JP3029964B2 - ステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤とする外用液剤 - Google Patents
ステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤とする外用液剤Info
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- JP3029964B2 JP3029964B2 JP6015877A JP1587794A JP3029964B2 JP 3029964 B2 JP3029964 B2 JP 3029964B2 JP 6015877 A JP6015877 A JP 6015877A JP 1587794 A JP1587794 A JP 1587794A JP 3029964 B2 JP3029964 B2 JP 3029964B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステロイド類溶解剤及び
ステロイド類(以下、ステロイドと略記する。)を主剤
とする外用液剤に関するものである。更に詳しくは、高
分子量のステロイドを短時間で均質に溶解し、製剤安定
性に優れたステロイド類溶解剤、及び外用抗炎剤として
慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原
病の治療薬に特に有効なステロイドを主剤とする外用液
剤に関するものである。
ステロイド類(以下、ステロイドと略記する。)を主剤
とする外用液剤に関するものである。更に詳しくは、高
分子量のステロイドを短時間で均質に溶解し、製剤安定
性に優れたステロイド類溶解剤、及び外用抗炎剤として
慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原
病の治療薬に特に有効なステロイドを主剤とする外用液
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、膠原病の治療剤としてステロイド
が経口剤或いは注射剤として適用され優れた効果を挙げ
ている。しかしステロイド剤を内服或いは注射で投与し
た場合は、ステロイドによる全身性の副作用が発現する
ためその投与は限られていた。そこで、全身性の副作用
を軽減する為、ステロイドの局所療法として皮膚科にお
いてはステロイドを含有した外用剤が数多く開発されて
いる。慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど
の疾患は、現在でも病因が明確でなく、一般に治療は長
期間に及ぶ。従って、ステロイドのような副作用の強い
薬剤を外用で上記疾患に適用する場合、特に経皮吸収性
及び安全性が非常に重要となっている。以下に従来のス
テロイド溶解剤及びステロイドを主剤とする外用液剤に
ついて説明する。全身性治療を目的とした経皮吸収性の
ステロイドの外用剤として、特開昭60−13711
号公報にはコルチコステロイドに水,エタノール,2−
プロパノールからなる溶媒に多価アルコール及びラウリ
ン酸メチル,オレイルアルコール,オレイン酸,モノオ
レイン,ミリスチルアルコールからなる基剤を浸透増大
キャリアーとして配合したものが開示されている。特
開昭61−229824号公報にはコハク酸プレゾニゾ
ロンなどのジカルボン酸のステロイドエステル及びステ
ロイドのファルネシルエステルが開示されている。医
薬ジャーナルVol.27,No.4,1991 p7
28−739には各種ステロイドの経皮吸収性について
報告がなされている。日本薬剤学会第8年会講演要旨
集B−32にはエタノール/パナセート800混合系に
よるステロイド剤の経皮吸収性についての報告がなされ
ている。
が経口剤或いは注射剤として適用され優れた効果を挙げ
ている。しかしステロイド剤を内服或いは注射で投与し
た場合は、ステロイドによる全身性の副作用が発現する
ためその投与は限られていた。そこで、全身性の副作用
を軽減する為、ステロイドの局所療法として皮膚科にお
いてはステロイドを含有した外用剤が数多く開発されて
いる。慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど
の疾患は、現在でも病因が明確でなく、一般に治療は長
期間に及ぶ。従って、ステロイドのような副作用の強い
薬剤を外用で上記疾患に適用する場合、特に経皮吸収性
及び安全性が非常に重要となっている。以下に従来のス
テロイド溶解剤及びステロイドを主剤とする外用液剤に
ついて説明する。全身性治療を目的とした経皮吸収性の
ステロイドの外用剤として、特開昭60−13711
号公報にはコルチコステロイドに水,エタノール,2−
プロパノールからなる溶媒に多価アルコール及びラウリ
ン酸メチル,オレイルアルコール,オレイン酸,モノオ
レイン,ミリスチルアルコールからなる基剤を浸透増大
キャリアーとして配合したものが開示されている。特
開昭61−229824号公報にはコハク酸プレゾニゾ
ロンなどのジカルボン酸のステロイドエステル及びステ
ロイドのファルネシルエステルが開示されている。医
薬ジャーナルVol.27,No.4,1991 p7
28−739には各種ステロイドの経皮吸収性について
報告がなされている。日本薬剤学会第8年会講演要旨
集B−32にはエタノール/パナセート800混合系に
よるステロイド剤の経皮吸収性についての報告がなされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、特開昭60−13711号公報の場合、
多価アルコール,ラウリン酸メチル,オレイン酸などを
含有しているため、長期間使用した場合、皮膚がかぶれ
たりして安全性に欠けるという問題点を有していること
がわかった。また特開昭61−229824号公報の
場合、コハク酸プレゾニゾロンは他のステロイドに比べ
経皮吸収性に優れているが、エステル体であるため水ま
たはアルコールなどを溶媒とした場合、保存中に容易に
加水分解され品質の保持が困難で薬効の耐久性に欠ける
いう問題点を有していた。医薬ジャーナルVol.2
7,No.4,1991 p728−739に開示され
たものは一般に経皮吸収性に未だ十分でないという問題
