JP3032322B2 - ワイパー - Google Patents

ワイパー

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JP3032322B2 JP10079391A JP10079391A JP3032322B2 JP 3032322 B2 JP3032322 B2 JP 3032322B2 JP 10079391 A JP10079391 A JP 10079391A JP 10079391 A JP10079391 A JP 10079391A JP 3032322 B2 JP3032322 B2 JP 3032322B2
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  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイパーに関する。更に
詳しくは、液体をスポット吸収しかつ、手や指による加
圧で液体を有効に排出する、液体がワイパーに浸透して
しまってワイパーに無駄な残留液が残るという現象の起
こらない、化粧用ワイパー等に適した肌触りのよいワイ
パーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来化粧用ワイパーとしては、コット
ン、紙などが使われてきた。これらの用途には、肌触り
が柔らかいこと、化粧液の吸収がよいことなどが必要と
されている。しかし紙では、肌触りが硬く、化粧液等を
吸収してしまい、液を有効に肌面に移動させることがで
きなかった。またコットンでは肌触りは柔らかいが、綿
屑などが肌面に残り易く、また紙と同じく、液体を吸収
してしまうために、化粧液などを有用に使うことができ
なかった。また、コットン等の表面をポリオレフィン系
の不織布で覆った物は、肌触りがよくまた綿屑などが顔
に残ることもないが、化粧液などの吸収性が不十分であ
りかつ、吸収層がコットンなどの液体を吸収してしまう
のであったため、やはり化粧液を有効に使うことができ
なかった。
【0003】前記従来の化粧用ワイパーに対して、特開
平2−13059号公報に開示されているような親水性
繊維と疎水性繊維の縞模様状複合不織布が考えられる。
この複合不織布を化粧用ワイパーとして用いた場合、肌
触りがよく嵩高性にも優れ、繊維屑が肌に残るという問
題点も解決されるが、このような構造では、縞模様状で
あるため液体の吸収に部位によるむらが生じる。またこ
の発明では吸収した液体が表面を透過した後表面に戻り
にくいので、前述したような化粧用ワイパーとしては使
用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は特にこ
れら従来の化粧用ワイパーの問題点を解消し、かつ肌触
りがよく、ボリューム感があり柔らかであり、そのうえ
液体などを速やかに吸収しかつ手や指による加圧により
液体が有効に排出されるようなワイパーを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、疎水性合成繊
維布帛と、疎水性合成繊維及び親水性繊維が混繊されて
なる混繊ウェブとの積層体であって、該ウェブ中の親水
性繊維が該疎水性合成繊維布帛の表面に一部貫通してい
ることを特徴とするワイパーである。本発明のワイパー
の特徴は、柔軟で肌触りが良く嵩高性のある不織布複合
体であり、かつ表面層が不織布であるので肌面に綿屑な
どの繊維屑を残すことが無いということである。更に特
徴的な点は、化粧液などの液体を滴下した時に、該不織
布の表面に貫通している、混繊ウェブの親水性繊維を伝
って、液体は速やかに吸収され、更に疎水性合成繊維及
び親水性繊維からなるウェブが混練された層であるた
め、手や指による加圧により化粧液を化粧用ワイパーに
多量に残る事なく有効に排出できることである。
【0006】以下本発明について詳述する。本発明の構
造の第一の特徴は、疎水性合成繊維布帛を表面層に持つ
ことである。肌面に繊維屑が残ることを防ぐために、布
帛であることが必要であり、該布帛としては、織布、編
地、不織布など公知のシート状物が挙げられる。特に不
織布については、スパンボンド法、カード法、エアレイ
法、抄紙法その他公知の製法で作られた繊維集積物であ
るウェブを接着や自己融着による接合または、公知の高
圧液体またはニードルによって繊維同士を交絡させ、シ
ートとしての力学的強度を高めた物が好ましく用いられ
る。後述する疎水性合成繊維及び親水性繊維からなるウ
ェブが混繊された混繊ウェブ層とより良く一体化し更に
本発明の目的を満たすような液体の吸収を担う繊維の貫
