JP3030166U - 油絵運搬具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャンバスの画面を汚損することなく安全に
運搬することができ、しかも嵩の低い油絵運搬具を提供
することを目的とする。 【解決手段】 キャンバスの外周側部を囲う枠体１，
２，３，４と、キャンバスの画面を覆う前面板５と、キ
ャンバスが枠体１，２，３，４から離脱しないように係
止する係止手段とを有し、さらにキャンバスの四隅部に
対応する位置には間隔保持体12，12，12，12を設け、キ
ャンバスを枠体１，２，３，４内に嵌入したときにキャ
ンバスの画面が前面板５から離間保持されるようにした
油絵運搬具とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、キャンバスの画面を汚損することなく安全に運搬することができ る油絵運搬具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の油絵運搬具としては、矩形の金属板の両端にクリップを取り付けたもの があり、同一の大きさの２枚のキャンバスを、画面を向かい合わせにして前記ク リップで止め、前記金属板により離間保持するようにしたものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の油絵運搬具では、不要なキャンバスを持ち歩かなけ ればならず嵩張るという問題点があった。

【０００４】 そこで、この考案は、キャンバスの画面を汚損することなく安全に運搬するこ とができ、しかも嵩の低い油絵運搬具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そのため、請求項１記載の考案では、キャンバスの外周側部を囲う枠体１，２ ，３，４と、キャンバスの画面を覆う前面板５と、キャンバスが枠体１，２，３ ，４から離脱しないように係止する係止手段とを有し、さらにキャンバスの四隅 部に対応する位置には間隔保持体12，12，12，12を設け、キャンバスを枠体１， ２，３，４内に嵌入したときにキャンバスの画面が前面板５から離間保持される ようにした油絵運搬具とした。

【０００６】 また、請求項２記載の考案では、請求項１記載の前面板５が透明な合成樹脂板 である油絵運搬具とした。上記構成とすることにより、キャンバスの画面に描か れた絵が何であるか油絵運搬具に収納した状態であっても判るようになる。

【０００７】 また、請求項３記載の考案では、請求項１又は２記載の構成に加え、両端に間 隔保持体15，15を設けた棒状体からなる補助用の枠体14を対向する前記枠体１， ３間に着脱自在に取り付け、キャンバスを枠体１，３，４及び補助用の枠体14で 囲まれた枠内に嵌入したときに、キャンバスの画面が前面板５から離間保持され るようにした油絵運搬具とした。

【０００８】 また、請求項４記載の考案では、請求項１又は２記載の構成に加え、一端に間 隔保持体15を設けた棒状体からなる補助用の枠体14を対向する前記枠体１，３間 に着脱自在に取り付けると共に、両端に間隔保持体16，16を設けた棒状体からな るもう一つの補助用の枠体17を、前記補助用の枠体14と、前記補助用の枠体14と 対向する枠体４間に着脱自在に取り付け、キャンバスを枠体３，４及び補助用の 枠体14，17で囲まれた枠内に嵌入したときに、キャンバスの画面が前面板５から 離間保持されるようにした油絵運搬具とした。

【０００９】 請求項３及び４記載の構成からなる油絵運搬具とすれば、決められた一つの号 数のキャンバスだけでなく、前記キャンバスより号数の小さいキャンバスでも運 搬できるようになる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の油絵運搬具の構成を、実施例として示した図面に基づいて説 明する。尚、この実施例では、係止手段が枠体に取り付けた三角形の金具に紐体 （図示せず）を通したものである例を示すが、係止手段はこの例に限らず、枠体 にキャンバスを係止可能なものであればどのようなものでもよく、例えば枠体に 板体を蝶着し、キャンバスを背面側から板体で押さえるようにしたものであって もよい。

