JP3031131U - 目地先付けタイルパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 不燃性パネルに目地を先付けしてパネルタイル仕上げを
容易且つ効率良く行なうことのできる目地先付けタイル
パネルである。 【構成】 不燃性パネル表面にシーリング材でタイル目
地を形成した目地先付け不燃性パネルを作製ししかる後
タイルを貼着する。又目地先付け不燃性パネルにタイル
裏面の裏足あるいは／又は突起を挿嵌することのできる
切り溝又は切り溝穴を形成しタイルを挿嵌貼着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建造物の柱、内外壁、床材、門、塀などの現場仕上げを容易且つ効率 良く行なうことのできる目地先付けタイルパネル。

【０００２】

【従来の技術】

タイル取付には、湿式工法と乾式工法がある。湿式工法の代表的な工法は、タ イルの裏面全体にモルタルを載せ平らに均しモルタル下地面に押し付けて張る積 上げ張り工法、平坦にこしらえた下地モルタル面に張付けモルタルを塗り付けタ イルをもみ込むようにして張る圧着張り、タイルをモルタルに特殊な小型振動機 を用いて押え込み、圧着層の目地部に盛り上がった部分を押え目地とする密着工 法、タイルを型枠内面に取り付けてコンクリートを打設し型枠を除去した後、そ のまま仕上げとする型枠先付け工法などがある。

【０００３】 乾式工法は例えば特殊なアルミナサイディングや窯業系サイディングに専用の 取付形態を付けこれにタイルをはめ込むもので、一部内装用の場合を除きタイル 取り付け後目地づめをする必要がある。

【０００４】 湿式工法及び乾式工法共いずれもタイル取付後に目地づめを行なわねばならず 目地づめ作業が現場施工の大きなネックとなっているのである。目地づめの現場 作業は熟練工でなければできず又目地づめ後のタイルの洗浄作業も非常に手間の かかるものであり、さらにタイル取付けは水糸を張り水平を出して施工するため 未熟練工では容易に行なうことはできずタイル取付後の剥落事故も大きな問題と されているのである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はかかる問題を解決するためになされたもので現場施工におけるタイル 仕上げを容易且つ効率良く行なうことのできる新規な目地先付けタイルパネルを 提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案はかかる事情に鑑みなされたものであって、不燃性パネル表面にあらか じめ工場でシーリング材によってタイル目地を形成した目地先付け不燃性パネル を作製しこれを現場に搬入し、この目地先付け下燃性パネルを躯体に取付け、し かる後タイル目地に囲まれた長方形又は正方形の間にタイルを貼着する。又目地 先付け不燃性パネルにタイル裏面の裏足あるいは／又は突起を挿嵌することので きる切り溝又は切り溝穴を形成し、タイルを挿嵌貼着する。

【０００７】

【作用】

本考案に使用する不燃性パネルは無機系板、有機系板、金属系板などいずれで も可能である。無機系板の場合石綿セメントパーライト板、繊維強化セメント板 （耐アルカリ硝子繊維強化セメント板、繊維強化セメント板）、押出セメント板 、軽量・発泡コンクリート板、無機質繊維板、スラグ石膏板、珪酸カルシウム板 などが使用できる。有機系板は不燃材の指定を受けたガラス繊維混入フェノール 樹脂成形板、金属系板は表面処理鋼板、アルミニウム板、ステンレス板などが使 用できる。

【０００８】 不燃性パネル表面に工場であらかじめ形成するタイル目地に使用するシーリン グ材はシリコーン系シーリング材１成分形あるいは／又は２成分形、変性シリコ ーン系シーリング材１成分形あるいは／又は２成分形等が好適であり、より好ま しくは変性シリコーン系シーリング材２成分形である。

【０００９】 工場において不燃性パネル表面に形成するタイル目地は、タイルの壁張りパタ ーンに応じて任意に作製することができる。例えばイギリス積み、アメリカ積み 、フランス積み、ドイツ積み、長手積み、傾斜積み、モンク積みなどであり、目 地の幅は６〜１５ｍｍ、目地の深さは５〜１０ｍｍの範囲である。シーリング材 の色は使用するタイルに応じて任意に変えることができる。例えばグレー、黒、 ベージュ、アイボリー、白など各種の色を使用する。

【００１０】 目地先付け不燃性パネルを躯体に取付ける場合躯体が木下地の場合は釘又は木 ねじなどを使用するが、鋼製下地の場合はタッピングネジ、セルフドリリングス クリュー、小ねじ、フックボルト、チャンネルボルト等を使用する。又接着剤等 によって接着する場合もある。

