JP3030287B1 - 成膜装置のクリーニング方法、スパッタリングターゲットのクリーニング方法及びこれらに使用するクリーニング装置 - Google Patents
成膜装置のクリーニング方法、スパッタリングターゲットのクリーニング方法及びこれらに使用するクリーニング装置Info
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Abstract
パッタリングターゲットの表面に付着した汚れを、対象
物にダメージを与えることなく、乾式で効率良くクリー
ニングする手段を提供する。 【解決手段】 保冷容器から所定速度で供給されたドラ
イアイスペレットを破砕機で破砕して粒径0.5mm以
下のドライアイス粉末を製造する工程と、該ドライアイ
ス粉末を高速気流によりクリーニング対象物の表面に吹
き付ける工程とを有する成膜装置又はスパッタリングタ
ーゲットのクリーニング方法。また、保冷容器とドライ
アイスペレットの破砕機と、該破砕機へのドライアイス
ペレットの供給速度の制御手段と、空気コンプレッサー
と、可搬式のドライアイス粉末噴射用ノズルと、該ノズ
ルへの供給空気圧又は空気流量の制御手段とを有するク
リーニング装置。
Description
等の薄膜形成装置、ドライエッチング法、CMP法、ス
ピンコート法等による薄膜加工装置のチャンバーの内壁
面及びチャンバー内装置部品の表面の汚れを除去するた
めの成膜装置のクリーニング方法、PVD装置のスパッ
タリングターゲットのクリーニング方法及びこれらに用
いるクリーニング装置に関する。
プレイ等の電子デバイスの製造工程においては、薄膜形
成、薄膜加工等の成膜処理が多用される。かかる成膜工
程においては、高度の清浄環境が必要なため、真空又は
常圧のチャンバーが使用されるが、蒸着粒子等によるチ
ャンバー内の汚れが問題になる。
いては、チャンバー内壁面や基板の固定・搬送治具等の
部品に蒸着粒子が付着・堆積する。またドライエッチン
グ法による薄膜加工においても、エッチングによる反応
生成物がチャンバー内に付着・堆積する。このような付
着物が剥離・飛散して、チャンバー内雰囲気の清浄度を
低下させるため、チャンバーや装置部分の定期的なクリ
ーニングが不可欠になっている。
においても、高速回転する基板から飛散した粒子による
チャンバーの汚れが問題となり、化学的機械研磨工程
(CMP)においても、研磨材の飛散によるチャンバー
の汚れが問題となるため、定期的なクリーニングが必要
である。
グ装置)で使われるスパッタリングターゲットの中に
は、使用中経時変化を起こすため、性能回復を目的とし
たクリーニング(中間メインテナンス)を必要とするも
のがある。
液や水を用いて洗浄する湿式クリーニング法と、活性ガ
スを用いて付着物を分解・除去する乾式クリーニング法
がある。湿式クリーニング法は、チャンバーを開放して
水や薬液(酸や有機溶剤)を用いて汚れを拭き取り、又
は必要に応じて部品を取外して、別の場所で薬液で洗浄
する方法である。しかし、この方法では常に排液処理が
必要となり、その設備上、環境管理上の負担が過大にな
っている。
ズ等によるショットブラストや液体ホーニング等の方法
により、付着物を除去する場合もある。しかし、これら
の方法では十分にクリーニングしようとすると、被洗浄
物の表面にダメージを与えることが多く、そのため適用
対象が限定されるか、或いは予備的なクリーニングにし
か適用できず、多くの場合最終的には湿式クリーニング
に頼らざるをえないのが現状である。
活性ガスをチャンバー内に導入し、付着物と反応させて
分解・除去をするものであるが、付着物の種類や装置の
構造によっては適用が困難な場合が少なくない。また、
狭隘部など汚れが除去しにくい部分があって完全なクリ
ーニングが難しいという問題がある。さらに活性ガスの
人体への影響を避ける必要があり、作業環境上の問題も
無視しえないため、より安全かつ確実な乾式クリーニン
グ法が望まれている。
な従来技術の問題点に鑑み、排液処理を必要としない乾
式クリーニング法であって、付着物の種類や装置構造に
依存せず、如何なる種類の成膜装置にも適用しうるチャ
ンバー内壁、その部品及びスパッタリングターゲットの