通を起こさせるためには該布帛の繊維の自由度が高い方
が望ましい。従って、例えばスパンボンド法、エアレイ
法、カード法などで作られた不織布を用いる場合は、肌
面への繊維屑の付着を防ぐため、繊維の自由度を損なわ
ない範囲で融着もしくは接合されていることが好まし
い。
【0007】疎水性合成繊維布帛中の単繊維径(円形断
面の場合はその直径、異形断面の場合は断面外周上の任
意の2点を結ぶ直線のうちで最大の長さとする)が5μ
m以上100μm以下であると、例えば、肌面に触れた
場合に肌触りが柔らかく、さらっとしていて、かつ肌と
の摩擦によって肌面に繊維屑が残らず好ましい。そし
て、液体を滴下した時液体が、表面を貫通している親水
性繊維を伝って吸水層となる混繊ウェブに引き込まれ、
手や指の加圧により再び親水性繊維を伝って表面に押し
出され、その液体が表面層に付着することなく肌面に移
行するためには、表面層となる布帛は、疎水性合成繊維
である必要がある。疎水性合成繊維布帛はポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルその他公定水分率7
%未満の疎水性合成繊維からつくられる布帛をいい、繊
維形状については異形断面糸、丸型断面糸などいずれで
も良い。ただし嵩高性、肌触りの良さ、混繊ウェブ中の
親水性繊維の疎水性合成繊維布帛への貫通のし易さの点
において、一例として、旭化成製ポリプロピレン不織布
K2030で代表されるような、繊維の捻れ、螺旋形状
など、いわゆるクリンプによる嵩高性異形断面不織布を
用いた場合は、非常に好ましいものが得られる。
【0008】つぎに疎水性合成繊維及び親水性繊維から
なる混繊ウェブとしては、疎水性合成繊維と親水性繊維
を任意の割合で混合されてなるシート状の繊維集積物で
あって、例えば、公知の抄紙法やカード法、エアレイ法
などの手段により均一に混繊して得られるシート状の繊
維集積物が挙げられる。疎水性合成繊維としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステルその他疎水性
の合成繊維によってなる短繊維が挙げられ、また親水性
繊維としては、公定水分率7%以上で天然に存在する
綿、麻、その他親水性繊維や、再生セルロース系繊維、
その他カルボン酸、スルホン酸基などの吸水、吸湿基を
グラフト重合するなどの公知の吸水性繊維など親水性の
短繊維が挙げられる。上記混繊ウェブは、両者が、混抄
または混繊によって任意の割合で混ざり合っているもの
である。
【0009】また疎水性合成繊維布帛である表面材側か
ら液体を滴下したとき速やかに吸収するためには、混繊
ウェブ中に液体を移行させる、該布帛を貫通する親水性
繊維が存在することが必要である。さらに液体が速やか
に吸水されるためには、混繊ウェブ中の親水性繊維の割
合が、繊維重量比で25%以上であることが好ましい。
また手や指による加圧により液体を有効に排出させるた
めには、混繊ウェブ中に取り込まれた液体が、混繊ウェ
ブ中で拡散吸収されることを防ぐことが必要であり、そ
のためには吸収体となる混繊ウェブに疎水性繊維が適度
な割合で含まれていることが必要である。
【0010】即ち、疎水性合成繊維布帛側から液体を加
えた場合、該布帛を貫通する親水性繊維を通って、混繊
ウェブ中に液体が移行する。混繊ウェブは、疎水性繊維
と親水性繊維が混繊されているので、液体は混繊ウェブ
中で拡散することができず、液体を滴下した部位におい
て留まり、その部分は液体が飽和状態になる。従って、
手や指による加圧によって、用意に濡れ戻り、肌面に対
して液体を有効に排出する。このとき肌面に触れている
のは、疎水性合成繊維布帛層であるため、排出された液
体を再び拭ってしまうことなく液体は、肌面に吸収され
る。このような現象をおこすためには混繊ウェブ中の疎
水性合成繊維の割合が繊維重量比25%から75%の間
であることが好ましい。
【0011】本発明によると、前述のように、疎水性合
成繊維布帛と、疎水性合成繊維及び親水性繊維が混繊さ
れてなる混繊ウェブとの積層体であって、該混繊ウェブ
中の親水性繊維が該疎水性合成繊維布帛の表面に一部貫
通している。ここでいう貫通とは、静置時もしくは加圧
時(100g/cm2 以下)に容易に混繊ウェブ中の短
繊維が表面層である布帛の繊維間隙から表面側に露出す
ることをいう。貫通の割合は表面全体に対して20%以
上であることが好ましい。例えばこの構造は、当該疎水
性合成繊維布帛と混繊ウェブを高圧水またはニードルに
よって交絡させることによって得ることができるが、上
述の疎水性合成繊維布帛の表面に一部貫通しているよう
な構造を作れるような方法であれば特に限定されるもの