点を有していることがわかった。日本薬剤学会第8年
会講演要旨集B−32で示されるエタノール/パナセー
ト800の系の場合、角質層がほとんどないヘアレスマ
ウスの皮膚での透過はみられるが角質層が厚いヒト皮膚
での経皮吸収性が不充分という問題点を有していた。
の構成では、特開昭60−13711号公報の場合、
多価アルコール,ラウリン酸メチル,オレイン酸などを
含有しているため、長期間使用した場合、皮膚がかぶれ
たりして安全性に欠けるという問題点を有していること
がわかった。また特開昭61−229824号公報の
場合、コハク酸プレゾニゾロンは他のステロイドに比べ
経皮吸収性に優れているが、エステル体であるため水ま
たはアルコールなどを溶媒とした場合、保存中に容易に
加水分解され品質の保持が困難で薬効の耐久性に欠ける
いう問題点を有していた。医薬ジャーナルVol.2
7,No.4,1991 p728−739に開示され
たものは一般に経皮吸収性に未だ十分でないという問題
点を有していることがわかった。日本薬剤学会第8年
会講演要旨集B−32で示されるエタノール/パナセー
ト800の系の場合、角質層がほとんどないヘアレスマ
ウスの皮膚での透過はみられるが角質層が厚いヒト皮膚
での経皮吸収性が不充分という問題点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、相溶性に優れ、かつ、ステロイドに対する溶解性が
高く、高分子量のステロイドを短時間で均質に溶解する
ことができるとともに、長期間にわたっての保存安定性
に優れ、安定した薬理効果を維持することのできるステ
ロイド溶解剤を提供することであり、溶解剤にステロイ
ドを均質に溶解した液剤を主剤とした顕著な経皮吸収性
を有し皮膚刺激性が少なく安全性に優れるとともに薬効
発現性が極めて高く、長期保存しても含量変化のないス
テロイドを主剤とする外用液剤を提供することを目的と
する。
で、相溶性に優れ、かつ、ステロイドに対する溶解性が
高く、高分子量のステロイドを短時間で均質に溶解する
ことができるとともに、長期間にわたっての保存安定性
に優れ、安定した薬理効果を維持することのできるステ
ロイド溶解剤を提供することであり、溶解剤にステロイ
ドを均質に溶解した液剤を主剤とした顕著な経皮吸収性
を有し皮膚刺激性が少なく安全性に優れるとともに薬効
発現性が極めて高く、長期保存しても含量変化のないス
テロイドを主剤とする外用液剤を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤
とする外用液剤は次の構成からなる。すなわち、請求項
1に記載のステロイド類溶解剤は、エタノールと、液状
高級アルコールと、クロタミトンと、の3成分系の混合
液を主剤とし、前記エタノールが50〜95重量%、前
記液状高級アルコールが3〜30重量%、前記クロタミ
トンが0.5〜7重量%含有されている構成を有してい
る。請求項2に記載のステロイド類溶解剤は、請求項1
において、前記液状高級アルコールが、オレイルアルコ
ール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノ
ール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシル
オクタデカノールの少なくともいずれか1種から選択さ
れたものである構成を有している。請求項3に記載のス
テロイド類を主剤とする外用液剤は、ステロイド類と、
請求項1又は2に記載のステロイド類溶解剤と、を含有
し、前記ステロイド類が0.01〜3重量%と、前記エ
タノールが50〜95重量%、前記液状高級アルコール
が3〜30重量%、前記クロタミトンが0.5〜7重量
%の3成分系の混合液を主剤とする前記ステロイド類溶
解剤と、を含有した構成を有している。ここで、ステロ
イド類としては、プレゾニゾロン,デキサメタゾン,ヒ
ドロコルチゾン,ベタメタゾン,フルオシノニド,フル
オシノロンアセトニド,吉草酸酢酸プレドニゾロン,ジ
プロピオン酸デキサメサゾン,吉草酸ジフルコルトロ
ン,ジフルプレドナート,吉草酸ベタメタゾン,酪酸ヒ
ドロコルチゾン,酪酸クロベタゾン,酢酸ヒドロコルチ
ゾン,酪酸ベタメタゾン,プロピオン酸クロベタゾー
ル,コハク酸デキサメタゾン,プレゾニゾロン 21−
(2E,6E)ファルネシレート,吉草酸ヒドロコルチ
ゾンなどが挙げられる。これらのステロイドの中で特に
血管収縮作用がマイルドなステロイド、例えばコハク酸
プレゾニゾロン,プレゾニゾロン,酪酸クロベタゾン,
プレゾニゾロン 21−(2E,6E)ファルネシレー
トなどが安全性の点から好ましい。尚、これらのステロ
イドは1種または2種以上配合して用いてよい。液状高
級アルコールとしては、常温で液状の高級アルコールで
例えば、オレイルアルコール,2−ヘキシルデカノー
ル,2−オクチルドデカノール,2−デシルテトラデカ
ノール,2−ヘキサデシルオクタデカノール等が挙げら
れる。尚、これらの純度は、低い場合には薬物の安定性
に影響を与えるため80%以上の純度のものが好まし
い。クロタミトンは、純度が低い場合は、薬物の安定性
が悪くなったり、製剤が着色する場合があるのできるだ
け高純度のもの例えば、98%以上のものが好適に用い
られる。ステロイドを主剤とする外用液剤の組成は、ス
テロイドが0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜
1.5重量%、エタノールが50〜95重量%、好まし
くは70〜90重量%、液状高級アルコール3〜30重
量%、好ましくは5〜20重量%、クロタミトンが0.
5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%が配合される。
エタノールの配合量は、ステロイドの経皮吸収性に大き
く影響し、70重量%未満よりも少なくなるにつれ経皮
吸収性を低下させる傾向が認められ、50重量%未満で
は粘度が高くなり、べたつき感が増すために使用感を害
すので好ましくなく、またエタノールが90重量%を越
えるにつれ、経皮吸収が悪くなる等の傾向が現れ、95
重量%を越えるとステロイドの経皮吸収性が更に悪くな
るので好ましくない。一般にステロイドは難溶性である