表面をクリーニングする手段を提供することを目的とす
る。
ることなく汚れを完全に除去することができ、かつ従来
の乾式クリーニングのように侵食性ガスを使用しない安
全かつ確実な乾式クリーニングの手段を提供することを
目的とする。
め、本発明者らはドライアイスによるショットブラスト
法に着目した。従来から塗装膜や金型離型剤等を除去す
る手段の一つとして、ドライアイスブラスト法が知られ
ており、この方法はブラストしたショット材が気化消失
するため、ショット材の回収を要しないという利点を有
する。
は硬度が小さく、研磨力が弱いため、比較的大きい粒子
が用いられている。市販のアイスブラスト装置では、粒
径3φ×5〜10mm程度のドライアイスペレットをシ
ョット材として用いるのが一般的である。このような粒
径の大きいドライアイスをショット材として用いると、
クリーニング対象物表面にダメージを与えるおそれがあ
り、かつ狭い凹部の付着物が除去されにくいため、この
方法が成膜装置のクリーニングに適用されたという事例
はない。
ニング対象物表面のダメージがほとんどないこと、 ペレットを破砕して得たドライアイスの粒子は角張っ
た形状を有し、粒径が小さくてもクリーニング速度を大
きくしうること、 粒径が細かければ、狭い凹部でも十分クリーニングし
うることなどを知見し、本発明を完成させた。
は、薄膜形成装置又は薄膜加工装置の真空又は常圧で使
用するチャンバーの内壁面又はチャンバー内装置部品の
表面に付着した汚れを除去する方法であって、保冷容器
から所定速度で供給されたドライアイスペレットを表面
が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2軸式ロー
ル破砕機で破砕して粒径0.5mm以下のドライアイス
粉末を製造する工程と、破砕後直ちに該ドライアイス粉
末を高速気流に同伴させてクリーニング対象物であるチ
ャンバーの内壁面又はチャンバー内の装置部品の表面に
吹き付けて、その表面の付着物を除去する工程とを有す
ることを特徴とする成膜装置のクリーニング方法であ
る。
ング装置の部品又は部材であって、その表面に陽極酸化
被膜を有するアルミニウム製品である上記の成膜装置の
クリーニング方法である。
クリーニング方法は、PVD装置の焼結体からなるスパ
ッタリングターゲットのクリーニング方法であって、保
冷容器から所定速度で供給されたドライアイスペレット
を表面が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2軸
式ロール破砕機で破砕して粒径0.5mm以下のドライ
アイス粉末を製造する工程と、破砕後直ちに該ドライア
イス粉末を高速気流に同伴させて前記スパッタリングタ
ーゲットの表面に吹き付ける工程とを有することを特徴
とするスパッタリングターゲットのクリーニング方法で
ある。
薄膜形成装置又は薄膜加工装置の真空又は常圧で使用す
るチャンバーの内壁面、チャンバー内装置部品の表面又
はスパッタリングターゲットの表面をクリーニングする
ために用いる装置であって、ドライアイスペレットの保
冷容器と、表面が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有
する2軸式ロール破砕機と、該破砕機へのドライアイス
ペレットの供給速度を制御する手段と、空気コンプレッ
サーと、可搬式のドライアイス粉末噴射用ノズルと、該
ノズルに供給する空気の圧力又は流量を制御する手段と
を有することを特徴とするクリーニング装置である。
ーニング装置の構成を示す説明図である。この装置は、
ドライアイスペレットを収容する保冷容器1と、ドライ
アイスペレットの破砕機2と、スクリューフィーダ3
と、空気コンプレッサー4と、可搬式のドライアイス粉
末噴射用ノズル5と、圧力調節弁6等から構成されてい
る。
イアイスペレットの供給速度を調節するためのもので、
他の形式の供給装置、例えばロータリーフィーダ等を用
いても差支えない。破砕機2から排出されたドライアイ
ス粉末は、固気混合器7で気流に同拌され、フレキシブ
ルホース8と噴射用ノズル5を経由して、クリーニング
対象物表面に吹き付けられる。
機2の直下に設置されているが、これが噴射用ノズル5
