JP3029988B2 - 耐火スリーブ - Google Patents
耐火スリーブInfo
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- JP3029988B2 JP3029988B2 JP7266620A JP26662095A JP3029988B2 JP 3029988 B2 JP3029988 B2 JP 3029988B2 JP 7266620 A JP7266620 A JP 7266620A JP 26662095 A JP26662095 A JP 26662095A JP 3029988 B2 JP3029988 B2 JP 3029988B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の耐火構造
において、梁、壁等の貫通部分に取り付けられる耐火ス
リーブに関する。
において、梁、壁等の貫通部分に取り付けられる耐火ス
リーブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に鉄骨構造の建築物においては、
その建物が出火した場合、熱影響で梁等の耐力が低下
し、躯体強度に大きな影響を与える。このため、鉄骨部
には耐火被覆を施すことが義務付けられている。従来、
このような耐火被覆には岩綿吹き付けが行われていた。
被覆厚は、耐火時間によって定められ、例えば、岩綿吹
き付けの場合、3時間耐火では、例えば5mmの管理値
を含み65mmの厚さが要求された。従って、梁にスリ
ーブが貫通される場合、梁に形成されるスリーブ貫通穴
(梁開口)は、この被覆厚を含んだ分、スリーブ外形よ
り大きな内径で形成されることとなる。即ち、スリーブ
外形が100mmであった場合には、梁開口の内径は、
100mm+(65mm×2)=230mmの内径で形
成されることとなった。これにより、スリーブは、65
mmの岩綿吹き付けで耐火被覆された梁開口に挿通され
ることとなった。
その建物が出火した場合、熱影響で梁等の耐力が低下
し、躯体強度に大きな影響を与える。このため、鉄骨部
には耐火被覆を施すことが義務付けられている。従来、
このような耐火被覆には岩綿吹き付けが行われていた。
被覆厚は、耐火時間によって定められ、例えば、岩綿吹
き付けの場合、3時間耐火では、例えば5mmの管理値
を含み65mmの厚さが要求された。従って、梁にスリ
ーブが貫通される場合、梁に形成されるスリーブ貫通穴
(梁開口)は、この被覆厚を含んだ分、スリーブ外形よ
り大きな内径で形成されることとなる。即ち、スリーブ
外形が100mmであった場合には、梁開口の内径は、
100mm+(65mm×2)=230mmの内径で形
成されることとなった。これにより、スリーブは、65
mmの岩綿吹き付けで耐火被覆された梁開口に挿通され
ることとなった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、岩綿吹
き付けによる梁開口の耐火構造では、耐火被覆厚が厚く
なるため、梁開口と有効なスリーブ開口との間に大きな
差が生じた。即ち、被覆厚は、例えば3時間耐火で60
mmであり、更にこの法的な厚みを満たすため、施工管
理値として5mmが加算されることから、梁開口に設け
られる先付けスリーブは、3時間耐火の場合、梁開口よ
り130mm以上直径の小さいものとなった。このた
め、スリーブ開口を十分に大きくすることが困難な場合
が多く、例えば、ダクトがスリーブに挿通される際で
は、所望のダクト径が確保できないことから、風速が高
めとなり、損失抵抗の増大、搬送動力の増大、空調機の
サイズアップ、機械室容量の増大、吹き出し騒音の増大
等、種々の問題を派生させることとなった。また、従来
の岩綿吹き付けによる梁開口の耐火構造では、大きな内
径の梁開口に小さな外径のスリーブを取付けなければな
らなかったため、スリーブの支持固定が困難となる問題
もあった。更に、大内径の梁開口に小外径のスリーブを
取付けた場合では、梁開口とスリーブとの間隙に完全に
耐火材が充填されない場合があり、このような場合で
は、モルタル等で間隙を塞ぐこととなるが、高所作業、
スリーブ支持金具等が障害となり、充填作業が十分に行
えない問題もあった。本発明は上記状況に鑑みてなされ
たもので、岩綿吹き付けより薄い耐火被覆を可能とする
ことで梁開口に対して大きな有効スリーブ開口が確保で