ため皮膚に塗布した場合、エタノールが揮散しステロイ
ドが皮膚上に析出し易い傾向がある。従って、本発明で
はエタノールに加えて他の溶解剤の配合が必須であり、
これらの混合物からなる溶解剤がステロイドの吸収促進
剤として大変重要である。溶解剤として配合する液状高
級アルコールの配合量は、5重量%よりも少なくなるに
つれステロイドの溶解性を低下させる傾向が現れ、3%
未満ではステロイドが充分溶解しないため吸収促進効果
がみられないので好ましくない。また、20重量%を越
えるにつれ、相対的にエタノールの配合量が減るためス
テロイドの溶解が悪くなり吸収促進効果は減少させる傾
向が現れ、30重量%を越えるとそれらが顕著になると
ともに使用感も悪くなるので好ましくない。更に溶解剤
として配合するクロタミトンの配合量は、1重量%より
も少なくなるにつれステロイドの溶解が不充分となり溶
解に時間を要すとともに、0.5重量%未満ではこれが
顕著になり、吸収促進効果が得られ難いので好ましくな
い。また、5重量%を越えるにつれ臭いが強くなる等の
傾向が現れだし、7重量%を越えると安全性或いは使用
感の点から好ましくない。尚、本発明のステロイド類を
主剤とする外用液剤には、上記必須成分の他、ステロイ
ドの溶解性等を改善するため、溶解改善剤等として次の
基剤成分を配合することもできる。例えば、脂肪酸エス
テルとして、中鎖脂肪酸トリグリセリド,セバシン酸ジ
エチル,セバシン酸ジイソプロピル,アジピン酸ジイソ
プロピル,オレイン酸オクチルドデシル,ミリスチン酸
オクチルドデシル,フタル酸ジエチル,ラウリン酸ヘキ
シル,ミリスチン酸ミリスチル,乳酸ミリスチル,乳酸
セチル,ミリスチン酸セチルなどを用いることができ
る。また、高級アルコールとして、オクチルドデカノー
ル,ヘキシルデカノール,セタノール,ステアリルアル
コール,ベヘニルアルコールなどが挙げられる。尚、こ
れらの基剤成分の中でステロイドの溶解性が強いもの
は、一般に皮膚刺激性が強いため配合量は10%以下に
限定される。また使用感を改善するために、メチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリ
コンオイルなどを配合することもできる。次に本発明の
ステロイド類を主剤とする外用液剤の製造方法について
述べる。ステロイドをエタノール,液状高級アルコー
ル,クロタミトンに溶解し、全体が均一になるまで攪拌
して製造される。
に本発明のステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤
とする外用液剤は次の構成からなる。すなわち、請求項
1に記載のステロイド類溶解剤は、エタノールと、液状
高級アルコールと、クロタミトンと、の3成分系の混合
液を主剤とし、前記エタノールが50〜95重量%、前
記液状高級アルコールが3〜30重量%、前記クロタミ
トンが0.5〜7重量%含有されている構成を有してい
る。請求項2に記載のステロイド類溶解剤は、請求項1
において、前記液状高級アルコールが、オレイルアルコ
ール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノ
ール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシル
オクタデカノールの少なくともいずれか1種から選択さ
れたものである構成を有している。請求項3に記載のス
テロイド類を主剤とする外用液剤は、ステロイド類と、
請求項1又は2に記載のステロイド類溶解剤と、を含有
し、前記ステロイド類が0.01〜3重量%と、前記エ
タノールが50〜95重量%、前記液状高級アルコール
が3〜30重量%、前記クロタミトンが0.5〜7重量
%の3成分系の混合液を主剤とする前記ステロイド類溶
解剤と、を含有した構成を有している。ここで、ステロ
イド類としては、プレゾニゾロン,デキサメタゾン,ヒ
ドロコルチゾン,ベタメタゾン,フルオシノニド,フル
オシノロンアセトニド,吉草酸酢酸プレドニゾロン,ジ
プロピオン酸デキサメサゾン,吉草酸ジフルコルトロ
ン,ジフルプレドナート,吉草酸ベタメタゾン,酪酸ヒ
ドロコルチゾン,酪酸クロベタゾン,酢酸ヒドロコルチ
ゾン,酪酸ベタメタゾン,プロピオン酸クロベタゾー
ル,コハク酸デキサメタゾン,プレゾニゾロン 21−
(2E,6E)ファルネシレート,吉草酸ヒドロコルチ
ゾンなどが挙げられる。これらのステロイドの中で特に
血管収縮作用がマイルドなステロイド、例えばコハク酸
プレゾニゾロン,プレゾニゾロン,酪酸クロベタゾン,
プレゾニゾロン 21−(2E,6E)ファルネシレー
トなどが安全性の点から好ましい。尚、これらのステロ
イドは1種または2種以上配合して用いてよい。液状高
級アルコールとしては、常温で液状の高級アルコールで
例えば、オレイルアルコール,2−ヘキシルデカノー
ル,2−オクチルドデカノール,2−デシルテトラデカ
ノール,2−ヘキサデシルオクタデカノール等が挙げら
れる。尚、これらの純度は、低い場合には薬物の安定性
に影響を与えるため80%以上の純度のものが好まし
い。クロタミトンは、純度が低い場合は、薬物の安定性
が悪くなったり、製剤が着色する場合があるのできるだ
け高純度のもの例えば、98%以上のものが好適に用い
られる。ステロイドを主剤とする外用液剤の組成は、ス
テロイドが0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜
1.5重量%、エタノールが50〜95重量%、好まし
くは70〜90重量%、液状高級アルコール3〜30重
量%、好ましくは5〜20重量%、クロタミトンが0.
5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%が配合される。
エタノールの配合量は、ステロイドの経皮吸収性に大き
く影響し、70重量%未満よりも少なくなるにつれ経皮
吸収性を低下させる傾向が認められ、50重量%未満で
は粘度が高くなり、べたつき感が増すために使用感を害
すので好ましくなく、またエタノールが90重量%を越
えるにつれ、経皮吸収が悪くなる等の傾向が現れ、95
重量%を越えるとステロイドの経皮吸収性が更に悪くな
るので好ましくない。一般にステロイドは難溶性である
ため皮膚に塗布した場合、エタノールが揮散しステロイ