ではない。さらに高圧水のノズルを搖動させると、ラン
ダムにかつ極めて均一に貫通繊維を生じさせるので好ま
しい。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に述べる。ま
た実施例中で用いた諸物性の測定法を説明する。 ・吸水性 繊維製品の吸収性試験方法(JIS−L−1096,1
018)のA法滴下法に準じて行った。 ・液体の排出性 試料に疎水性合成繊維布帛側から水2mlを滴下し、1
min後、疎水性合成繊維布帛側にろ紙を重ね、疎水性
合成繊維及び親水性繊維からなる混繊ウェブ側から2g
/cm2 の荷重を1minかけ、ろ紙にぬれ戻った滴下
水の割合で示した。 ・肌触り 試料の肌触りについて、肌触りの良いものを○、悪いも
のを×、その間を△で示した。 ・使い心地 試料を化粧用ワイパーとして使用したときに使い心地の
良いものを○、悪いものを×、その間を△として示し
た。
【0013】
【実施例1〜3、比較例1〜2】繊径20μmのポリプ
ロピレンスパンボンドを疎水性合成繊維布帛とし、これ
と表1の実施例1〜3に示す割合で混抄したスラリーを
抄造した親水性繊維と疎水性繊維の混繊ウェブを積層さ
せ、高圧の柱状流によって交絡複合させた。使用したポ
リプロピレンスパンボンドは融着面積が約7%の物を使
用し、目付は30g/m2 であった。抄造シートの構成
繊維は親水性繊維として1デニールのレーヨン短繊維を
用い、疎水性繊維としては1デニールのポリエステル繊
維を使用し、目付は50g/m2 であった。高圧の柱状
流は水圧50kg/cm2 、柱状流のノズル径0.2m
m、ノズルの回転半径は4mm、回転速度400rpm
とした。得られたシートを熱風乾燥機により乾燥した。
【0014】次に、比較として、実施例1〜3の混抄の
割合を表1の比較例1〜2に示す割合として作成したシ
ートを混繊ウェブとして用いた。実施例1〜3、比較例
1〜2の諸物性を表1に示す。実施例1〜3は、液体を
速やかに吸収しかつ加圧によって液体が排出され試料に
残る液量が比較例2と比べて少なかった。更に肌触りが
良く適度のボリューム感があり、使用感も良かった。
【0015】それに対して、比較例1は液体の吸収性が
悪く、比較例2は吸収性はよいが液体の排出性が悪く、
化粧用ワイパーとして使用した場合、液体をワイパー自
身が吸い込んでしまい、肌面に対して有効に液を供給す
ることができない。
【0016】
【実施例4】実施例2のポリプロピレンスパンボンドの
代わりに、旭化成製ポリプロピレン不織布K2030を
用いた。これは繊維の捻れ、螺旋形状など、いわゆるク
リンプによる嵩高性異形断面不織布を用いた繊径25μ
のポリプロピレンの不織布である。このものは表1に示
すように、液体の吸収性、排出性が良く、そのうえボリ
ューム感があり、使用感に優れた。
【0017】
【比較例3】実施例2のポリプロピレンスパンボンドの
代わりに、親水性のレーヨン不織布を用いて作製した。
表1に示すように、液体を滴下すると不織布が親水性で
あるので速やかに吸収するが、全体にべたべたのものと
なり、また加圧しても液がうまく排出されずほとんどが
試料に残った。更にレーヨンの湿潤強力が弱いので肌面
に繊維屑が残った。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】このようにして得られた本発明のワイパ
ーは、液体の吸収、排出が速やかであるので、一般の台
ふき、雑巾に使用すると良好である。また、洗浄剤や消
毒剤を含浸させて用いるワイパーとして用いた場合は薬
液をワイパー材にだき込むことなく、有効に排出して洗
浄、消毒に供与させることができる。また液体の吸収、
排出が速やかであるので、固体と液体の混じった糸にお
いて、液体のみを吸収させ、わずかな加圧によって吸収
した液体を排出させることができるので、特別な装置を
必要としない固液分離フィルターとしても使用できる。
【0020】特に化粧用ワイパーとしては肌触りがよ
く、ボリューム感があり柔らかであり、そのうえ化粧用
液体などを速やかに吸収しかつ手や指による加圧により
液体が有効に排出することができ、有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性合成繊維布帛と、疎水性合成繊維
    及び親水性繊維が混繊されてなる混繊ウェブとの積層体
    であって、該混繊ウェブ中の親水性繊維が該疎水性合成
    繊維布帛の表面に一部貫通していることを特徴とするワ
    イパー。
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