JP2003234070A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JP2003234070A
JP2003234070A JP2002029699A JP2002029699A JP2003234070A JP 2003234070 A JP2003234070 A JP 2003234070A JP 2002029699 A JP2002029699 A JP 2002029699A JP 2002029699 A JP2002029699 A JP 2002029699A JP 2003234070 A JP2003234070 A JP 2003234070A
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Japan
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discharge
row
plasma display
display panel
row electrode
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Mario Tendo
真理男 天土
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Pioneer Display Products Corp
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Pioneer Display Products Corp
Pioneer Electronic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光のための維持放電が行われる放電セルと
は別個に形成された放電領域内において放電を発生させ
る面放電形式のマトリクス表示方式プラズマディスプレ
イパネルにおいて、小さな駆動電圧によって放電を発生
させることが出来るプラズマディスプレイパネルを提供
する。 【解決手段】 前面ガラス基板10に行電極対(X,
Y)とこの行電極対(X,Y)を被覆する誘電体層12
が設けられ、背面ガラス基板13に、行電極対と交差す
る部分の放電空間にそれぞれ表示放電セルC1を構成す
る列電極Dが設けられているプラズマディスプレイパネ
ルにおいて、列方向に隣接する表示放電セルC1の間
に、隣接する行電極対(X,Y)の互いに背中合わせに
位置する行電極XとY間で行われる放電が発生される放
電領域C2が形成され、この放電領域C2に対向する誘
電体層12の部分に凹溝12Aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガス放電による
マトリクス表示方式のプラズマディスプレイパネルに関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】現在、大型でかつ薄型
のカラー画面表示装置として、ガス放電によるマトリク
ス表示方式のAC型プラズマディスプレイパネル(以
下、PDPという)が商品化されている。
【0003】このマトリクス表示方式のPDPは、放電
空間を介して互いに対向された二枚の基板のうち、一方
の基板の内面側に、行方向に延び列方向に並設されてそ
れぞれ表示ラインを形成する複数の行電極対とこの行電
極対を被覆する誘電体層が形成され、他方の基板の内面
側に、列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差
する位置の放電空間にそれぞれ放電セルを構成する複数
の列電極と各放電セル内に位置される蛍光体層とが形成
されていて、行電極対の一方の行電極と列電極との間で
行われるアドレス放電によって、マトリクス状に配置さ
れている放電セルの誘電体層に選択的に壁電荷が形成さ
れ、この壁電荷が形成された放電セルにおける行電極対
間の維持放電によって蛍光体層が発光して、パネル面に
画像を形成する構成になっているものである。
【0004】このようなPDPにおいて、本件の出願人
は、先に、互いに対向する二枚の基板の間に、列方向に
延びる縦壁と行方向に延びる横壁によって放電空間を各
放電セル毎に行方向と列方向にマトリクス状に区画する
隔壁を形成し、さらに、この列方向において隣接する放
電セル間に横壁を二列形成することによって、この二列
の横壁の間に、発光のための維持放電を行う第1放電セ
ルとは別個に、隣接する行電極対の背中合わせに位置す
る行電極に対向してプライミング放電やリセット放電を
行う第2放電セルを形成したものを提案している。
【0005】この先の提案にかかるPDPは、第1放電
セルとは別個に形成された第2放電セル内においてリセ
ット放電を行わせることによって、このリセット放電に
よる発光によって表示画像が影響を受けるのを防止した
り、また、プライミング放電を行わせて、このプライミ
ング放電によって発生するプライミング粒子(種火)を