きるとともに、梁開口へのスリーブの取付けが容易に行
え、且つ梁開口へ確実に密接した状態で取付けが行える
耐火スリーブを提供し、有効スリーブ開口の増大、取付
け作業性の向上、耐火構造の信頼性向上を図ることを目
的とする。
き付けによる梁開口の耐火構造では、耐火被覆厚が厚く
なるため、梁開口と有効なスリーブ開口との間に大きな
差が生じた。即ち、被覆厚は、例えば3時間耐火で60
mmであり、更にこの法的な厚みを満たすため、施工管
理値として5mmが加算されることから、梁開口に設け
られる先付けスリーブは、3時間耐火の場合、梁開口よ
り130mm以上直径の小さいものとなった。このた
め、スリーブ開口を十分に大きくすることが困難な場合
が多く、例えば、ダクトがスリーブに挿通される際で
は、所望のダクト径が確保できないことから、風速が高
めとなり、損失抵抗の増大、搬送動力の増大、空調機の
サイズアップ、機械室容量の増大、吹き出し騒音の増大
等、種々の問題を派生させることとなった。また、従来
の岩綿吹き付けによる梁開口の耐火構造では、大きな内
径の梁開口に小さな外径のスリーブを取付けなければな
らなかったため、スリーブの支持固定が困難となる問題
もあった。更に、大内径の梁開口に小外径のスリーブを
取付けた場合では、梁開口とスリーブとの間隙に完全に
耐火材が充填されない場合があり、このような場合で
は、モルタル等で間隙を塞ぐこととなるが、高所作業、
スリーブ支持金具等が障害となり、充填作業が十分に行
えない問題もあった。本発明は上記状況に鑑みてなされ
たもので、岩綿吹き付けより薄い耐火被覆を可能とする
ことで梁開口に対して大きな有効スリーブ開口が確保で
きるとともに、梁開口へのスリーブの取付けが容易に行
え、且つ梁開口へ確実に密接した状態で取付けが行える
耐火スリーブを提供し、有効スリーブ開口の増大、取付
け作業性の向上、耐火構造の信頼性向上を図ることを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る耐火スリーブの構成は、挿通空間を形成
するスリーブ管と、該スリーブ管の外周に装着され該ス
リーブ管の外周と梁開口との間隙を塞ぐ円環形状の耐火
材と、該耐火材の外周に設けられ該耐火材の保護を兼ね
て前記梁開口に当接される円環形状の保護カバーと、該
保護カバーの外周面に円周方向で複数個設けられ起立自
在な爪部を有することで該爪部により前記梁開口の縁部
を両面側から挟持する支持金具とを具備することを特徴
とするものである。そして、耐火材は、珪酸カルシウム
からなるものであることが好ましい。そして、このよう
に構成された耐火スリーブでは、スリーブ管の外周に珪
酸カルシウムからなる耐火材が一体形成され、従来の岩
綿吹き付けの場合に比べ、耐火被覆厚が薄くなる。ま
た、耐火材の外周を覆う保護カバーを、梁開口の内周に
当接し、保護カバーに設けられた支持金具の爪部を梁開
口の両側で起立させることにより、耐火材と耐火スリー
ブとが同時に梁開口に取り付けられることとなる。ま
た、耐火スリーブの取付けによって、スリーブ管と梁開
口との間隙に円環形状の耐火材が埋入されることにな
り、スリーブ管と梁開口との間隙が確実に塞がれること
となる。
の本発明に係る耐火スリーブの構成は、挿通空間を形成
するスリーブ管と、該スリーブ管の外周に装着され該ス
リーブ管の外周と梁開口との間隙を塞ぐ円環形状の耐火
材と、該耐火材の外周に設けられ該耐火材の保護を兼ね
て前記梁開口に当接される円環形状の保護カバーと、該
保護カバーの外周面に円周方向で複数個設けられ起立自
在な爪部を有することで該爪部により前記梁開口の縁部
を両面側から挟持する支持金具とを具備することを特徴
とするものである。そして、耐火材は、珪酸カルシウム
からなるものであることが好ましい。そして、このよう
に構成された耐火スリーブでは、スリーブ管の外周に珪
酸カルシウムからなる耐火材が一体形成され、従来の岩
綿吹き付けの場合に比べ、耐火被覆厚が薄くなる。ま
た、耐火材の外周を覆う保護カバーを、梁開口の内周に
当接し、保護カバーに設けられた支持金具の爪部を梁開
口の両側で起立させることにより、耐火材と耐火スリー
ブとが同時に梁開口に取り付けられることとなる。ま
た、耐火スリーブの取付けによって、スリーブ管と梁開
口との間隙に円環形状の耐火材が埋入されることにな
り、スリーブ管と梁開口との間隙が確実に塞がれること
