JP3031064U - 畳表および敷物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷技術により得られた模様と比較して著し
く高品質の幾何学的模様を実現することができ、ひいて
は高品質の畳表を提供すること。 【解決手段】 色相、彩度、明度のうち少なくとも一種
が異なる着色を持つ人工イ草１ａ，１ｂを製織して、前
記異なる着色に起因する市松模様、もしくは畳表長手方
向と同方向に延び、かつ前記異なる着色に起因するスト
ライプ柄を構成せしめてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は畳表および敷物に関し、さらに詳細にいえば、人工イ草を製織して なる畳表およびこの畳表を用いた敷物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、天然イ草に代えて種々の人工イ草が提供され、これらの人工イ草を 用いて製織されてなる畳表も提供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来から提供されている畳表は全体が同じ着色を持つ人工イ草で製織 されてなるものであるから、無模様一色であり、幾何学的な模様などを施そうと する場合には、製織により得られた畳表に対して印刷技術などによって後付けで 幾何学的模様などを施すことが必要になる。そして、このようにして後付けで幾 何学的模様などを施した場合には、畳表がもともと多数の人工イ草を製織してな るものである関係上、人工イ草のうち、表面から見える全範囲に均一に印刷を施 すことが著しく困難であり、したがって、得られる幾何学的模様なども、明らか に印刷技術により施されたものであることが分かる程度の品質であり、畳表とし ても高い品質を達成することができない。

【０００４】 この考案は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、印刷技術により得られ た模様と比較して著しく高品質の幾何学的模様を実現することができ、ひいては 高品質の畳表を提供することを第１の目的とし、この畳表を用いた敷物を提供す ることを第２の目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の畳表は、色相、彩度、明度のうち少なくとも一種が異なる着色を持 つ人工イ草を製織して、前記異なる着色に起因する市松模様、もしくは畳表長手 方向と同方向に延び、かつ前記異なる着色に起因するストライプ柄を構成せしめ てなるものである。

【０００６】 ここで、色相、彩度、明度のうち少なくとも一種が異なる着色を持つ人工イ草 は、例えば、含ませられる顔料を適宜選定することにより簡単に得られる。また 、このような人工イ草としては、例えば、フィラーを充填して光沢を少なくし、 もしくはなくしたものであってもよい。 請求項２の畳表は、前記人工イ草として、中空のものを採用している。

【０００７】 請求項３の敷物は、請求項１または請求項２の畳表とクッション材層とを積層 してなるものである。

【０００８】

【作用】

請求項１の畳表であれば、色相、彩度、明度のうち少なくとも一種が異なる着 色を持つ人工イ草を製織して、前記異なる着色に起因する市松模様、もしくは畳 表長手方向と同方向に延び、かつ前記異なる着色に起因するストライプ柄を構成 せしめてなるのであるから、印刷技術によって市松模様もしくはストライプ柄を 形成した場合と比較して著しく高品質の市松模様もしくはストライプ柄を得るこ とができ、ひいては畳表の視覚的品質を高めることができる。

【０００９】 請求項２の畳表であれば、前記人工イ草として、中空のものを採用しているの で、天然イ草を製織してなる畳表と同程度の緩衝性、触感を達成することができ る。 請求項３の敷物であれば、請求項１または請求項２の畳表とクッション材層と を積層してなるものであるから、畳表を用いてなる敷物の視覚的品質を高めるこ とができ、天然イ草を製織した畳表を用いてなる敷物と同程度の緩衝性、触感を 達成することができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】 図１はこの考案の畳表の一実施態様を示す平面図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線 断面図、図３は図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。 この畳表は、経糸１として、例えば、熱可塑性樹脂（ポリプロピレン、ポリエ チレン、プロピレンとエチレンとの共重合体などのオレフィン系樹脂、ポリアミ ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、それらの混合体および共重合 体など）を特定な形態の中空線状体とした人工イ草を用い、経糸２として、熱可 塑性樹脂（ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチレンとの共重合体 などのオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系 樹脂、それらの混合体および共重合体など）、または熱可塑性樹脂と無機フィラ ー（炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、これら の混合体など）のみで形成されたスパン糸またはモノフィラメントを使用し、畳 表製織機を用いて特定の目付にて畳表に製織されたものである。そして、経糸２ に対して、左側から第１の人工イ草１ａを供給し、右側から、色相、彩度、明度 のうち少なくとも一種が第１の人工イ草１ａと異なる着色を持つ第２の人工イ草 １ｂを供給し、しかも、第１の人工イ草１ａと第２の人工イ草１ｂとを１本ずつ 交互に供給して製織することにより、畳表の長手方向と同方向に延びるストライ プ柄が自動的に形成される。ただし、この場合には、この製織方法に適した針カ ムを用いることが必要である。