のホルダーの内部に配置されていても差支えない。この
場合、空気用及びドライアイス搬送用の2本のフレキシ
ブルホースを配し、エジェクターにより吸引するか又は
加圧空気の一部を分流させて、ドライアイス粉末を搬送
すればよい。
容器1から所定の速度で供給されたドライアイスペレッ
トを破砕機2で破砕して粒径0.5mm以下のドライア
イス粉末にした後、これをクリーニング対象物であるチ
ャンバーの内壁面、チャンバー内装置部品の表面又はス
パッタリングターゲットの表面にショットブラストする
ことにある。
を0.5mm以下に制限する理由は、より大きな粒径例
えば1mm以上では、後記の実施例に示すように、クリ
ーニング後の対象物表面の粗度が大きくなることが知ら
れ、表面に与える物理的なダメージが無視しえなくなる
と考えられるためである。また、破砕機2で破砕された
直後のドライアイス粉末粒子は角張った形状を有してお
り、そのため粒径を0.5mm以下にしても、これが1
mm以上の場合と比較して、そのクリーニング効果にほ
とんど差がないことが見出されたためである。
歯形の1対の破砕ロールを有する2軸式のロールミルで
あることが望ましい。図2は、本実施例に用いた破砕機
の説明図で、図2(a)は平面概要図、図2(b)は図2
(a)のX−X断面の概要図、図2(c)は図2(a)のA部
拡大図、図2(d)は図2(b)のB部拡大図である。
ール9a、9bがそれぞれ軸受10a、10bで支持さ
れ、両ロールが連動ギア11で連結されて等速で回転す
る2軸式のロールミルである。破砕ロール9a、9bの
表面は、図2(c)、図2(d)に示すように、周方軸及び
軸方向にそれぞれ所定のピッチで波形の加工が施され、
この波形が互いに噛み合って、協働破砕する形式のミル
である。ロール間隔tが最大で0.5mmになるように
軸受10a、10bの位置を調整することにより、破砕
後のドライアイスの粒径をほぼ確実に0.5mm以下に
することができる。
は、山と山、谷と谷の位置が一致する形式であってもよ
い。この場合は、谷と谷の間隔が0.5mm以下になる
ように、軸受10a、10bの位置を調整すればよい。
形のロール(いわゆる文目ロール)の2軸ミルを用いる
ことが望ましい理由は、破砕後の粒径が確実に所定の値
以下になること、角張った形状の粒子を得やすいこと、
所要スペースが小さいこと及び一過式の破砕方式で供給
速度と排出速度が常に一致していること等のためであ
る。
加工装置」とは、各種のPVD装置(例えば真空蒸着装
置、スパッタリング装置、イオンプレーティング装置な
ど)、CVD装置(例えば熱CVD装置、プラズマCV
D装置など)、各種の物理的・化学的機構に基くドライ
エッチング装置、スピンコーター又はCMP装置をい
う。本発明の方法は、上記のPVD装置、CVD装置及
びドライエッチング装置のチャンバー内壁面、チャンバ
ー内の各種装置部品(例えば基板、ターゲット、蒸発皿
等の固定・搬送具、プラズマや電子ビームの発生・制御
装置の部材、絶縁用部材、防着板)の表面やスパッタリ
ングターゲットの表面のクリーニングに好適である。
部品(例えばレジストカップや基板把持具など)やCM
P装置の部品(例えばリテーナーリングなど)の付着物
の除去にも好適である。上記のような各種の装置部品
は、通常は取外し可能であるから、チャンバー外におい
てクリーニングすることができる。また、チャンバー内
壁面や取外し困難な部品は、チャンバーを開放し現設位
置でクリーニングすることができる。
件、例えばドライアイス噴射用ノズルの内径、圧縮空気
圧力(又は流量)、ドライアイスペッレトの供給速度や
クリーニング時間等は、クリーニング対象物の種類や、
付着物の性状等により適宜選択すればよい。通常は、ノ
ズルスロート径を4〜9mm、圧縮空気圧力を1.0〜
6.0×105Pa(ゲージ圧)、ドライアイスペッレト
供給速度を0.2〜2.0kg/min程度とする。ま
た、通常は目視によりクリーニングの完了を判定できる
ので、オーバークリーニングにならないように作業者が
適宜クリーニング時間を調節すればよい。
るもの、開口部が数mm以下の凹みを有するものや、小
径の多孔板(例えば、プラズマエッチング装置の電極
