡大した図であ
る。

【図６】図４に示すグランド端子の１つを拡大した図で
ある。

【図７】図４に示す信号端子及びグランド端子の取り付
け配列を示す概略図である。

【符号の説明】

１０ エッジコネクタ １１ プリント回路板（マザーボード） １２ スロット １３ プリント回路カード（ドータボード） １５ 嵌合エッジ １６ ハウジング １７ａ、１７ｂ 接点パッド ２２ 接点部分受入空洞 ２３ 中央仕切 ２４ａ、２４ｂ 壁部分 ２６ａ、２６ｂ くぼみ ２７ 口 ２８ 信号端子 ３０ グランド端子 ３２ 本体部分 ３４ 接点部分 ３６ ベース部分 ３８ 取り付け部分 ４０ 機械的に無機能の部分 ４２ とげ ４６ 相互接続部分 ４８ 本体部分 ５０ 接点部分 ５２ ベース部分 ５４ 取り付け用とげ ５７ 相互接続部分 ６０ 足部

フロントページの続き (72)考案者 デニス ケイ スキール アメリカ合衆国 イリノイ州 ウィロウブ ロック クラレンドンヒルズ 6425

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 嵌合エッジ１５と、該エッジ１５に隣接
   する複数の信号及びグランド接点パッド１７ａ、１７ｂ
   とを有するプリント回路カード１３のためのエッジコネ
   クタ１０であって、該コネクタ１０は、上記プリント回
   路カード１３の嵌合エッジ１５を受け入れるためのスロ
   ット１２を有する細長いハウジング１６と、該ハウジン
   グ１６に取り付けられた複数の信号端子２８及び複数の
   グランド端子３０とを備え、これら端子２８、３０は、
   上記ハウジング１６に配置された本体部分３２、４８
   と、上記プリント回路カード１３の各接点パッド１７
   ａ、１７ｂに接触するように上記スロット１２へと延び
   る接点部分３４、５０とを有するものであるようなエッ
   ジコネクタにおいて、上記信号端子２８及びグランド端
   子３０は、各信号端子２８が上記スロット１２の横方向
   反対側のグランド端子３０と整列されるようにして、上
   記スロット１２の各側に沿って交互の配列で配置され、
   そしてグランド端子３０は、信号端子２８よりも著しく
   大きな横方向面積を有することを特徴とする電気コネク
   タ。
2. 【請求項２】 上記グランド端子３０の本体部分４８
   は、ベース部分５２と、端子３０をハウジング１６に固
   定するためにこのベース部分５２から突出している取り
   付け用のとげ５４と、上記ベース部分５２から突出して
   いる表面積の大きな部分５６とを備え、上記接点部分５
   ０はこの表面積の大きな部分から突出している請求項１
   に記載の電気コネクタ。
3. 【請求項３】 上記コネクタは、コモングランド回路
   と、このコモングランド回路の部分を形成する複数の回
   路トレースとを有するプリント回路板１１に取り付けら
   れるものであり、上記グランド端子３０は、上記コモン
   グランド回路に係合してこれと多点接触を確立するため
   の少なくとも２つの相互接続部分５７と足部６０を有し
   ている１に記載のエッジコネクタ。
4. 【請求項４】 上記グランド端子３０と信号端子２８
   は、ハウジング１６のスリット１２の各片側に於いて交
   互に配列され、各グランド端子３０の接点部分５０がハ
   ウジング１６内の上方に於いて同一高さ位置に揃えられ
   ていると共に、各信号端子２８の接点部分３４が、ハウ
   ジング１６内の下方に於いて同一高さ位置に揃えられて
   いることを特徴とする請求項１に記載の電気コネクタ。