JP3028889B2 - 直流半導体遮断器 - Google Patents

直流半導体遮断器

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JP3028889B2
JP3028889B2 JP4318529A JP31852992A JP3028889B2 JP 3028889 B2 JP3028889 B2 JP 3028889B2 JP 4318529 A JP4318529 A JP 4318529A JP 31852992 A JP31852992 A JP 31852992A JP 3028889 B2 JP3028889 B2 JP 3028889B2
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敏男 岡村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流電力ラインの負
荷短絡等による過電流を検出して高速応答で定電流制御
を伴う遮断(以後限流遮断という)を行う直流半導体遮
断器の限流遮断時間の設定回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の直流半導体遮断器として
図3に示す構成のものが有った。図において、1は直流
電力ラインの被遮断電流ILを遮断する遮断部、2はこ
の遮断部をオン/−オフ及び限流駆動する限流駆動回
路、3と4は遮断部1の限流動作を検出するための分圧
抵抗、5は第1の基準電圧VPと限流モニタ信号VEの大
小関係を比較する第1のコンパレータ、6は第1のコン
パレータ5の出力電圧VDを時間で積分する積分回路、
7は積分回路6の出力電圧VIと第2の基準電圧VSの大
小関係を比較する第2のコンパレータ、VCはこの第2
のコンパレータ7から出力される遮断部オン/オフ制御
信号である。
【0003】従来の直流半導体遮断器は上記のように構
成され、被遮断電流ILがこの直流半導体遮断器の限流
電流レベルILMT以下のときは遮断部1は限流駆動回路
2によりオン状態に駆動されている。遮断部1は電界効
果トランジスタ(以後FETという)で構成されてお
り、オン状態駆動においては飽和駆動状態となっている
ため遮断部1のドレイン/ソース間はほぼ0V(1V以
下)に近い状態になっている。負荷短絡等により被遮断
電流ILが限流電流レベルILMTを越える様な過電流状態
においては、直流半導体遮断器は限流動作すなわち定電
流制御動作を行うため、遮断部1のドレイン/ソース間
の電圧VDSは式(1)で表される値が印加された状態と
なっている。 VDS=VBUS−ZL×ILMT ・・・(1) ここで、VBUSは直流電力ラインの電源電圧、ZLは過電
流状態にある負荷のインピーダンス、ILMTは直流半導
体遮断器の限流電流レベルを示す。
【0004】このような遮断部1の動作状態は分圧抵抗
3、4によって作られる限流モニタ信号VEと、第1の
基準電圧VPを第1のコンパレータ5によって比較する
ことでモニタされている。なお、分圧抵抗3、4は遮断
部1のオフ状態を保ち得るよう十分高い抵抗値が用いら
れている。
【0005】遮断部1がオン状態駆動においては、限流
モニタ信号VEは第1の基準電圧VPよりも十分小となる
ように設定されており、第1のコンパレータ5の出力電
圧VD及び積分回路6の出力電圧VIはローレベルとな
り、積分回路6の出力電圧VIは第2の基準電圧VSより
も小となって、遮断部オン/オフ制御信号VCはハイレ
ベルとなり、限流駆動回路2は遮断部1をオン状態駆動
に保持する。
【0006】遮断部1が限流駆動状態になった場合、限
流モニタ信号VEは第1の基準電圧VPよりも大となるよ
うに設定されており、第1のコンパレータ5の出力電圧
VDはハイレベルとなり、積分回路6の出力電圧VIは積
分回路6による第1のコンパレータ5の出力電圧VDの
積分値としてローレベルから時間の経過を伴って上昇す
る。そして積分回路6の出力電圧VIが第2の基準電圧
VSよりも大となったところで遮断部オン/オフ制御信
号VCがハイレベルからローレベルに反転して遮断部1
はオフ状態すなわち遮断される。
【0007】なお、遮断部1が限流駆動状態に入って
後、積分回路6の出力電圧VIが第2の基準電圧VSを越
える以前にオン状態駆動に戻った場合は、遮断部1はオ
ン状態駆動が保持される。
【0008】以上の動作における各部の信号及び電圧電
流の変化を、時間の経過に対応して示したものを図4に
示す。
【0009】なお、説明において信号又は電圧レベルに
関して正負又はハイ/ローの表現を用いているものは相
対的な概念であり、正負反転して構成しても同様の機能
が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような直流半導
体遮断器では、オフ状態の時でも遮断部1のドレイン/
ソース間に接続されている分圧抵抗3、4を経由して下
流に接続される負荷に対してリーク電流が流れるため、
感電事故の危険性が有るという問題点が有った。また、
遮断部1の動作状態は分圧抵抗3、4によって検出され
るため、式(1)において負荷のインピーダンスZLが
短絡状態では無く、特定のインピーダンスを有して限流
動作が行われている場合、遮断部1のドレイン/ソース
間の電圧VDSは直流電力ラインの電源電圧VBUSよりも
十分低い値となることが有り、この場合限流モニタ信号
VEが第1の基準電圧VPよりも大きくなり得ず、遮断部
1の限流動作状態が検出されないために遮断動作に至ら
ず、遮断部1には式(2)で表される電力量Pが印加さ
れる状態となり、時間の経過につれて遮断部1が温度上
昇し、破壊に至るという問題が有った。 P=VDS×ILMT×t ・・・(2) ここで、tはオン状態継続時間を示す。
【0011】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、下流に接続される負荷に対する
リーク電流の発生を防いで感電事故を防止出来、また負
荷のインピーダンスに関係無く限流動作状態を検出して
遮断動作できる直流半導体遮断器を得ることを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る直流半導