となる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐火スリーブ
の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による耐火スリーブの第一の実施の形態を
示す断面図、図2は図1の耐火スリーブの正面図、図3
は図1の耐火スリーブの支持構造の拡大図、図4は耐火
スリーブに用いられる支持金具の平面図、図5は図4の
A−A矢視図である。耐火スリーブ1の中心には金属板
(例えば、亜鉛鉄板)からなるスリーブ管3が設けら
れ、スリーブ管3は両端の開口した筒状の短管で形成さ
れる。
の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による耐火スリーブの第一の実施の形態を
示す断面図、図2は図1の耐火スリーブの正面図、図3
は図1の耐火スリーブの支持構造の拡大図、図4は耐火
スリーブに用いられる支持金具の平面図、図5は図4の
A−A矢視図である。耐火スリーブ1の中心には金属板
(例えば、亜鉛鉄板)からなるスリーブ管3が設けら
れ、スリーブ管3は両端の開口した筒状の短管で形成さ
れる。
【0006】スリーブ管3の外周には珪酸カルシウムか
らなる円環形状の耐火材5が挿着される。スリーブ管3
と耐火材5との固定は、例えば、シリコンコーキング等
によって行われる。また、この際、耐火材5との固定部
となるスリーブ管3の外周に、一対の膨出部7a、7b
に形成し、この膨出部7a、7bを耐火材5の内周に係
合させる構造を併用すれば、耐火材5とスリーブ管3と
の固定強度を高めることができる。
らなる円環形状の耐火材5が挿着される。スリーブ管3
と耐火材5との固定は、例えば、シリコンコーキング等
によって行われる。また、この際、耐火材5との固定部
となるスリーブ管3の外周に、一対の膨出部7a、7b
に形成し、この膨出部7a、7bを耐火材5の内周に係
合させる構造を併用すれば、耐火材5とスリーブ管3と
の固定強度を高めることができる。
【0007】スリーブ管3の外周に挿着された耐火材5
の外周には金属板(例えば、亜鉛鉄板)からなる円環形
状の保護カバー9が巻装される。これにより、耐火材5
は、外周が補強されることとなる。耐火材5は、この保
護カバー9の外周が梁開口11の内周に密接することと
なる。図3に示すように、保護カバー9には梁開口11
への支持金具13が点溶接等により固設されている。
の外周には金属板(例えば、亜鉛鉄板)からなる円環形
状の保護カバー9が巻装される。これにより、耐火材5
は、外周が補強されることとなる。耐火材5は、この保
護カバー9の外周が梁開口11の内周に密接することと
なる。図3に示すように、保護カバー9には梁開口11
への支持金具13が点溶接等により固設されている。
【0008】支持金具13は、図4、図5に示すよう
に、基板15の縁から平行な切り込み17により、切り
込み17に挟まれた部分が爪部19となって起立される
ようになっている。支持金具13は、このようにして、
起立された爪部19が梁開口11の縁部に当接される。
支持金具13は、保護カバー9の円周方向に少なくとも
等間隔で三箇所以上設けられる。また、支持金具13
は、起立する爪部19が梁21の厚み分ずれた位置で配
置されることにより、これらの爪部19a、19bで図
1に示すように、梁開口11の縁部を両面側から挟持す
ることができる。
に、基板15の縁から平行な切り込み17により、切り
込み17に挟まれた部分が爪部19となって起立される
ようになっている。支持金具13は、このようにして、
起立された爪部19が梁開口11の縁部に当接される。
支持金具13は、保護カバー9の円周方向に少なくとも
等間隔で三箇所以上設けられる。また、支持金具13
は、起立する爪部19が梁21の厚み分ずれた位置で配
置されることにより、これらの爪部19a、19bで図
1に示すように、梁開口11の縁部を両面側から挟持す
ることができる。
【0009】耐火スリーブ1は、スリーブ管3、耐火材
5、保護カバー9を一体に組み付けた状態で現場に搬入
する。耐火スリーブ1の梁21への取り付けは、梁21
の一方の面に当接する爪部19aのみを予め起立させて
おき、この状態で耐火スリーブ1を梁開口11の一方側
から挿入し、梁21の一方の面に爪部19aを当接させ
た後、他方の爪部19bを起立させ、梁開口11の縁部
を両面側から挟持することによって行う。
