JP3029853B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP3029853B2 JP2201624A JP20162490A JP3029853B2 JP 3029853 B2 JP3029853 B2 JP 3029853B2 JP 2201624 A JP2201624 A JP 2201624A JP 20162490 A JP20162490 A JP 20162490A JP 3029853 B2 JP3029853 B2 JP 3029853B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸収性物品に係り、詳しくは透湿シートを
使用した使い捨て紙おむつ等において、接着の組成成分
である軟化剤等がしみだす、いわゆる“裏抜け現象”が
生じる程度が少ない吸収性物品に関する。
〔従来の技術〕
一般の使い捨て紙おむつは、肌に当接する側の液透過
性シートと衣服側の液不透過性シートとの間に吸収体を
介在させ、それらの所定部位を接着固定して構成されて
いる。
而して、上記接着剤は、おむつ構成材料の接着性を向
上させ、またその塗工適性を向上させるために、ベース
エラストマーの割合を減らす一方、粘着付与剤及び軟化
剤の割合を増やした配合組成により、ベースエラストマ
ーのブロック構造を破壊して低粘度タイプにしたものが
主流になっている。
また、上記液不透過性シートとしては、おむつの使用
時のむれ等を防止するために、通常、透湿シートが用い
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、透湿シートを用いた紙おむつに、低粘度タイ
プの接着剤を使用すると、接着剤の組成成分の一つであ
る軟化剤等が、接着剤中に保持されず、熱などの影響を
受けると、透湿シートの表面にしみ出す、いわゆる“裏
抜け現象”を生じる。
このような“裏抜け現象”があると、透湿シートの表
面にべたつき感が生じたり、おむつの諸特性に悪影響が
現れたり、パック保持時におむつ同士のブロッキングが
生じたり、接着剤組成の変化により接着特性が経時変化
したりする等、種々の不都合があった。
従って、本発明の目的は、接着剤中の組成成分である
軟化剤等のしみだし成分が透湿シートの表面にしみだ
す、“裏抜け現象”が生じる程度が小さい吸収性物品を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結
果、透湿シートを用いた吸収性物品の接着剤として、ス
チレン系ブロックポリマー、粘着付与剤樹脂及び軟化剤
を主成分とし、スチレン相とゴム相との2相ブロック構
造を保持しているものを使用すると、接着性及び塗工性
等を保持しつつ、透湿シートの表面に接着剤の組成成分
である軟化剤等がしみだす“裏抜け現象”を生じる程度
が小さいことを知見した。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、接着剤が
塗布された透湿シートを液不透過性シートとして用いた
吸収性物品において、上記透湿シートが、透湿量0.7g/1
00cm2・h〜2.8g/100cm2・hの透湿シートで、上記接着
剤が、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤樹脂及
び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相との2相ブ
ロック構造を保持しており、上記スチレン系ブロックポ
リマー100重量部に対し、上記粘着付与剤樹脂150〜200
重量部、上記軟化剤30〜100重量部がそれぞれ配合さ
れ、上記スチレン相の見掛けの活性化エネルギーが50kc
al/mol以上、上記ゴム相の見掛けの活性化エネルギーが
35kacl/mol以上の接着剤であることを特徴とする吸収性
物品を提供するものである。
以下、本発明の吸収性物品について詳述する。
本発明に用いられる透湿シートは、透湿量が、0.7g/1
00cm2・h〜2.8g/100cm2・hのものである。このような
透湿シートを、使い捨ておむつの液不透過性シート等と
して使用すると、おむつの使用時におけるむれ等を防止