列方向において隣接している第1放電セル内に拡散させ
ることにより、第1放電セル内における画像形成のため
の維持放電を誘発するいわゆるプライミング効果を発揮
するようになっているものである。
【0006】このPDPにおいては、放電時のイオン衝
撃による蛍光体層の劣化を軽減してその長寿命化を図る
ために、第1放電セル内における維持放電が、行電極対
を被覆する誘電体層の内面側の平坦な面において面放電
形式によって行われる構成になっており、同様に、第2
放電セル内におけるリセット放電やプライミング放電
も、この第2放電セルに面している誘電体層の内面側の
平坦な面において面放電形式によって行われる構成にな
っている。
【0007】しかしながら、このリセット放電やプライ
ミング放電が面放電によって行われる場合には、これら
の放電が対向放電によって行われる場合に比べて、その
駆動電圧が大きくなり、このために、耐圧の大きい高価
な回路部品が必要になるという問題が生じる。
【0008】この発明は、上記のような面放電によるマ
トリクス表示方式のプラズマディスプレイパネルにおけ
る問題点を解決するために為されたものである。
【0009】すなわち、この発明は、発光のための維持
放電が行われる放電セルとは別個に形成された放電領域
内において放電を発生させる面放電形式のマトリクス表
示方式プラズマディスプレイパネルにおいて、小さな駆
動電圧によって放電を発生させることが出来るプラズマ
ディスプレイパネルを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるプラズ
マディスプレイパネルは、上記目的を達成するために、
放電空間を挟んで一対の基板が対向され、その一方の基
板の内面側に、行方向に延び列方向に並設されてそれぞ
れ表示ラインを構成する複数の行電極対とこの行電極対
を被覆する誘電体層が設けられ、他方の基板の内面側
に、列方向に延び行方向に並設されて行電極対と交差す
る部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を構成する複
数の列電極が設けられているプラズマディスプレイパネ
ルにおいて、列方向に隣接する前記単位発光領域の間
に、隣接する行電極対の互いに背中合わせに位置する行
電極間で行われる放電が発生される放電領域が形成さ
れ、この放電領域に対向する前記誘電体層の部分に凹部
が形成されていることを特徴としている。
【0011】この第1の発明によるプラズマディスプレ
イパネルは、全ての単位発光領域の誘電体層に壁電荷を
形成したりまたは誘電体層に形成されている壁電荷を全
て消去するリセット放電やプライミング粒子を発生させ
るためのプライミング放電が、隣接する行電極対の互い
に背中合わせに位置する行電極間において、列方向に隣
接する単位発光領域の間に形成された放電領域内で発生
される。
【0012】このとき、これらの放電は、誘電体層の放
電領域に対向する面上で発生されるが、この放電が発生
される誘電体層の部分に凹部が形成されていることによ
って、この凹部内において放電が対向放電に近い形で発
生されることになる。
【0013】したがって、この第1の発明によれば、放
電が誘電体層の平坦な面において面放電形式で行われる
場合と比べて対向放電に近い形で発生されることによ
り、放電の電界強度が強くなり、これによって、列方向
に隣接する単位発光領域の間に形成された放電領域内で
発生される放電の駆動電圧が、従来の面放電形式によっ
て行われる場合と比べて小さくなるとともに、耐圧が大
きい高価な回路部品を用いる必要がなくなる。
【0014】そして、放電領域内においてリセット放電
が発生される場合には、その駆動電圧が低下することに
よって、プラズマディスプレイパネルの暗コントラスト
の改善も期待できるようになる。
【0015】第2の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記凹部が、隣接する行電極対の互いに背中
合わせに位置する行電極の間の部分に対向する位置にお
いて、行方向と平行に延びる帯状に形成されていること
を特徴としている。
【0016】この第2の発明によれば、列方向に隣接す
る単位発光領域の間に形成された放電領域内における放
電が、誘電体層に行方向と平行に形成された帯状の凹部
内において対向放電に近い形で発生され、これによっ
て、面放電方式のプラズマディスプレイパネルにおい
て、放電領域内で発生される放電の電界強度が増大され
て、その放電の駆動電圧が低下される。
【0017】第3の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記誘電体層の行電極対を構成するそれぞれ
の行電極に対向する部分に他方の基板側に突出する凸部
が形成され、前記凹部がこの凸部の間に挟まれた部分に
形成されていることを特徴としている。
【0018】この第3の発明によれば、列方向に隣接す
る単位発光領域の間に形成された放電領域内における放
電が、誘電体層の放電領域に対向する部分に形成された