5、保護カバー9を一体に組み付けた状態で現場に搬入
する。耐火スリーブ1の梁21への取り付けは、梁21
の一方の面に当接する爪部19aのみを予め起立させて
おき、この状態で耐火スリーブ1を梁開口11の一方側
から挿入し、梁21の一方の面に爪部19aを当接させ
た後、他方の爪部19bを起立させ、梁開口11の縁部
を両面側から挟持することによって行う。
【0010】図6は本発明による耐火スリーブを用いた
場合の梁開口の耐火構造と、従来の施工による梁開口の
耐火構造とを比較した説明図である。本発明による耐火
スリーブ1を用いた場合では、保護カバー9が梁開口1
1の内周に密接した状態でスリーブ管3が取り付けられ
ることとなる。この際、例えば、3時間耐火を満足する
珪酸カルシウムの厚みは、40mmとなる。一方、従来
施工における岩綿吹き付けの場合の耐火被覆厚は、65
mmが必要となる。
場合の梁開口の耐火構造と、従来の施工による梁開口の
耐火構造とを比較した説明図である。本発明による耐火
スリーブ1を用いた場合では、保護カバー9が梁開口1
1の内周に密接した状態でスリーブ管3が取り付けられ
ることとなる。この際、例えば、3時間耐火を満足する
珪酸カルシウムの厚みは、40mmとなる。一方、従来
施工における岩綿吹き付けの場合の耐火被覆厚は、65
mmが必要となる。
【0011】従って、梁開口11の半径方向で、本発明
による耐火スリーブ1を用いた場合では、25mm分の
梁開口11半径を小さくすることができる。即ち、同一
径dのスリーブ管3に対し、予め形成しておく梁開口1
1を小さくすることが可能となる。また、このことを換
言すれば、同一内径の梁開口11の場合では、従来の構
造に比べ、50mm外径の大きいスリーブ管が挿通可能
となる。
による耐火スリーブ1を用いた場合では、25mm分の
梁開口11半径を小さくすることができる。即ち、同一
径dのスリーブ管3に対し、予め形成しておく梁開口1
1を小さくすることが可能となる。また、このことを換
言すれば、同一内径の梁開口11の場合では、従来の構
造に比べ、50mm外径の大きいスリーブ管が挿通可能
となる。
【0012】このように、上述の耐火スリーブ1によれ
ば、スリーブ管3の外周に円環形状の珪酸カルシウムを
一体形成したので、同一のスリーブ管を挿通する場合、
従来の構造に比べ、梁開口11を小さなものにすること
ができる。また、逆に、同一の梁開口11に対しては、
従来の構造に比べ、大きい外径のスリーブ管3を挿通す
ることができる。これにより、スリーブ管3に挿通する
ダクト等の外径の制約を緩和することができる。
ば、スリーブ管3の外周に円環形状の珪酸カルシウムを
一体形成したので、同一のスリーブ管を挿通する場合、
従来の構造に比べ、梁開口11を小さなものにすること
ができる。また、逆に、同一の梁開口11に対しては、
従来の構造に比べ、大きい外径のスリーブ管3を挿通す
ることができる。これにより、スリーブ管3に挿通する
ダクト等の外径の制約を緩和することができる。
【0013】また、この耐火スリーブ1によれば、起立
自在な爪部19を有した支持金具13を保護カバー9に
設けたので、耐火スリーブ1を梁開口11に挿入した状
態で爪部19を起立させることで、梁開口11への耐火
スリーブ1の装着を容易に行うことができる。
自在な爪部19を有した支持金具13を保護カバー9に
設けたので、耐火スリーブ1を梁開口11に挿入した状
態で爪部19を起立させることで、梁開口11への耐火
スリーブ1の装着を容易に行うことができる。
【0014】更に、この耐火スリーブ1では、梁開口1
1に保護カバー9を密接させる構造としたので、スリー
ブ管3と梁開口11との間隙を確実に塞ぐことができ
る。
1に保護カバー9を密接させる構造としたので、スリー
ブ管3と梁開口11との間隙を確実に塞ぐことができ
る。
【0015】なお、図6(a)に示すように、耐火スリ
ーブ1が挿通された梁21の他の部分には、従来と同様
に岩綿吹き付け31が施されることとなる。
ーブ1が挿通された梁21の他の部分には、従来と同様
に岩綿吹き付け31が施されることとなる。
【0016】次に、本発明による耐火スリーブの第二の
実施の形態を図7、図8に基づき説明する。図7は本発
明による耐火スリーブの第二の実施の形態を示す断面
図、図8は片側のみの係止部材を規制した耐火スリーブ
の断面図である。この耐火スリーブ41では、スリーブ
管3の外周に、珪酸カルシウムからなる耐火材5が装着