することができる。
而して、本発明においては、接着剤として、スチレン
系ブロックポリマー、粘着付与剤樹脂及び軟化剤を主成
分とし、スチレン相とゴム相との2相ブロック構造を保
持しているものが用いられる。
上記接着剤のスチレン系ブロックポリマーとしては、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重
合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−プロ
ピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等がある。
これらのスチレン系ブロックポリマーは、スチレン部分
の分子量が7000〜20000、ゴム部分の分子量が35000〜70
000のブロック共重合体である。
また、上記粘着付与樹脂としては、軟化点が80℃以上
で、分子量が400〜2000であるC5系石油樹脂、C9系石油
樹脂、C5/C9系石油樹脂、αピネン又はβピネン又はジ
ペンテンの重合体であるポリテルペン樹脂、ロジン系樹
脂、及びこれらの水添物等がある。
また、上記軟化剤としては、軟化点が10℃以下で平均
分子量が200〜700のプロセスオイル、各種可塑剤、ポリ
ブテン、液状樹脂等がある。
上記の2相ブロック構造又はそれに近似した構造を保
持する上で好ましい接着剤は、スチレン系ブロックポリ
マー100重量部に対し、粘着付与剤樹脂を150〜200重量
部、好ましくは160〜180重量部にし、また軟化剤を30〜
100重量部、好ましくは40〜70重量部に設定したもので
ある。このような組成の接着剤は、上記軟化剤の占める
割合が、大体10%〜25%程度になるものである。
ここで、上記粘着付与樹脂が150重量部よりも少な
く、また軟化剤が30重量部よりも少なくなると(上記軟
化剤の占める割合を10%よりも少なくなると)、タック
性及び粘着力が低くなり、また粘度上昇により塗工性低
下が悪くなり、好ましくない。
また、上記粘着付与樹脂が200重量部よりも多く、ま
た軟化剤を100重量部よりも多いと(上記軟化剤の占め
る割合が25%を超えると)、2相ブロック構造が破壊さ
れるおそれがある。
上記接着剤には、スチレン系ブロックポリマー、粘着
付与樹脂及び軟化剤の他に、酸化防止剤を添加するのが
好ましい。この場合、酸化防止剤は、上記スチレン系ブ
ロックポリマー100重量部に対して1〜3重量部添加す
るのが好ましい。この酸化防止剤としては、例えばイル
ガノックス1010(チバガイギ(株)製の商品名)、イル
ガノックス1076(チバガイギ(株)製の商品名)又はス
ミライザGM(住友化学(株)の商品名)等が用いられ
る。
上記接着剤は、180℃以下の温度でホットメルトによ
り塗工することもできるため、使い捨ておむつ等の吸収
性物品の生産に適している。
本発明の吸収性物品は、上述した透湿量0.7g/100cm2
・h〜2.8g/100cm2・hの透湿シートを使用し、この透
湿シートに塗布する接着剤として上記接着剤を使用した
もので、例えば使い捨ておむつや生理用品等に適用する
ことができる。
本発明の吸収性物品において、“裏抜け現象”を生じ
る程度が小さくなるのは、前述した接着剤を用いること
によるものである。そして、その詳細な理由は明らかで
はないが、次のように考えられる。
本発明で用いられる、スチレン相とゴム相との2相ブ
ロック構造を保持している接着剤の構造は、図解して説
明すると、第1図の概念図に示すように、スチレンドメ
イン1とゴム相2とが存在し、また第2図のグラフに示
すように、スチレン相緩和ピークとゴム相緩和ピークと
の2つのピークが存在しているものと認められる。
なお、第2図は、動的粘弾性測定法により上記接着剤
の動的粘弾性の挙動を測定して、温度分散に対する損失
弾性率E″及びtanδ(tanδ=損失弾性率E″/貯蔵弾
性率E′)を求めたグラフで、横軸に温度(℃)を表
し、建軸にtanδを表している。
而して、上記接着剤においては、スチレンドメインに
よってゴム相の運動が束縛され、その結果、ゴム相分子
鎖の絡み合いが生じ、このゴム相分子鎖の絡み合いの中
に、しみだし成分である軟化剤や低分子量ポリマー成分
等が閉じ込められてしまい、“裏抜け現象”が防止され