【００１１】 タイルを目地先付け不燃性パネルに取付けるのは接着剤を使用して、目地に囲 まれた長方形又は正方形の間に貼着する。この場合タイルを直接目地先付け不燃 性パネルに貼着する他あらかじめタイルの裏面に裏足あるいは／又は突起を形成 せしめておき目地先付け不燃性パネル側にこれを差し込むことのできる切り溝又 は切り溝穴を形成しておき、タイル裏面に接着剤を塗布すると共にタイル裏面の 裏足あるいは／又は突起を目地先付け不燃性パネルに形成した切り溝又は切り溝 穴に挿嵌して取付けることにより水糸により水平をとる必要もなく未熟練工でも 容易に施工できタイルの剥離を完全に防止することができる。

【００１２】 タイルを目地先付け不燃性パネルに取付ける際に用いる接着剤は、エポキシ変 性ゴム系ラテックス型、ゴム系ラテックス型、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型 、ビニル共重合系エマルジョン型などか使用できるが、好ましくはエポキシ変性 ゴムラテックス型である。

【００１３】 タイルの素地は陶磁器製、ガラス質製、プラスチック製、木製等のもので、内 ・外装タイル、擬石タイル、テッセラタイル、模様タイル、レリーフタイル、ガ ラスタイル、煉瓦等を使用することができる。

【００１４】

【実施例】

本考案の実施例について説明する。

【００１５】 実施例 幅６００ｍｍ、長さ９００ｍｍ、厚さ１１ｍｍの不燃性パネルである 。スラグ石膏ボードの表面にシリコーン系シーリング材（日立化成ポリマー（株 ）製「ハイボン２０００」）を使用して長手積みの目地を作製した。目地の幅は １０ｍｍで目地の高さは５ｍｍである。作製した目地に囲まれた空間の寸法は２ ２７×６０ｍｍである．

【００１６】 この目地先付け不燃性パネルに貼着するタイルは一般呼称でいう二丁掛けタイ ルで、その寸法は２２７×６０ｍｍ厚さは５ｍｍである。タイルの裏面中央に幅 ５ｍｍ、高さ１０ｍｍ、長さ１００ｍｍの突起を設けると共に不燃性パネルであ るスラグ石膏ボードのタイル貼着部分にこの突起を挿嵌することの出来る切り溝 穴を形成した。図１は完成した目地先付け不燃性パネルの正面図である。

【００１７】 目地を先付けした不燃性パネルであるスラグ石膏ボードにタイルの取付を行な った目地先付けタイルパネルが図２である。

【００１８】 タイル裏面及び突起にエポキシ変性ゴム系ラテックス型接着剤（日本ラテクス 加工（株）製「ＪＳＲ・ＥボンドＥＰ」）を塗布し、不燃性パネルであるスラグ 石膏ボードの切り溝穴にきわめて容易且つ効率良く挿嵌貼着することができた。

【００１９】

【考案の効果】

以上の如く本考案になる目地先付けタイルパネルは工場生産された目地先付け 不燃性パネルを使用することによって現場施工で最も手間のかかる目地へのシー リング材挿入工程及び挿入後の清掃工程を除くことができタイル仕上げを容易且 つ効率良く行なうことができる。

【００２０】 不燃性パネル側にタイルの裏面に形成せしめた裏足あるいは／又は突起を挿嵌 することの出来る切り溝又は切り溝穴を形成し、タイルを挿嵌貼着ことによって 水糸により水平をとる必要もなく未熟練工でも容易にタイルの取付けをすること ができタイルの剥落も防止することができる。

【００２１】

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の目地先付け不燃性パネルの正面図

【図２】実施例の目地先付けタイルパネルの正面図

【符号の説明】

１．不燃性パネル ２．先付け目地 ３．切り溝穴 ４．タイル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不燃性パネル表面にシーリング材でタイ
   ル目地を形成し、タイル目地に囲まれた長方形又は正方
   形の空間にタイルを貼着することを特徴とする目地先付
   けタイルパネル。
2. 【請求項２】 目地先付け不燃性パネル面のタイル取付
   位置にタイル裏面の裏足あるいは／又は突起を挿入する
   ことのできる切り溝又は切り溝穴を形成し、タイルを挿
   嵌貼着することを特徴とする請求項１記載の目地先付け
   タイルパネル。