ドが皮膚上に析出し易い傾向がある。従って、本発明で
はエタノールに加えて他の溶解剤の配合が必須であり、
これらの混合物からなる溶解剤がステロイドの吸収促進
剤として大変重要である。溶解剤として配合する液状高
級アルコールの配合量は、5重量%よりも少なくなるに
つれステロイドの溶解性を低下させる傾向が現れ、3%
未満ではステロイドが充分溶解しないため吸収促進効果
がみられないので好ましくない。また、20重量%を越
えるにつれ、相対的にエタノールの配合量が減るためス
テロイドの溶解が悪くなり吸収促進効果は減少させる傾
向が現れ、30重量%を越えるとそれらが顕著になると
ともに使用感も悪くなるので好ましくない。更に溶解剤
として配合するクロタミトンの配合量は、1重量%より
も少なくなるにつれステロイドの溶解が不充分となり溶
解に時間を要すとともに、0.5重量%未満ではこれが
顕著になり、吸収促進効果が得られ難いので好ましくな
い。また、5重量%を越えるにつれ臭いが強くなる等の
傾向が現れだし、7重量%を越えると安全性或いは使用
感の点から好ましくない。尚、本発明のステロイド類を
主剤とする外用液剤には、上記必須成分の他、ステロイ
ドの溶解性等を改善するため、溶解改善剤等として次の
基剤成分を配合することもできる。例えば、脂肪酸エス
テルとして、中鎖脂肪酸トリグリセリド,セバシン酸ジ
エチル,セバシン酸ジイソプロピル,アジピン酸ジイソ
プロピル,オレイン酸オクチルドデシル,ミリスチン酸
オクチルドデシル,フタル酸ジエチル,ラウリン酸ヘキ
シル,ミリスチン酸ミリスチル,乳酸ミリスチル,乳酸
セチル,ミリスチン酸セチルなどを用いることができ
る。また、高級アルコールとして、オクチルドデカノー
ル,ヘキシルデカノール,セタノール,ステアリルアル
コール,ベヘニルアルコールなどが挙げられる。尚、こ
れらの基剤成分の中でステロイドの溶解性が強いもの
は、一般に皮膚刺激性が強いため配合量は10%以下に
限定される。また使用感を改善するために、メチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリ
コンオイルなどを配合することもできる。次に本発明の
ステロイド類を主剤とする外用液剤の製造方法について
述べる。ステロイドをエタノール,液状高級アルコー
ル,クロタミトンに溶解し、全体が均一になるまで攪拌
して製造される。
【0006】
【作用】この構成によって、溶解剤のアルコールと液状
高級アルコール及びクロタミトンが相溶性に優れている
ため混然一体となって高分子量のステロイドでも短時間
でかつ均一に溶解することができる。ステロイドが溶解
剤に均一に溶解し分散しているので、ステロイドの溶解
安定性を向上させることができる。又、この構成の溶媒
によってステロイドの経皮吸収を高めることができる。
ステロイドの溶解安定性が優れ、かつ加水分解等を生じ
ないので、長期保存してもステロイドが析出したりする
ことがなく安定した薬理効果を維持できる。
高級アルコール及びクロタミトンが相溶性に優れている
ため混然一体となって高分子量のステロイドでも短時間
でかつ均一に溶解することができる。ステロイドが溶解
剤に均一に溶解し分散しているので、ステロイドの溶解
安定性を向上させることができる。又、この構成の溶媒
によってステロイドの経皮吸収を高めることができる。
ステロイドの溶解安定性が優れ、かつ加水分解等を生じ
ないので、長期保存してもステロイドが析出したりする
ことがなく安定した薬理効果を維持できる。
【0007】
【実施例】以下本発明の一実施例について、具体的に説
明する。 (実施例1) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
明する。 (実施例1) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0008】(実施例2) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 10 クロタミトン 2 中鎖脂肪酸トリグリセリド 7 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びエタノールを加
え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得た。
ミトン、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びエタノールを加
え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得た。
【0009】(実施例3) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 10 セタノール 1 ステアリルアルコール 1 クロタミトン 2 エタノール 85 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、セタノ
ール、ステアリルアルコール、クロタミトン及びエタノ
ールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を
得た。
ール、ステアリルアルコール、クロタミトン及びエタノ
ールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を
得た。
【0010】(実施例4) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 10 クロタミトン 2 モノオレイン酸グリセリン 4 エタノール 83 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン、モノオレイン酸グリセリン及びエタノールを加
え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得た。
ミトン、モノオレイン酸グリセリン及びエタノールを加
え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得た。