凹部内において発生され、この凹部が、誘電体層の行電
極に対向する部分にそれぞれ形成された凸部に挟まれた
位置に形成されていることによって、この凹部内におけ
る放電がさらに対向放電に近い形で発生されるようにな
り、これによって、面放電方式のプラズマディスプレイ
パネルにおいて、放電領域内で発生される放電の電界強
度がさらに増大されて、その放電の駆動電圧が低下され
る。
【0019】第4の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記凹部が、列方向に隣接する単位発光領域
の間毎に独立して形成されていることを特徴としてい
る。
【0020】この第4の発明によれば、列方向に隣接す
る単位発光領域の間に形成された放電領域内における放
電が、列方向に隣接する単位発光領域の間毎に独立して
形成された凹部内において対向放電に近い形で発生さ
れ、これによって、面放電方式のプラズマディスプレイ
パネルにおいて、放電領域内で発生される放電の電界強
度が増大されて、その放電の駆動電圧が低下される。
【0021】第5の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記行電極対を構成する行電極が、行方向に
延びる電極本体部とこの電極本体部から単位発光領域毎
に列方向に延びる透明電極部とによって構成され、この
行電極の透明電極部が電極本体部から隣接する行電極対
の背中合わせに位置する他の行電極側にそれぞれ突出し
て、この透明電極部の突出部分が、前記凹部に対向する
位置において所定のギャップを介して互いに対向されて
いることを特徴としている。
【0022】この第5の発明によれば、列方向に隣接す
る単位発光領域の間に形成された放電領域内において放
電が発生され、この放電が、誘電体層の凹部が形成され
ている部分において従来の面放電よりも対向放電に近い
形で発生されることによって、この放電の電界強度が強
まり、これによって、その放電を行うための駆動電圧
が、従来の面放電形式によるプラズマディスプレイパネ
ルの場合と比べて小さくなるとともに、耐圧が大きい高
価な回路部品を用いる必要がなくなる。
【0023】そして、この放電領域内において行われる
放電が、互いに背中合わせに位置する行電極の透明電極
部のそれぞれ電極本体部から放電領域に対向する側に張
り出した突出部分の間において行われることによって、
小さな放電開始電圧により放電が開始されるようにな
る。
【0024】第6の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記一方の基板の放電領域に対向する部分に
凹所が形成されて、隣接する行電極対の互いに背中合わ
せに位置する行電極の一部がこの凹所内に位置されてい
ることを特徴としている。
【0025】この第6の発明によれば、行電極対が形成
される一方の基板の列方向に隣接する単位発光領域の間
に形成された放電領域に対向する位置に、行電極の一部
を収容する凹所が形成されることによって、この一方の
基板の内面側に厚膜材料のパターン印刷などの手法によ
って誘電体層を形成する際に、形成された誘電体層の放
電領域に面する部分に凹部が形成される。
【0026】そして、この誘電体層の凹部によって、放
電領域内における放電が対向放電に近い形で発生される
ようになる。
【0027】第7の発明によるプラズマディスプレイパ
ネルは、前記目的を達成するために、第1の発明の構成
に加えて、前記凹部の中心位置が、隣接する行電極対の
互いに背中合わせに位置する行電極の間の部分の中心位
置に対してオフセットしていることを特徴としている。
【0028】この第7の発明によれば、誘電体層の列方
向に隣接する単位発光領域の間の放電領域に対向する位
置に形成された凹部の中心位置が、この放電領域内にお
いて放電を発生させる行電極の間の部分の中心位置に対
してオフセットしている場合でも、この誘電体層の凹部
内において行われる行電極間の放電が対向放電に近い形
で発生されて、その放電の駆動電圧を低下させることが
出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思わ
れる実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説
明を行う。
【0030】図1ないし3は、この発明によるプラズマ
ディスプレイパネル(以下、PDPという)の実施形態
の第1の例を示すものであって、図1はこの第1の例に
おけるPDPを模式的に示す正面図であり、図2は図1
のV1−V1線における断面図、図3は図1のW1−W
1線における断面図である。
【0031】この図1ないし3において、表示面である
前面ガラス基板10の背面に、複数の行電極対(X,
Y)が、前面ガラス基板10の行方向(図1の左右方
向)に延びるように平行に配列されており、この各一対
の行電極XとYによって、それぞれ、マトリクス表示の
一表示ライン(行)が構成されている。
【0032】行電極Xは、T字形状に形成されたITO