るものと、考えられる。
因みに、上記軟化剤を100重量部よりも多くし、例え
ば上記接着剤中に上記軟化剤が占める割合を30%程度に
すると、第2図に示す2つのピークの間に中間の性質を
示す第3の緩和ピークがみられるようになる。このよう
なもの(3相構造をとるもの)においては、スチレンド
メインが減少し、この結果、ゴム相分子鎖の絡み合いが
減少し、可塑化されたスチレンドメインがゴム相に相溶
し、中間の性質を示す相が生じ、その結果、しみだし成
分を閉じ込めて保持する能力が低下し、“裏抜け現象”
が生じるものと考えられる。
また、上記軟化剤を更に多くし、例えば上記接着剤中
に上記軟化剤が占める割合を40%程度にすると、ドメイ
ン構造がゴム相に完全に相溶し、2つの緩和ピークが1
つになると考えられる。この場合には、しみだし成分を
閉じ込めて保持する能力がほぼ消失し、これによって
“裏抜け現象”が更に促進するものと考えられる。
また、上記の2相ブロック構造を構成する、上記スチ
レン相及び上記ゴム相の、それぞれの見掛けの活性化エ
ネルギーを、周波数分散により求めてみると、上記スチ
レン相の見掛けの活性化エネルギーは50Kcal/mol以上
で、また上記ゴム相の見掛けの活性化エネルギーは35Kc
al/mol以上となる。
このように、スチレン相の見掛けの活性化エネルギー
が50Kcal/mol以上と大きく、ゴム相の見掛けの活性化エ
ネルギーが35Kcal/mol以上と大きい接着剤は、それだけ
分子運動を引き起こすのに必要なエネルギーを多く必要
とするために、外部から熱が与えられても、しみだし成
分を接着剤中に保持しておくことができるため、“裏抜
け現象”が小さくなるものと考えられる。
なお、上記“裏抜け現象”は、透湿シートに接着剤を
塗布したとき、軟化剤等のしみだし成分が、透湿シート
の表面を濡らして裏抜けした(しみだした)ようになる
現象であり、曇りガラスを水で濡らすと、光が透過し、
曇りガラスを介して外側が見えるようになる現象と同じ
である。
本発明者等は、このような現象を利用して上記“裏抜
け現象”を定量化することを試みた。即ち、第3図に示
すように、透湿シートに接着剤を塗布したサンプル3の
背面に、黒色プレート4を配置し、上記サンプル3の表
面に、透明ガラス板5を配置し、上記サンプル3の表面
側から波長459nmの青色入射光を照射する一方、上記サ
ンプル3からの反射光の反射率を測定することにより、
裏抜けの程度(しみだしの程度)の定量化を試みた。
この方法によれば、裏抜けの程度が大きいと(しみだ
しの程度が大きいと)、青色入射光がサンプル3を透過
して黒色プレート4に至り、該黒色プレート4に吸収さ
れて、上記サンプル3からの反射光の反射率が低下し、
また、裏抜けの程度が小さいと(しみだしの程度が小さ
いと)、青色入射光がサンプル3を透過して黒色プレー
ト4に至ることが少なく、該黒色プレート4に吸収され
ずにサンプル3で反射し、上記サンプル3からの反射光
の反射率が高くなる。
〔作用〕
本発明の吸収性物品によれば、透湿量0.7g/100cm2
h〜2.8g/100cm2・hの透湿シートを使用し、この透湿
シートに塗布する接着剤として、スチレン系ブロックポ
リマー、粘着付与剤樹脂及び軟化剤を主成分とし、スチ
レン相とゴム相との2相ブロック構造を保持しているも
のを使用したので、温度上昇により分子運動が大きくな
っても、接着剤の組成成分である軟化剤等を、接着剤中
に保持することができ、透湿シートの表面にしみでる
“裏抜け現象”が生じない。
このため、透湿シートの表面にべたつき感が生じた
り、おむつの諸特性に悪影響が現れたり、パック保存時
におむつ同士のブロッキングが生じたり、接着剤組成の
変化により接着特性が経時変化したりする等の不都合が
ない。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
まず、スチレン系ブロックポリマーとしてSEBS(スチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合
体)、粘着付与樹脂としてC9系石油樹脂、軟化剤として
ナフテン系プロセスオイルを用い、更に酸化防止剤とし
