JP3028531B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は平面型の表示装置であるプラズマディスプレ
イパネル、例えば面放電型プラズマディスプレイパネル
に関し、 放電セルが完全に分離でき、且つアドレス電極への印
加電圧を低くすることのできるPDPを提供することを目
的とし、 互いに向き合い、放電空間を規定する１対の基板と、
主放電側基板の内側表面において、平行に形成された複
数対の主放電電極と、該主放電電極を被覆する誘電体層
と、該誘電体層上において該主放電電極と平行に、且つ
各主放電電極対を区切る位置にて形成された、等間隔に
切断部を有する複数の主放電側隔壁と、アドレス側基板
の内側表面において、前記主放電側隔壁の高さよりも高
く且つ前記主放電電極と交差する方向にて平行に形成さ
れた複数のアドレス側隔壁と、該アドレス側隔壁の側面
に形成された複数のアドレス電極とを有し、前記アドレ
ス側隔壁と前記主放電側隔壁とは該主放電側隔壁の前記
切断部にて結合されることにより、前記放電空間をアド
レス電極の延長方向においてのみ連通するよう格子型に
分離し、格子型に分離された各放電セルにおける主放電
電極対の放電によって前記アドレス側基板上の蛍光体層
を発光するように構成される。

〔産業上の利用分野〕

本発明は平面型の表示装置であるプラズマディスプレ
イパネル、例えば面放電型プラズマディスプレイパネル
に関する。

現在表示装置として最も普及しているものはCRT表示
装置であるが、その動作電圧の高さ、サイズの大きさ等
の問題から、薄型化の可能なプラズマディスプレイパネ
ル（以後PDPと表記）が注目されている。

従来のPDPは、放電空間を挟んで設けられた放電電極
が放電を行う「対向型」といわれるものが多かった。し
かしながらこの方式は、特に交流型PDPにおいてカラー
表示を行う場合に、アドレス側基板表面に設けられる螢
光体が劣化しやすいという問題があった。これは放電中
に電極から放出されたイオンが、該電極に近接して設け
られている螢光体を損傷させてしまうためである。

このため螢光体から離れた位置にて放電が行われる、
「面放電型」といわれる方式のPDPが製造されている。

〔従来技術〕

第３図は従来の面放電型PDPの要部断面正面図、第４
図は同側面図で、第３図をIII方向より見たものであ
る。

図中１はアドレス側基板であり、２は主放電側基板で
ある。３及び４はそれぞれアドレス側隔壁と主放電側隔
壁であり、共に放電空間を単位放電部（放電セル）ごと
に分離するためのものである。５は主放電電極であり、
対をなすこの主放電電極間で放電が行われる。６はアド
レス電極であり、必要に応じて消去電圧が印加され、主
放電電極間の放電を選択的に停止させるためのものであ
る。７は誘電体層であり、前記主放電電極５を絶縁被覆
するためのものである。また本装置において前記主放電
側隔壁４と前記アドレス側隔壁３は、互いに交差するこ
とにより各放電セルを分離している。

第５図は従来の面放電型PDPの電極構成平面図であ
り、同図の如く前記主放電電極５の各対は平行に複数対
形成されている。そして前記アドレス電極６は、該主放
電電極５と直交するように形成されている。

本装置における画像表示のシステムは、おおよそ次の
通りである。

まず主放電電極５に電圧を印加し、各放電セル内にて
該主放電電極５の各対間での放電を開始する。

次いでアドレス電極６に消去電圧を印加し、放電セル
単位で選択的に放電を停止させ、要求する画像の表示を
行う。

またカラー表示を行う場合は、図示はしていないが前
記アドレス側基板１表面において、前記アドレス電極６
に隣接するように螢光体層が設けられる。そして選択的
に行った放電からの紫外線によって螢光体が発光し、カ
ラー表示が行われるものである。

本装置のような面放電型PDPの場合、放電を行う主放
電電極５が全て主放電側基板２表面に形成されている。
このため該主放電電極５間にて行った放電によりイオン
が発生しても、該主放電電極５とは離れてアドレス側基
板１表面に形成された前記螢光体は劣化しにくいのであ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来において各放電セルの分離は、上述したようにア
ドレス側隔壁３と主放電側隔壁４とを単純に交差させて
行っていた。しかしこの方式では、各放電セルにはそれ
ぞれ両隔壁の高さ分だけ隙間ができてしまい、実際には
放電セルの分離が完全にはできなかった。この放電セル
の隙間は、不必要な放電セルを放電させる誤放電、逆に
必要な放電セルの放電を停止させる誤消去、或いはカラ
ー表示の場合は不必要な螢光体を発光させてしまうカラ
ークロストーク等の現象を発生させる大きな要因となっ
てしまっていた。これはPDPは高品質の表示を追求する
上で、大きな問題であった。

また従来アドレス電極６はアドレス側基板１表面に形
成されていたため、主放電電極５との距離は放電空間の
間隔と同じく大きくなってしまっていた。このためアド
レス電極６に印加する電圧が高電圧となり、それが実際
の動作マージンをせばめて誤動作を助長する大きな原因
となっていた。

