JP3032825U - 自転車用ハンドル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハンドルバーが回動可能であって駐輪効率が高
く、より確実に盗難を防止することが可能な盗難防止装
置付の自転車用ハンドルを提供する。 【解決手段】自転車の前ホークに固定されるハンドルス
テム１０にブラケット２０が取り付けられ、ブラケット
２０に、ハンドルバー４０が固定される回動ポスト３１
が回動可能に取り付けられ、ハンドルバー４０を自転車
の長手方向に回動可能な自転車用ハンドルにおいて、駐
輪時に、ブラケット２０に穿設された第１貫通孔２３お
よび回動ポスト３１に穿設された第２貫通孔３９にロッ
クピン６０を挿通して回動ポスト３１を回動不能にする
とともに、ロックピン６０の孔６２に南京シリンダー錠
７０を取り付けてロックピン６０を抜去不能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ハンドルバーを自転車の長手方向に回動することにより、一定面積 の中で効率良く駐輪できる盗難防止装置付の自転車用ハンドルに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

自転車のハンドルバーは、自転車の長手方向（走行方向）に対して直角に長く 延びているので、自転車は、構造が簡単な二輪車の割りには車幅が広い。従って 、駐輪時の占有面積が広く、駐輪効率が低い問題点がある。このため、駐輪時に ハンドルバーを自転車の長手方向に回動させて車幅を縮小できる自転車用ハンド ルが知られている。かかる回動可能なハンドルを取り付けた自転車は、構造が複 雑になり、それだけ価格が高くなって高級自転車となるため、駐輪時の盗難防止 の必要性が高くなる。

【０００３】 ところで自転車は、駐輪時の盗難を防止するために、盗難防止装置が取り付け られることが多い。しかし従来は、盗難防止装置として、例えば、指先で押し込 むことにより係止片が移動する錠を自転車の前ホークや後ホークに取り付け、こ の係止片をホイールのスポークの間に差し込んでホイールを回転不能にし、そし て、キーで係止片をロックするものが広く実用化されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、かかる盗難防止装置は、錠を前ホークや後ホークに固定しているボル トを緩めて錠を回動させると、係止片がホイールのスポークの間から抜けるので 、走行可能になる。このように、従来の盗難防止装置は、簡単に盗難防止機能が 失われてしまうので、無断借用程度の軽い気持ちで盗まれることが多く、自転車 の盗難事件は他の盗難事件に比べて件数がきわめて多くなっている。

【０００５】 そこで本考案は、ハンドルバーが回動可能であって駐輪効率が高く、かつ簡単 に壊れることのない盗難防止装置付の自転車用ハンドルを提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、自転車の前ホークに固定されるハン ドルステムにブラケットが取り付けられ、このブラケットに、ハンドルバーが固 定される回動ポストが回動可能に取り付けられ、駐輪時に、ハンドルバーを自転 車の長手方向に回動可能な自転車用ハンドルにおいて、ブラケットに第１貫通孔 を穿設するとともに、回動ポストに、ハンドルバーを自転車の長手方向に回動し たときに第１貫通孔と軸線が一致する第２貫通孔を穿設し、駐輪時に、第１貫通 孔および第２貫通孔にロックピンを挿通して回動ポストを回動不能にするととも に、ロックピンの端部に穿設されてブラケットから臨出する孔に南京シリンダー 錠を取り付けてロックピンを抜去不能にし、自転車を走行不能にする。

