JP3031029B2 - 液晶パネルの製造方法 - Google Patents

液晶パネルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶を用いた表示パネ
ルの製造方法に関するものであり、より詳細には液晶を
一定方向に配列する配向膜形成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、配向膜の形成はオフセット印刷で
行われ、例えば図4に示す構成の印刷機で図5のように
液晶パネルの画素部に対応した面積のみにポリイミドか
らなる配向膜1を印刷している。このオフセット印刷
は、ドクターロール2とアニロックスローラー3と版胴
4を具備し、ディスペンサー5などで、配向膜材料1を
滴下し、各ローラーを回転して版胴4に取り付けた印刷
版6から基板7へ印刷する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来例において得られる配向膜では、図6に示す様に印刷
端部(以下マージナルゾーンと呼ぶ)8a、8b、8
c、8dが盛り上がる現象があり、上下基板を張り合わ
せた場合にギャップ不良を発生する可能性がある。その
ため、印刷条件を最適化してマージナルジーン高さを調
整を行なっていた。具体的には、印刷版6と基板7の押
しこみ量や印刷速度などで調整を行なっていた。しか
し、長期間使用していると装置のガタや振動でマージナ
ルゾーン高さが変化してくることから品質の安定化は得
られにくい。
【0004】また、画素の一つ一つにトランジスタを形
成してなるアクティブマトリックス方式のTFT素子基
においては、SiO2やAlやCr、ITOなどの成
膜を繰り返して所定の形状に露光、エッチングなどを行
って素子を形成する。その場合、表示画面の外周部は図
のように全ての膜が形成され蓄積する。この外周部は特
に基板周辺であるため、膜形成や露光、エッチングが均
一でなく不安定である。従って、素子形成の完成後のパ
ネル組立などの後工程における熱衝撃などで、膜はがれ
が発生し、この膜はがれが異物となって品質を損なって
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の液晶パネルの製造方法は、相対向する基
板上に電極を形成し、基板および電極上に液晶を配向さ
せるポリイミド有機材料の配向膜を有し、前記配向膜の
形成部を画素部と画素部以外の外周部に所定の間隔を設
けて形成し、画素部より外周部の配向膜厚さを低くし、
かつ外周部の配向膜端部にテーパーを設けて液晶パネル
形成する。
【0006】
【作用】上記の手段によれば、画素部端部のマージナル
ゾーン高さを低減し、かつ基板周辺の膜はがれを外周部
に形成した配向膜がオーバーコートすることから、後工
程で膜はがれが異物となることはなく、高品質な液晶パ
ネルを安定に供給することができる。
【0007】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0008】本実施例において用いる配向膜の印刷版1
2の構成を図1に示す。印刷版12には、第1の印刷部13
と第2の印刷部14が設けられている。この印刷版を用い
て図2に示す様に素子基板10とカラーフィルター基板15
に配向膜1を印刷し形成する。
【0009】まず、配向膜1の印刷版12はポリブタジェ
ン樹脂などで作成され、版表面は円錐状の窪みがフォト
レジストなどで形成されている。印刷版12の形状は、画
素部全体を覆う面積を有する第1の印刷部13と、上下基
板をセル化して素子電極に電圧を供給する端子部より外
側に、第2の印刷部14を設けた形成にしている。この印
刷版12を、図4に示した印刷機の版胴4に取り付ける。
【0010】次に、アニロックスロール3上に配向膜1
をディスペンサー5より滴下し、各ロールを回転して印
刷版上に転写する。この配向膜1は、ポリアミド酸の溶
液などを使用する。印刷版12上に転写された配向膜1を
上下基板、すなわちTFT素子基板10とカラーフィルタ
ー基板15を順次投入し、基板上に印刷していく。この配
向膜の厚みは400Å〜2000Åである。しかし、印
刷版12は基板10,15と接触するときに、振動を起こす。
この振動は第2の印刷部14の幅で吸収され、第1の印刷
部13が基板と接触する時点では、振動の無い安定した印
刷が可能である。その後、配向膜1は、70℃で仮硬化
され、200℃の高温で本硬化する。この時に素子基板
10の周辺の残留した蓄積された形成膜16が熱応力などで
はがれるが、第2の印刷部14により膜上から配向膜1で
オーバーコートされているため、はがれを抑制してい
る。そのため、本硬化された基板は、ラビング工程を経
てシール材17、スペーサ材18を介してセル化される。
お、図において、11は基板10上にSiO2やAlやC
r,ITOなどの成膜を繰り返して所定の形状に露光、
エッチングなどを行って形成されたTFT素子である。
【0011】この実施例では、素子基板10の周辺の残留
した形成膜16の高さが高い時や、印刷版12と基板の接触
時の衝撃を小さくし振動をより少なくする場合に、印刷
版の第1の印刷部13の高さより第2の印刷部14の高さを
低くして効果を向上している。
【0012】さらに、この実施例では、図3に示すよう
に印刷版の第2の印刷部14端部をテーパー状に構成して
より一層の効果を得ている。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明は、配向膜の形成部
を画素部と画素部以外の外周部に所定の間隔を設けて形
成し、画素部より外周部の配向膜厚さを低くし、かつ外
周部の配向膜端部にテーパーを設けることにより、画素
部の配向膜端部の盛り上がり(厚くなる)を低減でき、
さらに素子基板の周辺部の成膜不安定部を外周部の配向
膜でオーバーコートし、セル化工程中での膜はがれ等を
防止でき、したがって容易に均一ギャップでしかも異物
の無い高品質の液晶パネルを供給できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例において用いた印
刷版の正面図 (b)は、同印刷版の側面の断面図
【図2】同実施例により製造した液晶パネルの断面図
【図3】(a)は、同実施例において使用可能な他の印
刷版の正面図 (b)は、同印刷版の下面の断面図
【図4】配向膜の印刷機の構成図
【図5】(a)は、従来例において使用された印刷版の
正面図 (b)は、同印刷版の側面の断面図
【図6】(a)は、従来例の配向膜の印刷状態を示す基
板正面図 (b)は、同基板の側面の断面図 (c)は、同基板の下面の断面図
【符号の説明】 1 配向膜 2 ドクターロール 3 アニロックスロール 4 版胴 8a、8b、8c、8d マージナルゾーン 10 素子基板 12 印刷版 13 第1の印刷部 14 第2の印刷部 15 カラーフィルター基板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1333

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する基板上に電極を形成し、基板
    および電極上に液晶を配向させるポリイミド有機材料の
    配向膜を有し、前記配向膜の形成部を画素部と画素部以
    外の外周部に所定の間隔を設けて形成し、画素部より外
    周部の配向膜厚さを低くし、かつ外周部の配向膜端部に
    テーパーを設けることを特徴とする液晶パネルの製造方
    法。
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