JP3030493B2 - 半導体製造工程からの排ガスの除害装置 - Google Patents

半導体製造工程からの排ガスの除害装置

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JP3030493B2
JP3030493B2 JP7168416A JP16841695A JP3030493B2 JP 3030493 B2 JP3030493 B2 JP 3030493B2 JP 7168416 A JP7168416 A JP 7168416A JP 16841695 A JP16841695 A JP 16841695A JP 3030493 B2 JP3030493 B2 JP 3030493B2
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誠 森澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、半導体製造工程から排
出される三フッ化窒素等の支燃性排ガスやシラン等の可
燃性排ガスを除害処理する除害装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造工程から排出される有
害ガスを処理する除害装置として特公平5−41889
号公報に示されたものや、特開平6−26634号に示
されたものが知られている。前者のものは、シラン等の
可燃性排ガスを処理するもので、一端部を大気に開放さ
せ、他端部を湿式スクラバー等の吸引装置に接続した第
1筒の中間部分に第1筒と直交する状態で第2筒を接続
し、第2筒の非接続端に排ガス導入口を配置するととも
に、第2筒の中間部に発火装置を配置し、第1筒内を流
れる大気の一部を第2筒の内部に取り込んで可燃性排ガ
スを燃焼させるようにしたものである。また、後者のも
のは三フッ化窒素等の支燃性排ガスを処理するもので、
一端部を大気に開放させ、他端部を湿式スクラバー等の
吸引装置に接続した第1筒の中間部分に第1筒と直交す
る状態で第2筒を接続し、第2筒の非接続端に排ガス導
入口と反応促進ガス(可燃性ガス)の導入口とを配置する
とともに、第2筒の中間部に着火装置を配置し、第1筒
内を流れる大気の一部を第2筒の内部に取り込むととも
に、排ガスと反応促進ガスとを予め混合させた状態で着
火装置により燃焼分解させるように構成したものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の両処
理装置では、第1筒に対して第2筒が直交する状態に配
置し、第1筒内を流れる助燃性ガスを第2筒内に取り込
んで、この助燃性ガスを処理ガス(排ガス)の処理に利用
するようにしてあることから、第1筒内を流れる助燃性
ガスの流速が第2筒内での処理ガスの滞留時間に影響
し、除害効率が低いという問題があった。本発明はこの
ような点に鑑み提案されたもので、除害効率の高い除害
装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、一端に半導体製造装置から排出される排
ガスを導入する排ガス導入口と補助ガス導入口を形成す
るとともに他端部を大気に開放させた外筒に、一端を吸
引装置に連通させかつ他端部を開放させた内筒を、その
開放端側部分を外筒の開口端部から外筒内部に突入さ
せ、内筒の外周面と外筒の内周面との間に所定間隔の通
気路を形成し、外筒での排ガス導入口の形成側部分に複
数のガス燃料バーナを、外筒における同一円周上に位置
する状態で配置し、この複数のガス燃料バーナで外筒の
排ガス導入口形成端寄り部分での内部にバーナ火炎によ
る燃焼域を形成したことを特徴としている。
【0005】
【発明の作用】本発明では、一端に半導体製造装置から
排出される排ガスを導入する排ガス導入口と補助ガス導
入口を形成するとともに他端部を大気に開放させた外筒
に、一端を吸引装置に連通させかつ他端部を開放させた
内筒を、その開放端側部分を外筒の開口端部から外筒内
部に突入させ、内筒の外周面と外筒の内周面との間に所
定間隔の通気路を形成し、外筒での排ガス導入口の形成
側部分に複数のガス燃料バーナを、外筒における同一円
周上に位置する状態で配置し、この複数のガス燃料バー