板)からなるものがある。かかる部品をクリーニングす
る場合には、破砕後のドライアイス粉末は粒径0.3m
m以下のものが50%以上であることが望ましい。さら
に好ましくは、粒径0.3mm以下のものを90%以上
にする。
要しない乾式クリーニングであること、クリーニング対
象物のダメージや汚染がほとんどないこと、作業時間を
短縮しうること及び作業環境や安全上の問題がないこと
等の優れた特徴を有する。
ーニング対象物に関して特に有効である。 (1)陽極酸化被膜を有するアルミニウム製部品又は部
材:成膜装置のチャンバーやその部品の表面材として、
軽量で重金属汚染のないアルミニウム又はアルミニウム
合金材が用いられることが多いが、エッチング装置にお
いては、エッチングガスによる腐食を避けるため、表面
に陽極酸化処理(アルマイト処理)を施したアルミニウ
ム系材料が用いられる。
反応生成物であるCF系汚染物質が付着し定期的なクリ
ーニングを必要とするが、汚染物質が強固に付着してい
る場合が多く、従来は溶剤中に浸漬して手磨きする湿式
クリーニング法が一般に行われている。
−純水洗浄 となり、作業時間が長くかつ排水処理を必要とする等作
業上の負担が大きいだけでなく、手磨きでアルマイト被
膜にダメージを与えるため、部品・部材の寿命が短縮さ
れることも少くなかった。
よれば、作業工程はドライアイスブラストのみで、排水
処理を必要とせず、クリーニングの作業時間を大幅に短
縮することが可能となった。また、後記の実施例に示す
ように、アルマイト被膜にほとんどダメージを与えるこ
となくクリーニングすることが可能となった。
ット:スパッタリング装置のスパッタリングターゲット
には、各種の金属、非金属が用いられるが、とくにこれ
が酸化物、炭化物、窒化物等の焼結体の場合には、経時
的に表面組成が変化し、或いは組織の内部成長によるノ
ジュールが発生する。これらは生成する薄膜の特性を著
しく劣化させるため、スパッタリングターゲットの再生
クリーニングがきわめて重要である。
に表面の異物を削り取るのが一般的で非常の手間のかか
る作業となっていた。また、手磨き時にポア内部に異物
が混入する等の理由から、作業者間のバラツキが大き
く、クリーニング後のスパッタ膜の品質が安定しないと
いう問題があった。
によれば、作業時間が大幅に短縮されるだけでなく、後
記の実施例に示すように、クリーニング後のターゲット
の表面をほぼ使用前の状態に回復させることができ、そ
のためクリーニング後のスパッタリングの立ち上げ時間
が短縮され、かつスパッタ膜の品質を安定させることが
可能となった。
的なダメージに対するドライアイス粒径の影響を評価す
るため、以下の試験を行った。図1及び図2に示すよう
な装置を用い、ロールミルのロール間隔tを、0.5、
1.0、1.5、2.0、3.0mmの5段階に変え
て、同一条件で供試材表面にドライアイス粒子をブラス
トし、ブラスト前後の表面粗さを比較した。
0Å一定とした。ブラスト条件は、ノズルスロート径9
mm、固気混合器前の空気圧力4.5×105Pa(ゲ
ージ圧)、ドライアイスペレット供給速度約1.0kg
/mim、ブラスト時間15秒とし、Al板表面50m
mの距離からほぼ直角にブラストした。ブラスト後のA
l板の表面粗さ(Ra)を、触針式表面粗さ計で測定し
た結果を表1に示す。
粒径分布は測定していないが、上記のロール間隔tは、
ほぼドライアイス粒子の最大粒径に対応する。表1に見
られるように、tが大きいほど表面粗さが大きくなり、
とくにtが0.5mmの時と1.0mmの時ではかなり
の差がある。したがって、クリーニング対象物表面のダ
メージを軽減するためには、ドライアイス粉末の粒径を
0.5mm以下にする必要があると考えられる。
製部品の表面の付着物を除去するに際して、上記のロー
ル間隔tを0.5、1.0、2.0mmの3段階に変え
て、クリーニング所要時間を比較した。ブラスト条件は
上記と同じにし、径20cmの円形の平滑な部品表面を
クリーニングするに要した時間は、tが上記のいずれの
場合にも約1.5分であった。この結果から、クリーニ
ング所要時間に対するドライアイス粒径の影響は小さい
ことが確かめられた。
被膜付き部品の表面に付着したCF系汚染物質を、本発