てチバガイギ社製のイルガノックス1010「ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕」を用い、温
度160℃、時間40分の条件の下で、ニーダーにより混練
して、以下の表−1に示す各種重量比の接着剤を調製し
た。
なお、酸化防止剤の配合量は、全ての接着剤で同じに
し、SEBSに対して3重量%にした。
次いで、上記接着剤を、温度160℃でホットメルトに
より、剥離紙上に厚さ40±5μになるようにベタ塗工し
た後、透湿量1.7g/100cm2・hの透湿シートに転写塗工
し、この透湿シートを用いて使い捨ておむつを製作し
た。そして、上記使い捨ておむつを温度60℃で10日間保
存した後、しみだしの有無を目視により観察したとこ
ろ、以下の表−1に示す結果が得られた。
なお、表−1中、記号○はしみだしが殆ど生じなかっ
たことを示し、また記号△はしみだしが多少生じたこと
を示し、記号×はしみだしが大きく生じたことを示す。
また、しみだしの程度を定量的に測定するために、上
記使い捨ておむつに用いたものと同じ透湿シートを第3
図に示す黒色パネル4に相当する台紙に貼りつけ、測定
試料を作成した。そして、上記測定試料を温度60℃で10
日間保存した後に反射率を測定し、またこの反射率に基
づいて低下率を算出し、これらを表−1に併記した。
なお、反射率は色差色(日本電気工業社製)を用いて
測定した。また、反射率の低下率は、次式により算出し
た。
反射率の低下率=(a−b)/a =1−(a/b)〔%〕 a;ブランクの反射率 b;10日間経過した後の反射率 更に、本発明品No.1、2、比較品No.1、2に使用した
接着剤の相構造及び見掛けの活性化エネルギーも表−1
に併記した。
ここで、相構造は、動的粘弾性測定法により求めた。
即ち、まず上記接着剤を溶融し、線径0.5mm、巻径5mm、
長さ6mmのコイルスプリング(昌和発条製作所製)にそ
れぞれ含浸させた。次いで、レオバイブロン(東洋ボー
ルドウィンDDV−II−EP)を用い、周波数3.5Hzで、上記
コイルスプリングの貯蔵弾性率E′、損失弾性率E″及
び損失正接tanδ(tanδ=E″/E′)を測定した。この
とき、温度範囲は−100℃〜+120℃とした。また昇温速
度は3℃/minとし、冷媒は液体窒素を使用した。
また、見掛けの活性化エネルギーは、上記動的粘弾性
測定の中で、周波数を3.5Hz、11Hz、35Hz、110Hzと変化
させて求めた。即ち、まず、各々の周波数でのスチレン
相、ゴム相及び均一相に対応する各tanδ分散ピーク温
度を測定し、次いでこの測定結果に基づいて下記に示す
アレニウスの式を用い、1nfと−1/Tとの関係を表すグラ
フを求め、この後、グラフに示す直線の傾きからスチレ
ン相、ゴム相及び均一相の見掛けの活性化エネルギーを
求めた。
アレニウスの式 1nf=−E/RT+1nfo f、fo;周波数(Hz) E ;見掛の活性化エネルギー(cal/mol) R ;ガス定数 T ;分散ピーク温度(゜K) なお、表−1中、Stはスチレン相の見掛けの活性化エ
ネルギー、Gはゴム相の見掛けの活性化エネルギーを示
す。
上記表−1から明らかな如く、本発明品No.1は目視に
よる観察でしみだしが殆どみられず、またしみだしの程
度を定量化する反射率も66%と高く、“裏抜け現象”は
殆ど生じないことが確認された。また、反射率の低下率
も8%も少なく、経時変化が殆ど生じないことが確認さ
れた。
また、使用した接着剤の相構造は2相ブロック構造で
あることが確認された。また、スチレン相の見掛けの活
性化エネルギーは75.9cal/mol、ゴム相の見掛けの活性
化エネルギーは39.0cal/molであった。
また、本発明品No.2も上記本発明品No.1とほぼ同様の
結果(反射率65%、反射率の低下率10%)が得られた。
また、使用した接着剤の相構造は2相ブロック構造で
あることが確認された。また、スチレン相の見掛けの活
性化エネルギーは51.2cal/mol、ゴム相の見掛けの活性
化エネルギーは36.5cal/molであった。
これに対し、比較品No.1は、目視による観察でしみだ
しが多少みられ、またしみだしの程度を定量化する反射
率も57%と低く、“裏抜け現象”が生じた。また、反射
率の低下率は21%と高く、経時変化が大きく生じた。