【０００７】 すなわち、ハンドルバーが自転車の長手方向に回動するので、車幅が縮小し、 駐輪効率が向上するが、駐輪時に、ブラケットの第１貫通孔および回動ポストの 第２貫通孔にロックピンを挿通して回動ポストを回動不能にするとともに、ロッ クピンの端部に穿設されてブラケットから臨出する孔に南京シリンダー錠を取り 付けてロックピンを抜去不能にするので、ハンドルバーを自転車の長手方向に対 して直角に回動して走行可能状態に戻すことがでず、確実に盗難を防止すること ができる。また、南京シリンダー錠を使用するので、盗難防止機能が大きいこと が見た目で分かり、無断借用程度の軽い気持ちでの盗難を心理的にも抑制する効 果を有する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下に、図面に基づいて本考案の実施の形態を具体的に説明する。図１におい て、金属パイプからなるハンドルステム 10 内には引上げ棒ねじ 11 が挿通され ており、ハンドルステム 10 頂部の開口から、座金 13 を介して引上げ棒ねじ 1 1 の頂部が露出している。また、引上げ棒ねじ 11 の下端部にはテーパー状をし た引上げうす 12 が螺着されており、ハンドルステム 10 の下端部を図示略の前 ホークに挿入して引上げ棒ねじ 11 を回転させると、引上げうす 12 が上昇して ハンドルステム 10 の下端部が膨大し、これによってハンドルステム 10 の外周 が前ホークの内周に固定される。

【０００９】 ハンドルステム 10 の上端近傍の前部に、弾性に富んだ金属からなるパイプに 縦方向の切り溝が設けられて断面Ｃ字状をしたブラケット 20 が固定されている 。なお、ブラケット 20 をハンドルステム 10 の上端近傍の後部に固定してもよ い。従って、ハンドルステム 10 を前ホークに固定するための引上げ棒ねじ 11 はハンドルステム 10 の頂部から露出しており、前ホークへの固定作業を容易に 行うことができる。ブラケット 20 には、図２、図４に示すように、上向きに半 円形に切り欠かれた走行用係止部 22 および駐輪用係止部 21 が９０゜離間して 形成されている。また、ブラケット 20 の下方には、第１貫通孔 23 が穿設され ている。

【００１０】 ハンドルラッグ 30 のクランプ孔 32 にはハンドルバー 40 が挿通され、バー クランプボルト 33 とバークランプナット 34 により締め付けられて固定されて いる。ハンドルラッグ 30 の下方には回動ポスト 31 が一体に連設されており、 この回動ポスト 31 がブラケット 20 に挿通されている。そして、回動ポスト 3 1 の下方には、ブラケット 20 に穿設された第１貫通孔 23 と同じ大きさの第２ 貫通孔 39 が穿設されている。第２貫通孔 39 は、後述するように、ハンドルバ ー 40 を自転車の長手方向に回動したときに、その軸線が第１貫通孔 23 の軸線 と一致するようになっている。ハンドルラッグ 30 とブラケット 20 の間にはス プリング 36 が介装されており、回動ポスト 31 は下方に弾発されている。

【００１１】 ハンドルラッグ 30 の頂部には、ロックピン 60 を走行中に保管するための保 持部 37 が形成されている。ロックピン 60 の外径は第１貫通孔 23 および第２ 貫通孔 39 に挿通可能な大きさであり、一端に鍔部 61 が形成され、他端に南京 シリンダー錠 70 を取り付けるための孔 62 が穿設されている。南京シリンダー 錠 70 は、走行中は、例えば、図６に示すように、サドル 80 用のスプリング 8 1 の舟線 82 に取り付けておくとよい。

【００１２】 ブラケット 20 の切り溝の両側に、クランプナット 52 およびクランプカラー 53 が取り付けられ、クランプノブ 50 のねじ部 51 がクランプカラー 53 に挿 通されてクランプナット 52 に螺着されている。つまり、ねじ部 51 を有するク ランプノブ 50 およびクランプナット 52 、クランプカラー 53 でクランプ機構 が構成されており、クランプノブ 50 を正回転させると、ブラケット 20 が締め 付けられて回動ポスト 31 をしっかりと固定し、逆回転させるとブラケット 20 が弛んで回動ポスト 31 が回動可能になる。

【００１３】 回動ポスト 31 の下端部にはストッパー 35 が径方向に突設されており、走行 時には、図２に示すように、ストッパー 35 はスプリング 36 の弾発力によって 走行用係止部 22 に係止している。そして、クランプノブ 50 を正回転させてブ ラケット 20 を締め付け、回動ポスト 31 をしっかりと固定している。従って、 走行中にハンドルバー 40 が不意に回動することはなく、完全性は十分に確保さ れている。