ナで外筒の排ガス導入口形成端寄り部分での内部にバー
ナ火炎による燃焼域を形成しているので,バーナによる
燃焼域の上流側で支燃性ガスと可燃性ガスが供給される
ことになり、取り入れ外気量で除害効率が影響されるこ
とが少なくなるから、高い除害効率を得ることができる
うえ、内・外筒間の通気路を流れる大気で内筒内を流れ
る処理済ガスを冷却することになる。
【0006】
【発明の実施の形態】図面は本発明の実施態様を示し、
図1は除害装置の一部縦断正面図、図2はそのII−II線
断面図である。この除害装置は、外筒(1)と、この外筒
(1)の内部にその一部を突入配置している内筒(2)とか
らなる内外2重筒構造で構成してある。
【0007】外筒(1)は中間部をレジューサ(3)で縮径
した異径管で形成してあり、小径側の端部をフランジ
(4)で閉塞し、このフランジ(4)に図外の半導体製造装
置から導出した排ガスを導入する排ガス導入口(5)と、
補助ガス導入口(6)とを形成するとともに、大径側端部
を開放している。この補助ガス導入口(6)には、排ガス
がNF3等の支燃性ガスの場合には炭化水素ガスや水素
等の可燃性ガスを供給し、排ガスがシラン等の可燃性ガ
スの場合には酸素や空気等の支燃性ガスを供給する。
【0008】内筒(2)は外筒(1)の小径部分と同径の直
管で形成してあり、一端部を開放状に形成するととも
に、他端部を図示を省略した湿式スクラバーに接続する
ようにしてある。この内筒(2)の外周面には内筒(2)の
軸芯に沿う冷却フィン(7)が周方向適当間隔置きに突設
してある。この冷却フィン(7)の突出寸法は外筒(1)の
内径寸法と内筒(2)の外径寸法との差の1/2の寸法に
形成してあり、内筒(2)の軸芯方向に沿って3列形成し
てある。そして、内筒(2)を外筒(1)の大径側端部から
外筒(1)の内部に突入した際、この冷却フィン(7)が外
筒(1)の内周面に当接することにより、内筒(2)はその
軸芯が外筒(1)の軸芯と一致する状態に突入配置される
ことになり、内筒(2)の外周面と外筒(1)の内周面との
間に一定間隔の通気路(8)が形成される。この通気路
(8)の一端は大気に連通し、他端は外筒(1)の内部空間
に連通することになる。
【0009】外筒(1)の小径部分に液化石油ガス燃料を
燃焼させるガス燃料バーナ(9)が配置してある。このガ
ス燃料バーナ(9)は図2に示すように、外筒(1)の同一
円周上に等間隔で3本配置してあり、各ガス燃料バーナ
(9)のノズル軸芯は外筒(1)内に想定した仮想円の接線
に一致させてあり、外筒(1)内に火炎によるフレームカ
ーテンを形成して、外筒(1)内に燃焼域(10)を形成する
ようになっている。
【0010】また、外筒(1)の小径部分におけるガス燃
料バーナ(9)の配設部よりも大径側方向と、内筒(2)に
おける湿式スクラバー接続側端部寄りの個所に熱電対式
の温度検出具(11)がそれぞれ配置してある。
【0011】なお上記実施例では、内筒(2)に4インチ
のステンレス管を使用し、外筒(1)はその大径側を6イ
ンチのステンレス管、小径側を4インチのステンレス管
で形成してある。この場合、内筒(2)の通路断面積及び
外筒(1)における小径部での通路断面積と、内外筒(1)
(2)間に形成されている通気路(8)の通路断面積とはほ
ぼ等しくなる。そして、内外筒(1)(2)間に形成した通
気路(8)の通路断面積内を流れる外気量は内筒(2)に連
通接続してある湿式スクラバーでの吸引力によって決定
されることから、この通気路の通路断面積を小さくする
と、通気路内を流れる外気の流速が高まり、冷却効率が
向上する。
【0012】次に、上述の構造からなる除害装置を使用
しての半導体製造装置から排出した三フッ化窒素(N
3)の処理を説明する。湿式スクラバーを作動させた状
態でガス燃料バーナ(9)に点火した後、排ガス導入口
(5)から三フッ化窒素ガス(NF3)を導入するととも
に、補助ガス導入口(6) からLPGを導入する。する
と、三フッ化窒素はガス燃料バーナ(9)の火炎で形成さ
れた燃焼域(10)を通過する間に加熱されて窒素成分とフ
ッ素成分とに熱分解し、分解された窒素成分は窒素成分
同士が結合して窒素ガスとなり、分解されたフッ素成分
は炭化水素の燃焼で形成された水分中の水素成分と結合