また、使用した接着剤の相構造は3相構造であった。
また、スチレン相の見掛けの活性化エネルギーは45.0ca
l/molで、50.0cal/molよりも低く、ゴム相の見掛けの活
性化エネルギーは31.5cal/molで、35.0cal/molよりも低
かった。
また、比較品No.2は、目視による観察でしみだしが大
きくみられ、しみだしの程度を定量化する反射率も52%
と更に低く、“裏抜け現象”が大きく生じた。また、反
射率の低下率は28%と更に高く、経時変化が大きく生じ
た。
また、接着剤の相構造は、スチレンドメインがゴム相
に完全相溶し、均一相になった。また、見掛けの活性化
エネルギーは30.0cal/molで、上記試料No.3の場合より
も更に低くなった。
また、本発明品No.1、2、比較品No.1、2に使用した
接着剤を、温度160゜でホットメルトにより、剥離紙上
に5g/m2でスパイラル塗工及び0.07g/本・mでビード塗
工した。そして、上記剥離紙を台紙上に貼りつけて、し
みだしの経時変化を目視で判断する試料を作成した。こ
の試料を温度60゜のもとで10日間保存した後、しみだし
の経時変化を目視で判断したところ、以下の表−2に示
す結果が得られた。
なお、表−2中、記号○はしみだしが殆ど生じなかっ
たことを示し、また△はしみだしが多少生じたことを示
し、また×はしみだしが大きく生じたことを示す。
上記表−2から明らかな如く、本発明品No.1、2の接
着剤では、スパイラル塗工、ビード塗工しても、いずれ
の場合も、“裏抜け現象”が殆ど生じないことが確認さ
れた。
これに対し、比較品No.3の接着剤では、スパイラル塗
工、ビード塗工すると、いすれの場合も“裏抜け現象”
が多少生じた。また、比較品No.2の接着剤では、スパイ
ラル塗工、ビード塗工すると、いずれの場合も“裏抜け
現象”が大きく生じた。
〔発明の効果〕
本発明の吸収製物品は、接着剤中の組成成分である軟
化剤等のしみだし成分が透湿シートの表面にしみだす
“裏抜け現象”が生じる程度が小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図は接着剤の相構造を概念的に表した概念図、第2
図は動的粘性弾性測定法により接着剤の動的粘性弾性の
挙動を測定して求めたグラフであって、温度分散に対す
るtanδ(tanδ=損失弾性率E″/貯蔵弾性率E′)を
示すグラフ、第3図は“裏抜け現象”の程度の測定原理
を示す測定原理説明図である。 1;スチレン相、2;ゴム相 3;サンプル、4;黒色プレート 5;透明ガラス板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−99835(JP,A) 特開 平2−145671(JP,A) 特開 平2−70782(JP,A) 特開 平1−118604(JP,A) 特開 平2−232049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 13/15 - 13/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接着剤が塗布された透湿シートを液不透過
    性シートとして用いた吸収性物品において、 上記透湿シートが、透湿量0.7g/100cm2・h〜2.8g/100c
    m2・hの透湿シートで、 上記接着剤が、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与
    剤樹脂及び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相と
    の2相ブロック構造を保持しており、 上記スチレン系ブロックポリマー100重量部に対し、上
    記粘着付与剤樹脂150〜200重量部、上記軟化剤30〜100
    重量部がそれぞれ配合され、上記スチレン相の見掛けの
    活性化エネルギーが50kcal/mol以上、上記ゴム相の見掛
    けの活性化エネルギーが35kacl/mol以上の接着剤である
    ことを特徴とする吸収性物品。
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