【００１４】 しかして、駐輪するときは、クランプノブ 50 を逆回転させてブラケット 20 を弛め、回動ポスト 31 を回動可能にする。そして、スプリング 36 の弾発力に 抗してハンドルラッグ 30 を上方に押上げて、ストッパー 35 と走行用係止部 2 2 の係止を解除し、続いて９０゜回動すると、図４に示すように、ストッパー 3 5 は駐輪用係止部 21 に係止する。これによって、走行方向に対して直角であっ たハンドルバー 40 は９０゜回動し、図５の仮想線で示すように、その軸線が自 転車の走行方向と一致するので、車幅が縮小する。従って、占有面積が小さくな り効率良く駐輪することができる。このとき、前述のとおり、第１貫通孔 23 と 第２貫通孔 39 の軸線が一致している。

【００１５】 次に、ロックピン 60 をハンドルラッグ 30 の保持部 37 から取り出し、図３ および図４に示すように、第１貫通孔 23 および第２貫通孔 39 に挿通し、ブラ ケット 20 から臨出するロックピン 60 の孔 62 に南京シリンダー錠 70 を取り 付け、ロックピン 60 が第１貫通孔 23 および第２貫通孔 39 から抜けないよう にする。このように、ロックピン 60 が第１貫通孔 23 および第２貫通孔 39 に 挿通され、かつ南京シリンダー錠 70 によって抜けないようになっているので、 ハンドルバー 40 は回動不能になり、ハンドルバー 40 の軸線が自転車の走行方 向と一致した状態が維持されるので、走行することができない。つまり、確実に 盗難を防止することができる。

【００１６】

【考案の効果】

このように、本考案の自転車用ハンドルによれば、ハンドルバーが９０゜回動 するので、車幅が縮小し、駐輪効率が向上するが、ブラケットの第１貫通孔およ び回動ポストの第２貫通孔にロックピンを挿通して回動ポストを回動不能にする とともに、ロックピンの孔に南京シリンダー錠を取り付けてロックピンを抜去不 能にするので、ハンドルバーを走行可能状態に戻すことがでず、確実に盗難を防 止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の走行時の正面図である。

【図２】本考案実施例の駐輪時の正面図である。

【図３】本考案実施例の走行時の要部の側面図である。

【図４】本考案実施例の駐輪時の要部の側面図である。

【図５】ハンドルバーの回動状態の説明図である。

【図６】南京シリンダー錠の保管状態の説明図である。

【符号の説明】

１０ ハンドルステム ２０ ブラケット ２１ 駐輪用係止部 ２２ 走行用係止部 ２３ 第１貫通孔 ３０ ハンドルラッグ ３１ 回動ポスト ３２ クランプ孔 ３５ ストッパー ３６ スプリング ３９ 第２貫通孔 ４０ ハンドルバー ５０ クランプノブ ５１ クランプノブのねじ部 ５２ クランプナット ５３ クランプカラー ６０ ロックピン ６１ ロックピンの鍔部 ６２ ロックピンの孔 ７０ 南京シリンダー錠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の前ホークに固定されるハンドル
   ステムにブラケットが取り付けられ、このブラケット
   に、ハンドルバーが固定される回動ポストが回動可能に
   取り付けられ、駐輪時に、ハンドルバーを自転車の長手
   方向に回動可能な自転車用ハンドルにおいて、 前記ブラケットに第１貫通孔が穿設されるとともに、回
   動ポストに、ハンドルバーを自転車の長手方向に回動し
   たときに該第１貫通孔と軸線が一致する第２貫通孔が穿
   設され、 駐輪時に、該第１貫通孔および第２貫通孔にロックピン
   を挿通して回動ポストを回動不能にするとともに、該ロ
   ックピンの端部に穿設されてブラケットから臨出する孔
   に南京シリンダー錠を取り付けてロックピンが抜去不能
   とし、自転車が走行不能になることを特徴とする自転車
   用ハンドル。