されることは、上述の第一の実施の形態による耐火スリ
ーブ1と同様である。また、この耐火材5の外周には上
述同様の保護カバー9が設けられる。
実施の形態を図7、図8に基づき説明する。図7は本発
明による耐火スリーブの第二の実施の形態を示す断面
図、図8は片側のみの係止部材を規制した耐火スリーブ
の断面図である。この耐火スリーブ41では、スリーブ
管3の外周に、珪酸カルシウムからなる耐火材5が装着
されることは、上述の第一の実施の形態による耐火スリ
ーブ1と同様である。また、この耐火材5の外周には上
述同様の保護カバー9が設けられる。
【0017】一方、スリーブ管3の両端にはバネ性を有
する金属性の線材からなる係止部材43が設けられてい
る。係止部材43は、基端がスリーブ管3の端部に固定
され、先端がスリーブ管3の中央に配置されるようにな
っている。スリーブ管3の中央に配置された係止部材4
3の先端には、この線材を折り曲げた係止部45が形成
される。係止部材43は、基端がスリーブ管3の端部に
固定され、先端側がバネ性によりスリーブ管3から離反
方向に付勢される。係止部材43は、少なくとも、スリ
ーブ管3の一端側で円周方向に等間隔で三つ設けられ、
一つのスリーブ管3で合計六つ設けられる。
する金属性の線材からなる係止部材43が設けられてい
る。係止部材43は、基端がスリーブ管3の端部に固定
され、先端がスリーブ管3の中央に配置されるようにな
っている。スリーブ管3の中央に配置された係止部材4
3の先端には、この線材を折り曲げた係止部45が形成
される。係止部材43は、基端がスリーブ管3の端部に
固定され、先端側がバネ性によりスリーブ管3から離反
方向に付勢される。係止部材43は、少なくとも、スリ
ーブ管3の一端側で円周方向に等間隔で三つ設けられ、
一つのスリーブ管3で合計六つ設けられる。
【0018】係止部材43は、バネ性に抗して先端側を
スリーブ管3側に付勢して保持させることで、両端に設
けられた係止部材43の先端側の係止部45が交差する
ようになっている。この係止部材43のスリーブ管3側
への保持は、例えば、先端側をスリーブ管3の外周に締
結する針金47(図8参照)等を用いることにより可能
となる。
スリーブ管3側に付勢して保持させることで、両端に設
けられた係止部材43の先端側の係止部45が交差する
ようになっている。この係止部材43のスリーブ管3側
への保持は、例えば、先端側をスリーブ管3の外周に締
結する針金47(図8参照)等を用いることにより可能
となる。
【0019】このように構成される耐火スリーブ41
は、図7に示すように、耐火スリーブ41を梁開口11
に挿入した後、係止部材43を拘束する針金47を切断
する。これにより、係止部材43は、スリーブ管3の直
径方向外側にバネ性により移動することとなる。そし
て、交互に配置された係止部材43の係止部45は、梁
開口11の縁部を両側面から挟むことになり、これによ
って耐火スリーブ41は梁開口11に保持されることと
なる。
は、図7に示すように、耐火スリーブ41を梁開口11
に挿入した後、係止部材43を拘束する針金47を切断
する。これにより、係止部材43は、スリーブ管3の直
径方向外側にバネ性により移動することとなる。そし
て、交互に配置された係止部材43の係止部45は、梁
開口11の縁部を両側面から挟むことになり、これによ
って耐火スリーブ41は梁開口11に保持されることと
なる。
【0020】この耐火スリーブ41によれば、耐火スリ
ーブ41を梁開口11の所定位置に挿入し、針金47を
切断するのみで係止部材43が弾性力により広がり、梁
開口11の縁部に係止するので、梁開口11への取付け
を極めて簡単に行うことができる。
ーブ41を梁開口11の所定位置に挿入し、針金47を
切断するのみで係止部材43が弾性力により広がり、梁
開口11の縁部に係止するので、梁開口11への取付け
を極めて簡単に行うことができる。
【0021】なお、係止部材43の弾性係止力を実用に
耐える程度まで低減させれば、図8に示すようにスリー
ブ管3の一方のみの係止部材43を拘束すればよく、例
えば片側の係止部材43は、手で押さえることにより梁
開口11に挿入することができ、このようなものとすれ
ば、挿入方向側の一方の針金47のみを切断することで
耐火スリーブ41の取付けを可能にすることができる。
耐える程度まで低減させれば、図8に示すようにスリー