してフッ化水素となる。このとき、補助ガス導入口(6)
から導入されたLPGも燃焼域(10)を通過する間に内外
筒(1)(2)間に形成した通気路(8)から外筒内に取り込
まれた外気の一部と混合して燃焼し、NF3の熱分解を
助けることになる。
【0013】一方、外筒(1)内に突入している内筒(2)
の突入端部には湿式スクラバーでの吸引力が作用してい
るから、その吸引力の作用で外筒(1)と内筒(2)との間
の通気路(8)を通して外気を外筒(1)内に取り込むこと
になる。このため、処理されたガスと取り込み空気とが
混合した状態で内筒(2)内を流れるが、この内筒(2)内
を流れるガスと通気路(8)内を流れるガスとが内筒(2)
の肉壁を介して熱交換し、処理済みガスを冷却すること
になる。
【0014】この除害装置で補助ガスを導入して処理し
た場合と、補助ガスを導入しなかった場合とについての
実験結果は、次表のとおりである。
【0015】
【表1】
【0016】図3は、本発明の別実施例を示し、この実
施例は外筒(1)を全長にわたって口径が同一の直管で構
成した点が、前述の実施例と相違し、他の構成は同じで
ある。このように、外筒(1)の全体を同じ口径に形成す
ると、排ガス導入部分での断面積が内筒(2)の通路断面
積よりも大きくなることから、外筒(1)の排ガス導入部
分に内筒(2)を介して作用する吸引力の影響が少なくな
り、前記実施態様の場合よりも排ガスの滞留時間を十分
確保することができ、除害効率を高める。
【0017】上記各実施例では、内筒(2)の外周面に突
設する冷却フィン(7)を内筒(2)の軸芯に沿う状態に形
成したが、この冷却フィン(7)を図4に示すように螺旋
角を持つ状態に配置すると、通気路(8)内を流れる吸い
込み流に旋回成分を与えることができ、燃焼域(10)への
外気の供給量を大きくすることができるとともに処理済
みガスの冷却効率を向上できる。
【0018】上記各実施例では、外筒(1)の周面に3本
のガス燃料バーナ(9)を円周方向で等間隔に配置した
が、ガス燃料バーナ(9)は複数個配置すればよく、その
場合吹き出し方向が対向しない状態に配置することか望
ましい。また、複数のバーナで形成されたフレームカー
テンが外筒(1)の軸芯方向に複数列並ぶように形成して
もよい。さらに、ガス燃料バーナ(9)に供給する燃料ガ
スは炭化水素ガスに限らず、水素ガスであってもよい。
【0019】また、排ガス導入口に導入するガスを前記
実施例では三フッ化窒素を例に説明したがこの導入する
ガスとしては他の支燃性ガスでもよく、また、シラン等
の可燃性ガスであってもよい。排ガスとしてシラン等の
可燃性ガスを導入した場合には、補助ガス導入口(6)に
は空気や酸素の支燃性ガスを供給する。
【0020】なお、上記各実施例では、内筒(2)の突入
量を固定したが、内筒(2)を外筒(1)に対して出退移動
可能に構成して内筒(2)の突入量を調整可能に構成して
もよい。
【0021】
【発明の効果】本発明では、一端に半導体製造装置から
排出される排ガスを導入する排ガス導入口と補助ガス導
入口を形成するとともに他端部を大気に開放させた外筒
に、一端を吸引装置に連通させかつ他端部を開放させた
内筒を、その開放端側部分を外筒の開口端部から外筒内
部に突入させ、内筒の外周面と外筒の内周面との間に所
定間隔の通気路を形成し、外筒での排ガス導入口の形成
側部分に複数のガス燃料バーナを、外筒における同一円
周上に位置する状態で配置し、この複数のガス燃料バー
ナで外筒の排ガス導入口形成端寄り部分での内部にバー
ナ火炎による燃焼域を形成しているので,バーナによる
燃焼域の上流側で支燃性ガスと可燃性ガスが供給される
ことになり、取り入れ外気量で除害効率が影響されるこ
とが少なくなるから、高い除害効率を得ることができ
る。
【0022】また、本発明の除害装置では、内筒と外筒
との間に形成した通気路を流れる取り入れ大気と内筒内
を流れる処理ガスとが内筒の肉壁を介して熱交換され、
内筒内を流れる処理済みガスを冷却することができるか
ら、短時間のうちに熱活性を減少させることができ、装
置全体を小型化することができる。
【0023】なお、複数のガス燃料バーナを同一円周上
でその噴出方向が一致しない状態に配置することによ