【0011】(実施例5) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 0.05 オレイルアルコール 4 クロタミトン 1 エタノール 94.95 ─────────────────────────────────── 100.00 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0012】(実施例6) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 オレイルアルコール 25 クロタミトン 3 エタノール 71 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0013】(実施例7) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 3 オレイルアルコール 10 クロタミトン 6 エタノール 81 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0014】(実施例8) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── プレゾニゾロン 21−(2E,6E)ファルネシレート 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 プレゾニゾロン 21−(2E,6E)ファルネシレー
トにオレイルアルコール、クロタミトン及びエタノール
を加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得
た。
トにオレイルアルコール、クロタミトン及びエタノール
を加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外用液剤を得
た。
【0015】(実施例9) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── プレゾニゾロン 0.5 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80.5 ─────────────────────────────────── 100 プレゾニゾロンにオレイルアルコール、クロタミトン及
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
【0016】(実施例10) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── 酪酸クロベタゾン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 酪酸クロベタゾンにオレイルアルコール、クロタミトン
及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合
外用液剤を得た。
及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合
外用液剤を得た。
【0017】(実施例11) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── 酪酸ヒドロコルチゾン 2 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 79 ─────────────────────────────────── 100 酪酸ヒドロコルチゾンにオレイルアルコール、クロタミ
トン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド
配合外用液剤を得た。
トン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド
配合外用液剤を得た。
【0018】(実施例12) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── 吉草酸ベタメタゾン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 吉草酸ベタメタゾンにオレイルアルコール、クロタミト
ン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配
合外用液剤を得た。
ン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配
合外用液剤を得た。
【0019】(実施例13) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── 吉草酸酢酸プレゾニゾロン 0.5 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80.5 ─────────────────────────────────── 100.0 吉草酸酢酸プレドニゾロンにオレイルアルコール、クロ
タミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロ
イド配合外用液剤を得た。
タミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロ
イド配合外用液剤を得た。
【0020】(実施例14) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── 吉草酸ジフルコルトロン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 吉草酸ジフルコルトロンにオレイルアルコール、クロタ
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
ミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0021】(実施例15) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── ジプロピオン酸デキサメサゾン 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 ジプロピオン酸デキサメサゾンにオレイルアルコール、
クロタミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
クロタミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
【0022】(実施例16) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── ジフルプレドナート 1 オレイルアルコール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 ジフルプレドナートにオレイルアルコール、クロタミト
ン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配
合外用液剤を得た。
ン及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配
合外用液剤を得た。
【0023】(実施例17) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 2−ヘキシルデカノール 17 クロタミトン 2 エタノール 80 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに2−ヘキシルデカノール、ク
ロタミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解しステロ
イド配合外用液剤を得た。
ロタミトン及びエタノールを加え攪拌して溶解しステロ
イド配合外用液剤を得た。
【0024】(実施例18) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 2−オクチルドデカノール 7 クロタミトン 2 オレイン酸グリセリン 2 エタノール 88 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに2−オクチルドデカノール、
クロタミトン、オレイン酸グリセリン及びエタノールを
加え攪拌しステロイド配合外用液剤を得た。
クロタミトン、オレイン酸グリセリン及びエタノールを
加え攪拌しステロイド配合外用液剤を得た。
【0025】(実施例19) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 2−デシルテトラデカノール 7 クロタミトン 2 エタノール 90 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに2−デシルテトラデカノー
ル、クロタミトン及びエタノールを加え攪拌しステロイ
ド配合外用液剤を得た。
ル、クロタミトン及びエタノールを加え攪拌しステロイ
ド配合外用液剤を得た。
【0026】(実施例20) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 2−ヘキサデシルオクタデカノール 7 クロタミトン 2 エタノール 90 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに2−ヘキサデシルオクタデカ
ノール、クロタミトン及びエタノールを加え攪拌しステ
ロイド配合外用液剤を得た。
ノール、クロタミトン及びエタノールを加え攪拌しステ
ロイド配合外用液剤を得た。
【0027】(実施例21) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 2−オクチルドデカノール 7 クロタミトン 2 イソステアリン酸グリセリン 2 エタノール 88 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに2−オクチルドデカノール、
クロタミトン、イソステアリン酸グリセリン及びエタノ
ールを加え攪拌しステロイド配合外用液剤を得た。
クロタミトン、イソステアリン酸グリセリン及びエタノ
ールを加え攪拌しステロイド配合外用液剤を得た。
【0028】(参考例1) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 中鎖脂肪酸トリグリセリド 40 エタノール 59 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに中鎖脂肪酸トリグリセリド及
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
【0029】(参考例2) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 中鎖脂肪酸トリグリセリド 20 エタノール 79 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンに中鎖脂肪酸トリグリセリド及
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
びエタノールを加え攪拌して溶解し、ステロイド配合外
用液剤を得た。
【0030】(参考例3) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 クロタミトン 2 中鎖脂肪酸トリグリセリド 37 エタノール 60 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにクロタミトン、中鎖脂肪酸ト
リグリセリド及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
リグリセリド及びエタノールを加え攪拌して溶解し、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
【0031】(参考例4) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1 セバシン酸ジエチル 5 プロピレングリコール 10 エタノール 50 精製水 34 ─────────────────────────────────── 100 コハク酸プレゾニゾロンにセバシン酸ジエチル及びエタ
ノールを加え攪拌して溶解した。溶解後、プロピレング
リコール及び精製水を加え攪拌して均一な溶液とし、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