ブ管3の一方のみの係止部材43を拘束すればよく、例
えば片側の係止部材43は、手で押さえることにより梁
開口11に挿入することができ、このようなものとすれ
ば、挿入方向側の一方の針金47のみを切断することで
耐火スリーブ41の取付けを可能にすることができる。
【0022】この耐火スリーブ41では、係止部材43
として、線材を用いたので、梁開口11への伝熱面積を
最小限に抑えることができる。
として、線材を用いたので、梁開口11への伝熱面積を
最小限に抑えることができる。
【0023】次に、本発明による耐火スリーブの第三の
実施の形態を説明する。図9は本発明による耐火スリー
ブの第三の実施の形態を説明する側面図である。上述し
た耐火スリーブ1、41では、配管又はダクト挿通空間
を形成するスリーブ管3の外周に耐火材5を設けたが、
本発明による耐火スリーブ51は、スリーブ管3を省略
し、梁21に貫通される配管又はダクトに直接耐火材
5、保護カバー9を設けている。
実施の形態を説明する。図9は本発明による耐火スリー
ブの第三の実施の形態を説明する側面図である。上述し
た耐火スリーブ1、41では、配管又はダクト挿通空間
を形成するスリーブ管3の外周に耐火材5を設けたが、
本発明による耐火スリーブ51は、スリーブ管3を省略
し、梁21に貫通される配管又はダクトに直接耐火材
5、保護カバー9を設けている。
【0024】このようにして耐火材5、保護カバー9が
装着された実管53は、スタッド55を介してスラブ5
7に支持された支持バンド59等により両端が支持され
る。このような構造とした場合、実管53の両端には、
ダクトを伝播する振動を吸収する振動吸収用の連結ダク
ト61が接続される。
装着された実管53は、スタッド55を介してスラブ5
7に支持された支持バンド59等により両端が支持され
る。このような構造とした場合、実管53の両端には、
ダクトを伝播する振動を吸収する振動吸収用の連結ダク
ト61が接続される。
【0025】このような耐火スリーブ51によれば、実
管53を直接梁開口11に取り付けることができ、構成
部材を削減することができるとともに、実管53の両端
に振動吸収用の連結ダクト61を設けたので、梁開口1
1における実管53の振動がなくなり、振動による耐火
材5と梁開口11との干渉による耐火材5の剥離を低減
させることができる。
管53を直接梁開口11に取り付けることができ、構成
部材を削減することができるとともに、実管53の両端
に振動吸収用の連結ダクト61を設けたので、梁開口1
1における実管53の振動がなくなり、振動による耐火
材5と梁開口11との干渉による耐火材5の剥離を低減
させることができる。
【0026】図10は本発明による耐火スリーブ71の
第四の実施の形態を示す断面図である。図例の如く、耐
火材5の取付箇所を円筒管72とすることで、耐火材5
の付着をより容易にした構造のものである。
第四の実施の形態を示す断面図である。図例の如く、耐
火材5の取付箇所を円筒管72とすることで、耐火材5
の付着をより容易にした構造のものである。
【0027】斯かる構造により爪部73と鉄骨スリーブ
との間にはある程度のクリアランスを得ることができ
る。例えば鉄骨スリーブを450φにすれば375φの
スパイラルスリーブ(又はスパイラルダクト74)を無
理なく挿入することが可能となる。
との間にはある程度のクリアランスを得ることができ
る。例えば鉄骨スリーブを450φにすれば375φの
スパイラルスリーブ(又はスパイラルダクト74)を無
理なく挿入することが可能となる。
【0028】なお、上述した耐火材5は、珪酸カルシウ
ムである場合を例に説明したが、耐火材5は、これに限
定されるものではなく、例えば、水酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、セメント材等の耐火材を用いるもので
あってもよい。
ムである場合を例に説明したが、耐火材5は、これに限
定されるものではなく、例えば、水酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、セメント材等の耐火材を用いるもので
あってもよい。
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る耐火スリーブによれば、スリーブ管の外周に珪酸カル
シウムからなる円環形状の耐火材を一体形成したので、
同一のスリーブ管を挿通する場合、岩綿吹き付けの従来