【００１１】 図１は、この考案の油絵運搬具を正面側から見た斜視図であり、図２は背面側 から見た斜視図である。図１及び図２に示すように、この油絵運搬具は、キャン バス（図示せず）の外周側部を囲う４本の枠体１，２，３，４と、キャンバスの 画面を覆う無色透明のアクリル樹脂からなる前面板５と、前面板５の縁を覆う縁 覆板６，７，８，９と、上側の枠体１の上側面に取り付けた把手10を有している 。さらに枠体１，２，３，４の裏面側には、針金を三角形に曲げて形成された金 具11が回動自在に取り付けられており、前記金具11に紐（図示せず）を通して架 け渡すことにより、キャンバスを枠体１，２，３，４から離脱しないように係止 できるようになっている。さらに、キャンバスの四隅部に対応する位置には、キ ャンバスを前面板５から離間保持する間隔保持体12が設けられている。この間隔 保持体12は、矩形の薄板を折曲してΩ状に形成し、その両端を枠体に取り付けた ものであるが、前面板５に取り付けた突起等、キャンバスを離間保持可能なもの に変更して実施することもできる。

【００１２】 前記構成からなる油絵運搬具の枠体１，２，３，４にキャンバス（図示せず） を嵌入すると、キャンバスの画面の四隅が間隔保持体12，12，12，12に当たり、 キャンバスの画面が前面板５に当たらず離間保持されるので、キャンバスの画面 が未乾燥の状態であっても画面を汚損することなく安全に運搬することができる 。また、前面板５を無色透明な平板からなるものとすれば、キャンバスを収納し た状態であっても画面が見えるので、収納した絵が何であるか直ぐに判るように なる。さらに、この実施例では、前面側より見たときに縁覆板６，７，８，９に より額縁状になっているので、保管用の額としても使用することができる。

【００１３】 図４は、両端に間隔保持体15，15を設けた棒状体からなる補助用の枠体14を対 向する上下の枠体１，３間に着脱自在に取り付けたときの例である。

【００１４】 前面板５の上下の端にはＬ字形の金具13，13が取り付けられており、棒状体か らなる補助用の枠体14の端を前記金具13，13に当てることにより、補助用の枠体 14を上下の枠体１，３間に着脱自在に取り付け可能となっている。

【００１５】 このようにすれば、一辺の長さが共通な小さい号数のキャンバス（図示せず） を上下の枠体１，３と右側の枠体４と補助用の枠体14で囲まれた枠の中に嵌入で きるようになる。このとき、キャンバスの画面の四隅が間隔保持体12，12，15， 15に当たり、画面が前面板５から離間保持されるので、キャンバスの画面が未乾 燥の状態であっても画面を汚損することなく安全に運搬することができる。

【００１６】 図５は、一端に間隔保持体を設けた棒状体からなる補助用の枠体14を対向する 上下の枠体１，３間に着脱自在に取り付けると共に、両端に間隔保持体16，16を 設けた棒状体からなるもう一つの補助用の枠体17を、前記補助用の枠体14と、枠 体４間に着脱自在に取り付けたときの例である。

【００１７】 前面板５の上下の端にはＬ字形の金具18，18が取り付けられており、棒状体か らなる補助用の枠体14の端を前記金具18，18に当てることにより、補助用の枠体 14を上下の枠体１，３間に着脱自在に取り付け可能となっている。さらに、前面 板５の図示左側の端にはＬ字形の金具19が取り付けられており、もう一つの補助 用の枠体17の一方の端17a を前記金具19に当てることにより枠体４に取り付け可 能になっている。枠体17の他方の端17b を補助用の枠体14の所定の位置に取り付 けするために、枠体17には支え棒20が蝶番21により蝶着されており、前記支え棒 20の端20a を前記Ｌ字形の金具13の端に当てることにより所定の位置に取り付け できるようになっている。

【００１８】 このようにすれば、縦横の寸法の異なる小さい号数のキャンバス（図示せず） であっても枠体３，４と、補助用の枠体14，17で囲まれた枠の中に嵌入できるよ うになる。このとき、キャンバスの画面の四隅が間隔保持体12，15，16，16に当 たり、画面が前面板５から離間保持されるので、キャンバスの画面が未乾燥の状 態であっても画面を汚損することなく安全に運搬することができる。