ノールを加え攪拌して溶解した。溶解後、プロピレング
リコール及び精製水を加え攪拌して均一な溶液とし、ス
テロイド配合外用液剤を得た。
【0032】(参考例5) 成 分 重量% ─────────────────────────────────── コハク酸プレゾニゾロン 1.5 ポリエチレングリコール 15 エタノール 40 ゲル化剤(ハイビス和光104:和光純薬製) 2 ジイソプロパノールアミン 1.5 精製水 40 ─────────────────────────────────── 100.0 コハク酸プレゾニゾロンにエタノールを加え攪拌して溶
解した。溶解後、ポリエチレングリコール、ゲル化剤及
び精製水を加え均一になるまで攪拌した。次に少量の精
製水に溶かしたジイソプロパノールアミンを加えてステ
ロイド配合外用液剤を得た。
解した。溶解後、ポリエチレングリコール、ゲル化剤及
び精製水を加え均一になるまで攪拌した。次に少量の精
製水に溶かしたジイソプロパノールアミンを加えてステ
ロイド配合外用液剤を得た。
【0033】(試験例1)ヒト皮膚残存試験 本発明の液剤のヒトでの経皮吸収性を調べるため、実施
例及び参考例の液剤をヒトの前腕部に塗布し、一定時間
経過後、皮膚上に残存しているステロイドの量を定量し
た。結果を図1に示した。 試験方法:健康人の前腕部の直径30mmの円内に検体
30μgを塗布し、風乾させ8時間後に拭き取り、皮膚
上のステロイドの残存量を測定した。また別に塗布直後
におけるステロイドの残存量を測定し、初期回収率を求
めた。尚、ステロイドの経皮吸収率は以下の式で求め
た。
例及び参考例の液剤をヒトの前腕部に塗布し、一定時間
経過後、皮膚上に残存しているステロイドの量を定量し
た。結果を図1に示した。 試験方法:健康人の前腕部の直径30mmの円内に検体
30μgを塗布し、風乾させ8時間後に拭き取り、皮膚
上のステロイドの残存量を測定した。また別に塗布直後
におけるステロイドの残存量を測定し、初期回収率を求
めた。尚、ステロイドの経皮吸収率は以下の式で求め
た。
【数1】 この図1に示す試験結果から明らかなように、本発明の
実施例1〜4の外用液剤は、参考例1,2,3の外用液
剤に比べてヒト皮膚での吸収性が6倍〜13倍も優れて
いることがわかる。
実施例1〜4の外用液剤は、参考例1,2,3の外用液
剤に比べてヒト皮膚での吸収性が6倍〜13倍も優れて
いることがわかる。
【0034】(試験例2)安定性試験 実施例1,3,4までの外用液剤及び参考例4の外用液
剤、5のゲル剤の有効成分であるステロイドの経時的な
安定性を調べるため、それぞれ褐色ガラス瓶に充填して
40℃及び50℃に保存し、ステロイドの残存量を定量
した。結果を(表1)に示した。
剤、5のゲル剤の有効成分であるステロイドの経時的な
安定性を調べるため、それぞれ褐色ガラス瓶に充填して
40℃及び50℃に保存し、ステロイドの残存量を定量
した。結果を(表1)に示した。
【表1】 この(表1)から明らかなように、本発明の実施例1,
3,4のステロイド配合外用液剤は参考例4,5のステ
ロイド配合外用液剤に比べて120%〜210%ものス
テロイドの残存量が確認された。このことから、本発明
のステロイド配合外用液剤はステロイドの経時的な安定
性に著しく優れていることがわかる。
3,4のステロイド配合外用液剤は参考例4,5のステ
ロイド配合外用液剤に比べて120%〜210%ものス
テロイドの残存量が確認された。このことから、本発明
のステロイド配合外用液剤はステロイドの経時的な安定
性に著しく優れていることがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明のステロイド類溶解
剤は、エタノールと液状高級アルコールとクロタミトン
を主剤とするので、相溶性に優れ混然一体となり、かつ
ステロイドに対する溶解性が高いので、高分子量のステ
ロイドを短時間で均質に溶解することができる。また、
ステロイドが均一に溶解分散しているので、長期間にわ
たっての保存安定性に優れるとともに、安定した薬理効
果を維持することのできる優れたステロイド類の溶解剤
を実現できるものである。また、本発明のステロイド類
を主剤とする外用液剤は、前記溶解剤にステロイド類を
均質に溶解した液剤を主剤とするものなので、顕著な経
皮吸収性を有するため薬効発現性が極めて高く、治療効
果においても大変優れている。更にステロイドの安定性
に対して非常に優れ、かつ長期保存しても含量変化がな
いため、安定した高い薬理効果を維持できる。また安全
性が高いため、長期間わたって治療が可能であり、外用
適用の医薬製剤として有用で、特に、慢性関節リウマ
チ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病に原因する関
節炎などの治療薬としても極めて有効なステロイド類を
主剤とする外用液剤を実現できるものである。
剤は、エタノールと液状高級アルコールとクロタミトン
を主剤とするので、相溶性に優れ混然一体となり、かつ
ステロイドに対する溶解性が高いので、高分子量のステ
ロイドを短時間で均質に溶解することができる。また、
ステロイドが均一に溶解分散しているので、長期間にわ
たっての保存安定性に優れるとともに、安定した薬理効
果を維持することのできる優れたステロイド類の溶解剤
を実現できるものである。また、本発明のステロイド類
を主剤とする外用液剤は、前記溶解剤にステロイド類を
均質に溶解した液剤を主剤とするものなので、顕著な経
皮吸収性を有するため薬効発現性が極めて高く、治療効
果においても大変優れている。更にステロイドの安定性
に対して非常に優れ、かつ長期保存しても含量変化がな
いため、安定した高い薬理効果を維持できる。また安全
性が高いため、長期間わたって治療が可能であり、外用
適用の医薬製剤として有用で、特に、慢性関節リウマ
チ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病に原因する関
節炎などの治療薬としても極めて有効なステロイド類を
主剤とする外用液剤を実現できるものである。
【図1】ステロイド溶液のヒト皮膚残存試験の結果を示
す図