構造に比べ、梁開口を小さなものにすることができる。
また、逆に、同一の梁開口に対しては、従来の構造に比
べ、大きい外径のスリーブ管を挿通することができる。
また、起立自在な爪部を有した支持金具を保護カバーに
設けたので、耐火スリーブを梁開口に挿入した状態で爪
部を起立させることで、梁開口への耐火スリーブの装着
を容易に行うことができる。更に、梁開口に保護カバー
を密接させる構造としたので、スリーブ管と梁開口との
間隙を確実に塞ぐことができる。この結果、有効スリー
ブ開口の増大、取付け作業性の向上、耐火構造の信頼性
を向上させることができる。
る耐火スリーブによれば、スリーブ管の外周に珪酸カル
シウムからなる円環形状の耐火材を一体形成したので、
同一のスリーブ管を挿通する場合、岩綿吹き付けの従来
構造に比べ、梁開口を小さなものにすることができる。
また、逆に、同一の梁開口に対しては、従来の構造に比
べ、大きい外径のスリーブ管を挿通することができる。
また、起立自在な爪部を有した支持金具を保護カバーに
設けたので、耐火スリーブを梁開口に挿入した状態で爪
部を起立させることで、梁開口への耐火スリーブの装着
を容易に行うことができる。更に、梁開口に保護カバー
を密接させる構造としたので、スリーブ管と梁開口との
間隙を確実に塞ぐことができる。この結果、有効スリー
ブ開口の増大、取付け作業性の向上、耐火構造の信頼性
を向上させることができる。
【図1】本発明による耐火スリーブの第一の実施の形態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】図1の耐火スリーブの正面図である。
【図3】図1の耐火スリーブの支持構造の拡大図であ
る。
る。
【図4】耐火スリーブに用いられる支持金具の平面図で
ある。
ある。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】本発明による耐火スリーブを用いた場合の梁開
口の耐火構造と、従来の施工による梁開口の耐火構造と
を比較した説明図である。
口の耐火構造と、従来の施工による梁開口の耐火構造と
を比較した説明図である。
【図7】本発明による耐火スリーブの第二の実施の形態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図8】片側のみの係止部材を規制した耐火スリーブの
断面図である。
断面図である。
【図9】本発明による耐火スリーブの第三の実施の形態
を説明する側面図である。
を説明する側面図である。
【図10】本発明による耐火スリーブの第四の実施の形
態を示す断面図である。
態を示す断面図である。
1、41 耐火スリーブ 3 スリーブ管 5 耐火材 9 保護カバー 11 梁開口 13 支持金具 19 爪部 43 係止部材 45 係止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 達 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社 東京支店内 (72)発明者 竹内 征男 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社 東京支店内 (72)発明者 矢野 潔 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店 東京本店内 (72)発明者 松井 昭三 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店 東京本店内 (72)発明者 坂口 洋介 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開 昭60−164554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/94 E04F 17/08
Claims (3)
- 【請求項1】 挿通空間を形成するスリーブ管と、 該スリーブ管の外周に装着され該スリーブ管の外周と梁
開口との間隙を塞ぐ円環形状の耐火材と、 該耐火材の外周に設けられ該耐火材の保護を兼ねて前記
梁開口に当接される円環形状の保護カバーと、 該保護カバーの外周面に円周方向で複数個設けられ起立
自在な爪部を有することで該爪部により前記梁開口の縁
部を両面側から挟持する支持金具とを具備することを特