等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基
板10の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に
接続された金属膜からなるバス電極Xbとによって構成
されている。
【0033】行電極Yも同様に、T字形状に形成された
ITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガ
ラス基板10の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基
端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybとによっ
て構成されている。
【0034】そして、各行電極対(X,Y)において、
バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明
電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延
びて、それぞれの幅広部の頂辺が所要の幅の放電ギャッ
プgを介して互いに対向されている。
【0035】前面ガラス基板10の背面には、隣接する
行電極対(X,Y)のそれぞれの互いに背中合わせにな
ったバス電極XbとYbの間に、行方向に沿って延びる
黒色の光吸収層11が形成されている。
【0036】前面ガラス基板10の背面には、行電極対
(X,Y)を被覆するように誘電体層12が形成されて
おり、さらに、この誘電体層12の背面側には、MgO
からなる図示しない保護層が形成されている。
【0037】一方、前面ガラス基板10と平行に配置さ
れた背面ガラス基板13の表示側の面上には、列電極D
が、各行電極対(X,Y)の互いに対となった透明電極
XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,
Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに
所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0038】背面ガラス基板13の表示側の面上には、
さらに、列電極Dを被覆する列電極保護層14が形成さ
れ、この列電極保護層14上に、隔壁15が形成されて
いる。
【0039】この隔壁15は、互いに平行に配列された
各列電極Dの間の位置において列方向に延びる縦壁15
aと、行電極Xのバス電極Xbと対向する位置において
行方向に延びる第1横壁15b1と、行電極Yのバス電
極Ybと対向する位置において行方向に延びる第2横壁
15b2とによって梯子状に形成されており、この梯子
状の隔壁15によって、前面ガラス基板10と背面ガラ
ス基板13の間の放電空間が、各行電極対(X,Y)に
おいて対となった透明電極XaとYaに対向する部分毎
に方形に区画されることによって、マトリクス状に配置
される表示放電セルC1が形成されている。
【0040】この梯子状の隔壁15は、互いに隣接する
隔壁15間の背中合わせに位置する第1横壁15b1と
第2横壁15b2との間が離間されていて、この背中合
わせに位置する第1横壁15b1と第2横壁15b2と
の間に、互いに隣接する行電極対(X,Y)の背中合わ
せに位置するバス電極XbとYbの間の部分の領域に対
向する放電領域C2が形成されている。
【0041】そして、この放電領域C2は、第1横壁1
5b1に形成された連通溝15Cを介して、この第1横
壁15b1を挟んで隣接する表示放電セルC1に連通さ
れているが、第2横壁15b2を挟んで隣接する反対側
の表示放電セルC1とは、第2横壁15b2の先端が誘
電体層12に当接されていることによって、その間が閉
じられている。
【0042】誘電体層12の放電領域C2に対向する部
分には、行方向に延びる帯状の凹溝12Aが形成されて
いて、この誘電体層12の放電領域C2に対向する部分
の厚さが、誘電体層12の他の部分の厚さよりも薄くな
っている。
【0043】各表示放電セルC1に面する隔壁15の縦
壁15aおよび第1横壁15b1,第2横壁15b2の
内側面と列電極保護層14の表面には、これらの五つの
面を全て覆うように蛍光体層16が形成されていて、こ
の蛍光体層16の色が、各表示放電セルC1毎に、行方
向に沿って赤,緑,青の色が順に並ぶようにそれぞれ色
分けされている。
【0044】そして、表示放電セルC1および放電領域
C2内には、放電ガスが封入されている。
【0045】このPDPにおいて、全ての表示放電セル
C1の誘電体層12に壁電荷を形成したりまたは誘電体
層12に形成されている壁電荷を全て消去するリセット
放電が、放電領域C2内において、互いに隣接する行電
極対(X,Y)の背中合わせに位置するバス電極Xbと
Ybの間で行われる。
【0046】また、表示放電セルC1の誘電体層12に
形成された壁電荷を選択的に消去したりまたは誘電体層