す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 洋一 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (72)発明者 久保田 祐輔 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (72)発明者 坂井 健三 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−118315(JP,A) 特開 昭63−211241(JP,A) 特開 昭63−208517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/56 A61K 9/08 A61K 47/10 A61K 47/16 CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】エタノールと、液状高級アルコールと、ク
ロタミトンと、の3成分系の溶液を主剤とし、前記エタ
ノールが50〜95重量%、前記液状高級アルコールが
3〜30重量%、前記クロタミトンが0.5〜7重量%
含有されていることを特徴とするステロイド類溶解剤。 - 【請求項2】前記液状高級アルコールが、オレイルアル
コール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカ
ノール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシ
ルオクタデカノールの少なくともいずれか1種から選択
されたものであることを特徴とする請求項1に記載のス
テロイド類溶解剤。 - 【請求項3】ステロイド類と、請求項1または2に記載
のステロイド類溶解剤と、を含有し、前記ステロイド類
が0.01〜3重量%と、前記エタノールが50〜95
重量%、前記液状高級アルコールが3〜30重量%、前
記クロタミトンが0.5〜7重量%の3成分系の混合液
を主剤とする前記ステロイド類溶解剤と、を含有してい
ることを特徴とするステロイド類を主剤とする外用液
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6015877A JP3029964B2 (ja) | 1993-01-20 | 1994-01-14 | ステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤とする外用液剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2629493 | 1993-01-20 | ||
JP5-26294 | 1993-01-20 | ||
JP6015877A JP3029964B2 (ja) | 1993-01-20 | 1994-01-14 | ステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤とする外用液剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271468A JPH06271468A (ja) | 1994-09-27 |
JP3029964B2 true JP3029964B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=26352104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6015877A Expired - Lifetime JP3029964B2 (ja) | 1993-01-20 | 1994-01-14 | ステロイド類溶解剤及びステロイド類を主剤とする外用液剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3029964B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998001138A1 (fr) * | 1996-07-04 | 1998-01-15 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Injections de succinate sodique de methylprednisolone |
JP4456679B2 (ja) * | 1998-07-10 | 2010-04-28 | 久光製薬株式会社 | ステロイド含有パップ剤及びその製造方法 |
FR2799645B1 (fr) * | 1999-10-13 | 2004-04-30 | Oreal | Utilisation de la dhea ou de ses precurseurs ou derives metaboliques comme depigmentant |
FR2807323A1 (fr) | 2000-04-10 | 2001-10-12 | Oreal | Composition, notamment cosmetique, renfermant un steroide et un 2-alkyl alcanol ou un ester |
JP2005008569A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-01-13 | Sato Pharmaceutical Co Ltd | ジフルプレドナート製剤 |
JP6131523B2 (ja) * | 2011-03-25 | 2017-05-24 | 大正製薬株式会社 | ロキソプロフェン含有外用剤 |
-
1994
- 1994-01-14 JP JP6015877A patent/JP3029964B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06271468A (ja) | 1994-09-27 |
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Date | Code | Title | Description |
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