徴とする耐火スリーブ。 - 【請求項2】 前記耐火材が珪酸カルシウムからなるこ
とを特徴とする請求項1記載の耐火スリーブ。 - 【請求項3】 挿通空間を形成するスリーブ管と、 該スリーブ管の外周に装着され該スリーブ管の外周と梁
開口との間隙を塞ぐ円環形状の耐火材と、 該耐火材の外周に設けられ該耐火材の保護を兼ねて前記
梁開口に当接される円環形状の保護カバーと、 バネ性を有する線材からなり基端が前記スリーブ管の端
部にそれぞれ固定されるとともに係止部を有する先端が
前記スリーブ管の中央部外周に配置されスリーブ管の両
端からそれぞれ延出した前記係止部が互いに交差した状
態で前記梁開口の両側に配置され弾性力によって該係止
部を梁開口に係止することでスリーブ管及び耐火材を共
に梁開口に保持させる係止部材とを具備するとこを特徴
とする耐火スリーブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7266620A JP3029988B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 耐火スリーブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7266620A JP3029988B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 耐火スリーブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09111913A JPH09111913A (ja) | 1997-04-28 |
JP3029988B2 true JP3029988B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=17433351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7266620A Expired - Lifetime JP3029988B2 (ja) | 1995-10-16 | 1995-10-16 | 耐火スリーブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3029988B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150210A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-07-09 | Shimizu Corp | 鉄骨梁貫通孔用の耐火被覆部材 |
JP4729068B2 (ja) * | 2008-04-08 | 2011-07-20 | 株式会社新富士空調 | 梁貫通用スリーブ |
JP2010037760A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Shimizu Corp | 鉄骨梁貫通孔のダクト及び耐火被覆部材の設置構造 |
JP6065434B2 (ja) * | 2012-07-13 | 2017-01-25 | 株式会社大林組 | 耐火被覆構造 |
JP5987515B2 (ja) * | 2012-07-13 | 2016-09-07 | 株式会社大林組 | 耐火被覆構造及び構造部材の耐火被覆方法 |
JP6773394B2 (ja) * | 2015-03-30 | 2020-10-21 | 大和ハウス工業株式会社 | 陸屋根換気構造および陸屋根換気構造の構築方法 |
JP7036558B2 (ja) * | 2017-09-27 | 2022-03-15 | 大和ハウス工業株式会社 | 耐火被覆材の吹付用治具、及び耐火被覆材の吹付方法 |
CN109631586A (zh) * | 2019-02-21 | 2019-04-16 | 东营方圆有色金属有限公司 | 一种冶金炉窑内拉筋耐火料包裹结构 |
-
1995
- 1995-10-16 JP JP7266620A patent/JP3029988B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09111913A (ja) | 1997-04-28 |
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