12に壁電荷を選択的に形成するアドレス放電が行電極
Yと列電極Dとの間で行われる際に、放電領域C2内に
おいて、互いに隣接する行電極対(X,Y)の背中合わ
せに位置するバス電極XbとYbの間で、プライミング
放電が発生される。
【0047】そして、このリセット放電やプライミング
放電が発生される誘電体層12の放電領域C2に面する
部分に凹溝12Aが形成されていることによって、図2
に示されるように、放電領域C2内における放電d1の
大部分がこの凹溝12A内において発生される。
【0048】このため、放電領域C2内における放電d
1が、誘電体層の平坦な面において面放電形式で行われ
る場合と比べて、対向放電に近い形で発生されるように
なり、放電の電界強度が増大される。
【0049】これによって、リセット放電やプライミン
グ放電の駆動電圧が、従来の面放電形式によるPDPの
場合と比べて小さくなるとともに、耐圧が大きい高価な
回路部品を用いる必要がなくなり、さらに、リセット放
電の駆動電圧が低下することによる暗コントラストの改
善も期待できるようになる。
【0050】なお、凹溝12Aの両側面は、前面ガラス
基板10に対する角度が直角に近くなるほどリセット放
電やプライミング放電が対向放電に近くなって、その駆
動電圧が小さくなる。
【0051】このリセット放電によって生成された荷電
粒子は、第1横壁15b1に形成された連通溝15Cを
介して隣接する表示放電セルC1内に導入されて、表示
放電セルC1のリセット(誘電体層12への壁電荷の形
成や形成されている壁電荷の消去)を行い、また、プラ
イミング放電によって生成されたプライミング粒子も同
様に、第1横壁15b1に形成された連通溝15Cを介
して隣接する表示放電セルC1内に導入されて、行電極
X,Yの透明電極Xa,Ya間で行われる維持放電を誘
発するプライミング効果が発揮される。
【0052】なお、上記PDPにおいては、背中合わせ
に対向するバス電極XbとYbの間に光吸収層11が形
成されて、放電領域C2の表示側の面がカバーされてい
ることにより、放電領域C2内において発生されるリセ
ット放電やプライミング放電による発光が画像表示面に
漏れて画像のコントラストに悪影響が及ぶのが防止され
る。
【0053】また、この例においては、隔壁15の縦壁
15aに形成された連通溝15Dによって、行方向にお
いて隣接する表示放電セルC1同士が互いに連通されて
おり、この連通溝15Dを介して、製造時における排気
や放電ガスの充填,プライミング効果を発揮する荷電粒
子の移動などが行われる。
【0054】図4ないし6は、この発明によるPDPの
実施形態の第2の例を示すものであって、図4はこの第
2の例におけるPDPを模式的に示す正面図であり、図
5は図4のV2−V2線における断面図、図6は図4の
W2−W2線における断面図である。
【0055】この第2の例のPDPは、誘電体層22の
第1横壁15b1と対向する部分に、行方向に帯状に延
びるとともに誘電体層22の背面から背面ガラス基板1
3側に突出する凸条22Bが形成され、第2横壁15b
2と対向する部分に、行方向に帯状の延びるとともに誘
電体層22の背面から背面ガラス基板13側に突出する
凸条22Cが形成されていて、前述した第1の例の凹溝
12Aに対応する凹溝22Aが、誘電体層22の凸条2
2Bと22Cとの間の放電領域C2に対向する部分に形
成されている。
【0056】他の部分の構成は、第1の例のPDPと同
様であり、同一の符号が付されている。
【0057】この第2の例によるPDPも、前述した第
1の例のPDPと同様に、放電領域C2内においてリセ
ット放電やプライミング放電が発生されるとともに、図
5に示されるように、この放電領域C2内における放電
d2の大部分が凸条22Bと22Cに挟まれた凹溝22
A内において発生される。
【0058】これによって、放電領域C2内における放
電d2が、誘電体層の平坦な面において面放電形式で行
われる場合と比べて、対向放電に近い形で発生されるよ
うになり、放電の電界強度が増大されることによって、
リセット放電やプライミング放電の駆動電圧が従来の面
放電形式によるPDPの場合と比べて小さくなるととも
に、リセット放電の駆動電圧が低下することによる暗コ
ントラストの改善も期待できるようになる。
【0059】そして、この第2の例のPDPは、凹溝2
2Aが凸条22Bと22Cに挟まれていることによっ
て、その深さが第1の例のPDPの凹溝12Aと比べて
さらに深くなっており、これによって、凹溝22A内に
おける放電d2が、対向放電にさらに近い形で行われる
ようになるので、その電界強度がさらに増大されて駆動
電圧がさらに小さくなる。
【0060】図7ないし9は、この発明によるPDPの
実施形態の第3の例を示すものであって、図7はこの第
3の例におけるPDPを模式的に示す正面図であり、図
8は図7のV3−V3線における断面図、図9は図7の
W3−W3線における断面図である。
【0061】この第3の例におけるPDPは、前述した
第1の例の凹溝12Aが行方向に沿って延びる帯状に形