り、燃焼火炎によるフレームカーテンを効果的に形成す
ることができ、導入した排ガスを効果的に火炎に接触さ
せることができる。
【0024】さらに、外筒をその中間部で縮径し、燃焼
域形成部分での外筒の内径を内筒の内径と等しく形成し
た場合には、小さな能力のバーナで効率よく処理するこ
とができるようになり、消費燃料を少なくすることがで
きる。
【0025】さらにまた、通気路の通路断面積を内筒の
通路断面積以下に形成すると、通気路内を流れる外気の
線速が大きくなり、内筒内を流れる処理済みガスを強力
に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す一部縦断正面図であ
る。
【図2】そのII−II線断面図である。
【図3】別実施態様を示す一部縦断正面図である。
【図4】内筒の外周面に形成した冷却フィンの変形例を
示す平面図である。
【符号の説明】
1…外筒、2…内筒、5…排ガス導入口、6…補助ガス
導入口、7…冷却フィン、8…通気路、9…ガス燃料バ
ーナ、10…燃焼域。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−95214(JP,A) 特表 平4−504613(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 7/06 ZAB

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に半導体製造装置から排出される排
    ガスを導入する排ガス導入口(5)と補助ガス導入口(6)
    を形成するとともに他端部を大気に開放させた外筒(1)
    に、一端を吸引装置に連通させかつ他端部を開放させた
    内筒(2)を、その開放端側部分を外筒(1)の開口端部か
    ら外筒内部に突入させ、内筒(2)の外周面と外筒(1)の
    内周面との間に所定間隔の通気路(8)を形成し、外筒
    (1)での排ガス導入口(5)及び補助ガス導入口(6)の形
    成側部分に複数のガス燃料バーナ(9)を、外筒(1)にお
    ける同一円周上に配置し、この複数のガス燃料バーナ
    (9)で外筒(1)の排ガス導入口形成端寄り部分での内部
    にバーナ火炎による燃焼域(10)を形成したことを特徴と
    する半導体製造工程からの排ガスの除害装置。
  2. 【請求項2】 内筒(2)の外周面に冷却フィン(7)を突
    設した請求項1に記載の半導体製造工程からの排ガスの
    除害装置。
  3. 【請求項3】 補助ガス導入口(6)に、排ガスが可燃性
    ガスの場合には支燃性ガスを、また、排ガスが支燃性ガ
    スの場合には可燃性ガスを供給するようにした請求項1
    又は請求項2に記載の半導体製造工程からの排ガスの除
    害装置。
  4. 【請求項4】 外筒(1)をその中間部分で縮径し、燃焼
    域(10)の形成部分での外筒(1)の内径を内筒(2)の内径
    と等しく形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    半導体製造工程からの排ガスの除害装置
  5. 【請求項5】 通気路(8)での通路断面積を内筒(2)の
    通路断面積以下に形成した請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の半導体製造工程からの排ガスの除害装置。
  6. 【請求項6】 複数のガス燃料バーナ(9)を外筒円周面
    での接線方向と平行に配置した請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の半導体製造工程からの排ガスの除害装置
  7. 【請求項7】 同一円周上に配置した複数のガス燃料バ
    ーナ(9)を1組として複数組のガス燃料バーナ(9)を外
    筒(1)の軸芯方向に沿って配置した請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の半導体製造工程からの排ガスの除害装
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