体遮断器においては、限流駆動状態を検出する手段とし
て、遮断部を構成するFETのゲート電圧と第1の基準
電圧との大小関係を比較する第1のコンパレータを設
け、その第1のコンパレータの出力電圧を時間で積分す
る積分回路を設け、その積分回路出力電圧を第2の基準
電圧と比較する第2のコンパレータを設け、その第2の
コンパレータの出力を遮断部オン/オフ信号としたもの
である。
【0013】
【作用】上記のように構成された直流半導体遮断器は、
遮断部1がオン状態駆動においてFETが飽和駆動され
ている時のゲート電圧と、遮断部1が限流駆動状態にお
いて定電流制御駆動されている時のゲート電圧とのレベ
ルの違いから限流駆動状態を検出しているため、遮断部
のFETのドレイン/ソース間電圧をモニタする必要が
無く、モニタ回路に伴うリーク電流の発生を無くし、下
流での感電事故を防止出来る。また、限流駆動状態にお
いて定電流制御動作時のFETゲート電圧は一定の制御
領域に有りオン状態におけるゲート電圧と明確に異なっ
たレベルとなるため、負荷のインピーダンスに関係無く
限流動作状態を検出して遮断動作できる。
【0014】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の一実施例を示す図面であ
り、1、2、及び6、7、IL、VP、VD、VI、VS、
VC、は従来装置と全く同一のものである。VGは遮断部
1を構成するFETのゲート電圧、5はゲート電圧VG
と第1の基準電圧VPの大小関係を比較する第1のコン
パレータである。
【0015】前記のように構成された直流半導体遮断器
において、遮断部1がオン状態で動作しているときは、
ゲート電圧VGは遮断部1を構成するFETを飽和駆動
するのに十分な電圧である約5Vよりも十分大きな値と
して通常10V以上に設定されている。遮断部1が限流
駆動状態においては遮断部1を構成するFETは定電流
制御駆動され、能動領域動作状態となるため、ゲート電
圧VGは通常2V〜5Vの範囲に制御される。従ってゲ
ート電圧VGは負荷のインピーダンスに関係無く遮断部
1の動作状態に対応した上記のいずれか片方の値を示
す。
【0016】そこで、第1の基準電圧VPの値を、遮断
部1がオン状態で動作しているときのゲート電圧VGよ
りも小さく、遮断部1が限流駆動状態で動作していると
きのゲート電圧VGよりも大きい値に設定する。
【0017】遮断部1がオン状態駆動においては、ゲー
ト電圧VGは第1の基準電圧VPよりも大となり、第1の
コンパレータ出力電圧VD及び積分回路出力電圧VIはロ
ーレベルとなって、積分回路出力電圧VIは第2の基準
電圧VSよりも小となって、遮断部オン/オフ制御信号
VCはハイレベルとなり、限流駆動回路2は遮断部1を
オン状態駆動に保持する。
【0018】遮断部1が限流駆動状態になった場合、ゲ
ート電圧VGは第1の基準電圧VPよりも小となり、第1
のコンパレータ5の出力電圧VDはハイレベルとなり、
積分回路6の出力電圧VIは積分回路6による第1のコ
ンパレータ5の出力電圧VDの積分値としてローレベル
から時間の経過を伴って上昇する。そして積分回路6の
出力電圧VIが第2の基準電圧VSよりも大となったとこ
ろで遮断部オン/オフ制御信号VCがハイレベルからロ
ーレベルに反転して遮断部1はオフ状態すなわち遮断さ
れる。
【0019】以上のように構成されているため、遮断部
1が限流駆動状態になった場合、負荷のインピーダンス
に関係無く限流動作状態を検出して遮断動作できる。
【0020】以上の動作における各部の信号及び電圧電
流の変化を、時間の経過に対応して示したものを図2に
示す。
【0021】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果が有る。
【0022】限流駆動状態を検出する手段として、遮断
部を構成するFETのゲート電圧をモニタし、遮断部が
オン状態駆動においてFETが飽和駆動されている時の
ゲート電圧と、遮断部が限流駆動状態において定電流制
御駆動されている時のゲート電圧とのレベルの違いから
限流駆動状態を検出するようにしたため遮断部のFET
のドレイン/ソース間電圧をモニタする必要が無く、モ
ニタ回路に伴うリーク電流の発生を無くし、下流での感
電事故を防止出来る。また、負荷のインピーダンスに関
係無く限流動作状態を検出して遮断動作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す機能ブロック図であ
る。
【図2】この発明の実施例における各部の動作状態を示
すタイムチャートである。
【図3】従来の直流半導体遮断器を示す機能ブロック図
である。
【図4】従来の直流半導体遮断器の各部の動作状態を示
すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 遮断部 2 限流駆動回路 3 分圧抵抗 4 分圧抵抗 5 第1のコンパレータ 6 積分回路 7 第2のコンパレータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 1/10 304 H02H 3/093

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力ラインの被遮断電流を遮断する
    半導体遮断部と、上記半導体遮断部をオン/オフ及び限
    流駆動する限流駆動回路とを有する直流半導体遮断器に
    おいて、上記半導体遮断部に使用される電界効果トラン
    ジスタのゲート電圧と第1の基準電圧との大小関係を比
    較する第1のコンパレータと、上記第1のコンパレータ
    の出力信号を積分する積分回路と、上記積分回路の出力
    電圧と第2の基準電圧の大小関係を比較し、その出力を
    遮断部オン/オフ制御信号として上記限流駆動回路へ出
    力する第2のコンパレータとを具備した直流半導体遮断
    器。
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JP6543133B2 (ja) 2015-08-19 2019-07-10 株式会社東芝 電力供給装置及びその制御方法

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