明の方法によりクリーニングし、クリーニング前後の表
面状態及びアルマイト被膜の厚みの変化を調査した。ク
リーニングの条件は、実施例1でt=0.5mmとした
場合とほぼ同様で、クリーニングの完了は目視判定によ
った。クリーニング時間は、汚染部の表面積100cm
2に対して約1分であった。
C、F、Al等の元素の化学結合状態を、X線光電子分
光分析器(ESCA)で定性分析した結果を表2に示
す。なお、使用したESCAは英国VG社製のESCALAB
MARK2で、励起X線源はAlKα線、取出し角度90
度、分析領域約5mmφとした。
面のCの結合状態は、クリーニング前はC−C及びC−
F系が主体であるのに対して、クリーニング後はC−C
系が主体になっている。また、Fの結合状態は、クリー
ニング前はC−F系が主体で一部Al−Fが含まれるの
に対して、クリーニング後はAl−Fが主体になってい
る。
よりアルマイト被膜表面のC−F系汚染物質をほとんど
除去することができ、その後のエッチング処理に支障が
ない程度にアルマイト被膜表面をクリーニングしうるこ
とが確かめられた。
膜の表面付近から顕微鏡試料を採取して、被膜厚みの変
化を測定した。その結果、硫酸系アノダイズ膜では、ク
リーニング前のアノダイズ層の平均厚みが82.3μ
m、クリーニング後も82.3μmで全く厚みの変化が
認められなかった。蓚酸系アノダイズ膜では、クリーニ
ング前の平均厚みが25.3μm、クリーニング後が2
4.5μmで、アノダイズ層の厚みの減少は1μm以下
であり、本発明のクリーニング方法によるアルマイト被
膜への物理的なダメージはほとんどないことが確かめら
れた。
ン製絶縁リングを、本発明の方法によりクリーニング
し、従来法と作業時間及びクリーニング後の絶縁リング
の表面状態を比較した。クリーニング対象の絶縁リング
は、内径約100cm、高さ5cmのもので、汚れがほ
ぼ同程度のものについて比較した。
ライアイスをブラストしたもので、クリーニング所要時
間はリング1個につき約2分であった。クリーニング後
の絶縁リングの表面を目視観察した結果、汚れの残痕や
ショット材の打痕はほとんど認められなかった。
をクリーニング材として手磨きした場合で、クリーニン
グ所要時間はリング1個につき約30分であった。ま
た、クリーニング後のリング表面には、部分的に磨きブ
ラシによる条痕や汚れの残痕が認められた。以上の結果
から、本発明のクリーニング方法では作業時間が大幅に
短縮され、かつテフロンに傷をつけることなく確実にク
リーニングしうることが確かめられた。
ップの内面に付着したフォトレジストを本発明の方法に
よりクリーニングした。クリーニング対象のカップは、
ステンレス製の内径約25cm、高さ10cmのもの
で、その内面に合成樹脂を主成分とするネガレジスト材
が付着固化しているものである。
m以下に破砕したドライアイス粒子を、空気圧力3.0
×105Pa(ゲージ圧)、ドライアイスペレット供給
速度約0.5kg/mimでショットブラストした結
果、クリーニング時間約10分で、目視判定上内面に付
着物が全く認められない程度にクリーニングされた。
有機溶剤を多量に使用するため、専用の洗浄槽、換気設
備、排液処理設備等が必要となり、設備上・作業環境上
の負担が過大になっていたが、本発明によりきわめて簡
便にレジストカップをクリーニングすることが可能にな
った。
製造に用いられる、ITO(Indium-Tin Oxide)焼結体か
らなるスパッタリングターゲットのクリーニングに本発
明の方法を適用し、クリーニング前後のターゲットの表
面性状及びクリーニング後のスパッタリング特性を調査
した。
ターゲットに、実施例2と同様の条件でドライアイス粉
末をブラストした。クリーニング所要時間は13×38
cmのターゲットで約10分であった。使用前、使用後
(クリーニング前)及びクリーニング後のITOターゲ
ットの表面をX線光電子分光法(XPS)で定量分析し
た結果の例を表3に示す。
用前後でターゲット表面の組成が大幅に変化しているの
に対して、クリーニング後の組成はおおよそ使用前の組
成に近づいている。また、走査電子顕微鏡(SEM)で
の観察によれば、クリーニング後はターゲット表面の瘤