【００１９】

【考案の効果】

この考案の油絵運搬具は、以上に述べたように構成されており、キャンバスの 画面が離間保持されながら前面板５により完全に覆われているので、キャンバス の画面が未乾燥の状態であっても画面を損傷することなく安全に運搬することが できる。しかも従来の油絵運搬具を使用した場合に比べ、約キャンバス一枚分だ け薄くなるので、嵩が低い運搬しやすいものとなる。

【００２０】 請求項２記載のように、請求項１記載の油絵運搬具の前面板５を透明な合成樹 脂板とすれば、収納したままの状態であってもキャンバスの画面が見えるので、 油絵運搬具にキャンバスを入れたまま保管していても収納した絵が何であるか直 ぐに判るようになる。。

【００２１】 請求項３記載のように、請求項１又は２記載の構成に加え、両端に間隔保持体 15，15を設けた棒状体からなる補助用の枠体14を対向する前記枠体間に着脱自在 に取り付けできるようにしたものとすれば、一辺の長さが共通な小さい号数のキ ャンバスをも運搬できるようになる。

【００２２】 請求項４記載のように、請求項１又は２記載の構成に加え、一端に間隔保持体 15を設けた棒状体からなる補助用の枠体を14対向する前記枠体間に着脱自在に取 り付けると共に、両端に間隔保持体16，16を設けた棒状体からなるもう一つの補 助用の枠体17を、前記補助用の枠体14と、対向する枠体間に着脱自在に取り付け できるようにしたものとすれば、縦横の寸法の異なる小さい号数のキャンバスを も運搬できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の油絵運搬具を正面側より見たときの
斜視図である。

【図２】この考案の油絵運搬具を背面側より見たときの
斜視図である。

【図３】この考案の油絵運搬具の背面図である。

【図４】この考案の油絵運搬具に補助用の枠体を取り付
けたときの状態を示す背面図である。

【図５】この考案の油絵運搬具に２本の補助用の枠体を
取り付けたときの状態を示す背面図である。

【符号の説明】

１，２，３，４ 枠体 ５ 前面板 12，15，16 間隔保持体 14，17 補助用の枠体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャンバスの外周側部を囲う枠体（１，
   ２，３，４）と、キャンバスの画面を覆う前面板（５）
   と、キャンバスが枠体（１，２，３，４）から離脱しな
   いように係止する係止手段とを有し、さらにキャンバス
   の四隅部に対応する位置には間隔保持体（12，12，12，
   12）を設け、キャンバスを枠体（１，２，３，４）内に
   嵌入したときにキャンバスの画面が前面板（５）から離
   間保持されるようにしたことを特徴とする油絵運搬具。
2. 【請求項２】 前面板（５）が透明な合成樹脂板である
   ことを特徴とする請求項１記載の油絵運搬具。
3. 【請求項３】 両端に間隔保持体（15，15）を設けた棒
   状体からなる補助用の枠体（14）を対向する前記枠体
   （１，３）間に着脱自在に取り付け、キャンバスを枠体
   （１，３，４）及び補助用の枠体（14）で囲まれた枠内
   に嵌入したときに、キャンバスの画面が前面板（５）か
   ら離間保持されるようにしたことを特徴とする請求項１
   又は２記載の油絵運搬具。
4. 【請求項４】 一端に間隔保持体（15）を設けた棒状体
   からなる補助用の枠体（14）を対向する前記枠体（１，
   ３）間に着脱自在に取り付けると共に、両端に間隔保持
   体（16，16）を設けた棒状体からなるもう一つの補助用
   の枠体（17）を、前記補助用の枠体（14）と、前記補助
   用の枠体（14）と対向する枠体（４）間に着脱自在に取
   り付け、キャンバスを枠体（３，４）及び補助用の枠体
   （14，17）で囲まれた枠内に嵌入したときに、キャンバ
   スの画面が前面板（５）から離間保持されるようにした
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の油絵運搬具。