【００１１】 このようにして形成されたストライプ柄は、製織に伴って形成されているので あるから、印刷技術などによって後付けで形成されたストライプ柄と比較して著 しく視覚的品質を高めることができ、ひいては畳表の視覚的品質を高めることが できる。また、第１の人工イ草１ａと第２の人工イ草１ｂとを予め準備しておき 、左右から１本ずつ供給して製織するだけでよいから、印刷装置などが不要にな り、製造コストを低減することができる。

【００１２】 図４はこの考案の他の実施態様を示す平面図である。 この畳表は、経糸２に対して、左側から第１の人工イ草１ａを供給し、右側か ら、色相、彩度、明度のうち少なくとも一種が第１の人工イ草１ａと異なる着色 を持つ第２の人工イ草１ｂを供給し、しかも、第１の人工イ草１ａと第２の人工 イ草１ｂとを１本ずつ交互に供給して製織する第１の部分３ａと、右側から第２ の人工イ草１ｂを供給し、左側から第１の人工イ草１ａを供給し、しかも、第２ の人工イ草１ｂと第１の人工イ草１ａとを１本ずつ交互に供給して製織する第２ の部分３ｂとを交互に設けることにより、市松模様が自動的に形成される。ここ で、第１の部分３ａ、第２の部分３ｂを構成する人工イ草の本数を適宜設定する ことにより、正方形の市松模様、縦長長方形の市松模様、横長長方形の市松模様 を簡単に形成することができる。ただし、この場合にも、この製織方法に適した 針カムを用いることが必要である。

【００１３】 このようにして形成された市松模様は、製織に伴って形成されているのである から、印刷技術などによって後付けで形成された市松模様と比較して著しく視覚 的品質を高めることができ、ひいては畳表の視覚的品質を高めることができる。 また、第１の人工イ草１ａと第２の人工イ草１ｂとを予め準備しておき、左右か ら１本ずつ供給して製織するだけでよいから、印刷装置などが不要になり、製造 コストを低減することができる。

【００１４】 また、前記の何れの実施態様においても、熱可塑性樹脂に無機フィラーを混入 してなる人工イ草を採用し、無機フィラーの混入量を２〜４０重量％、好ましく は１０〜３５％に設定することにより、天然イ草に近い風合いのものを得ること ができる。さらに、人工イ草の空洞部の面積と、空洞部を含む人工イ草全体の面 積との比率を２〜８０％、好ましくは１０〜７０％に設定すればよく、天然イ草 に似た感触を得ることができる。ここで、人工イ草の見かけ比重は０．２〜０． ４に設定することが好ましい。さらにまた、経糸２の繊維径は、好ましくは０． ２〜１．５ｍｍ、さらに好ましくは０．４〜１ｍｍに設定される。前記の何れの 畳表も、人工イ草を製織することによりストライプ柄もしくは市松模様が形成さ れているので、色褪せが殆どなく、また、全体としての重量を軽くすることがで きる。

【００１５】 図５はこの考案の敷物の一実施例を示す概略縦断面図である。 この敷物は、図１の実施態様、または図４の実施態様の畳表１１と、ゴムシー ト、発泡樹脂シートなどからなるクッション材層１２とを一体的に積層してなる ものである。ここで、畳表１１とクッション材層１２とは、接着剤などで一体化 される。

【００１６】 この構成の敷物は、視覚的品質を高めた畳表１１を有しているとともに、クッ ション材層１２によって良好な緩衝性、すべり防止性を達成しているので、視覚 的品質を高め、しかも敷物として要求される性能を満たすものである。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１の考案は、印刷技術によって市松模様もしくはストライプ柄を形成し た場合と比較して著しく高品質の市松模様もしくはストライプ柄を得ることがで き、ひいては畳表の視覚的品質を高めることができ、しかも製造設備を簡単化す ることができるという特有の効果を奏する。

【００１８】 請求項２の考案は、天然イ草を製織してなる畳表と同程度の緩衝性、触感を達 成することができるという特有の効果を奏する。 請求項３の考案は、畳表を用いてなる敷物の視覚的品質を高めることができ、 天然イ草を製織した畳表を用いてなる敷物と同程度の緩衝性、触感を達成するこ とができ、しかも製造設備を簡単化することができるという特有の効果を奏する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の畳表の一実施態様を示す平面図であ
る。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【図４】この考案の他の実施態様を示す平面図である。

【図５】この考案の敷物の一実施例を示す概略縦断面図
である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 人工イ草 １１ 畳表 １２ クッション材層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 色相、彩度、明度のうち少なくとも一種
   が異なる着色を持つ人工イ草（１ａ）（１ｂ）を製織し
   て、前記異なる着色に起因する市松模様、もしくは畳表
   長手方向と同方向に延び、かつ前記異なる着色に起因す
   るストライプ柄を構成せしめてなる畳表。
2. 【請求項２】 前記人工イ草（１ａ）（１ｂ）は、中空
   である請求項１に記載の畳表。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２の畳表（１１）
   とクッション材層（１２）とを積層してなることを特徴
   とする敷物。