成されているのに対し、誘電体層32の放電領域C2に
対向する部分に、凹溝32Aが、列電極Dに対向する部
分毎に独立して形成されている。
【0062】他の部分の構成は、第1の例のPDPと同
様であり、同一の符号が付されている。
【0063】この第3の例によるPDPも、前述した第
1の例のPDPと同様に、放電領域C2内においてリセ
ット放電やプライミング放電が発生され、図8に示され
るように、この放電d3が、誘電体層32の凹溝32A
が形成されている部分において従来の面放電よりも対向
放電に近い形で発生されることによって、この放電d3
の電界強度が増大され、これによって、リセット放電や
プライミング放電を行うための駆動電圧が、従来の面放
電形式によるPDPの場合と比べて小さくなるととも
に、耐圧が大きい高価な回路部品を用いる必要がなくな
る。
【0064】図10および11は、この発明によるPD
Pの実施形態の第4の例を示すものであって、図10は
この第4の例におけるPDPを模式的に示す正面図であ
り、図11は図10のV4−V4線における断面図であ
る。
【0065】この第4の例におけるPDPは、行電極X
1の透明電極X1aの基端部X1a’が、バス電極X1
bから背中合わせに隣接する行電極Y1側に突出してお
り、行電極Y1の透明電極Y1aの基端部Y1a’も、
バス電極Y1bから背中合わせに隣接する行電極X1側
に突出して、この互いに背中合わせに位置する行電極X
とYのそれぞれの基端部X1a’とY1a’が、放電ギ
ャップg’を介して互いに対向されている。
【0066】他の部分の構成は、第1の例のPDPと同
様であり、同一の符号が付されている。
【0067】この第4の例によるPDPも、前述した第
1の例のPDPと同様に、放電領域C2内においてリセ
ット放電やプライミング放電が発生され、図11に示さ
れるように、この放電d4が、誘電体層42の凹溝42
Aが形成されている部分において従来の面放電よりも対
向放電に近い形で発生されることによって、この放電d
4の電界強度が増大され、これによって、リセット放電
やプライミング放電を行うための駆動電圧が、従来の面
放電形式によるPDPの場合と比べて小さくなるととも
に、耐圧が大きい高価な回路部品を用いる必要がなくな
る。
【0068】そして、この第4の例によるPDPは、放
電領域C2内において行われるリセット放電やプライミ
ング放電が、互いに背中合わせに位置する行電極XとY
の透明電極Xa,Yaのそれぞれバス電極Xb,Ybか
ら放電領域C2に対向する側に張り出された基端部X1
a’とY1a’の間において行われることによって、小
さな放電開始電圧により放電が開始されるようになる。
【0069】図12は、この発明の実施形態における第
5の例のPDPを、第1の例の図2と同じ位置において
断面して示す図面である。
【0070】この第5の例のPDPは、前面ガラス基板
50の放電領域C2に対向する部分に、行方向に沿って
延びる凹溝50Aが形成されていて、この凹溝50Aの
内側面に沿って行電極X2,Y2のそれぞれのバス電極
X2b,Y2bが形成され、光吸収層51もこの凹溝5
0A内に形成されている。
【0071】他の部分の構成は、第1の例のPDPと同
様であり、同一の符号が付されている。
【0072】このように、前面ガラス基板50側に放電
領域C2に対向する凹溝50Aが形成されることによっ
て、この前面ガラス基板50の背面側に厚膜材料のパタ
ーン印刷などの手法によって誘電体層52が形成される
際に、この誘電体層52の放電領域C2に面する部分に
凹溝52Aが形成され、この凹溝52Aによって対向放
電領域が形成されて、放電領域C2内における放電d5
が、図に示されるように、対向放電に近い形で発生され
るようになる。
【0073】なお、上記各例のPDPにおいては、誘電
体層に形成された凹溝の中心位置と背中合わせに対向す
るバス電極間の中心位置とが一致している例が示されて
いるが、この誘電体層に形成された凹溝の中心位置と背
中合わせに対向するバス電極間の中心位置は、必ずしも
一致している必要は無く、図13に示される誘電体層6
2の凹溝62Aのように、その中心位置が背中合わせに
対向するバス電極Xb,Yb間の中心位置に対してオフ
セットするように形成されていても良い。
【0074】上記各例のPDPにおいて、誘電体層への
凹溝や凸条の形成は、厚膜材料のパターン印刷や感光性
ガラスペーストのフォトリソグラフィによるパターニン
グなどの手法によって行われる。
【0075】なお、上記各例のPDPにおいては、表示
放電セルが格子状の隔壁によって区画されているが、列
方向に延びる帯状の隔壁によって表示放電セルを区画す
るようにしても良い。また、表示放電セルC1と放電領
域C2との連通は、誘電体層側にスリットを形成して行
うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の例を模式的に表す正面図であ
る。
【図2】図1のV1−V1線における断面図である。
【図3】図1のW1−W1線における断面図である。