状小結節(ノジュール)への付着物が除去されており、
その結果クリーニング後のスパッタレートが向上するこ
とが確かめられた。
グでは、再生直後のITO膜の特性が不安定で、予備ス
パッタリングを十分行った後本格的成膜に入るのが通例
であるが、本発明のクリーニング方法によれば、かかる
予備スパッタリングの時間を大幅に短縮しても、特性良
好なITO膜が得られることが確められ、スパッタリン
グ立上げ時間の短縮が可能になった。
ーの内壁、その装置部品やスパッタリングターゲットの
表面を効率良くクリーニングすることが可能になった。
本発明のクリーニング方法は、排水処理を要しない乾式
クリーニングであること、クリーニング対象物のダメー
ジや汚染がほとんどないこと、作業時間を短縮しうるこ
と及び作業環境や安全上の問題がないこと等の多くの優
れた効果を有する。
ム製部品又は部材のクリーニングに本発明の方法を適用
することにより、作業工程・作業時間が大幅に短縮され
るだけでなく、アルマイト被膜に全くダメージを与える
ことがなくクリーニングすることができ、装置部品の寿
命延長が可能になった。
ーゲットのクリーニングに本発明の方法を適用すること
により、ターゲット表面をほぼ使用前の状態の回復させ
ることができ、これによりクリーニング後のスパッタリ
ング立上げ時間の短縮やスパッタ膜品質の安定化が可能
になった。
を示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】薄膜形成装置又は薄膜加工装置の真空又は
常圧で使用するチャンバーの内壁面又はチャンバー内装
置部品の表面に付着した汚れを除去する方法であって、
保冷容器から所定速度で供給されたドライアイスペレッ
トを表面が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2
軸式ロール破砕機で破砕して粒径0.5mm以下のドラ
イアイス粉末を製造する工程と、破砕後直ちに該ドライ
アイス粉末を高速気流に同伴させてクリーニング対象物
であるチャンバーの内壁面又はチャンバー内の装置部品
の表面に吹き付けて、その表面の付着物を除去する工程
とを有することを特徴とする成膜装置のクリーニング方
法。 - 【請求項2】前記クリーニング対象物が、エッチング装
置の部品又は部材であって、その表面に陽極酸化被膜を
有するアルミニウム製品である請求項1記載の成膜装置
のクリーニング方法。 - 【請求項3】PVD装置の焼結体からなるスパッタリン
グターゲットのクリーニング方法であって、保冷容器か
ら所定速度で供給されたドライアイスペレットを表面が
波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2軸式ロール
破砕機で破砕して粒径0.5mm以下のドライアイス粉
末を製造する工程と、破砕後直ちに該ドライアイス粉末
を高速気流に同伴させて前記スパッタリングターゲット
の表面に吹き付ける工程とを有することを特徴とするス
パッタリングターゲットのクリーニング方法。 - 【請求項4】薄膜形成装置又は薄膜加工装置の真空又は
常圧で使用するチャンバーの内壁面、チャンバー内装置
部品の表面又はスパッタリングターゲットの表面をクリ
ーニングするために用いる装置であって、ドライアイス
ペレットの保冷容器と、表面が波形又は歯形の一対の破
砕ロールを有する2軸式ロール破砕機と、該破砕機への
ドライアイスペレットの供給速度を制御する手段と、空
気コンプレッサーと、可搬式のドライアイス粉末噴射用
ノズルと、該ノズルに供給する空気の圧力又は流量を制
御する手段とを有することを特徴とするクリーニング装
置。
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JP10287814A JP3030287B1 (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | 成膜装置のクリーニング方法、スパッタリングターゲットのクリーニング方法及びこれらに使用するクリーニング装置 |
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