本発明は放電セルが完全に分離でき、且つアドレス電
極への印加電圧を低くすることのできるPDPを提供する
ことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を達成するために本発明では、 互いに向き合い、放電空間を規定する１対の基板と、
主放電側基板の内側表面において、平行に形成された複
数対の主放電電極と、該主放電電極を被覆する誘電体層
と、該誘電体層上において該主放電電極と平行に、且つ
各主放電電極対を区切る位置にて形成された、等間隔に
切断部を有する複数の主放電側隔壁と、アドレス側基板
の内側表面において、前記主放電側隔壁の高さよりも高
く且つ前記主放電電極と交差する方向にて平行に形成さ
れた複数のアドレス側隔壁と、各アドレス側隔壁の間に
あって当該アドレス側隔壁と平行な複数のアドレス電極
とを設け、前記アドレス側隔壁と前記主放電側隔壁とが
該主放電側隔壁の前記切断部にてされることにより、前
記放電空間をアドレス電極の延長方向においてのみ連通
するよう格子型に分離し、格子型に分離された各放電セ
ルにおける主放電電極対の放電によって前記アドレス側
基板上の蛍光体層を発光するような構成を採る。

また更に進んだ改良として本発明では、前記アドレス
電極を前記アドレス側隔壁側面に形成して、できるだけ
主放電電極に近づけた構成を採る。

〔作用〕

本発明では主放電側隔壁に等間隔で切断部を入れ、ア
ドレス側隔壁を該主放電側隔壁とその切断部において組
み合わせることにより、完全な格子形状を構成してい
る。

このため両隔壁によって格子型に完全分離された放電
セルは、他の放電セルの干渉を受けることなく正常に動
作するのである。

また、本発明によるアドレス電極はアドレス側隔壁の
側面に形成されているため、主放電電極に対して従来よ
りも近い位置から消去電圧を印加することができる。従
ってアドレス電極に印加する電圧は、従来に比して大幅
に低くすることが可能となる。

〔実施例〕

第１図は本発明の面放電型PDPの要部断面正面図であ
り、第２図は同側面図で、第１図Ｉ方向よりみたもので
ある。

図中第３図と同一のものは同一の符号で示しており、
８は主放電側隔壁４に等間隔ごとに設けられた切断部で
ある。

本実施例において主放電側隔壁４には、予め等間隔ご
とに切断部８が入れられている。この切断部８にアドレ
ス側隔壁３を挿入・結合することにより、各放電セルは
格子型に完全分離されるのである。

また、アドレス側隔壁３の高さを主放電側隔壁４の高
さよりも若干高くしてあるため、放電空間へのガス封入
も容易となっている。

本発明において格子形状を形成する両隔壁３、４は、
従来のようにPbOを主成分とする低融点ガラスを所定の
パターンに印刷することにより形成される。

一方、アドレス電極６はアドレス側隔壁３側面に形成
されているが、これは例えばスパッタ法等により形成す
ることが可能である。

実際に該アドレス電極６をアドレス側隔壁３側面に形
成し、該アドレス電極６と主放電電極５との距離を短く
することで、該アドレス電極６に印加する電圧を数十ボ
ルト下げることが可能となった。

他の実施例の説明 本発明ではアドレス側基板に形成したアドレス側隔壁
と、主放電側基板に形成した主放電側隔壁とを結合して
格子型の隔壁を構成しているが、これは予めどちらかの
基板上に格子型の隔壁を形成しておいても良い。

以上本発明を実施例により説明したが、本発明は本発
明の趣旨に従い種々の変形が可能であり、本発明からこ
れらを排除するものではない。

〔発明の効果〕

以上説明した様に本発明によれば、放電セルを完全に
分離できるという効果を奏し、またアドレス電極に印加
する電圧を低く抑えることができるという効果も奏す
る。

従って、カラークロストークや誤放電等の誤動作を防
止できることから、高品質の表示が可能となり、また消
費電力を抑えることも可能となることから係わるPDPの
性能向上に寄与するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の面放電型PDPの要部断面正面図、 第２図は、本発明の面放電型PDPの要部断面側面図、 第３図は、従来の面放電型PDPの要部断面正面図、 第４図は、従来の面放電型PDPの要部断面側面図、 第５図は、従来の面放電型PDPの電極構成平面図であ
る。 図中、１……アドレス側基板 ２……主放電側基板 ３……アドレス側隔壁 ４……主放電側隔壁 ５……主放電電極 ６……アドレス電極 ７……誘電体層 ８……切断部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正人 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−219438（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−98535（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−84177（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−22352（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−41139（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01J 11/00 - 11/02

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに向き合い、放電空間を規定する１対
   の基板と、 主放電側基板の内側表面において、平行に形成された複
   数対の主放電電極と、 該主放電電極を被覆する誘電体層と、 該誘電体層上において該主放電電極と平行に、且つ各主
   放電電極対を区切る位置にて形成された、等間隔ごとに
   切断部を有する複数の主放電側隔壁と、 アドレス側基板の内側表面において、前記主放電側隔壁
   の高さよりも高く且つ前記主放電電極と交差する方向に
   て平行に形成された複数のアドレス側隔壁と、 各アドレス側隔壁の間にあって当該アドレス側隔壁と平
   行な複数のアドレス電極とを有し、 前記アドレス側隔壁と前記主放電側隔壁とは、該主放電
   側隔壁の前記切断部にて結合されることにより、前記放
   電空間をアドレス電極の延長方向においてのみ連通する
   よう格子型に分離し、 格子型に分離された各放電セルにおける主放電電極対の
   放電によって前記アドレス側基板上の蛍光体層を発光す
   るように構成した ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
2. 【請求項２】前記アドレス電極は、前記アドレス側隔壁
   側面に形成されていることを特徴とする請求項１記載の
   プラズマディスプレイパネル。