【図4】この発明の第2の例を模式的に表す正面図であ
る。
【図5】図4のV2−V2線における断面図である。
【図6】図4のW2−W2線における断面図である。
【図7】この発明の第3の例を模式的に表す正面図であ
る。
【図8】図7のV3−V3線における断面図である。
【図9】図7のW3−W3線における断面図である。
【図10】この発明の第4の例を模式的に表す正面図で
ある。
【図11】図10のV4−V4線における断面図であ
る。
【図12】この発明の第5の例を模式的に表す断面図で
ある。
【図13】この発明の他の例を模式的に表す断面図であ
る。
【符号の説明】
10,50 …前面ガラス基
板(一方の基板) 12,22,32,42,52,62 …誘電体層 12A,22A,32A,42A,52A,62A…凹
溝(凹部) 22B,22C …凸条(凸部) 11,51 …光吸収層 13 …背面ガラス基
板(他方の基板) 14 …列電極保護層 15 …隔壁 15a …縦壁 15b1,15b2 …横壁 15C …連通溝 15D …連通溝 16 …蛍光体層 X,X1,X2,Y,Y1,Y2 …行電極 Xa,X1a,X2a,Ya,Y1a,Y2a…透明電
極(透明電極部) Xb,X1b,X2b,Yb,Y1b,Y2b…バス電
極(電極本体部) Xa1’,Ya1’ …基端部(突
出部分) D …列電極 C1 …表示放電セル
(単位発光領域) C2 …放電領域 g …放電ギャップ d1,d2,d3,d4,d5 …放電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 GA01 GB03 GC02 GC04 GF03 GF12 GF16 GF20 JA12 JA15 JA17 LA02 LA12 MA12 MA14 MA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を挟んで一対の基板が対向さ
    れ、その一方の基板の内面側に、行方向に延び列方向に
    並設されてそれぞれ表示ラインを構成する複数の行電極
    対とこの行電極対を被覆する誘電体層が設けられ、他方
    の基板の内面側に、列方向に延び行方向に並設されて行
    電極対と交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領
    域を構成する複数の列電極が設けられているプラズマデ
    ィスプレイパネルにおいて、 列方向に隣接する前記単位発光領域の間に、隣接する行
    電極対の互いに背中合わせに位置する行電極間で行われ
    る放電が発生される放電領域が形成され、 この放電領域に対向する前記誘電体層の部分に凹部が形
    成されている、 ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記凹部が、隣接する行電極対の互いに
    背中合わせに位置する行電極の間の部分に対向する位置
    において、行方向と平行に延びる帯状に形成されている
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層の行電極対を構成するそれ
    ぞれの行電極に対向する部分に他方の基板側に突出する
    凸部が形成され、前記凹部がこの凸部の間に挟まれた部
    分に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  4. 【請求項4】 前記凹部が、列方向に隣接する単位発光
    領域の間毎に独立して形成されている請求項1に記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 前記行電極対を構成する行電極が、行方
    向に延びる電極本体部とこの電極本体部から単位発光領
    域毎に列方向に延びる透明電極部とによって構成され、
    この行電極の透明電極部が電極本体部から隣接する行電
    極対の背中合わせに位置する他の行電極側にそれぞれ突
    出して、この透明電極部の突出部分が、前記凹部に対向
    する位置において所定のギャップを介して互いに対向さ
    れている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネ
    ル。
  6. 【請求項6】 前記一方の基板の放電領域に対向する部
    分に凹所が形成されて、隣接する行電極対の互いに背中
    合わせに位置する行電極の一部がこの凹所内に位置され
    ている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 前記凹部の中心位置が、隣接する行電極
    対の互いに背中合わせに位置する行電極の間の部分の中
    心位置に対してオフセットしている請求項1に記載のプ
    ラズマディスプレイパネル。
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